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    <title>東北大学大学院理学研究科・理学部</title>
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    <updated>2026-05-14T07:30:25Z</updated>
    
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    <title>プラズマによる窒素固定で月面農業を実現へ ―宇宙での食料自給と植物の健全成長を両立― - ニュース</title>
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    <published>2026-05-14T05:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-14T07:30:25Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;プラズマ技術を用いて空気中の窒素・...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="受賞・成果" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教職員" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="topics" label="topics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;プラズマ技術を用いて空気中の窒素・酸素から反応性物質を生成し、月面農業に利用可能な窒素固定（注１）技術を提案しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;窒素化合物の一つである五酸化二窒素（N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>）（注２）を利用することで、月レゴリス（注３）模擬土壌（注４）においてイネの生育が大きく向上することを実証しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>は窒素肥料としての役割に加え、植物免疫力（注５）の活性化や徒長（注６）の抑制にも寄与し、閉鎖環境での食料生産技術として有望であることを示しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260514-04-Plasma.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>NASA主導のアルテミス計画やJAXAによる月面拠点構想の進展により、月面での長期有人活動を支える食料生産技術の開発が重要な課題となっています。特に、月面土壌（レゴリス）には有機物や窒素肥料がほとんど含まれていないため、現地資源を活用した持続可能な農業技術が求められています。</p>
<p>東北大学大学院工学研究科/スペースクロステック研究センター（SXT）の金子俊郎教授、佐々木渉太准教授、大学院生命科学研究科/SXTの東谷篤志教授らの研究グループは、プラズマ技術を用いて空気から窒素化合物を生成し、特に五酸化二窒素（N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>）を高効率に合成する技術を開発してきました。また、JAXA宇宙探査イノベーションハブ大熊隼人主任研究開発員とともに本技術の月面農場への適用可能性についての議論を踏まえ、このN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>を水に溶かしたN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水を月レゴリス模擬土壌に適用し、イネの生育への影響を評価しました。その結果、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水は窒素肥料の供給源となるとともに、アルカリ性のレゴリスを中和し、カルシウムやマグネシウムなどの必須ミネラルの溶出を促進すること、有害なアルミニウムイオンの溶出を抑制することが明らかとなりました。また、植物の窒素取り込み関連遺伝子の発現が増加し、生育が大きく向上することが確認されました。さらに、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガスの噴霧により、植物の免疫応答や成長制御に関わる遺伝子発現も変化することが示されました。本成果は、月面における持続可能な食料生産の実現に向けた重要な基盤技術となるものです。本成果は科学誌npj Microgravityに2026年5月2日付けでEarly Access版として掲載されました。</p>
<br>
<br>
<h3>詳細な説明</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>NASAのアルテミス計画や欧州宇宙機関（ESA）の月面基地構想、JAXA宇宙探査イノベーションハブの「月面農場」構想など、月や火星への人類の長期滞在を目指す動きが世界中で活発化しています。こうした中、地球から食料を輸送する方法だけではコストや持続性の面で課題があり、宇宙空間で食料を自給する技術の開発が喫緊の課題となっています。</p>
<p>特に、月の表面を覆うレゴリスと呼ばれる土壌には、地球の土壌のように動植物の遺骸（有機態窒素）がほとんど含まれていません。そのため、植物の成長に不可欠な窒素源である硝酸態窒素やアンモニア態窒素が著しく不足しており、そのままでは作物の栽培が困難です。このような背景から、月面で食料を生産するためには、現地で窒素肥料を効率的に作り出す新しい技術が求められていました。</p>
<br>
<h4>今回の取り組み</h4>
<p>研究グループは、空気と水から効率的に窒素肥料成分を生成できる「低温プラズマ技術」に着目しました。プラズマは、空気中の窒素や酸素、水蒸気を電気エネルギーで活性化させ、さまざまな反応性分子を作り出すことができます。研究グループはこれまでに、少量の電力（100W未満）で、空気から直接、五酸化二窒素（N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>）を選択的に合成する技術を開発してきました（参考文献1）。N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>は、一酸化窒素（NO）や二酸化窒素（NO2）と比較して、水に効率よく溶解し、硝酸イオン（窒素肥料の主成分）に変化するため（参考文献2）、現地での窒素肥料生産（参考文献3）に適した物質といえます。</p>
<p>本研究では、このN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>を水に溶かしたN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水を用いて、月レゴリス模擬土壌でイネを栽培しました。その結果、一般的な水を与えた場合と比較して、イネの成長が大きく向上することが確認されました（図1A）。また、植物の窒素の取り込みに関わる遺伝子（NPF6.5/NRT1）の発現が増加することも明らかになりました（図2）。さらに、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水は、月レゴリス模擬土壌のアルカリ性溶出水を中和し、植物の成長に必要なカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル成分の溶出を促進する効果があることも確認されました（表1）。一方で、植物に有害なアルミニウムイオンの溶出が大幅に抑制されることが明らかになりました（表1）。加えて、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガスをイネの葉に直接噴霧する実験では、病害抵抗性に関わる遺伝子が活性化し（参考文献4）、植物の防御システムが強化されることが分かりました（参考文献5、6）。同時に、宇宙や月面の低重力環境で問題となる徒長を抑える効果も確認されました。これらの結果から、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>は窒素肥料として機能するだけでなく、月面などの過酷な環境下において植物の健全な育成を支える役割も担うことが示唆されました（図1B、C）。</p>
<br>
<br>
<h3>今後の展開</h3>
<p>本技術は、月の土壌に不足しているリンなどの他の栄養素を効率的に供給する方法と組み合わせることで、より実用的な月面農業システムへと発展させられることが期待できます。例えば、月レゴリスに含まれている不溶性リンを溶かし出す特定の微生物とプラズマ合成N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水を組み合わせる研究も計画しており、複数の技術を統合することで、より高度な食料生産システムの構築につながります。将来的には、水や空気の供給、排泄物の再利用など、他の生命維持システムと連携した閉鎖系での「月面農場」の実現を目指します。</p>
<p>このプラズマ技術は、再生可能エネルギーで稼働可能であり、化石燃料に頼らない窒素固定プロセスとして、月面での食料生産を支える重要な技術となることが期待されます。さらに、地球上においても、持続可能な農業や窒素肥料生産に伴う環境負荷の低減にも貢献する可能性を秘めています。本技術は、未来の食を支える基盤として、月面・宇宙と地球の双方において持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。</p>
<br>


<img alt="20260514_100.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260514_100.jpg" width="1283" height="1096" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水およびN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガスがイネの成長に与える影響<br>
A：月レゴリス模擬土壌で育てたイネの様子。N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水を与えた場合、水のみの場合に比べて生育が良好になる。<br>
B, C：N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水で育てたイネにさらにN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガスを噴霧すると、草丈の伸びが抑えられる様子（徒長抑制）が確認され、イネの重さや密度の比較からN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水とN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガス処理を組み合わせることで、より効率的な成長制御が可能であることが示されている。</p>
<br>
<img alt="20260514_200.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260514_200.jpg" width="889" height="379" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />

<p>図2. N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>処理によるイネの遺伝子発現の変化<br>
月レゴリス模擬土壌で育てたイネにおいて、N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水およびN<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガスで処理した際の遺伝子発現を解析した結果を示している。窒素の取り込みに関わる遺伝子（NPF6.5/NRT1）は発現が増加。アルミニウム毒性に関係する遺伝子（STAR1）は発現が低下。植物の防御や成長に関わる遺伝子（ACO3、CDC48E）は発現が上昇。</p>
<br>
<img alt="20260514_300.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260514_300.jpg" width="1910" height="214" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>表1. N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水が月面土壌（レゴリス）の溶出に与える影響<br>
月レゴリス模擬土壌に「水」または「N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>溶解水」を加えたとき、水の中にどのような成分が溶け出すかを調べた結果を示している。（イオン濃度の単位は、mg/Lである）</p>
<br>
<br>
<h3>謝辞</h3>
<p>本研究は、世界を先導する研究フロンティア開拓のためのプロジェクト「新領域創成のための挑戦研究デュオ～ Frontier Research in Duo(FRiD) ～」およびバンダイナムコグループのガンダムオープンイノベーション公認プロジェクトの支援を受けて実施されました。また、本研究成果に関する論文は、「東北大学2026年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業」の支援を受けました。</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. 窒素固定：</strong>空気中の窒素ガス（N<sub>2</sub>）を、植物が利用できる形（硝酸態窒素やアンモニア態窒素など）に変換するプロセス。地球上では微生物がこの役割を担っているが、月にはそのような微生物がほとんどいないため、人工的な窒素固定技術が不可欠である。<br>
<strong>注2. 五酸化二窒素（N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>）：</strong>低温プラズマを使って空気から生成した窒素化合物。酸素・窒素原子のみから構成される分子であり、無水硝酸とも呼ばれる。水に溶かすと植物の窒素肥料となる硝酸イオンに効率よく変化する。<br>
<strong>注3. 月レゴリス：</strong>月の表面を覆う砂状の物質。岩石が砕けてできたもので、地球の土壌とは異なり有機物や窒素肥料成分がほとんど含まれていない。<br>
<strong>注4. 月レゴリス模擬土壌：</strong>月レゴリスに近い成分や性質を持つように人工的に作られた土壌模擬物質。月面環境を模した研究や実験に用いられる。<br>
<strong>注5. 植物免疫力：</strong>植物が病原菌や害虫などから身を守るための抵抗力。特定の遺伝子を活性化させることで、この防御システムを強化することができる。<br>
<strong>注6. 徒長：</strong>植物の茎や葉が光を求めて過剰に伸びる現象。月面や宇宙の低重力環境では、重力の影響が小さいため徒長が起こりやすく、作物の収穫量や品質に影響を及ぼす可能性がある。
</p>
<br>
<br>
<h3>参考文献</h3>
<p>
1. S. Sasaki, K. Takashima, T. Kaneko, Portable Plasma Device for Electric N<sub>2</sub>O<sub>5</sub> Production from Air. Ind Eng Chem Res. 2021;60: 798-801.<br>
<a href="https://doi.org/10.1021/acs.iecr.0c04915" target="_blank">https://doi.org/10.1021/acs.iecr.0c04915</a><br>
<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/01/press20210105-02-N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>.html" target="_blank">2021年1月 東北大学プレスリリース</a><br>
2. S. Takeshi, K. Takashima, S. Sasaki, A. Higashitani, T. Kaneko, Plasma nitrogen fixation for plant cultivation with air-derived dinitrogen pentoxide. Plasma Process Polym. 2024;21: e2400096.<br>
<a href="https://doi.org/10.1002/ppap.202400096" target="_blank">https://doi.org/10.1002/ppap.202400096</a><br>
3. T. Yamanashi, S. Takeshi, S. Sasaki, K. Takashima, T. Kaneko, Y. Ishimaru, et al., Utilizing plasma-generated N<sub>2</sub>O<sub>5</sub> gas from atmospheric air as a novel gaseous nitrogen source for plants. Plant Mol Biol. 2024;114: 35.<br>
<a href="https://doi.org/10.1007/s11103-024-01438-9" target="_blank">https://doi.org/10.1007/s11103-024-01438-9</a><br>
<a href="https://www.eng.tohoku.ac.jp/news/detail-,-id,2853.html" target="_blank">2024年4月 東北大学大学院工学研究科 研究成果</a><br>
4. S. Sasaki, H. Iwamoto, K. Takashima, M. Toyota, A. Higashitani, T. Kaneko, Induction of systemic resistance through calcium signaling in Arabidopsis exposed to air plasma-generated dinitrogen pentoxide. PLOS ONE. 2025; 20: e0318757.<br>
<a href="https://doi.org/10.1371/journal.pone.0318757" target="_blank">https://doi.org/10.1371/journal.pone.0318757</a><br>
<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/02/press20250217-01-N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>.html" target="_blank">2025年2月 東北大学プレスリリース</a><br>
5. D. Tsukidate, K. Takashima, S. Sasaki, S. Miyashita, T. Kaneko, H. Takahashi, et al., Activation of plant immunity by exposure to dinitrogen pentoxide gas generated from air using plasma technology. PLOS ONE. 2022;17: e0269863.<br>
<a href="https://doi.org/10.1371/journal.pone.0269863" target="_blank">https://doi.org/10.1371/journal.pone.0269863</a><br>
<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/08/press20220801-01-plasma.html" target="_blank">2022年8月 東北大学プレスリリース</a><br>
6. R. Tateishi, N. Ogawa-Kishida, N. Fujii, Y. Nagata, Y. Ohtsubo, S. Sasaki, et al., Increase of secondary metabolites in sweet basil (Ocimum basilicum L.) leaves by exposure to N<sub>2</sub>O<sub>5</sub> with plasma technology. Sci Rep. 2024;14: 12759.<br>
<a href="https://doi.org/10.1038/s41598-024-63508-8" target="_blank">https://doi.org/10.1038/s41598-024-63508-8</a><br>
<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/06/press20240617-02-N<sub>2</sub>O<sub>5</sub>.html" target="_blank">2024年6月 東北大学プレスリリース</a>
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Plasma nitrogen fixation for future lunar agriculture<br>
<strong>著者：</strong>Toshiro Kaneko*, Shota Sasaki, Daiki Suzuki, Hayato Ohkuma, Atsushi Higashitani*<br>
*責任著者：東北大学 大学院工学研究科　教授　金子 俊郎<br>
同 大学院生命科学研究科　教授　東谷 篤志<br>
（ともに、同 グリーン未来創造機構 スペースクロステック研究センター 兼務）<br>
<strong>掲載誌：</strong>npj Microgravity<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://www.nature.com/articles/s41526-026-00602-3" target="_blank">10.1038/s41526-026-00602-3</a><br>
</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学 大学院生命科学研究科、兼担 理学部生物学科［<a href="https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/fields/laboratory.html?id=2550">web</a>］<br>
同 グリーン未来創造機構 スペースクロステック研究センター<br>
教授　東谷　篤志（ひがしたに　あつし）<br>
Email: atsushi.higashitani.e7[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院生命科学研究科広報室<br>
高橋 さやか（たかはし さやか）<br>
TEL：022-217-6193<br>
Email：lifsci-pr[at]grp.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>脳が報酬の「強さ」を見分ける仕組みを解明 ― 神経細胞のアクセルとブレーキのフィードバックが報酬強度を調節する― - ニュース</title>
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    <published>2026-05-14T02:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-14T02:04:42Z</updated>

