青葉山には、世界最先端の研究をしている研究者が、たくさんいます。その一端に触れてみませんか。

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

安中 さやか

1.現在、どんな研究をしていますか?

過去100年程度の海洋環境の変化を明らかにする研究をしています。これまでに観測されたデータをたくさん集めてきて、統計的に処理することで、地球規模の変化を検出することができます。水温や流速などの物理データだけでなく、硝酸塩やケイ酸塩など、海水に含まれる化学成分の濃度や、クロロフィルなど、植物プランクトンに関連する物質のデータも扱っています。現在、各変数がどのような値でどのように分布しているのか、そして、それらがお互いに関係し合いながら、どのように変化してきたのかを、世界地図の上に描いています。

2.興味を持ったきっかけは?

地球物理学という分野を知ったのは、高校物理の授業でした。コリオリ力の話から、高校では気象を地学で学習するけれど、大学では物理の中に、地球物理があって、大気の流れを物理の法則で表すのだと、物理の先生がお話しされました。物理学への憧れと、環境問題への関心があった私は、その話に大変興味を持ち、地球物理学を志すようになりました。そして、無事、希望の学科への進学を果たした後、学部3年の研究室配属の際、気候変動など地球規模の現象を研究対象としていたことから、海洋物理学研究室を選択しました。その後は、周囲の人との協力関係を築くことで、解析対象を広げつつ、研究を続けています。

3.メッセージ

学生時代を仙台で過ごし、昨年10月に、十数年ぶりに戻ってきました。地下鉄が通り、入り口に新棟が建った理学部の風景は様変わりした一方、熱心に研究に励む姿やセミナーでの活発な議論はそのままでした。新型コロナウイルスの影響は少なからず残っていますが、オンラインの良さも活かした研究教育活動が行われています。

どんな分野の学問も、本気で取り組めば、面白く感じられるものだと思います。本気で取り組みたいと思う学問を見つけることが、大事なのかもしれません。青葉山には、様々な分野で世界最先端の研究をしている研究者が、たくさんいます。その一端に触れてみませんか。