今、怖気づいている人も、平気な振りをして試してみる

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

市川 温子

1.現在、どんな研究をしていますか?

素粒子の一つニュートリノの性質を調べています。茨城県にあるJ-PARCという加速器で作り出したニュートリノを約300キロメートル離れた岐阜県にあるスーパーカミオカンデ検出器で測定するT2K(ティーツーケー)という名の実験をしています。この実験では、ニュートリノと反ニュートリノの振舞いに違いがあるのかどうかなどを調べています。また他には、AXEL(あくせる)という実験で、ニュートリノを出さない二重ベータ崩壊という現象を探そうとしています。こちらは、ニュートリノと反ニュートリノが実は同一の粒子なのではないか、という説を検証しようとしています。その場合、同一の粒子であっても、スピン(自転)の向きが異なる、つまり進行方向に向かって左巻きだとニュートリノ、右巻きだと反ニュートリノとして振る舞います。とても不思議な粒子で、その不思議さが、素粒子の起源や宇宙の始まりの謎を解く重要な鍵となっています。

2.興味を持ったきっかけは?

身の回りに満ちているのに中々捕まえられない所に魅力を感じてしまいました。

3.メッセージ

私はもともとはヘタれで新しいことに挑戦したくても怖気づいてしまうような人間でしたが、虚勢を張って「こんなの平気」という振りをしているうちに、なんだか平気に感じるようになってきました。今、怖気づいている人も、平気な振りをして試してみるのもいいかもしれません。