    <summary><![CDATA[本研究のポイント &#9679;&nbsp;ショウジョウバエ脳の報酬シグナル...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
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        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<h3>本研究のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;ショウジョウバエ脳の報酬シグナルであるドーパミン神経が糖報酬の微妙な強弱を認識するメカニズムを解明しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;2種類のドーパミン受容体が、弱めの報酬にはドーパミン放出を高め、強めの報酬に対しては過剰反応を抑えることを発見しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;2種の受容体はドーパミン神経自身に作用するオートレセプター（注1）として働き、報酬信号を出力段階で調節することを実証しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;砂糖とアルコールの双方で同じ仕組みが働くことを示し、動物の価値判断や意思決定を支える基本原理である可能性を示しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260514-03-dopamine.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>私達の中にボーナスやお勤め品に敏感な人がいるように、動物も報酬があるかないかだけでなく、その強さの違いも見分けながら行動を選んでいます。しかし、脳が報酬の強弱をどのように計算し、比較しているのかは、これまで十分に分かっていませんでした。</p>
<p>東北大学大学院生命科学研究科の谷本拓教授らの研究グループは、ショウジョウバエの脳をモデルとして、報酬を伝えるドーパミン神経に存在する2種類のドーパミン受容体（Dop1R1とDop2R）が、報酬の強さに応じて逆向きに働くことを明らかにしました。Dop1R1は低濃度の砂糖に対する神経応答を高めて弱い報酬への働きを引き上げる一方、Dop2Rは高濃度の砂糖に対する応答を抑えて過剰な応答を防ぎ、報酬強度の幅を広げることが分かりました。さらに、これらの受容体はドーパミン神経自身が放出したドーパミンを受け取るオートレセプターとして働き、報酬信号の出力をシナプス前で調節していることも明らかになりました。また、この仕組みは砂糖だけでなくアルコール報酬にも共通して働きます。</p>
<p>本研究は、脳が報酬強度を読み分ける際に、同じ細胞の中でアクセルとブレーキに相当する調節を使い分けていることを示す成果です。動物が期待される価値を比較し、より適切な選択を行う仕組みの理解につながることが期待されます。</p>
<p>本研究成果は2026年5月4日に生物学分野の専門誌Current Biologyに掲載されました。</p>
<br>
<br>
<h3>詳細な説明</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>私たち人間を含む多くの動物は、僅かな報酬の強弱を判断しながら行動を選んでいます。哺乳類でも昆虫でも、ドーパミン神経は報酬を伝える重要な役割を担いますが、神経細胞が異なる強さの報酬をどのように表現し、行動につなげているのかは大きな課題でした。</p>
<br>
<h4>今回の取り組み</h4>
<p>東北大学大学院生命科学研究科の谷本拓教授らの研究グループは、特定細胞の遺伝子発現を自在に操作できるショウジョウバエの脳を用いて、「報酬の強さを脳がどう読み分けるのか」という基本的な問題に取り組みました。</p>
<p>ショウジョウバエは、匂いなどの感覚情報と砂糖などの報酬情報を結びつけて学習する能力を持ちます。本研究では、学習後に匂いだけを提示した際の誘引の程度を「学習スコア」として定量し、報酬の知覚レベルを評価しました。</p>
<p>研究グループはまず、報酬を伝えるドーパミン神経（PAMドーパミン神経）の出力部位（シナプス前）に拮抗的に働く2種類のドーパミン受容体（Dop1R1とDop2R）が存在することを発見しました。そこで、これら受容体をPAMドーパミン神経だけで低下させたハエで、砂糖濃度を段階的に変えて学習させ、学習スコアの濃度依存性を測定しました。</p>
<p>その結果、2種類のドーパミン受容体が異なる役割を担っていることが分かりました。具体的には、哺乳類のD1受容体と機能的に相同なDop1R1は、低濃度の砂糖報酬に対する応答を増強し、弱い報酬への感度を高めていました。一方、D2受容体の相同遺伝子であるDop2Rは、高濃度の砂糖報酬に対する応答を抑え強い報酬で信号が飽和しないように働いていました。つまり、同じ神経の中で、Dop1R1がアクセル、Dop2Rがブレーキのような役割を果たしていることが示されました（図1）。</p>
<p>さらに、生体内カルシウムイメージングによりPAMドーパミン神経の活動を入力側と出力側で比較することで、この調節が神経細胞の終末部位（シナプス前部位）で起こることを明らかにしました。2種の受容体は、神経が自ら放出したドーパミンを受け取って働く「オートレセプター」として機能し、報酬信号が放出される「細胞の出口」の段階でその強さをきめ細かく制御していることが明らかになりました（図1）。</p>
<p>加えて研究グループは、Capillary feeding assay（CAFEアッセイ）を用いて、ショウジョウバエに異なる濃度のアルコールを提示し、嗜好性の経時変化を解析しました。その結果、Dop1R1は低濃度アルコールに対する嗜好性の上昇を促進し、Dop2Rは高濃度アルコールに対して初期の嗜好性の上昇を抑えていることが分かりました。砂糖とアルコールという異なる報酬で同じオートレセプターによる制御が働いたことから、この仕組みは特定の報酬に限られない、より一般的な濃度制御メカニズムである可能性が示されました。</p>
<br>
<br>
<h3>今後の展開</h3>
<p>本研究で明らかになったのは、脳が報酬の強さを読み分ける際に、同じ神経の中で増幅と抑制の両方を使い分けているということです。この双方向の調節は、弱い報酬を見逃さず、強い報酬では反応が飽和しないようにすることで、報酬を感じ分けられる範囲を広げていると考えられます。</p>
<p>この知見は、動物がどのように価値を比較し、よりよい選択を行うのかを理解する手がかりになります。今後は、他の種類の報酬や別の動物種でも同様の仕組みが働くかを検証することで、報酬処理や意思決定の進化的な共通原理に迫ることが期待されます。</p>
<br>
<br>
<img alt="20260514_tani1.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260514_tani1.jpg" width="1594" height="962" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. 脳が報酬の強さを見分ける仕組み<br>
ショウジョウバエの報酬神経では、Dop1R1が弱い報酬への感度を高め、Dop2Rが強い報酬への過剰な応答を抑える。2つの受容体の働き分けによって、脳は報酬の強さを読み分けていると考えられる。</p>
<br>
<br>
<h3>謝辞</h3>
<p>本研究は、文部科学省・日本学術振興会 科学研究費補助金（JP20H05525, JP22KK0106, JP22H04829, JP24H01217, JP25H00986）、国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラム（JPMJSP2114）、東北大学 新領域創成のための挑戦研究デュオ（FRiD）、2025年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業の支援を受けて行われました。</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. オートレセプター：</strong>神経細胞が自ら放出した神経伝達物質を、自分自身で受け取って活動を調節する受容体。
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Presynaptic computation of reward intensities through the dual autoreceptor system<br>
<strong>著者：</strong>西塔心路、平松駿、渡辺碧、呉宏揚、市之瀬敏晴、山方恒宏、谷本拓<br>
*責任著者：東北大学大学院生命科学研究科、教授、谷本拓<br>
<strong>掲載誌：</strong>Current Biology<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1016/j.cub.2026.03.077" target="_blank">10.1016/j.cub.2026.03.077</a><br>
</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院生命科学研究科、兼担 理学部生物学科［<a href="https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/neuroethology/">web</a>］<br>
教授　谷本　拓（たにもと　ひろむ）<br>
TEL: 022-217-6223<br>
Email: hiromut[at]m.tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院生命科学研究科広報室<br>
高橋 さやか（たかはし さやか）<br>
TEL：022-217-6193<br>
Email：lifsci-pr[at]grp.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>化学専攻の冷水奨さん、夏坂桃李さんが藤瀬新一郎博士奨学賞を受賞 - ニュース</title>
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    <published>2026-05-13T23:05:53Z</published>
    <updated>2026-05-13T23:10:06Z</updated>

