楽しいこと・好きなことに情熱を注いで欲しい

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

経塚淳子

1.現在、どんな研究をしていますか?

曲げエネルギーに関する変分問題について研究しています。具体的には、曲線に対して定義される「曲げエネルギー」を最小化する曲線はどういったものかという問題で、解くとピアノ線の形状を記述するモデルが得られます。今から 200年以上前に Euler と Bernoulli の手紙のやり取りから始まった、歴史のある問題であり、未解明な部分も多くやりがいを感じる研究テーマです。周りのサポートもあり(写真1枚目は事務の坂内さん。笑顔で学生生活をサポートしてくれます)、充実した研究生活を送っています。

2.興味を持ったきっかけは?

熱拡散のモデルなど、自然現象を数学の言葉で記述できるということに驚きを覚えたことが大きなきっかけだと記憶しています。研究テーマもそうですが、研究の営み自体に面白さを見出したことが一番大きいと思います。未解明なことに挑戦するのでやりがいがある分難しさもあるわけですが、私は理論屋さんなので実験器具など無く、使う道具は主に自分の頭です。その為ずっと考えたのに分からない、上手くいかないー研究中は本当に苦しい時間が多いと思います。だからこそ、成果が出来上がったことに対する歓びはとても大きいです。目標の重量を上げるために日々厳しいワークアウトに励むという点で、研究活動は筋トレと通じるものがあると思います。私は筋トレが好きなので、そういった面で惹かれたのかもしれませんね。

3.メッセージ

私はのほほんと過ごしてきたので大それたことは言えませんが、高校生の皆さんには楽しいこと・好きなことに特に情熱を注いで欲しいです。つまらないこと・嫌なことは本当に必要な時にそれなりに頑張れば十分だと思います。例えば、私は高校時代英語が得意ではなく最小限の勉強しかしませんでしたが、今は英語で書かれた論文を読むなど研究上必要なので真摯に向き合っています。一方、当時磨いた数学は今なお自らの武器ですし、高校時代の部活やクラスの友達、恩師といった人間関係は、私の自慢の財産です。楽しい or 好きなことがあるのなら、それに集中すれば将来役に立たなくても素敵な思い出として一生涯残りますし、役に立つのなら、なおのことラッキーですよね。当時を振り返って「良かった!」と思えるような、素敵な高校生活を皆さんが過ごせることを祈っています。