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インタビュー
  第25回猿橋賞を受賞された小谷元子教授にお話を伺いました。猿橋賞は、「女性科学者に明るい未来の会」(古在由秀会長)が自然科学の分野で、顕著な研究業績を収めた女性科学者に、毎年贈呈している賞です。受賞テーマは「離散幾何解析による結晶格子の研究」です。
 理系の女性研究者といって私が最初に頭に浮かんだのは森博司のミステリ「すべてがFになる」の登場人物真賀田四季でした。あのイメージをもって小谷教授に話しを伺いに行きましたので、はつらつとした先生にお会いして圧倒されました。また、自分のライフワークである数学の人気のなさを本当に嘆いていて、私たち広報室スタッフ2人にも『魔法陣』や『群』の本などを例とって、その面白い所を熱く語って下さいました。
「数学は一番語学に近いと思う。科学を記述する言語であるという所が」
  先生にインタビューをして数学に対する考え方が変わりました。中学校の頃に小谷先生にお話を伺っていたら、人生ががらっと変わっていたと思います。

小谷教授

◆インタビュー◆

―いつから数学に興味を持ちましたか―


小学校の算数はあまり好きではなかったですね。 分数の計算とか間違えてしまうので…。 むしろ中学校で算数から数学になって好きになりました。

それは数学の先生の教え方が良かったからですか

教え方だけじゃなく、(私は)先生にいろいろ質問しにいったりするいやな生徒だったので(笑)、本(啓蒙書等)を読んで「これは論理的に間違っている、それはどう考えてもおかしい」と質問した時にいろいろ指導してくれたんですね。

―高校の時はどうでしたか―

高校の時は数学と物理しかやってなかったかもしれませんね。 文系では現代国語がすごく好きでした。私の高校の現代国語の先生が名物教師で、物の考え方を教わって、それは今でも影響をうけています。 意外かもしれませんが,数学でも最終的には、その人の人格が研究に表れるので、自分なりの物の考え方をきちっと持つことや,人格形成は大切です。そういうものなしに訓練とか技術だけ身につけてもそんなに良い研究はできないと思うんです。自分が何をやりたいかというのは、自分の価値観に関係しているので、価値観を磨かなくてはいけないと感じます。

―数学のおもしろいところは―

自分で自由に考えて良いところですね。

―自由に考えて良いのですか―

数学が一番自由だと思います。 例えば、初等幾何などは解き方が決まっていなくて、どうしたらいいかわからなかった問題が補助線を引くと簡単に答えが出せて、ぱっと目の前が開ける感じがあります。 本来ならば数学は、どうしてそう考えるか教えて,理解をしているかを確認するためだけに問題を解くものなので、問題を訓練して解くというのはおもしろいはずはないです。私が子供の頃は、教える先生もゆったりしていて、「考えてごらん。どういうふうにあなたなら解きますか」という姿勢でした。

―最近自分が何をやりたいのか見失ってしまう学生がいますが―  

科学などは大学院に進んで、自分が手を動かすような研究を始めないと本当に面白さがわからないのかもしれませんね。本当に好きにならないと。私も最初は、科学があまりに進化していて、最先端がすごく遠くに思えたので、勉強する以上に自分に何か新しくできる事があるのかどうかわからなくて、ちょっと絶望的な気分になりました。でも、実際には、すごく身近にあって自分が最先端でできることはすぐに見つかることがわかりました。最初は出来上がってしまったことばかり教わるので、それに追いつくことができないし、そこに自分が加われるとも思えない。ただ、2、3年やれば身近で、自分にできることが見つかるとわかってもらえるんじゃないかな。

―先生は男女共同参画に熱心に取り組んでらっしゃると伺いましたが、これから東北大学に何を期待されますか―  

東北大学は熱心にやっていると思います。21世紀COEプログラムもありますし。これからは、男の人でも気楽に育児休業がとれるようになるといいですね。

―猿橋賞受賞について―  

最初は単純にうれしいと。その後、この賞は特別な賞なので、プレッシャーを感じました。 女性が不利になることが今でもあるのと思うので、私がいい加減だと『女性科学者は』と言われてしまう。後進のためにも責任があります。オススメ本

―なにか数学が面白くなるオススメ本を教えて下さい―

A・ヴェイユ著:「初学者のための整数論」
原田耕一郎著:「群の発見」
佐藤肇・一樂重雄著:「幾何の魔術」
小林昭七著:「ユークリッド幾何から現代幾何へ」
小川洋子著:「博士が愛した数式」

◆小谷元子教授(コタニ モトコ):数学専攻
専門分野:微分幾何学
研究テーマ:スペクトル幾何学と調和写像
小谷元子教授の本:ユルゲン・ヨスト著「ポストモダン解析学」
              「21世紀の数学」 他 小谷教授の本

 
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