発表のポイント

● 北半球の亜熱帯の海水温（深さ100〜400メートル程度）が、最近100年間で約1度上昇していることを発見。

● 亜熱帯の海の顕著な水温上昇は、地球温暖化に伴う黒潮などの暖流の変化によると指摘。

● 地球温暖化下での海洋による熱の吸収・蓄積過程解明に向けた大きな一歩。

研究の概要

　東北大学学際科学フロンティア研究所の杉本周作助教らの研究グループは、北半球の亜熱帯の海水温（深さ100〜400メートル）が、最近100年間で約1度上昇していることを発見しました（図1）。この上昇は、世界平均の海面水温の上昇速度の約2倍であり、亜熱帯の海で温暖化が著しいことを明らかにするものです。海水温上昇は、海水の熱膨張に伴う海面上昇を正確に見積もる上でとても重要です。本発見は、これまで謎に包まれていた地球温暖化下での海洋による熱の吸収・蓄積過程を解明する大きな一歩になることが期待されます。

図1：北太平洋・北大西洋の亜熱帯の海水温の変化。点線は1910年以降、実線は1948年以降のデータから計算した水温トレンド。

□ 東北大学ウェブサイト

研究の概要

タイトル：Enhanced warming of the subtropical mode water in the North Pacific and North Atlantic
著者名：Shusaku Sugimoto, Kimio Hanawa, Tomowo Watanabe, Toshio Suga and Shang-Ping Xie
掲載誌：Nature Climate Change
doi:10.1038/nclimate3371
URL:https://www.nature.com/nclimate/journal/vaop/ncurrent/full/nclimate3371.html
掲載日：2017年8月21日　オンライン速報版

問い合わせ先

＜研究に関すること＞
東北大学 学際科学フロンティア研究所／大学院理学研究科
助教　杉本　周作
電話　022-795-6529
E-mail　sugimoto[at]pol.gp.tohoku.ac.jp

＜報道に関すること＞
東北大学 学際科学フロンティア研究所
URA　鈴木　一行
電話　022-795-4353
E-mail　suzukik[at]fris.tohoku.ac.jp
＊[at]を@に置き換えてください