未知とワクワクを大学生活で楽しんでください

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

渡辺 寛子先生
物理学専攻、
ニュートリノ科学研究センター
助教

1.
現在、どんな研究をしていますか?

素粒子ニュートリノの観測により、地球を駆動する動力源を明らかにしようとしています。電荷を持たず質量も極端に軽いニュートリノは高い透過性を持つため、何でも通り抜けて長い距離を飛ぶことができます。その性質故に観測は困難であるものの、地球深部のウラン・トリウム・カリウムといった放射性熱源物質の崩壊で発生する「地球ニュートリノ」の観測によって放射性熱量を理解するという道具として用いることもできます。私は、東北大学の主導する国際共同研究であるKamLAND実験に携わっています。岐阜県の神岡鉱山内の地下約1km、高さ約20mの世界最大の液体シンチレーター検出器で、2005年の地球ニュートリノの世界初観測以来、「ニュートリノ地球科学」という学際的な研究分野を率いています。近年は、更に有益な知見を得るため、研究分野の垣根を超えて様々な分野の方々と試行錯誤しています。より深部のマントルの謎の解明を目指し、ニュートリノ検出器を深海に設置する「Ocean Bottom Detector」プロジェクトを進めています。

2.
興味を持ったきっかけは?

物理に興味を持ったのは高校の授業で「物理は未来を計算できる」と言われたのが覚えている最初のきっかけです。学部生の頃に漠然と実験分野への興味を持っていた時に、日本が世界を率いているニュートリノ実験の存在を知り、すっかり魅了されてしまいました。この世界にはまだまだ解明できていない謎が残されていて、その謎解きに自ら挑戦できることに魅力を感じています。最近携わっている分野横断的研究は、解明したい科学的興味を共にしながらも全く異なる研究分野や手法を統合していく過程が面白いです。

3.
メッセージ

大学の研究は、謎を解き明かす方法を考え、実行する手段を開発し、新しいアイディアを検証する楽しさがあります。うまくいかないことばかりですが、そこからも何かを得つつ進んでいくと、その先にはまだ世界の誰も知らないことを垣間見られるかもしれない、という研究の醍醐味が待ち構えています。研究は自分の考えや研究の方向性を変えてしまう様な新たな体験に満ち溢れているので、時に勇気も必要だと思います。未知とワクワクを大学生活で楽しんでください!

名前:
渡辺 寛子(わたなべ ひろこ)
所属:
物理学専攻、ニュートリノ科学研究センター 助教
研究室:
ニュートリノ科学研究センター
出身地:
宮城県
最近読んでいる本:
地球、海、人間、宇宙(加古里子。子供向けの絵本ですが奥が深いです。)
研究分野:
ニュートリノ実験
掲載日:
2023.4.19
JAEN