    <summary>化学専攻の冷水奨さん、夏坂桃李さんが藤瀬新一郎博士奨学賞を受賞しました。 こ...</summary>
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        <name>sci_tohoku</name>
        
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        <category term="受賞・成果" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<p>化学専攻の冷水奨さん、夏坂桃李さんが藤瀬新一郎博士奨学賞を受賞しました。<br>
この賞は、化学を専攻する理学研究科学生で成績が優秀な者に対し授与されるものです。</p>
<br>
<p>
■受賞者：<br>
化学専攻修士1年　冷水奨さん（<a href="https://orgreact.sakura.ne.jp/">反応有機化学研究室</a>）<br>
化学専攻修士1年　夏坂桃李さん（<a href="https://orgreact.sakura.ne.jp/">反応有機化学研究室</a>）<br>
<br>
■賞　名：藤瀬新一郎博士奨学賞<br>
<br>
■受賞日：2026年5月13日<br>
<br>
■備　考：<a href="http://www.chem.tohoku.ac.jp/">化学専攻ホームページ</a>
</p>
<br>
<p><img alt="20260513.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513.jpg" width="600" height="450" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<center>左から夏坂さん、坂本専攻長、冷水さん</center></p>
<br>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
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    <title>東北大学大学院理学研究科公開サイエンス講座 2026年度第1回「惑星はどう生まれる？ ― 宇宙の現場に迫る」 - ニュース</title>
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    <published>2026-05-13T02:50:32Z</published>
    <updated>2026-05-13T02:55:44Z</updated>

    <summary> 2017年7月1日に東北大学大学院理学研究科と仙台市天文台は連携協力協定を...</summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
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        <category term="教職員" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260705.pdf"><img alt="20260705.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260705.jpg" width="425" height="600" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a>
<p>2017年7月1日に東北大学大学院理学研究科と仙台市天文台は連携協力協定を締結しました。今年度のコラボレーション企画1回目は「惑星はどう生まれる？ ― 宇宙の現場に迫る」を開催します。</p>
<p>星々のまわりには、多様な惑星系が広がっています。近年、太陽系とは大きく異なる驚くべき惑星が次々と見つかってきました。さらに、最新の望遠鏡は惑星が生まれる「現場」も捉え始めています。本講演では、その最前線に迫ります。</p>
<br>
<h3>詳細</h3>
<p>
日　時：　2026年7月5日（日） 11:00 - 12:30<br>
会　場：　<a href="http://www.sendai-astro.jp/access/" target="_blank">仙台市天文台</a> <br>
主　催：　<a href="http://www.sendai-astro.jp/" target="_blank">仙台市天文台</a>、東北大学大学院理学研究科<br>
対　象：　一般<br>
定　員：　80名（先着、9:00からインフォメーションにて整理券配布）<br>
<br>
<h3>講師</h3>
<p>深川美里 教授（理学研究科 <a href="https://www.astr.tohoku.ac.jp/">天文学専攻</a>）</p>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p><a href="http://www.sendai-astro.jp/" target="_blank">仙台市天文台</a>　TEL: 022-391-1300</p>
<br>
<br>]]>
        
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    <title>赤色ダイズができる仕組みを解明！ － 2つの遺伝子の機能が失われることで赤色になる － - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260513-14255.html" />
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    <published>2026-05-13T02:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-13T04:28:01Z</updated>

    <summary>概要 福島大学食農学類附属発酵醸造研究所の菅波眞央特任講師と東北大学大学院生...</summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>概要</h3>
<p>福島大学食農学類附属発酵醸造研究所の菅波眞央特任講師と東北大学大学院生命科学研究科の渡辺正夫教授、大学院農学研究科の小島創一助教らの研究グループは、ダイズの多様な色の違いがどのようにして生まれるのか、その仕組みを明らかにしました。</p>
<p>ダイズには、一般的な種子が黄色の品種の他に、黒色、茶色、緑色、赤色など様々な色を持つ品種が存在します。本研究では、多数のダイズ品種のゲノム情報を解析することで、ダイズ種皮の色を決める重要な4遺伝子を特定し、この組み合わせにより、色素の種類が変化し、多様な色が生まれることを明らかにしました。特に、赤色ダイズはこれまで原因物質が明らかになっていませんでしたが、赤色の原因色素が「ペラルゴニジン-3-グルコシド」というアントシアニンであることを特定し、さらに2つの遺伝子の機能が失われたことが原因であることを世界で初めて明らかにしました。本成果は、特徴的な色を持つ品種の開発やダイズの外観品質の安定化につながることが期待されます。</p>
<p>本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業、ならびに福島国際研究教育機構(F-REI)委託事業の助成（土壌低分子有機物の植物栄養学的影響の解明(代表：菅波眞央)）を受けたものです。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260513-04-soy.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>本研究のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;ダイズは品種によって様々な色のバリエーションが存在しており、これは蓄積する「フラボノイド」の種類の違いに起因する。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;ダイズ333品種のゲノム情報を解析し、フラボノイド合成に関わる4つの遺伝子の組み合わせによって「アントシアニン」「プロアントシアニジン」の蓄積の有無が変化していた。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;赤色ダイズでは、2つの遺伝子(<i>W1, T</i>)の機能が失われることで「ペラルゴニジン-3-グルコシド」というアントシアニンが蓄積していた。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;品種改良の過程において、外観の良い種子を安定的に生産するのに効果的な遺伝子の組み合わせが選ばれていた。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;ダイズの色素合成メカニズムが明らかになったことで、特徴的な色を持つ品種の開発やダイズの外観品質の安定化につながることが期待される。</p>
<br>
<br>
<h3>研究の背景</h3>
<p>福島大学食農学類附属発酵醸造研究所は、発酵醸造プロセスに関する研究だけでなく、イネやダイズなどの発酵醸造の主原料となる作物の栽培や新品種開発に関連した研究から食・健康との関連まで、幅広く新たな視点からの先端研究を遂行し、発酵醸造研究をリードする研究成果を世界に発信することを目指しています。</p>
<p>ダイズは、味噌、醤油など多様な発酵食の原料として日本食を支える重要な作物です。ダイズには、一般的な黄色の品種の他に、黒色、茶色、緑色、赤色など様々な色を持つ品種が存在します。野生のダイズ（ツルマメ）はもともと黒い種子を持っていましたが、長い品種改良の歴史の中で、さまざまな色の品種が生み出されてきました。この色は「フラボノイド」が蓄積した色ですが、品種ごとの色の違いが生まれるメカニズムは完全に解明されておらず、特に赤色ダイズは原因となる色素とその生成メカニズムの両方が未解明でした。</p>
<br>
<br>
<h3>研究の成果</h3>
<p>本研究では、333品種のダイズの全ゲノム情報を解析し、品種間の色の違いを生み出す遺伝的要因としてフラボノイド合成に関わる4つの遺伝子（<i>I, R, W1, T</i>）が重要であることを明らかにしました。さらに、これらの遺伝子の組み合わせが異なる品種を対象として、遺伝子発現解析と色素成分分析を行ったところ、組み合わせにより蓄積するフラボノイドの種類と量が異なることが分かりました。例えば、黒色ダイズは4遺伝子が全て機能することで、アントシアニンとプロアントシアニジンという2種類のフラボノイドが高濃度に蓄積していました。一方、茶色ダイズでは、アントシアニン合成を制御する<i>R</i>遺伝子の機能が失われることで、アントシアニンは合成されず、プロアントシアニジンのみが蓄積していました。黄色ダイズでは、これらの色素はほとんど蓄積していませんでした。</p>
<p>赤ダイズでは、アントシアニンの一種である「ペラルゴニジン-3-グルコシド」がわずかな量だけ蓄積していました。これは、多量のアントシアニン、プロアントシアニジンを作る上で重要な2つの遺伝子(<i>W1, T</i>)の機能が同時に失われることで、引き起こされていることを明らかにしました。</p>
<p>また、色の違いを決める4つの重要遺伝子が選抜過程でどのように選ばれてきたかを調べたところ、近年育成された黄ダイズ品種では、アントシアニン合成を制御する<i>R</i>遺伝子とプロアントシアニジン合成に必要な<i>T</i>遺伝子が両方とも機能しない組み合わせが選ばれていることがわかりました。黄色ダイズでは、1つの遺伝子(<i>I</i>遺伝子)によって色素合成が抑えられていますが、環境条件によっては部分的に色が出てしまうことがあります。近年育成された品種では、1つの遺伝子(<i>I</i>遺伝子座)だけでなく、さらに複数の遺伝子の機能を失わせることで、色素合成をより確実に抑え、外観品質を安定させていることが分かりました。</p>
<br>
<br>
<h3>成果の意義</h3>
<p>本研究の成果は、ダイズの外観品質の安定化や特徴的な色を持つ品種の開発につながることが期待されます。</p>
<p>また、ダイズの外観品質を安定化させる遺伝子の組み合わせは、より見た目の良い種子を安定的に生産したいという育種家の試行錯誤の結果であると考えられます。このように、ゲノム情報から人類の長期にわたる試行錯誤の歴史を読み解くことで、品種育成に繋がる重要な知見を得ることができます。</p>
<p>なお、本研究は愛媛県立西条農業高校の鎌倉雅都さん、白石愛花さん、別府和則教諭（現在は今治南高等学校）との共同研究の成果となります。</p>
<br>
<br>
<h3>掲載誌・論文</h3>
<p>
<strong>雑誌誌：</strong>『Plant Physiology and Biochemistry』(Elsevier)<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1016/j.plaphy.2026.111251" target="_blank">10.1016/j.plaphy.2026.111251</a><br>
<strong>論文タイトル：</strong>Combination of color-related genes regulates pigment composition and establishes diverse coloration in soybean（色関連遺伝子の組み合わせが、大豆の色素組成を調節し、多様な色彩を形成する）<br>
<strong>著者：</strong>菅波眞央<sup>1,*,#</sup>，小島創一<sup>2,*</sup>，鎌倉雅都<sup>3</sup>，白石愛花<sup>3</sup>，別府和則<sup>3</sup>，吉田英樹<sup>1</sup>，二瓶直登<sup>1,4</sup>，高橋秀和<sup>1,4</sup>, 和氣駿之<sup>5</sup>，中山亨<sup>5</sup>, 林真妃<sup>6</sup>，増子（鈴木）潤美<sup>6</sup>，佐藤萌<sup>2</sup>，吉田久美<sup>7</sup>, 升本早枝子<sup>1,4</sup>，松田幹<sup>1, 4</sup>，渡辺正夫<sup>6,#</sup>，松岡信<sup>1,#</sup><br>
・著者の所属：<br>
1 福島大学食農学類附属発酵醸造研究所，2 東北大学大学院農学研究科，3愛媛県立西条農業高校，4 福島大学食農学類，5 東北大学大学院工学研究科，6 東北大学大学院生命科学研究科，7 愛知淑徳大学食農創造科学科 <br>
* 共筆頭著者<br>
# 責任著者<br>
</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院生命科学研究科、兼担 理学部生物学科［<a href="https://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/">web</a>］<br>
教授　渡辺　正夫（わたなべ　まさお）<br>
TEL：022-217-5681<br>
Email：masao.watanabe.b1[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院生命科学研究科広報室<br>
高橋 さやか（たかはし さやか）<br>
TEL：022-217-6193<br>
Email：lifsci-pr[at]grp.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>地球の外核に大量の水素が存在する可能性 －世界初、液体鉄中の水素量をその場観察で直接決定－ - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260513-14253.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14253</id>

