宇宙で起きる星の爆発現象を研究しています。空に浮かぶ星々はいつも同じように見えますが、それらの星の一部は大爆発を起こすことがわかっています。このような現象は「超新星爆発」と呼ばれます。星が爆発することで、星の中で作られた元素が宇宙空間にばらまかれます。宇宙が始まった時には水素とヘリウムと少量のリチウムだけしかなかったため、私たちの身の回りにある(そして私たちの体をつくっている!)様々な元素は星の中で作られたものなのです。星の爆発現象を調べることで、宇宙における元素の起源、さらには私たちの「ルーツ」を探ることができるのです。
最近では、金やプラチナなどの貴金属元素が宇宙のどこでできたのかに特に興味を持っています。これらの元素は、長年超新星爆発でできると考えられてきましたが、最近では中性子星という高密度な星が合体することでできた可能性が指摘されています。中性子星の合体は強い重力波を放つことが知られており、2017年に史上初めてこの重力波が捉えられました。これにより、元素の起源の理解が大きく進みつつあります。