理論天文学から観測天文学への180度の方向転換

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

市川 隆

1.現在、どんな研究をしていますか?

銀河の進化を研究しています。130億年前から現在に至るまで、銀河がどのように進化してきたかに興味を持っています。10年以上も前になりますが、私たちの研究グループと国立天文台ハワイ観測所が協力して、すばる望遠鏡に搭載する世界最高性能の赤外線撮像分光装置を開発しました。その装置を用いて120億年前の銀河を探査し、銀河系の先祖に相当する銀河を発見しました。その装置は今も銀河の他、星や惑星、様々な天体の観測に世界中の研究者に使ってもらっています。現在は南極に天文台を作って、第2の地球とも言える系外惑星を観測する準備をしています。私も南極に行ってきました。研究室の学生も南極で越冬し、昭和基地から内陸に1000kmの所にある国立極地研究所のドームふじ基地に小型の望遠鏡を設置しました。将来の大型望遠鏡建設のための現地調査を行っています。

2.興味をもったきっかけは?

小学生の頃から科学者になる夢を持っていました。理科が好きだったので中学2年の時に少し背伸びして「物理学入門」という本を読みました。その中に書かれていた宇宙の構造の不思議に心を奪われ、天文学者になることを決めました。その後、大変な時期もありましたが、なんとか乗り越えて夢がかないました。

3.メッセージ

大学生活は皆さんが将来を決める決定的な時期です。子供の頃の夢を叶えるために勉強する所でもあり、将来の道を探す時でもあります。大学には様々な勉強の機会が用意されています。また多くの先生や友達との出会いの場でもあります。その中から是非、自分の優れた所、やりたいことを見つけ出してください。若い皆さんはたくさんの可能性を持っています。私は大学に入った頃、理論天文学者になりたいと思っていました。しかし、3年生の天体観測の実習を受けたときに、これだと思いました。理論天文学から観測天文学への180度の方向転換です。この実習で私が本当に好きなのは実験と観測であることに気がつきました。大学の4年間はあっという間です。まんべなく良い成績をとることよりも、自分のやりたいこと、自分の長所を見つけてそれを伸ばす努力が大切です。それが皆さんの将来の原動力となります。