    <published>2026-05-13T02:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-13T02:33:33Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;世界で初めて、液体鉄中の水素量を高...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="topics" label="topics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;世界で初めて、液体鉄中の水素量を高温高圧条件下で「その場測定」することに成功しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;今回得られた液体鉄中の水素の溶解量から計算すると、地球の外核には現在の海水に含まれる全水素量の70〜85倍が存在し得ると推定されます。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;液体鉄中に取り込まれた水素が、長年の謎であった地球外核の密度不足の半分以上を説明できる可能性が示唆されました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260513-05-Hydrogen.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>地球の中心にある核は、主に鉄でできていますが、その密度は純粋な鉄よりも低いことが知られています。これは、核の中に鉄より軽い元素が混ざっているためであり、その候補のひとつとして「水素」が考えられています。これは、水素は宇宙に豊富に存在し、高圧下では鉄と結びつきやすい性質を持つためです。地球の核にどれだけ水素が含まれているかを知ることは、地球の成り立ちを理解するうえで非常に重要です。</p>
<p>東北大学大学院理学研究科の高橋直生大学院生、坂巻竜也助教らの研究グループは、大強度陽子加速器施設J-PARC物質・生命科学実験施設（MLF）の超高圧中性子回折装置「PLANET」を用いた中性子実験により、高温高圧下で液体鉄に溶け込む水素の量を世界で初めて直接的に決定することに成功しました。本研究は、地球の核がどのように形成され、どのような化学組成を持つのかという長年の謎に対し、新たな手法で強力な証拠を提供したものです。</p>
<p>本研究成果は、日本時間2026年5月11日18時に英国の国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。</p>
<br>
<br>
<h3>詳細な説明</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>地球の中心にある核は主に鉄でできていますが、その密度は高温高圧下の純粋な鉄よりも低いことが知られています。この密度不足の原因として、鉄より軽い元素が混ざっていると考えられており、その有力候補のひとつが「水素」です。これは、水素は宇宙に非常に多く存在し、また高い圧力のもとでは鉄に溶け込みやすくなるためです。</p>
<p>地球の核にどれだけ水素が含まれているかを知ることは、地球の成り立ちを理解するうえで重要です。しかし、水素は高圧下でしか鉄に溶け込まないため、圧力を下げるとすぐに逃げてしまい、常温常圧下でその量を調べることができないために、液体の鉄に含まれる水素の量を直接測ることはこれまで困難でした。</p>
<br>
<h4>研究の内容</h4>
<p>今回の研究では、J-PARC MLFの超高圧中性子回折装置「PLANET」において、中性子イメージングという手法を用い、水素が溶け込んだ液体鉄（FeHx）を高圧・高温条件下で観察することで、液体鉄に含まれる水素の量を世界で初めて直接的に決定することに成功しました（図1）。</p>
<p>実験では、圧力3.4GPa（3万4千気圧）・温度1400K(1127℃)という条件で水素が溶け込んだ液体鉄を作り、中性子の吸収量から鉄に含まれる水素量を精密に計算しました。その結果、液体鉄には重量濃度で0.17%（0.17wt.%）の水素が溶け込んでいることが明らかになりました。</p>
<p>地球が形成される初期には、無数の微惑星や隕石の衝突、温室効果による高温化によって地表が溶けた「マグマオーシャン<sup>（注1）</sup>」が存在していたと考えられています。このとき、鉄の液滴はマグマの中を沈みながら周囲の物質と反応し、最終的に地球の中心へと集まって核を形成しました。最近の研究では、原始地球が太陽系の水素に富んだガスを取り込み、マグマオーシャンに大量の水素が溶け込んでいた可能性が指摘されています。今回の結果は、そのような環境で液体鉄が大量の水素を取り込みながら中心へ沈んでいったことを裏付けるものです。</p>
<p>今回得られた水素の溶解量をもとに、地球の核にどれだけの水素が含まれているか推定したところ、外核には現在の海洋（H<sub>2</sub>O）の水素の70〜85倍、内核には1.9〜2.7倍が含まれうることが分かりました。これは、水素が外核の密度不足の半分以上を説明できる可能性があることを意味します（図2）。</p>
<p>地球の核がどのように形成され、どのような化学組成を持つのかは、地球科学の大きな未解決問題のひとつです。今回の研究は、1) 液体鉄に溶け込む水素量を初めて直接的に決定、2) 核形成時に水素がどれだけ取り込まれたかを定量的に推定、3) 外核の密度が低い理由の主要因を説明し得る、という3点で、地球の内部構造の理解を大きく前進させる成果です。</p>
<br>
<h4>今後の展開</h4>
<p>本研究は、液体鉄でできた地球の外核にどれだけの水素が存在するかという長年の問題に対し、直接的な実験方法で制約を与えました。さらに地球内部の水素循環の理解や他の惑星の核形成プロセスの理解など、幅広い分野へ影響を与える成果です。今後は、より高圧条件下での測定や、水素以外の軽元素との共存効果の解明が期待されます。</p>
<br>
<br>
<img alt="20260513_100.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513_100.jpg" width="1530" height="790" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. 中性子イメージング実験の結果
（左）試料セルの中性子透過像。セルの中央に鉄試料(Fe)を配置し、水素源であるアンモニアボラン(NH<sub>3</sub>BH<sub>3</sub>)で挟んでいる。加熱に伴いアンモニアボランから放出された水素が鉄中に溶け込むことで、鉄の中性子透過度が減少する様子が確認できる。（右）中性子透過度の温度変化。常圧で安定な体心立方構造の鉄 が水素化して 面心立方構造のFeHx へ相転移すると、透過度は急激に減少する（緑→赤）。その後、水素化鉄が溶融すると、透過度はわずかに増加する傾向を示す（橙→紫）。</p>
<br>
<img alt="20260513_200.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513_200.jpg" width="1578" height="642" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図2. 地球の核形成モデルの概略図<br>
微惑星の衝突・合体を経て原始地球が形成された際、衝突エネルギーによって地表は大規模に溶融し、マグマオーシャンが形成された。マグマオーシャン中では鉄と珪酸塩が分離し、密度の大きい鉄が地球中心へ沈降することで核が形成された。こうした分化過程を経て、現在の地球には地殻・上部マントル・マントル遷移層・下部マントル・外核・内核といった層構造が確立している。
マグマオーシャン底部の温度・圧力条件を仮定し、水素溶解度モデルを適用すると、液体鉄には 0.59-0.70 wt.%の水素が溶解すると推定される。これは 現在の海洋に含まれる水素量の72-87倍の量に相当し、液体鉄への水素溶解を通じて大量の水素が核へ輸送されたことを示唆している。この水素量を核全体に適用し、鉄に対する水素の固相―液相分配係数を考慮すると、外核には0.60-0.72 wt.%、内核は0.30-0.44 wt.%の水素が存在すると見積もられる。今回推定された外核の水素量は、外核の密度不足の約 6-7 割を説明し得ることが示唆される。</p>
<br>
<br>
<h3>謝辞</h3>
<p>本研究は、日本学術振興会（JSPS）科学研究費（課題番号 JP21K18641、JP23K22588、JP24K21563）、J-PARCの物質・生命科学実験施設（MLF）のBL11 PLANETにおけるユーザープログラム（課題番号 2022B0025、2023A0146、2024A0125）の支援を受けて実施されました。</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. マグマオーシャン：</strong>惑星形成初期に天体表面が高温でほぼ全面的に溶融し、巨大な"マグマの海"に覆われた状態。惑星が形成される際にほぼ必ず経る"高温・溶融の初期段階"であり、核・マントル・地殻の分化、大気・海の形成など、惑星の基本構造を決める極めて重要なプロセス。
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Hydrogen in the Earth core inferred from neutron imaging and diffraction<br>
<strong>著者：</strong>Naoki Takahashi*, Tatsuya Sakamaki, Takanori Hattori, Ken-ichi Funakoshi, Hiroshi Arima-Osonoi, Asami Sano-Furukawa, Jun Abe, Akio Suzuki<br>
*責任著者<br>
東北大学大学院理学研究科 大学院生 高橋 直生（たかはし なおき）<br>
東北大学大学院理学研究科 助教 坂巻 竜也（さかまき たつや）<br>
<strong>雑誌名：</strong>Scientific Reports<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1038/s41598-026-49969-z" target="_blank">10.1038/s41598-026-49969-z</a></p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科地学専攻[<a href="https://epms.es.tohoku.ac.jp/QuEST/">web</a>]<br>
助教　坂巻　竜也（さかまき　たつや）<br>
TEL：022-795-6666<br>
Email：sakamaki[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科　広報・アウトリーチ支援室<br>
TEL：022-795-6708<br>
Email：sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>活断層で究極の潤滑物質「酸化グラフェン」を世界で初めて発見―跡津川断層系のゆっくりすべる謎を解明― - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260513-14252.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14252</id>

