素粒子の一つニュートリノの性質を調べています。茨城県にあるJ-PARCという加速器で作り出したニュートリノを約300キロメートル離れた岐阜県にあるスーパーカミオカンデ検出器で測定するT2K(ティーツーケー)という名の実験をしています。この実験では、ニュートリノと反ニュートリノの振舞いに違いがあるのかどうかなどを調べています。また他には、AXEL(あくせる)という実験で、ニュートリノを出さない二重ベータ崩壊という現象を探そうとしています。こちらは、ニュートリノと反ニュートリノが実は同一の粒子なのではないか、という説を検証しようとしています。その場合、同一の粒子であっても、スピン(自転)の向きが異なる、つまり進行方向に向かって左巻きだとニュートリノ、右巻きだと反ニュートリノとして振る舞います。とても不思議な粒子で、その不思議さが、素粒子の起源や宇宙の始まりの謎を解く重要な鍵となっています。