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2018年3月29日レポート

3月24日(土)地球物理学専攻 花輪 公雄 教授 最終講義

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 3月24日(土)、理学研究科大講義室にて、地球物理学専攻 花輪 公雄 教授の最終講義「東北大学に世話になった47年間 -教育と研究、そして大学運営-」が行われました。
 花輪先生は、1971年の大学入学から現在までの47年間を東北大学一筋で過ごされました。その間、研究や教育・大学運営と、本学発展のために多大なる貢献をされました。ご専門は海洋物理学です。
 本講義では、花輪先生の略暦、研究活動(の裏話)、大学運営の三部構成でお話されました。また、途中途中で花輪先生の好きな言葉が紹介されました。質疑応答では、聴講者が花輪先生とのエピソードを展開するなど、大変思い出深い講義となりました。講義後には、これまでの花輪先生の教育・研究、大学運営へのご尽力とご功績に感謝と敬意を込めて花束が贈呈され、盛大な拍手が送られました。

花輪先生よりメッセージをいただきました  

 1971年4月に理学部物理系学科に入学して以来、あっという間に47年が過ぎました。最終講義をやる日は遠い先のことと考えてもいなかったのですが、その日程が決まり準備をしなければならなくなると、さすがに47年間を振り返ることが多くなりました。
 47年間は、学生として過ごした10年間、曲がりなりにも研究と教育に勤しんだ27年間、そして最後は大学運営に専念した10年間と分けることができます。
 学生時代は学位を取得するために一つのテーマに集中するのが一般的ですが、指導教員が外国出張したこともあり、後輩の研究テーマにも付き合ったことが特徴でしょうか。研究は興味の赴くままに、研究室の仲間たちや、日本や世界の仲間たちと行ってきました。知ることの苦しみと喜びを、十分に味わえたと思います。
 ここ10年間は、理学研究科長・理学部長と教育担当の理事職にありました。大学運営を専門的学ぶ機会などは当然ありませんでしたので、すべてが手探り状態でしたが、多くの先生方や事務系職員の方に支えられて何とかこなすことができたのではと思います。
 これで定年退職を迎えるわけですが、理学研究科、そして東北大学が、教育と研究で世界から尊敬される大学になっていくことを期待し、今後はOBとして微力ながらも貢献できればと思っております。

pic.jpg ▲「気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 」第1作業部会第4次評価報告書第5章 (海洋) の執筆メンバー (2006年6月28日、ノルウェーのベルゲン近郊にて、後列左端が筆者)


  地球物理学専攻の須賀利雄先生より
花輪先生へのメッセージをいただきました  

 花輪先生の『流体力学演習』の授業を受けた学部3年次から数えると、35年の長きにわたりご指導いただいたことになります。先生の授業は、非常によく整理されており、現象の具体的なイメージを明快に説明する内容に引き込まれたことを思い出します。4年生になり、先生が助手として所属されていた海洋物理学講座に配属されました。そこでは、先生を兄貴分のように慕う多くの大学院生たちが、先生を囲んで日々議論し、生き生きと研究していました。そこが、当時、世界的にもまだ注目されていなかった大規模大気海洋相互作用の研究の「ゆりかご」であったことは、その後の「歴史」が証明しています。その背景には、先生の学問的な先見性はもちろんのこと、人間的魅力があったことは間違いありません。そんな世界に出会い、その仲間になれたことは、私の人生の最大の幸運でありました。
 周囲の人を引き寄せる、先生の人間的な魅力の源泉は何なのか?少なくとも、その一つは、先生の膨大な読書量にあると思っています。先生は、ご自身で「活字中毒」と称されるほどの読書家です。先生のウェブサイトの「書評欄」をご覧になればわかるとおり、幅広いジャンルを網羅しています。話題の豊富さはもちろんのこと、物事を多面的に捉え、全体の構造を把握し、課題に建設的に取り組む力の源もそこにあるのではないかと折に触れ思っておりました。そんな先生を、周囲が放っておくはずはなく、学会、研究科、大学全体を指導する立場の重責を次々に担われることになったのは、必然だったと思われます。
 先生は読書家であるだけでなく、名エッセイストとしてもよく知られています。科学から日常の出来事まで幅広い題材を扱った、示唆に富んだエッセイには多くのファンがいます。重責から解放された今、大作に挑んで、われわれを楽しませてくれるのでは、と密かに期待しているのは私だけではないと思います。先生のご健康と新たなステージでのますますのご活躍をお祈りいたします。

1986pic.jpg ▲1986年当時の海洋物理学講座(鳥羽研究室)。前列右から二人目が花輪先生。

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