    <published>2026-05-13T01:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-13T01:03:42Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;活断層中から酸化グラフェン（注1）...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="受賞・成果" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="在学生" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="topics" label="topics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;活断層中から酸化グラフェン<sup>（注1）</sup>の単層ナノシート<sup>（注2）</sup>を世界で初めて発見しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;酸化グラフェンは、摩擦係数<sup>（注3）</sup>0.01以下の超低摩擦であり、従来の粘土鉱物<sup>（注4）</sup>やグラファイト<sup>（注5）</sup>（摩擦係数0.1程度）よりも驚異的に滑りやすい特性が報告されています。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;酸化グラフェンが安定して存在できる温度（200℃以下）が、断層の地震が起きにくい領域と一致することを確認しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;断層運動が有機物由来のアモルファスカーボン<sup>（注6）</sup>を酸化グラフェンへと変えるトライボケミカル反応<sup>（注7）</sup>を引き起こした可能性を示しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260513-02-graphene.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>岐阜県から富山県にまたがる跡津川断層系では、地下7～8kmまで地震が少なく、断層がゆっくり滑るクリープ<sup>（注8）</sup>が知られています。こうした現象は、これまでグラファイトや流体の潤滑によるものと考えられてきました。近年のラマン分光法<sup>（注9）</sup>やXPS<sup>（注10）</sup>、TEM<sup>（注11）</sup>の分析技術発達により、様々な種類の炭素が分類できるようになりました。特にグラフェンは酸化還元により物性が大きく変化しますが、地学でその特異性は注目されてきませんでした。</p>
<p>東北大学の長濱裕幸 教授、武藤潤 教授、澤燦道 助教、島田知弥 大学院生、東北学院大学の中村教博 教授、東京大学の大藤弘明 教授らの研究グループは、活断層中に単層ナノシートの酸化グラフェンを発見しました。酸化グラフェンはグラファイトよりも一桁小さい摩擦係数0.01以下の超低摩擦であるため、跡津川断層系の特異な地震活動に影響する可能性があります。本成果は日本時間5月12日18時に科学誌Nature Communicationsに掲載されます。</p>
<br>
<br>
<h3>詳細な説明</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>岐阜県から富山県にまたがる跡津川断層系は、中央部の地下7〜8kmまで地震活動が少なく、断層がゆっくり滑る「断層クリープ」が報告されています。これまでこの原因として、低摩擦なグラファイト（摩擦係数が0.1程度の層状炭素）や地下深部の流体が考えられていました。しかし、近年のラマン分光法やX線光電子分光法（XPS）、透過型電子顕微鏡（TEM）などの分析技術の発達によって、様々な種類の炭素が分類できるようになってきました。特にグラフェンは酸化還元状態によって摩擦的・電気的物性が大きく変化することが知られています。これまで地学におけるグラフェンの報告では、積層構造を伴っており、完全に剥離した状態（単層）でありませんでした。また、グラフェンの特異な性質はこれまで注目されていませんでした。</p>
<br>
<h4>今回の取り組み</h4>
<p>研究グループは、最新のラマン分光法、XPS、TEMなどを組み合わせることで、世界で初めて活断層中に酸化グラフェンを発見し、直接観察に成功しました。酸化グラフェンは断層ガウジ<sup>（注12）</sup>の微小な亀裂に沿って集中し、横方向3〜10nmの単層ナノシートであることが分かりました。酸化グラフェンは摩擦係数が0.01以下の超低摩擦であり、グラファイトよりも一桁小さいことが知られています。したがって、断層中の超低摩擦な酸化グラフェンは、グラファイトよりも効果的に断層をすべりやすくし、跡津川断層系の低地震活動領域と断層クリープに影響すると考えられます。</p>
<p>酸化グラフェンは200℃に達すると大部分が二酸化炭素や水蒸気に分解されてしまいます。跡津川断層系において地温200℃に達するのは地下深さ6.3～7.5kmであるので、酸化グラフェンの安定的に存在できる深さは低地震活動領域と一致します。また、断層中の酸化グラフェンの摩擦メカニズムは、酸化グラフェンの表面に結合したヒドロキシ基<sup>（注13）</sup>と層間水の水素結合相互作用が考えられます。さらにナノシートが鉱物粒子の間に入り込み、摩擦抵抗を減らすことが考えられます。酸化グラフェンの形成プロセスは、酸化グラフェンが完全に単層であることを考慮すると、有機物由来のアモルファスカーボンが断層運動によりトライボケミカル反応を引き起こした可能性があります。</p>
<br>
<h4>今後の展開</h4>
<p>今回、酸化グラフェンは内陸地震断層で発見されました。これまで断層内の炭素は、プレート境界でも報告されており、プレートの沈み込みに伴ってグラファイト化すると考えられています。アモルファスカーボンからグラファイトに変化するプロセスにおいて、酸化グラフェンはトライボケミカル反応によって生成される可能性があります。今後は、沈み込み帯の炭素をより詳しく分析し、固着―非固着の遷移領域<sup>（注14）</sup>やスロー地震<sup>（注15）</sup>との関連性を調べてみると面白いかもしれません。今後、酸化グラフェンを使用して、断層運動を模擬した摩擦の実験を行い、摩擦メカニズムや形成についてさらに調べる必要があります。これらの研究は、酸化グラフェンなどの炭素が広範なフィールドで地震活動に影響を与えるのかを知る手掛かりになります。また、酸化グラフェンを資源掘削や産業で利用する際に、環境負荷や誘発地震のリスクの理解にもつながることが期待されます。</p>
<br>
<br>
<img alt="20260513_10.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513_10.jpg" width="1630" height="1534" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. （上）跡津川断層系の地質図。（左下）跡津川断層系に沿った地震の震源分布図。（右下）石英、グラファイト、酸化グラフェンの摩擦係数の比較。</p>
<br>
<img alt="20260513_20.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513_20.jpg" width="1638" height="804" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図2. 酸化グラフェンの透過型電子顕微鏡の画像（抜粋）。（左）断層ガウジの亀裂を垂直断面で観察（左側のより暗い部分は石英や粘土鉱物、右側は亀裂に充填した酸化グラフェンを含む炭質物）、挿入図はスポット７のSAEDパターン。（右）HRTEM像で観察された酸化グラフェンのナノ粒子、右の3つの挿入図はFFTパターン。</p>
<br>
<img alt="20260513_30.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260513_30.jpg" width="1638" height="802" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図3. 本研究の概要</p>
<br>
<br>
<h3>謝辞</h3>
<p>本研究は日本学術振興会（JSPS）の3件の科研費「断層中の酸化グラフェン」（JP25KJ0633）、「破壊実験と断層調査から解明する地震のエネルギー散逸過程」（JP24K00724）、「沈み込み帯のCO<sub>2</sub>流体の発生とマントル炭酸塩化の実態」（JP22H04932）、「超塩基性岩へのCO<sub>2</sub>流体侵入による不均質構造の形成と力学応答」（JP26K21718）の支援を受けて実施されました。本論文は「東北大学2026年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業」の支援を受け、Open Accessとなっています。試料採取や分析へのご協力、関連の画像・スケッチの転載許可、公表許可をいただいた大学関係者、出版社、鉱山会社の皆様に心より感謝申し上げます。</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. 酸化グラフェン：</strong>炭素原子が六角形層状の結晶構造を持つ物質であるグラフェンに、ヒドロキシ基<sup>（注13）</sup>などの酸素含有官能基が結合した物質である。<br>
<strong>注2. 単層ナノシート：</strong>厚さがナノメートル（nm）レベルかつ横方向の長さが厚さの数倍から数千倍の大きさを持つ2次元物質である。<br>
<strong>注3. 摩擦係数：</strong>物体の滑りにくさを表す数値で、滑る面に垂直にかかる力と水平に滑る力の比(μ=0~1の範囲)で表される。一般的な岩石ではその比がμ=0.6程度である。<br>
<strong>注4. 粘土鉱物：</strong>いわゆる粘土を構成する鉱物で、層状珪酸塩鉱物である。ヌルヌルと滑りやすい特徴を持つ。<br>
<strong>注5. グラファイト：</strong>炭素原子が六角形のハニカムのように結合したシート状の結晶構造を持つ物質で、黒鉛と呼ばれる。鉛筆の芯のように層と層の間で剥がれてツルツルと滑りやすい特徴を持つ。<br>
<strong>注6. アモルファスカーボン：</strong>炭素原子が結晶構造を持たず、ダイヤモンド（sp3）とグラファイト（sp2）の構造が混在して、不規則に結合している物質である。<br>
<strong>注7. トライボケミカル反応：</strong>物質が摩擦や摩耗する際に、その接触部付近で生じる化学反応である。<br>
<strong>注8. クリープ：</strong>活断層が地震を伴わずに長時間かけてゆっくりとズレ動く現象である。断層面に含まれる粘土鉱物や水が潤滑剤の役割を果たし、摩擦が小さくなることで発生するとされる。跡津川断層以外にも、米国カリフォルニア州のサンアンドレアス断層の一部の地域等がその一例である。<br>
<strong>注9. ラマン分光法：</strong>レーザー光線を物質に照射し、そこから散乱した「ラマン散乱光」の波長や強度の変化を分析する手法であり、非破壊・非接触で物質の構造解析を行うことができる。<br>
<strong>注10. X線光電子分光法（XPS）：</strong>試料表面に弱いX線を照射し、光電効果によって放出される光電子のエネルギーを測定して、物質表面の元素組成や化学結合状態を分析する手法である。<br>
<strong>注11. 透過型電子顕微鏡（TEM）：</strong>高速の電子線を極薄の物質に照射し、透過した電子線を利用して、原子レベルの構造を観察できる高分解能な顕微鏡である。<br>
<strong>注12. 断層ガウジ：</strong>断層運動による摩擦で岩石が細かく粉砕され、断層の滑り面に沿って帯状に粘土化した物質である。<br>
<strong>注13. ヒドロキシ基：</strong>有機化学の構造式"―OH"と表される官能基である。<br>
<strong>注14. 固着―非固着の遷移領域：</strong>断層面において、普段は固着して地震時にすべる「固着域（アスペリティー）」と、普段からゆっくりとすべり続ける「非固着域（クリープ域）」がある。両者の中間的な領域で、スロー地震が発生する場所であるとされている。<br>
<strong>注15. スロー地震：</strong>一般的な地震は断層面が急激にすべることで、岩盤に蓄積されたひずみエネルギーが一挙に解放されて地震の揺れとして観測できる現象である。一方、スロー地震は断層面がゆっくりすべるために、蓄積されたひずみエネルギーが徐々に解放されるため、断層自体は相当量のすべりがあるものの、地震の揺れとして観測されない現象である。
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Ultra-low friction graphene oxide in the Atotsugawa Fault System<br>
<strong>著者：</strong>Tomoya Shimada1*, Hiroyuki Nagahama<sup>1</sup>, Jun Muto<sup>1</sup>, Norihiro Nakamura<sup>2</sup>, Sando Sawa<sup>1</sup>, Hiroaki Ohfuji<sup>3</sup><br>
1. 東北大学大学院理学研究科地学専攻 断層・地殻力学グループ<br>
2. 東北学院大学 高等教育開発室<br>
3. 東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻<br>
*責任著者　東北大学大学院理学研究科 大学院生 島田知弥<br>
<strong>雑誌名：</strong>Nature Communications<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://www.nature.com/articles/s41467-026-72239-5" target="_blank">10.1038/s41467-026-72239-5</a></p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科地学専攻[<a href="https://dges.es.tohoku.ac.jp/kozo/">web</a>]<br>
教授 長濱裕幸（ながはま ひろゆき）<br>
Email：hiroyuki.nagahama.c7[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
東北大学大学院理学研究科地学専攻[<a href="https://dges.es.tohoku.ac.jp/kozo/">web</a>]<br>
大学院生 島田知弥（しまだ ともや）<br>
Email：tomoya.shimada.s2[at]dc.tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科　広報・アウトリーチ支援室<br>
TEL：022-795-6708<br>
Email：sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【採用情報】更新しました。 - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260511-13726.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2025:/news//14.13726</id>

    <published>2026-05-11T02:25:00Z</published>
    <updated>2026-05-11T02:25:15Z</updated>

    <summary><![CDATA[現在、掲載中の採用情報一覧 &#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教職員" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<p>現在、掲載中の<a href="//www.sci.tohoku.ac.jp/recruit/" target="_self">採用情報一覧</a></p>
<br>

<p>&#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究科物理学専攻教員公募（7/7締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究科化学専攻教授公募（6/30締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学理学部・理学研究科国際交流推進室 室員（時間雇用職員）公募（6/12締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究科教員公募（女性限定公募）について（5/31締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学 理学部・理学研究科 教務課 教務企画係 係員（事務補佐員）公募（5/29締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究科 物理学専攻 電子物理学講座 量子スピン軌道物性分野 技術補佐員（時間雇用職員）公募（5/29締切）</p>
<p>&#9632;&nbsp;東北大学大学院理学研究科地学専攻教授または准教授公募（5/25締切）</p>


