◆インタビュー◆
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どんなきっかけで、この衛星設計コンテストに参加したのですか? ―
東北大学の理学研究科と工学研究科が共同で小型衛星を打ち上げるというプロジェクトがあり、そのつながりで2年前に、学生たちも理工共同でこのコンテストに参加してはどうかということになったそうです。そして、昨年参加した先輩から、このコンテストに出てみないかと誘われたのがきっかけです。このコンテストは既に理工共同参加の恒例行事のような感じになっていると思います。
― 昨年のコンテストでは、東北大学チームは受賞したのですか? ―
去年は設計大賞ではありませんでしたが、地球電磁気・地球惑星圏学会賞を受賞しました。2年前から理工合同チームで参加し、今年初めて設計大賞を受賞することができたので、喜びもひとしおです。
書類による第1次審査とプレゼンテーションによる最終審査があり、最終審査会には、各部門5校ぐらい出場できます。
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今回参加している人たちはどういう研究室の学生さんたちですか? ―
理学側は、地球物理学専攻の同じ研究グループ(太陽惑星空間系グループ)の学生たちです。
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一緒に参加した工学研究科(工学部)の学生さんたちとは、前から知り合いだったのですか?―
面識はなかったのですが、最初のミーティングで昨年参加した先輩に紹介してもらい、その後多くのミーティングを通して交流を深めました。
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このコンテストに参加するのに、どれぐらい前から準備を始めましたか?またどのようなスケジュールでしたか? ―
理学側だけのミーティングが4月に始まりました。それから6月末にある設計解析書の提出締め切りに向けて、週1回ぐらいのペースで理工合同のミーティングを開きながら、衛星の構想を練っていきました。
6月末の締め切りの後、8月に第1次審査(設計解析書による審査)の結果通知が来ます。そのときに審査結果と併せて、審査員からのアドヴァイスや質問・コメント等をもらうので、それを基にもう一度検討して、解析書を書き直します。その設計解析書改訂版の提出と質問に対する回答の締め切りが10月上旬です。そして10月末、最終審査会が行われます。
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初めて会った人たちとまとめるのは大変ではなかったですか? ―
工学側の人たちとは、メールでこまめに連絡を取るようにしました。時には夜中の3時とか4時にメールのやり取りをすることもあったりして・・・。締め切りが迫ったときは、夜でも工学メンバーと頻繁にミーティングをしました。また、最終審査の前は、プレゼンテーションの準備で夜遅くまでやりました。
― どのようにして“地球大気流出観測衛星〜O+(OPLUS)”に決まったのですか? ―
理学側内でいくつかアイディアを出し合って、その中からサイエンスとして新しく面白いもの、また実現性のあるものを選びました。そして理学側で選出した2〜3のアイディアの中から、衛星として設計できそうなものをさらに工学側の人たちが選びました。今回のアイディアは、小野高幸先生の研究グループセミナーの中で出たERG(エルグ)という衛星プロジェクトがヒントになっています。それを基に、具体的に観測の目的・手法などを考えました。
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理学研究科・工学研究科のそれぞれの役割とは? ―
理学側からは、サイエンスとしてのミッションアイディアを出します。衛星がどういう目的で何を観測するのか、そのためにどういった観測装置を搭載するのかなど、サイエンスミッションの解説と観測装置の2項目について具体的に検討するのが私たちの役割です。
また、“O+(OPLUS)”という名前を考えたのは理学メンバーの田村君です。ちなみに名前の由来ですが、 “Observation of Outflow PLasma Using EUV Satellite”の頭文字から取ったもので、語呂は本ミッションの観測対象である酸素イオン(O+)を連想しやすく、聞いただけでミッションの内容を把握しやすい名前にしてみました。また、Oは地球を、+は衛星が地球を周回している姿をイメージできるということでこの名前になりました。工学側は、綿密な計算やシミュレーションをしながら衛星を設計します。衛星の軌道や姿勢制御、電源、地上との通信、放射線対策など、衛星を打ち上げて運用するのに必要な、多くの技術的要素を全て解析します。このコンテストでは、衛星の設計が主な審査対象なので、工学側の皆さんがより多く関わっているし、彼らの地道な作業と研究がこの受賞に繋がったんだと思います。
最終審査会のプレゼンテーションでは、理学メンバーがミッションの目的や意義、搭載する観測機器(今回の場合はカメラ)について10分間話し、工学メンバーが、衛星全体の設計概要と衛星における各コンポーネントの解析結果を15分間話しました。その後、審査員との質疑応答が10分間行われました。
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プレゼンテーションをした田所さんに聞きますが、当日は緊張しましたか? ―
個人的には緊張しなかったけれど、短い時間でかなりのことを話さなければならなかったので、工学メンバーの堀内さんは大分緊張していたようでした。自分も、プレゼンテーションの練習にはかなり力をいれました。時間が限られているので、後ろにずれないようにがんばりました。先生や先輩にも聞いてもらって、アドヴァイスをもらいました。コンテストに行く車の中や、ホテルでも最後まで練習したかな。
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大賞を受賞したこの衛星が実際に打ち上げられるということはありますか? ―
コンテストの主催者側が打ち上げるということはないと思います。東北大学として将来打ち上げてもらうと面白いでしょうけれど、ちょっと難しいかも・・・。
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工学研究科との共同作業はどう思いますか? ―
前回参加した先輩からも言われたことですが、工学メンバーとの連携により、理学が専門の私たちだけでは出てこなかった違った発想やいろいろな見方を発見できて、良い刺激になります。参加している工学メンバーのみなさんは優秀な人たちが集まっているので、仕事や研究の面でも良い勉強になりました。
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このような理工共同の研究についてどう思いますか? ―
このコンテストのように、今後は理学と工学が共同でプロジェクトを進めていくことが重要になってくると思います。東北大学として、理学研究科と工学研究科が協力し合い、お互いの良い面を活かしながら研究をすることが理想です。ただ、今までそういう機会が多くはなかったので、突然共同でやろうと思ってもなかなか難しいかもしれませんね。なので、このような小さなプロジェクトから、徐々に効率的な協力を実現していけば良いのではないでしょうか。
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後輩へのメッセージ ―
このようなコンテストは工学の人たちとの交流のきっかけともなるので、ぜひ参加してほしいですね。自分の研究と両立してやらなければならないこともあり、結構つらいことも出てきますが、理学的な面でも工学的な面でも、自分の研究分野とは少し違った世界へ視野を広めることができて、とても良い経験になります。大変な分だけ得るものは大きいので、どんどんこのコンテストに挑戦してください。健闘を祈ります。
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