こんなにシンプルな神経系からこれほど複雑な行動が!

青葉山の面々 - Message from Aobayama.

谷本 拓先生
生物学科、
生命科学研究科
教授

1.
現在、どんな研究をしていますか?

私たちの脳はポジティブな経験やネガティブな経験を、色や匂いなどの感覚と結びつけることで記憶します。この「連合学習」という仕組みについて、遺伝子操作が容易なショウジョウバエを使って研究しています。
あまねく動物は同じ共通祖先から進化し、その生命現象には共通したルールが存在します。ハエのシンプルな脳を調べることは、ヒトの複雑な脳を知るヒントになるだけでなく、脳の普遍的な原理を解明する近道と言えるでしょう。さらに最近は、「神経系の起源」を探るためにクラゲの研究も進めています。

2.
興味を持ったきっかけは?

東北大学に赴任して、新しい挑戦をしたいと思っていた時にクラゲと出会いました。クラゲは進化の最初期に神経系を獲得した動物で、網目状に点在する神経細胞しか持っていません。しかし、脳がないとは思えない多彩で精密な行動を見て、「こんなにシンプルな神経系でこれほど複雑な行動が!」と魅了されたのがきっかけです。
私たちの研究グループは最近、クラゲの食欲を調節する神経メカニズムを明らかにし、さらにその「満腹シグナル」がより後世に進化したハエにも保存されていることを突き止めました。生命現象の起源へと遡っていく面白さは、ダーウィンの時代から変わりません。

3.
メッセージ

日常生活、周りからはみ出さないように気を遣っていませんか。研究に求められるオリジナリティは、起源(Origin)を創ることです。変わり者といわれても、他の誰とも違うことをやりましょう。

名前:
谷本 拓(たにもと ひろむ)
所属:
生物学科、生命科学研究科
研究室:
神経行動分野
出身地:
神奈川県
最近読んでいる本:
『ヤマケイ登山学校 バックカントリースキー&スノーボード』
研究分野:
行動遺伝学
掲載日:
2024.10.31
JAEN