<br>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>コイルなしで発振する電子回路を実現－巨大インダクタンスを分子材料で発見－ - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260511-14235.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14235</id>

    <published>2026-05-11T01:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-11T06:23:31Z</updated>

    <summary>概要 理化学研究所（理研）開拓研究所上野核分光研究室の大島勇吾専任研究員、名...</summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <category term="受賞・成果" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教職員" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="topics" label="topics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>概要</h3>
<p>理化学研究所（理研）開拓研究所上野核分光研究室の大島勇吾専任研究員、名古屋大学大学院工学研究科の竹延大志教授、東北大学大学院理学研究科の高石慎也准教授らの共同研究グループは、分子性物質<sup>[1]</sup>に基づくメモリスタ<sup>[2]</sup>においてコイルを用いずに発振する電子回路を発見しました。</p>
<p>本研究により、従来はコイル<sup>[3]</sup>によって実現されてきたインダクター<sup>[3]</sup>機能を、物質の内部ダイナミクスによって代替できることが示され、コイル不要の発振回路が可能となりました。これにより、低周波回路設計の自由度向上や小型・集積化への応用、さらにはニューロモルフィックデバイス<sup>[4]</sup>など新しい情報処理技術への展開が期待されます。</p>
<p>今回、共同研究グループは分子性モット絶縁体<sup>[5]</sup>において電気輸送測定およびインピーダンス分光<sup>[6]</sup>を行い、メモリスタとしての振る舞いを確認しました。さらに、ヒステリシス応答（ピンチドヒステリシスループ）<sup>[7]</sup>に起因して10,000～100,000ヘンリー（H）<sup>[3]</sup>に達する巨大なインダクタンス<sup>[3]</sup>が発現することを見いだし、この巨大インダクタンスと負性抵抗<sup>[8]</sup>によりコンデンサーと組み合わせた回路で自励発振（自発的な振動）が生じることを実証しました。</p>
<p>本研究は、科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版（5月8日付：日本時間5月8日）に掲載されます。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/05/press20260511-01-coil.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<img alt="20260511_11.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260511_11.jpg" width="1866" height="838" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>メモリスタにおいて巨大なインダクタンスが発現し、コイル不要の発振器を実現</p>
<br>
<br>
<h3>背景</h3>
<p>電子回路において発振は、信号生成やタイミング制御などに不可欠な基本機能であり、無線通信やセンサー、情報処理回路など幅広い分野で利用されています。この発振は通常、コイル（インダクター）とコンデンサー（蓄電器）を組み合わせた回路によって実現されますが、コイルは構造上大型化しやすく、回路の小型化や集積化を進める上で大きな制約となってきました。</p>
<p>一方、近年では従来の電子部品の役割を新しい材料で置き換える試みが進められており、その中で「メモリスタ」は電流の履歴に応じて抵抗が変化する（ヒステリシス応答を示す）特異な素子として注目されています。しかし、メモリスタの時間依存的な電気応答が回路機能としてどのように利用できるのかについては、十分に理解されていませんでした。</p>
<p>特に、発振に不可欠とされてきたインダクター機能をコイル以外で実現することは難しく、物質の内部ダイナミクスによってインダクタンスが生じる可能性は指摘されていたものの、実験的検証は限られていました。そこで共同研究グループは、分子性物質に着目し、メモリスタとしての振る舞いと電磁応答の関係を明らかにすることで、コイルに依存しない新しい発振原理の実現に挑みました。</p>
<br>
<br>
<h3>研究手法と成果</h3>
<p>本研究では、1次元鎖構造を持つ分子性モット絶縁体[Ni(chxn)₂Br]Br₂を対象に、電気輸送測定、インピーダンス分光、および発振特性の解析を組み合わせて、その電気応答を詳細に調べました。まず、交流電流をかけて電流と電圧の関係（I-V特性）を測定したところ、低周波領域において特徴的なヒステリシス応答（ピンチドヒステリシスループ）が観測され、この物質がメモリスタとして振る舞うことを確認しました。</p>
<p>次に、インピーダンス分光を用いて周波数応答を調べた結果、直流電圧をかけた場合にのみ、コイルに特徴的な応答が現れることが分かりました。得られたデータを回路モデルで解析した結果、最大で10,000～100,000Hに達する巨大なインダクタンスが発現していることが明らかになりました。この値は、一般的なコイルで得られるインダクタンスの約10万倍に相当し、ミリメートルサイズの試料においては通常実現できない極めて大きな値です。また、このインダクタンスは電圧をかけたときにのみ現れることから、外部配線や測定装置に由来する不要な影響ではなく、物質内部のダイナミクスに起因するものであることが確認されました。</p>
<p>さらに、このインダクタンスの妥当性を検証するため、試料にコンデンサーを並列接続した回路において発振特性を測定しました（図1）。その結果、一定以上の電流を流すと自励発振が生じ、その発振周波数はインダクタンスと電気容量から決まる関係式と一致することが分かりました。この解析から求めたインダクタンスの値は、インピーダンス分光から得られた値とよく一致しており、巨大インダクタンスが実際に回路動作に寄与していることが裏付けられました。</p>
 
<img alt="20260511_20.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/assets_c/2026/04/20260511_20-thumb-400xauto-17871.jpg" width="400" height="397" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1 コイルなしで観測された自励発振<br>
分子メモリスタにコンデンサーを接続した回路において観測された自励発振。外部コイルを用いずに発振が生じることを示す。Ibias：入力バイアス電流、µA：マイクロアンペア（1µAは100万分の1アンペア）。C：電気容量、µF：マイクロファラッド（ファラッドは電気容量の単位、1µFは100万分の1ファラッド）。</p>

<p>以上の結果から、メモリスタにおいて観測されるヒステリシス応答により、動的にインダクタンスが発現すること、そしてそのインダクタンスと負性抵抗の組み合わせにより、コイルを用いない発振が実現されることが明らかになりました。本研究は、従来はコイルによって実現されてきたインダクター機能が、物質の内部ダイナミクスによって代替され得ることを、定量的に示したものです。</p>
<br>
<br>
<h3>今後の期待</h3>
<p>本研究により、従来はコイルによって実現されてきたインダクター機能を、物質の内部ダイナミクスによって代替できる可能性が示されました。これは、電子回路における基本素子の役割が、構造（コイル）から物質の性質へと置き換わる可能性を示すものであり、回路設計の考え方そのものを拡張する成果です。</p>
<p>特に、コイルは小型化が難しい素子として知られており、本研究のようにコイルを用いずに同等の機能を実現できれば、低周波領域における回路の小型化や高密度集積化につながることが期待されます。また、メモリスタがインダクター機能と負性抵抗の役割を同時に担うことから、従来よりも少ない素子で回路を構成できる可能性も示されました。</p>
<p>さらに、メモリスタはその履歴依存性や非線形性から、人工神経回路を模倣するニューロモルフィックデバイスへの応用が期待されており、本研究で示された発振機能はスパイク信号の生成などへの展開が考えられます。将来的には、動作条件の最適化や材料設計の進展により、実用的な電子回路素子としての応用が期待されます。</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Colossal emergent inductance in a molecular memristor<br>
<strong>著者名：</strong>Yugo Oshima, Rei Usami, Tetsuro Moriya, Taishi Takenobu, Shinya Takaishi<br>
<strong>雑誌：</strong>Scientific Reports<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1038/s41598-026-48808-5" target="_blank">10.1038/s41598-026-48808-5</a></p>
<br>
<br>
<h3>用語解説</h3>
<p>
<strong>[1] 分子性物質：</strong>個々の分子が規則的に並んで結晶を形成し、その分子間の相互作用によって電気伝導や磁性などの性質が現れる物質のこと。通常の金属や半導体が原子のネットワークで構成されるのに対し、分子性物質では分子単位で電子の振る舞いが決まる点が特徴である。このような特性から、強い電子相関や新しい機能性の発現が期待される物質群として研究が進められている。<br>
<strong>[2] メモリスタ：</strong>電流の履歴に応じて電気抵抗が変化する性質を持つ電子素子。電圧や電流を加えた過去の状態を記憶するように振る舞うため、「記憶（memory）」と「抵抗（resistor）」を組み合わせて名付けられた。通常の抵抗とは異なり、時間とともに応答が変化する非線形な特性を持つことが特徴。この性質から、脳の神経回路を模倣したニューロモルフィックデバイス（[4]参照）などへの応用が期待されている。<br>
<strong>[3] コイル、インダクター、ヘンリー（H）、インダクタンス：</strong>インダクター（コイル）は、入力電流の時間変化に比例した電圧を生じさせる回路素子のことを指し、その比例係数をインダクタンスと呼ぶ。インダクタンスの単位はヘンリー（H）であり、1ヘンリーは1秒間に1アンペアの割合で電流が変化するときに1ボルトの電圧を生じる場合と定義される。通常、この性質はコイルによって実現される。本研究では、このインダクタンスがコイルではなく物質の内部ダイナミクスから発現することが示され、特に10,000～100,000Hに達する巨大な値が観測された。<br>
<strong>[4] ニューロモルフィックデバイス：</strong>人間の脳の神経回路の仕組みを模倣した電子デバイスのこと。脳では、神経細胞（ニューロン）が電気信号の発火（スパイク）によって情報を処理しており、このような動作を電子回路で再現することが目指されている。ニューロモルフィックデバイスは、従来のコンピュータとは異なり、低消費電力で並列的に情報処理できる点が特徴。本研究で示された発振機能は、このようなスパイク信号の生成に応用できる可能性がある。<br>
<strong>[5] モット絶縁体：</strong>電子が自由に動けるため本来は金属になると予想されるにもかかわらず、電子同士の強いクーロン斥力により電子の移動が抑えられ、全体として絶縁体となる物質のこと。特に、電子密度が1原子当たり半整数となる場合にこのような状態が現れる。<br>
<strong>[6] インピーダンス分光：</strong>試料に交流電圧を加え、その応答として流れる電流との関係を周波数ごとに測定することにより、物質の電気的性質を調べる手法。この方法により、抵抗や電気容量、インダクタンスといった回路特性を分離して評価することができる。本研究では、この手法を用いてメモリスタにおける巨大なインダクタンスの発現を明らかにした。<br>
<strong>[7] ヒステリシス応答（ピンチドヒステリシスループ）：</strong>入力した電圧や電流の履歴によって応答が変化し、同じ条件でも過去の状態に依存して異なる値を取る現象。メモリスタでは、電流と電圧の関係をグラフに描くと、原点で交差する特徴的なループ（ピンチドヒステリシスループ）が現れる。このループはメモリスタの代表的な特徴とされており、電流の履歴を記憶する性質を反映している。本研究では、このヒステリシス応答が巨大インダクタンスの発現に関与していることが示された。<br>
<strong>[8] 負性抵抗：</strong>電圧を増加させたときに電流が減少するような、通常とは逆の応答を示す現象。一般的な抵抗では電圧を大きくすると電流も増加するが、負性抵抗では特定の条件下でその関係が逆転する。この性質は電子回路において発振や増幅に利用されることがあり、自励発振を引き起こす要因となる。本研究では、メモリスタにおける負性抵抗と巨大インダクタンスの組み合わせにより、コイルを用いない発振が実現された。</p>
<br>
<br>
<h3>研究支援</h3>
<p>本研究は日本学術振興会（JSPS）科学研究費助成事業挑戦的研究（萌芽）「理想的な特性を有するメモリスタの作製と巨大インダクタンスの実現（研究代表者：竹延大志、研究分担者：大島勇吾、JP25K22285）」、同基盤研究（A）「歪んだ原子層物質における室温純粋円偏光発光と電気的円偏光制御の実現（研究代表者：竹延大志、JP22H00280）」、同基盤研究（B）「二水素錯体における水素同位体分離機構の解明と分離能向上（研究代表者：高石慎也、JP23H02054）」、科学技術振興機構（JST）戦略的創造研究推進事業CREST「二次元物質における超高密度キャリア制御（研究代表者：竹延大志JPMJCR23A4）」「Giant CISS物質: 界面陽電子・電子の全運動量制御（研究代表者：関修平、共同研究者：竹延大志、JPMJCR23O3）」による助成を受けて行われました。</p>
<br>
<br>
<h3>発表者のコメント</h3>
<p>今回の研究では、これまでコイルが不可欠と考えられてきた発振回路が、コイルなしでも、物質の性質によって実現できることを示しました。測定を進める中で、予想を大きく超える巨大なインダクタンスが現れたときは非常に驚きました。この結果は、電子回路の設計を「電子部品」から「物質」へと拡張する可能性を示すものだと考えています。（大島勇吾）</p>
<p>これまで当たり前だと思われていた「コイルが必要」という前提が、実は必ずしも正しくないかもしれない、というのが今回の研究のポイントです。物質そのものがコイルの役割を果たすという結果は、私たち自身にとっても驚きでした。将来的には、よりシンプルで新しい電子回路の実現につながると期待しています。（竹延大志）</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科化学専攻[<a href="https://web.tohoku.ac.jp/sakutai/">web</a>]<br>
准教授　高石　慎也（タカイシ シンヤ）<br>
TEL：022-795-6545<br>
Email：shinya.takaishi.d8[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科　広報・アウトリーチ支援室<br>
TEL：022-795-6708<br>
Email：sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>【ぶらりがく】『火山噴火をミクロに理解する』開催のご案内 - ニュース</title>
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    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14246</id>

