自分の感覚に合った分野がきっと見つかるはず

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

堀 和明

1.現在、どんな研究をしていますか?

日本を含むアジアの沿岸域や河川氾濫原を対象に、地形・堆積システムの発達過程や、それらが過去約2万年間の海水準変動や気候変動とどのように関係しているかを検討しています。野外でのボーリング調査や、室内での地形解析、試料分析などを組み合わせて研究対象に迫っています。

2021年度に仙台に来たので、東北地方を調査地とした研究も進めていきたいと考えています。

2.興味を持ったきっかけは?

子どもの頃、広島県から出たことがなかったので、「とにかく県外に行ってみたい」という気持ちだけがいつも頭のどこかにありました。呉市の仁方(にがた)に行ったのに、新潟県に行けたのだと勘違いして、がっかりしたこともありました。その頃のぼんやりとした遠い場所への憧れみたいなものが、国内外の自然環境を対象とする現在の研究や仕事につながっているのかなと思います。

また、大学入学時は薬学部に行こうと思っていたものの、理学で環境に関することを研究できるのかなと考え、理学部の地理学に進学しました。そこで研究されていたのは自分がイメージしていた環境ではなく、地形学や気候学、人文地理学でした。学部生の頃は教室自体がのんびりしているようにみえたので、研究を職業にできたらよいなあと漠然と考えていました。

地形学のなかでは、第四紀学とも関連する河川や沿岸にみられる低地(日本では沖積低地と呼ばれている)の変遷や形成に興味が湧き、何をやってよいか分からない時期もありましたが、しがみついているうちに現在に至るといった感じです。

3.メッセージ

大学で働くようになって、工学(理工学)、文学、理学といろいろな職場を経験しました。学部によってカリキュラムや研究の対象、研究の進め方などは大きく異なりますが、大学なのでやっていることは結局「学問」や「学術」です。

東北大の理学部には各学科の中にさまざまな研究分野があるので、能動的な人にも、自分のような受動的な人にも、自分の感覚に合った分野がきっと見つかるはずです。

仙台に来て2年目ですが、理学部のある青葉山の自然はすごいです。青葉山に遊びに来て、そのすごさを体感してください。