研究の役に立てること、その研究が少しでも実を結べるように

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

佐藤 由佳

1.現在、どんな仕事をしていますか?

硝子機器開発・研修室は現在3名の技術職員が在籍しています。学内にガラス工場があることをご存知ない方もいると思います。ですが、ガラス工場の開設は東北帝国大学理科大学が開設された年と同じ明治44年なのです。私たちは伝統と進化を積み重ねた技術を駆使して日々の業務に取り組んでいます。主な業務内容は、理学部内をはじめ大学内の研究室で使われるガラス製の実験器具の製作及び修理、またガラス工作実習の指導などです。学生や先生方の依頼で個々の研究に適した、一般に市販されていないオリジナルの実験器具を製作しています。私の仕事は自分の技術の向上が目に見えて現れます。例えばガラスを溶接するとき、始めはつなぎ目がぐちゃぐちゃでも、技術の鍛錬と工夫をして少しずつきれいなつなぎ目で溶接できるようになります。そして、次に加工するときはもっときれいにもっと早くできよう日々技術を磨いています。

2.興味をもったきっかけは?

中学生の時に、理科の授業が好きになりそれから化学を中心に学んできました。将来は化学に少しでも携わる仕事がしてみたいと思うようになり、就職を考えていた頃に今の職場の求人募集を見つけました。その時は、「大学に実験器具を作る人がいるなんて!」、「大学で働くってどんな感じだろう」と思いました。漠然とした感じで自分が働くイメージも出来ませんでしたが、見学をして実際にガラス加工の様子を目の当たりにしたとき一瞬で心が動かされたことを今でも覚えています。その繊細さや、大胆さを人の手で自在に作り上げる様子に感銘を受けました。しかしガラス細工の経験が全く無い私にできるだろうか?これまで女性の技術者がいなかったらしいが大丈夫だろうか?と不安もありました。ですが、技術力は全て就職してから学んだと聞きスタートは同じなのだから、自分次第でいくらでも可能性があるのではないかと思いました。

3.メッセージ

大学には研究を支援している人が沢山います。それは実験器具の製作・開発に限らず様々な分野で独自の技術と知識をもったプロフェッショナルです。ですが皆共通しているのは、研究の役に立てること、その研究が少しでも実を結べるようにと研究をサポートしていると思います。そしてそれは、技術者自身のやりがいにもなっています。皆さんが今興味のあること、これから興味を持つことそれを研究したいと思ったとき、指導してくれる先生や一緒に探求する仲間、技術的支援をする技術者、大学生活を支援する職員など沢山の人たちが皆さんの周りにいます。多くの出会いがあり、豊かな学びの場になる事でしょう。私もこれから皆さんと出会えることを楽しみにしています。