「好きなものに行こう」と決めて数学科に進学しました

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

柳田 有貴子

1.現在、どんな研究をしていますか?

私は、暗号理論に動機づけられた整数論の研究をしており、特に同種グラフについて研究しています。同種グラフは、楕円曲線とそれらを結ぶ同種写像から構成されるグラフです。このグラフは豊かな数学的構造を持つだけでなく、情報がネットワーク内を効率よく拡散するという優れた性質を持っています。また、同種グラフからハッシュ関数という暗号技術を構成できることが既に示されており、実は暗号理論とも関わりを持つ不思議なグラフです。
私はこの同種グラフに対して、「閉路の個数」という観点に着目しています。閉路の個数を調べることは、グラフ全体の構造や複雑さを理解する手掛かりになるだけでなく、ネットワーク上で情報がどのように伝わるかといった性質の解析にもつながります。私は、この閉路の個数の上限を定量的に評価するための数式を導くことを目指し、研究を進めています。

2.興味を持ったきっかけは?

小学生のころから、数学にまつわるエッセイや読み物をよく読んでいました。その中で、数学が暗号をはじめとする身近な技術に応用されていることを知り、数学の持つ力強さに強く惹かれるようになりました。
その後、4年生セミナーの配属希望先を決める際に、ある先生にどの研究室に進むべきか相談しました。そのとき、楕円曲線などの代数に興味がある一方で、応用的な数学にも興味があることをお話ししたところ、「楕円曲線暗号というものがあるよ」と教えていただきました。そこから、楕円曲線が関係している暗号理論を広く研究してみたいと思ったのがきっかけです。

3.メッセージ

皆さんはやりたいことや将来のビジョンがありますか?私は高校時代、明確な目標が無く、どこの学科に行くかずっと悩んでいましたが、「好きなものに行こう」と決めて数学科に進学しました。今では数学科に来て本当に良かったと思っています。好きなものだからこそ、簡単には投げ出そうとはならないからです。悩んでいる方は、ぜひ自分の横にそっといてくれるような「好きなもの」に目を向けてはどうでしょうか。 また、人とのつながりも大切です。私自身、人との交流を通して新しい知見を手に入れ、ぐっと視野が広くなったような気がします。また、大学生活の中でたくさんの方々に支えていただきました。一期一会の機会を逃さずに、ぜひいろんな人に喋りかけてみてください。

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