“お前は物理をやれ”

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

服部 誠

1.現在、どんな研究をしていますか?

スペイン領カナリア諸島テネリフェ島のテイデ観測所内に設置した宇宙マイクロ波背景放射偏光観測専用望遠鏡GroundBIRDの装置開発・運用・データ解析を京大・理研・筑波大の研究者と協力して推進しています。東北大は、最新の超伝導ミリ波検出器の設計・開発・作成・性能評価を担当してきました。この実験は、スペイン・韓国・オランダとの国際共同研究です。業界の究極の目標である、宇宙創成期を記述するインフレーション理論の観測的検証に貢献できるデータ提供が研究目的です。マクロとミクロの中間スケールである星間極微粒子の熱・光物性の物理モデルの構築と観測との比較も行っています。この様なスケールはメゾスコピック系と呼ばれ、特有の物性を示します。星間微粒子からの熱放射の高精度全天地図作成を目指して、オスロ大とJAXAの研究者と協力して日本の赤外線観測衛星AKARIが取得した遠赤外線全天地図の再解析を行っています。

2.興味を持ったきっかけは?

高校時代、自分の生きる意味をずっと考え悩んでいました。そんな私を観て、当時信頼を寄せていた、担任の先生から“お前は物理をやれ”と言われ、物理学科に進学しました。大学では素粒子理論の研究室に所属していましたが、当時産声を挙げたばかりのインフレーション理論の存在を知り、宇宙創成期の研究に携わりたいと強く思いました。その後、数値流体シミュレーション・銀河団のX線およびミリ波サブミリ波観測・重力レンズ効果などを用いた観測的宇宙論研究を経て、今に至っています。

3.メッセージ

紆余曲折ありました。しかし、自分が本当にやりたいことの芯をしっかり持って、その時々やるべきことに全力で取り組んでいたら、いつの間にか学部4年生の時にどうしてもやりたいと思った研究に今取り組めています。私は、大学入学後から大学院修了まで生活費・授業料を全てアルバイトと奨学金で賄いました。特に学部1年から3年5月までの寮住み込みで新聞配達をしていた期間は、社会に貢献して稼いだお金で余暇に好きな物理の勉強をしていることに充実感を感じていました。大学に就職後も、自分が給料を貰っている理由は何か常に考えて、さまざまなことに取り組んでいます。

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