まず、理学部には金属とガラスを加工する工場の存在をご存知でしょうか。機器開発研修棟(地図上のH-35)の1階に金工場(5名)、2階に硝子工場(3名)に作業服の技術職員が所属しています。私達は、大学の研究に必要な装置や部品の設計、製作などの研究支援と、学生に向けた機械工作実習の実施などの教育支援の他に、各施設の転倒防止作業などの安全管理を行っています。理学部は多数の専攻があるため、毎日たくさんの研究室や他部局から依頼がきます。また、緊急の故障や修理などの駆け込み寺的な要素もあります。依頼者の要望に応え、喜んでもらうためには何をすればよいのかを念頭に置き、頭を悩ませながら図面を引き、工作機械を操っている毎日です。
大工の家系で育ち、家に木工室のような作業場がありました。小さい頃はお人形遊びやままごとはせず、鉋で色々な所を削ったり、墨つぼの糸を引いては床中に線を付けたりと大工道具がおもちゃ代わりだったそうです。小学生になると、ものが作られていく過程を味わう事が大好きで、絵を描いたり裁縫をするにしても、構図や型紙をしっかり考える、いわゆる段取りで仕上がりが決まることを知りました。頭でイメージしたものが形になるものづくりって面白いなと思ったのがきっかけです。
興味のある事にどんどんチャレンジし、自分の個性や得意分野を磨いてください。そして、「これだけは人に負けない」という自らの強みを持ってください。それが社会に出たときに大きな武器になります。好きな仕事に就ける人はそんなにいないかも知れませんが、行動してみなければ、いつどんなチャンスが回ってくるか分かりません。チャンスをものにするかは、巡ってきた時に気づけるか気づかないかの差ですから、いつもアンテナを張り巡らせてください。そして、行動を起こす前から壁をつくって言い訳してすぐ諦めるのではなく、失敗したとしても直すところを見つけたら、「それが分かればチャンスをつかむための大きなヒントになる」と思ってください。人生がうまくいく人は「想像力」が豊かです。そして「先読みする力」の要素も持っています。物事をうまく進めていくためには、相手の立場に立って物事を考えることが大切です。これらの行動はコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を構築でき、自分をより良い方向へ導いてくれると思います。