東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

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2017年9月21日レポート

【広報サポーターレポート】9月9日 (土) ぶらりがく「地球温暖化問題ってなに?」

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今回は9月9日(土)開催「ぶらりがく」の様子を中尾美紗子(理学研究科地学専攻修士1年)がお伝えします!

 9月9日(土)東北大学理学研究科合同C棟2階多目的室にて、地球物理学専攻の早坂忠裕教授による、ぶらりがく「地球温暖化問題ってなに?」が開催されました。当日は約30名の一般の方と一緒に、知っているようでよく知らない "地球温暖化" について様々な視点から理解を深めました。今回のテーマが地球温暖化ということで、いつにも増して大人の参加者が多く、理学の視点から見た地球温暖化に関する早坂教授のお話に聞き入っている様子が印象的でした(図1)。


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図1:当日の会場の様子

 数年前まではよくニュースとして取り上げられていた地球温暖化。今では小学生から大人まで、この問題を知らない人はほとんどいません。しかし、いざ地球温暖化について問われると、答えられる人はそう多くはいないのではないでしょうか。「地球温暖化の要因、そのメカニズムって何だろう?」「温暖化は地球規模で普遍的に起こっているのだろうか?」など疑問はどんどん浮かびます。今回は「そういえば、どうして?」と改めて考えさせられるような地球温暖化に関する疑問について、対話を通じて早坂教授がわかりやすく教えてくれました。
 まず始めに、「地球温暖化はどういう仕組みで起こっているのか?」という疑問を取り上げました。地球温暖化は二酸化炭素などの温室効果気体が原因であると知っている人は多いかもしれませんが、では温室効果とは一体何でしょうか? 普段は気に留めないような一歩踏み込んだ疑問について、今回は赤外線センサーを用いてわかりやすく教えていただきました。温室効果気体をガラス板に例え、ガラス板を通した場合と通さない場合で赤外線センサーの示す温度が変わることを確認し、実際に地表面や下層大気から出ている赤外線も同じ仕組みで吸収されていることを目の当たりに体感しました。
 次に、「地球温暖化の現状はどうなっているの?」という疑問を取り上げました。さくらの開花日とかえでの紅葉日の長期変化を紹介してもらい、身近な「気温」という指標で温暖化を感じることができることを知りました。私自身も昔に比べ、さくらの開花が早くなったという気がしていましたが、実際にそれをグラフで確かめると「ああ、やっぱりそうだったのか!」と感心しました。
 最後に、「海面水位はなぜ上昇しているのか?」という疑問を取り上げました。今回、冒頭で「地球温暖化と聞いて連想する言葉は何ですか?」と参加者の方に聞いてみると、「南極の氷床が溶ける」と答えてくださった方がいました。では、南極の氷床は年間どのくらい溶けているのでしょうか?また、世界中の海面水位は等しく上昇しているのでしょうか? それらの疑問に対し、早坂教授が用意してくださった様々なデータを見ながら、じっくり考えていきました。データをまとめた図の中には、北極を中心とした北半球の地図があり、普段見慣れない地図に一瞬困惑している方もいらっしゃるようでしたが、親子で地図の見方を教えあう様子も見られました。
 その他、地球温暖化に伴う将来の気候予測に関する研究についても紹介していただきました。地球温暖化というテーマの面白さは、子どもから大人まで幅広い年齢の人が比較的対等に語ることができる点だと私は思います。参加者の方から挙がった「家庭でできる温暖化対策はありますか?」という問いに対し、早坂教授は地球温暖化問題に関心をもってもらうよう、周囲の人と地球温暖化について対話することが重要だとおっしゃっていました。皆さんも今回のぶらりがくをきっかけに、改めて地球温暖化について考えてみてはいかがでしょうか。


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