    <published>2026-05-08T01:54:56Z</published>
    <updated>2026-05-08T02:05:25Z</updated>

    <summary> 毎回異なるテーマで「理学」を学ぶぶらりがく。 今回は「火山噴火」がテーマで...</summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
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        <category term="イベント" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<p>
毎回異なるテーマで「理学」を学ぶぶらりがく。<br>
今回は「火山噴火」がテーマです。
<br><br>
巨大な火山噴火は、火山近傍で災害を誘発するだけでなく、地球規模の環境変動も引き起こします。地表で生活する私たちは防災・減災、また地球規模の環境変化を予測するために、なぜ火山噴火が起こるのか、一旦開始した噴火はいつまで続くのか、噴火は地表環境にどのような影響を与えるのか、これらの問題について理解を深める必要があります。
<br>
本講演では、火山噴火の発生メカニズムを解明するために私たちが進めている研究について紹介します。火山噴火という巨大な地質現象を理解するためにはマグマを構成する原子・分子の挙動を調べる必要性があり、ミクロから火山噴火を理解する最新の研究成果もお話しします。
<br><br>

[ 事前のお申込みが必要です ]<br><br>
■日時：2026年6月27日（土）13:00-14:30<br><br>
■会場：理学研究科合同C棟 2階 青葉サイエンスホール<br><br>
■対象：高校生以上<br>
＊講義内容は高校生以上向けとなりますが、中学生の方も関心のある方はご参加いただけます。<br><br>
■募集定員：30名 / 先着<br>
<br>

詳細はぶらりがくのページをごらんください。<br>
＊<a href="//www.sci.tohoku.ac.jp/campustour/">ぶらりがく〜理学部をちょっとのぞいてみませんか？〜</a><br><br><br>
<img alt="title_campus300-259.jpg" src="//www.sci.tohoku.ac.jp/news/title_campus300-259.jpg" width="300" height="259" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></p><br><br>]]>
        
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    <title>恐竜を含む大量絶滅は火山活動と小惑星衝突の一連の事件 - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260507-14241.html" />
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    <published>2026-05-07T01:30:31Z</published>
    <updated>2026-05-07T01:34:23Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;デカントラップ火山活動（注1）後、...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;デカントラップ火山活動<sup>（注1）</sup>後、または活動中に、チクシュルーブ衝突<sup>（注2）</sup>が発生し、恐竜などの大量絶滅が起きた。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;地球の3地域の2種類の水銀同位体比値が衝突時にだけ、火山起源と衝突堆積岩起源の値の間に収束した。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;世界の絶滅時の堆積岩中の水銀量は、チクシュルーブ衝突場の堆積物から放出される水銀量で説明ができた。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;恐竜などの大量絶滅の原因が小惑星衝突か火山噴火かの議論が再燃しているが、小惑星衝突が主原因で火山噴火の寄与もあり得ることを示した。</p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>白亜紀末6600万年前の恐竜などの大量絶滅は、インドのデカントラップ火山活動後、または活動中に、メキシコのチクシュルーブ小惑星衝突が起きたことが原因であることが初めてわかりました。海保邦夫名誉教授らの国際研究グループは、絶滅を記録している地層において、大量の水銀の大部分は隕石（小惑星）が衝突した堆積岩からきたこと、衝突直前にマントルの底から上昇してきた大規模マグマの噴出が起きたことを発見しました。さらに、世界の3地域の2種類の水銀同位体比が絶滅を記録している地層でのみ同じ値を示していることから、同一起源の水銀が世界中にばらまかれたことを初めて発見しました。それらの2種類の水銀同位体比の値は、火山起源と泥岩中の石油天然ガス起源の間にあります。衝突場所は、ジュラ紀の生物からできた油田地帯です。絶滅層準の大量の水銀は火山噴火起源、大量のイリジウムは小惑星衝突起源と考えられていたため、恐竜絶滅の原因が小惑星衝突であるか火山噴火であるかの議論が再燃していました。その論争に対し、本論文は、小惑星衝突が主原因で火山噴火の寄与もあり得るという答えを出し、国際誌「Plaeogeography, Plaeoclimatology, Plaeoecology」に5月5日（英国時間）にオープンアクセスで掲載されました。</p>
<br>
<br>
<h3>詳細な説明</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>恐竜の絶滅の原因として有名な白亜紀末の小惑星衝突クレーターはメキシコのユカタンのチクシュルーブにあります（図1a）。イリジウムという元素は、火山噴火物質よりも小惑星に多く含まれますが、水銀はその逆です。近年、衝突でできたとされるオレンジ色の地層から水銀濃集と火山噴火起源を示す水銀同位体比が報告されたことで、恐竜絶滅の原因として、小惑星衝突か火山噴火かの議論が再燃しています。</p>
<p>海保邦夫名誉教授らの国際研究グループは、チクシュルーブクレーターから当時千キロメートル南にあったハイチの深海堆積岩と1万キロメートル離れていたスペインの半深海堆積岩（図1a）のイリジウム濃集層から水銀の異常濃集（図1b）と火山噴火起源と衝突堆積岩のシェイルガス（泥岩中の石油天然ガス）起源の中間を示す質量保存と質量非保存の水銀同位体比を報告しました（図2）。また、衝突岩からの水銀量を計算し、小惑星衝突と火山噴火の大量絶滅への寄与を評価しました。ハイチの地層では、イリジウムと水銀は厚さ60センチの衝突粗粒噴出物から、その上位の細粒堆積物とオレンジ色の層にかけて同調的に増加しています（図1b,c）。絶滅時の堆積岩中の水銀量の70-100%は、チクシュルーブ衝突場の堆積物から放出される水銀量で説明することができました（火山の寄与も可能）。</p>
<p>また、衝突直前にも水銀濃集が起きたことを発見しました（図1b）。加熱温度指標のコロネン指数は、衝突粗粒噴出物からその上位の細粒堆積物にかけて高く、衝突による高温加熱を示唆しますが、衝突直前の地層のコロネン指数は中間の値でプリューム火山噴火の特徴を示します（図1b）。海保名誉教授は、ヨーロッパとハイチに水銀を撒き散らす大規模プリューム火山噴火は、噴火記録から当時南半球にあったインドのデカンの火山噴火しかないと考えました（図1a）。図1bで示すように黒線の水銀のピークが2度起きています。1度目のピークは地層の厚さ0cmの直下にみられ、右の赤線のコロネン指数はプリューム火山を示します。2度目は78cmのオレンジ色の層で見られ、赤線のイリジウムのピークと同時でコロネン指数とともに隕石衝突を示します。衝突タービダイト（図2）は数日で溜まったと言われています。イリジウムは1-4年で成層圏から落ちます。以上から、デカンの大規模プリューム火山噴火後または噴火中に直径10kmほどの小惑星がメキシコのユカタン半島に衝突したことになります。</p>
<p>水銀はあらゆる時代において火山噴火によって地球表層に供給されてきました。そのため、絶滅層準に見られる水銀の濃集は、デカントラップ火山活動を大量絶滅の有力な原因とする根拠の一つとされてきました。</p>
<p>しかし本論文では、稀にしか起こらない小惑星衝突によって、衝突された堆積岩から大量の水銀が放出されうることを示し、絶滅層準における水銀量を説明できることを明らかにしました。これにより、小惑星衝突が大量絶滅の主因である可能性がより強く支持されます。</p>
<br>
<h4>本研究の意義と今後の展望</h4>
<p>再燃した恐竜絶滅の議論に一定の回答を与えたのが本研究の意義です。火山説の証拠とされていた境界層の水銀の大部分は、衝突によって放出されたと考えられます。今回、2種類の水銀同位体比は、ハイチ、スペイン、フランスの3カ所の衝突層で同じ値に収束していることを発見しました。衝突の前も後もそれらの値は異なりますが、図2の赤い楕円で囲まれた3点のように収束しています。衝突の時だけ、矢印のように収束し、衝突後はばらばらな値になります。このような値の収束は、同じ場所から世界中にばらまかれたことを示しています。そのためには、成層圏に放出される必要があります。太陽光を遮断するすすや硫酸の素の二酸化硫黄ガスが成層圏に放出されると、それらが地球を覆い寒冷化を起こします。今回海保名誉教授らによって発見された2種類の水銀同位体比値の収束は、太陽光遮断―地球寒冷化が本当に起きたことの証拠になります。今後は、他の主要大量絶滅（ビッグファイブ）について、このような水銀同位体比の収束が認められるのかを検証していきます。他の主要大量絶滅の原因は火山噴火ですが、太陽光遮断―地球寒冷化の仕組みは同じですから収束が起きているはずです。</p>
<br>

