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2018年3月27日レポート

3月9日(金)生物学科 水野健作教授 最終講義

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3月9日(金)、生命科学研究科プロジェクト総合研究棟 講義室にて、生物学科 水野健作教授の最終講義「The long and winding road-ペプチドホルモンからシグナル伝達研究へ―」が行われました。水野先生は、細胞運動・形態形成、細胞増殖・分化、細胞がん化を制御するシグナル伝達機構の研究をされています。大阪大学理学部から宮崎、九州大学を経て1999年に東北大学に着任されました。会場は満席となりたくさんの方々が聴講され、水野先生のお人柄を表す会となりました。

水野健作先生よりメッセージをいただきました

1999年春に理学研究科生物学専攻に着任しました。着任の前日の3月31日に雪が降り、暖かい九州から来た私は、あまりの寒さに驚いたことを今でもよく覚えています。2001年に生命科学研究科が設立され、本務はそちらに移りましたが、その後も理学部生物学科の兼担として、合わせて19年間、青葉山の理学部生物棟において、研究と教育に打ち込むことができました。その間、理学研究科・理学部の皆様には大変お世話になりましたことを感謝いたします。
私は、以前にはペプチドホルモンとそのプロセシング酵素の精製と構造解析や、細胞増殖因子とその受容体の機能解析の研究を行っていましたが、1994年に偶然見出した新しいプロテインキナーゼ、LIMキナーゼの発見をきっかけとして、アクチン細胞骨格を制御するシグナル伝達機構を主な研究テーマとするようになりました。東北大学に赴任してからは、LIMキナーゼ-コフィリン経路を中心とした細胞骨格のシグナル伝達機構と、その細胞運動や細胞応答における機能の解析を進めてきました。さらに、最近では、細胞のメカノセンシング機構や一次繊毛の形成機構にも興味を持って研究を進めています。研究テーマの決定は研究者にとってもっとも重要なことの一つですが、私はこのようにいろいろなテーマで研究を進めてきました。最終講義の題目に挙げましたように、"The long and winding road"を、曲がり角ではテーマに迷いながらも、その時々では自分がもっとも興味をもったテーマ、そしてその領域の中ではもっとも重要で解決すべきテーマを選んで挑戦してきたつもりです。
青葉山での19年間、幸いにも、多くの熱心な学生や仲間に出会い、ともに研究に打ち込めたことを心から感謝しています。

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  生命科学研究科の大橋一正先生より
水野先生へのメッセージをいただきました  

私は、九州大学の大学院生時代より水野先生にご指導頂き、水野先生が九州大学から東北大学の教授として赴任された時に一緒に東北大学に参りました。合わせましてこれまで26年間ご指導頂きました。水野先生は、細胞応答における細胞内情報伝達の分子機構について研究されてきました。特に、動物細胞が様々な外環境の刺激を受け取り、細胞内のアクチン骨格を動的に変化させて応答する多様な仕組みについて多くの重要な発見をされました。そして、そのご研究は現在の繊毛の形成機構の研究につながり新たな発展を続けています。研究室は、水野先生のお人柄から多くの学生、ポスドクが集まり、自由な雰囲気で皆さんが生き生きとした活気のある部屋でした。水野先生は、学生の自由な発想を尊重し、先見の明をもってご指導されたことが多くの成果につながっていったと思います。私も、その中で自由に研究をさせて頂き独立することが出来ました。心より感謝申し上げます。これからは総長特命教授として研究の面白さを若い学生にご教示され、研究もさらに発展されることと思います。現在でも、研究だけでなくテニスに百名山の登頂制覇にと楽しく挑戦されている姿は、私の理想として目標とさせて頂きたいと思っております。これからも益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

20180309_220.jpg 2006年の研究室の集合写真(中央広場にて。多くの学生、ポスドクが集まっていた頃の写真です。)前列中央 水野教授、前列左より2番目 大橋。


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