地球は、過去にどのような環境だったのか、また、どのような気候変動を経験したのかを明らかにする研究をしています。ここでいう「過去」とは、近過去から人類の歴史よりもはるかに古い、太古の地球(過去5億年程度)までを含みます。太古の地球では、現代のような、衛星や測器などによる観測データが存在しません。そこで、地球上の物質(例えば、岩石・堆積物や化石など)から、過去の地球環境を読み解いています。例えば、岩石や化石の種類やそれらを構成する結晶・鉱物の組織、化学組成は過去の環境を示す指標として使うことができます。世界各地のフィールドから、様々な時代の岩石や化石を採取し、実験室でそれらの種類、組織、化学組成など調べることにより、観測データがない時代の気候や海洋環境(例えば、水温、pH、海流など)の変動を復元することができます。億年という悠久の時の中で、過去の地球および地球生物が経験した環境変動の実態を様々な時間スケールで解き明かし、「地球」という惑星における気候変動の本質をより深く理解したいと考えています。
私が中学・高校時代に、「地球温暖化」というキーワードをよく耳にするようになりました。ニュースやメディアから得られる情報を通じて「気候変動」というものに漠然と興味を抱いていましたが、高校では地学を履修しておらず、大学のどの学科で気候変動について学べるのかを知りませんでした。そんな時、図書館でたまたま手にした本の見開きに記述されていた「現在と未来の地球環境を知るためには、過去の地球を知る必要がある」という言葉が目にとまりました。この言葉との出会いが、地球科学という学問を志そうと思ったきっかけです。
学生時代にぜひ、「これだけは誰にも負けない」と思えるほど夢中になれるものをみつけてください!
情報で溢れる現代社会では、キーワードを検索すれば、欲しい情報が簡単に手に入ります。しかし、自分の好きなこと、得意なことや、自分の強み(才能)は、たとえAI技術が今後発展しても、検索して知り得るものではありません。自分自身と向き合い、様々な人と触れ、多くを学び、経験を積むことで、直感的に好きだと思える何かと出会えるのです。青葉山では、世界をリードする研究者や互いを高め合える同志が集い、日々、最先端の研究に取り組んでいます。そして、ここは、自分が本気で打ち込める対象や、自らの知的好奇心が刺激され、満たされる学問と出会える機会に溢れている場所でもあります。ぜひこの青葉山で、自分が本気で楽しい・面白いと思えることを探してみてください。