東北大学 大学院理学研究科・理学部

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【受賞】大山次男さん(元・東北大学理学部技術部職員)が日本地質学会功労賞を受賞

 大山次男さん(元・東北大学理学部技術部職員)が日本地質学会功労賞を受賞を受賞しました。

 日本地質学会功労賞とは、地質学の普及・発展のために特に功労のあった個人及び団体について、その功績をたたえるために創設された賞です。

 

 

■ 賞  名:日本地質学会功労賞
■ 功労業績:岩石研磨薄片技術の高度化
■ 受賞理由:
 大山次男氏は、1967年4月に東北大学理学部岩石鉱物鉱床学教室(現東北大学理学部地球惑星物質科学科)の薄片室に採用されて以来、2010年3月に定年退職するまでの43年間、岩石薄片の作製とその技術の高度化に尽力した。退職後も、その薄片作製の技術力を後進に伝承するべく、再雇用職員および非常勤職員として、現役で活躍中である。この間、2001年には文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞を受賞した。また2006年には、日本岩石鉱物特殊技術研究会(現日本薄片研磨片技術研究会)の会長職に就任し、日本全国の薄片研磨技術職員を統括し、各地で薄片技術に関するセミナーや研究会を立ち上げた。このような取り組みによって、日本の地質学や地球科学系学科の全国的な薄片技術の基礎力アップに貢献した。
 大山氏は強い科学的探究心も有し、薄片作製の傍ら地球科学に関する専門知識の習得にも努め、1998年には仙台市太白山の輝石安山岩中の晶洞に産するクリストバライトに関する学術論文を発表した。同論文では、晶洞に産する石英について、薄片観察・電子顕微鏡観察・X線回折を通してクリストバライトであることを見出し、安山岩固結後に揮発成分か高温流体が貫入し、そこからクリストバライトが結晶成長したことを証明した。
 大山氏は岩石薄片作製を通して、日本における地質学研究を支えてきただけでなく、教育にも大きな貢献を果たした。東北大学が輩出した多くの研究者・技術者・教育者が、大山氏の熱意ある献身的作業により、研究を大きく進展させることができた。
 以上のように、大山次男氏の地質学の研究・教育に対する貢献は極めて大きく、まさに縁の下の力持ちという存在と評価される。この貢献は日本地質学会の功労賞に値するものと考え、同賞に推薦する。


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