漠然と抱いていた宇宙への憧れは、物理を使えばより身近になる

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

河野 理夏子

1.現在、どんな研究をしていますか?

探究活動に興味がある中高生に配布する小型の宇宙線検出器を、他の学部生達と協力して製作し、それと同時に中高生の研究サポートも行なっています。検出器の大きさは10cm程度で持ち運びやすく、今では日本と海外の学生達が共同で観測・解析を行なっているグループもあります。

宇宙線とは宇宙空間で飛び交っている高エネルギーの放射線のことで、大気中の原子と相互作用することで多種多様な粒子が生成されます。それらのほとんどはミューオンという粒子で、地表にシャワーの様に降り注いでいます。それらを観測する検出器では、宇宙線を観測した時に発光するシンチレーターという物質を利用しています。この光を電流に変換し、その信号を処理することでデータを取得しています。宇宙線の他にもサイクロトロンを用いた実験や、多種多様な研究テーマのサポートもしています。

2.興味を持ったきっかけは?

高校生の時に物理に興味を持ちました。小学生から漠然と抱いていた宇宙への憧れは、物理を使えばより身近になると知ったからです。シンプルな理論を目指すという学問姿勢も暗記が嫌いな私に響きました。

東北大に入る前に偶然東北大の先生と知り合い、入学した後も色々な機会を頂きました。物理だけでなく物理以外の分野にも触れることで柔軟な思考を持てる様になった気がします。そうしていくうちに実験物理に興味が湧いて今に至ります。

今は原子核分野に興味があって色々な研究室の先生や学生さん達の研究を見学しに行っています。世の中は偶然の連続なので、この行動も何か将来の自分の研究活動のきっかけになるかもしれません。

3.メッセージ

物理分野において、東北大にある実験施設はとてもオープンです。ふらっと訪ねても時間があれば、研究者の方々はニコニコしながらいっぱい説明し、見学させてくれます。先程も言ったのですが世の中は偶然の連続なので、自ら一歩足を踏み出したら良い感じに事が進んで、様々な機会を貰えるかもしれません(勿論貰えない事の方が多いですが)。是非大学を活用してみてください。