生物多様性は非常に複雑です。様々な定義があり、測り方もたくさんあり、さらに、測り方によって結果が変わることもあります。私は、生態学的なビッグデータを用いて、統計モデルや機械学習モデルで生物多様性を説明する指標を作り、これを地図化することでそのパターンを調べています。
また、私は生態系サービスという自然から人が供給してもらう利益にも興味を持っています。こういうサービスは生態系機能によって生み出され、それ自体は生き物の様々な活動によって生成される。種の形態によるばらつきが高ければ、生態系機能も高まります。これは「機能多様性」という指標です。現在、私は研究の一部として、生態系サービスをもたらす生き物による機能多様性のホットスポットを日本全国で予測しています。
もちろん自然は自然のために保護すべきと思いますが、様々な価値の付けられない利益もあり、人間は自然からその全てを無料で消費しています。生き物のデータを使い、その利益を定量化し可視化すれば、自然の価値が理解しやすくなると思います。これまでは、全国や世界スケールでのデータ取得が困難だった一方で、現在、オープンで研究者が手に入れられる生物多様性のデータはたくさんあります。私はこうしたデータを利用し、自然の価値を定量化し、生物多様性のパターンをさらに理解することに興味があります。
どんなに新しい技術が生まれても、この世の中では自然が最も複雑で面白いものであることに変わりはないと思います。それゆえ、未だに解明されていないことも多いので、時代を問わず調べ続けることに価値があります。できる限り自然を守るべきですが、同時に自然界を研究し続けましょう。