<img alt="20260507_100.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260507_100.jpg" width="1304" height="956" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. (a)ハイチ・スペイン・フランスの白亜紀―古第三紀境界層、チクシュルーブ衝突、デカントラップ火山地域の当時の位置、(b)水銀・コロネン・水銀同位体比変動、(c)衝突層のイリジウム量と水銀量の相関と火山噴火の衝突層のイリジウム量と水銀量の相関（ハイチ）。岩相は図2参照。カラバカの岩相柱状図は実際の岩石の色を反映。暗灰色部分は泥岩。</p>
<br>
<img alt="20260507_200.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260507_200.jpg" width="1779" height="1337" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図2. ハイチ・スペイン・フランスの白亜紀―古第三紀境界層の2種類の水銀同位体比変化。小惑星衝突層で火山と原油・シェイルガスの値の中間域に収束している。赤楕円で囲まれる赤マークの3点が衝突イリジウム濃集層。1-6が時間経過を示す。時間4の「一時的な暗闇」は、Δ¹⁹⁹Hg が0に近いことから推察される。ハイチは衝突地点に近かったので太陽光が塵・すすでほとんど遮断されたためと考えられる。MIFは質量非依存同位体分別：同位体組成の変化が質量差に比例しない（質量依存の法則に従わない）現象。通常の物理・化学プロセス（質量依存）とは異なり、光化学反応やオゾン生成などで見られ、地球外物質や初期地球大気の環境解析に使われる。MDFは質量依存。2種類の水銀同位体比の説明は、論文の補足情報ファイルにある。エラーバーは標準偏差 (± sd)。</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>掲載誌：</strong>Plaeogeography, Plaeoclimatology, Plaeoecology<br>
<strong>論文タイトル：</strong>Dual Hg peaks and isotopic convergence reveal sequential Deccan volcanism and Chicxulub impact at the K-Pg boundary<br>
<strong>著者：</strong>Kunio Kaiho, Jeroen E. Sonke, Stephen E. Grasby, Akane Yamakawa, Satoshi Takahashi, and Laure Laffont<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1016/j.palaeo.2026.113831" target="_blank">10.1016/j.palaeo.2026.113831</a>
</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. デカントラップ火山活動：</strong>6600万年前の白亜紀―古第三紀境界を跨いで100万年ぐらい活動したインド亜大陸の大規模火山活動。直径約1000km内の火山噴出岩の体積は、他の主要大量絶滅を起こした火山活動の半分ぐらい、3分の2は絶滅後に噴出した。厚さ約3kmの玄武岩溶岩を主体とするが酸性火山岩（流紋岩質）や火山灰層や古土壌を挟む。何度も流れ出た溶岩が冷えて固まり積み重なった玄武岩溶岩が階段状に見えることから階段を意味するTraps（トラップ）と呼ばれている。最大の大量絶滅を起こしたと考えられるシベリアトラップ火山活動も同様の語源である。デカントラップ火山活動は、チクシュルーブ衝突と並んで、白亜紀―古第三紀境界の大量絶滅の原因として議論されている。<br>
<strong>注2. チクシュルーブ衝突：</strong>6600万年前の白亜紀―古第三紀境界を生んだ小惑星衝突。この小惑星衝突により大量絶滅が起きて生物相が大きく変わった。地質時代は、化石記録の変化が大きい地層で分けられているので、小惑星衝突が白亜紀―古第三紀境界を生んだことになる。チクシュルーブはメキシコのユカタン半島の衝突場所の地名。地球表面に少なく、隕石に多いイリジウムの濃集から1980年に直径約10kmの小惑星衝突説が提唱され、1990年にチクシュルーブクレーターがその小惑星衝突の場所として報告された。厚さ約3kmの石灰岩・硫酸塩の蒸発岩（海水が蒸発してできた岩塩を主とし泥岩・原油を含んでいたと推定される。衝突によりその下の花崗岩まで吹き飛びクレーターが形成された。その底部には岩石が溶けて固結した岩石がある。その固結時の年代値は大量絶滅の年代の6600万年前と一致する。
</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
東北大学名誉教授<br /> 
海保　邦夫（かいほ　くにお）<br /> 
Email：kunio.kaiho.a6[at]tohoku.ac.jp<br /> 
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>量子力学のシュレディンガー方程式の新しい解析解を発見―混合次元エフィモフ状態の普遍的性質を量子欠損理論で解析的に決定― - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260501-14240.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14240</id>

    <published>2026-05-01T05:00:00Z</published>
    <updated>2026-05-07T00:41:04Z</updated>

    <summary><![CDATA[ポイント &#9679;&nbsp;1/r³および引力的1/r²ポテンシャル...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>ポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;1/r³および引力的1/r²ポテンシャルを持つシュレディンガー方程式の解析解を初めて導出した。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;3次元と１次元の混合次元系におけるエフィモフ状態の挙動が、斥力の場合に双極子長スケールによって普遍的に決まることを明らかにした。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;本成果は、極低温まで冷却した極性分子からなる量子三体系の理解や、実験観測に向けた理論的基盤となる。</p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>電気通信大学大学院情報理工学研究科基盤理工学専攻博士前期課程2年大石悠生氏、同専攻遠藤晋平准教授、東北大学大学院特別研究学生大井一輝氏らは、1/r³および引力的1/r²ポテンシャルを持つシュレディンガー方程式の解析解を量子欠損理論（Quantum Defect Theory）という解析手法を用いて初めて導出し、双極子相互作用が強く働く混合次元系におけるエフィモフ効果の普遍的性質を明らかにしました。本成果は冷却極性分子を用いた量子三体実験や冷却原子型量子シミュレータ開発に貢献するものです。</p>
<p>本研究成果は物理学の専門誌Physical Review Research（オンライン版）に2026年5月1日（日本時間）に公開されました。</p>
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<br>
<h3>背景</h3>
<p>ニュートンの運動方程式を解く事で、これまで人類は惑星の動きを始め、様々な物体の振る舞いを予言することに成功してきました。特に地球と太陽のように2つの物体のみで構成される物理系において、その運動方程式は容易に解くことができます。しかし、そこにもう1つの物体を加えると、方程式を綺麗に解く事は不可能になり、予測不可能な振る舞いを示します。これを一般に3体問題と呼び、古くから知られています。さらに、20世紀以降の量子力学の発展により、原子・原子核の系を始めとする、量子効果が重要になる非常に小さな世界で3体問題を考えるようになりました。原子や電子が登場する小さな世界では、量子効果により粒子が壁をすり抜けるといった奇妙な振る舞いを示します。1970年にV. N. Efimovはこの量子の奇妙な世界で強く相互作用する3体問題を考え、無数の3体束縛状態が等比級数的に現れることを始めて理論的に示しました。この現象は発見者であるEfimovの名前にちなんで、エフィモフ状態（※1）と呼ばれています。エフィモフ状態の特筆すべき点として、粒子間の距離が相互作用の到達距離を大きく超えてもなお、3粒子がお互いに束縛しあうという点が挙げられ、エフィモフ状態はまさに量子の性質を顕著に示す例であると言えます。エフィモフ状態はEfimovによって予言され、冷却原子気体（※2）の実験において実証されて以来、量子三体物理学の中心的な研究テーマとなっています。特に、エフィモフ状態のエネルギースペクトルは原子の種類やスピン自由度など、系の複雑な詳細に依らず少数の物理パラメーターによって普遍的に決定されることが冷却原子の実験観測などから知られており、その普遍性の物理的な起源の解明が重要な課題でした。</p>
<p>近年、冷却原子・分子実験技術の進歩により、図1に示されるような一部の粒子が擬似的に1次元に閉じ込められ、他の原子は3次元空間を動きまわるような混合次元系（※3）の実現が可能となりました。混合次元系では、閉じ込められた粒子間の有効相互作用に1/r²に比例するような引力相互作用が現れ、その結果、エフィモフ状態が現れることが通常の冷却原子に対しては解析的に示されていました。一方、磁気モーメントが非常に大きな極性分子などの間には1/r³型の磁気双極子相互作用（※4）も追加で働きます。このような1/r³ポテンシャルも含むシュレディンガー方程式の解析解がこれまで得られておらず、そのため、混合次元エフィモフ状態の物理的挙動も未解明のままでした。</p>
<img alt="20260507o.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/05/20260507o.jpg" width="1078" height="354" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1:本研究で扱った量子3体系の概略図。擬１次元的に捕捉された重い2粒子（緑）が磁気双極子相互作用をしながら、3次元的に動き回る軽い１粒子（黄）とも相互作用する量子3体系を、ボルン・オッペンハイマー近似により2体問題に還元し、解析解を適用した。</p>
<br>
<br>
<h3>手法</h3>
<p>本研究では、1/r³ポテンシャルと引力的1/r²ポテンシャルが存在するシュレディンガー方程式に対して量子欠損理論（Quantum Defect Theory）（※5）という手法を適用しました。量子欠損理論は長距離ポテンシャルを持つ量子系に対して解析的な解を導く強力な手法です。この手法を用いて斥力および引力の1/r³相互作用の双方に対する解析解を導出し、数値計算との比較によってその妥当性を検証しました。さらに、ボルン・オッペンハイマー近似を用いる事で、混合次元系のエフィモフ状態がこのシュレディンガー方程式で良く記述できることを示しました。</p>
<br>
<br>
<h3>成果</h3>
<p>量子欠損理論によって得られた離散スケール不変なエネルギーと波動関数は、数値計算結果と非常によく一致し、解析解の妥当性が立証されました。</p>
<p>この新しい解析解によって得られた重要な物理的知見として、斥力双極子相互作用が働く系の混合次元エフィモフ状態のエネルギースペクトルが、双極子長（※6）によって普遍的に決まることが解析的に示されました。一方、引力双極子相互作用の場合には、エネルギースペクトルは短距離の詳細に依存することも解析表式により明らかにしました。この普遍性の物理的解釈は次のように与えられます。双極子相互作用が斥力の場合、その斥力によって粒子はお互いに近づくことができず、長距離相互作用である双極子相互作用のみが系の振る舞いを支配します。一方、双極子相互作用が引力の場合、その引力によって、粒子がお互いに近づくことができるため、双極子相互作用の効果のみならず、原子の種類やスピンの状態といった、お互いの粒子の短距離での詳細な情報が物理的な振る舞いに影響を及ぼします。</p>
<p>また、混合次元系を実験で実現する際、粒子を１次元空間に完璧に閉じ込めることはできず、わずかに閉じ込め方向の幅が残ります。その有限の閉じ込めの幅の影響も解析し、本研究の解析解が、擬1次元空間に閉じ込められた2つの極性分子と3次元空間を飛び交う1つの軽原子からなるエフィモフ状態の記述に有用であることも定量的に示しました。</p>
<br>
<br>
<h3>今後の期待</h3>
<p>本研究で得られた解析解は、双極子相互作用が強く働く極性分子を用いたエフィモフ状態の理論的予測とその実験的実現に直接貢献するものです。近年、極性分子の制御技術は著しく進歩しており、混合次元系のエフィモフ効果が実験的に観測されることが期待されています。本研究で示されたエネルギースペクトルの解析表式は、こうした実験に対する予言に不可欠な理論的基盤となります。また、本研究で量子少数系の理解が進展することにより、原子核や物質中の電子などにおける量子少数系の理解も深まり、これら類似の量子少数系を冷却原子を用いて理解することを目指す冷却原子型量子シミュレータ開発への貢献も期待されます。</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>掲載誌：</strong>Physical Review Research<br>
<strong>タイトル：</strong>Analytical solution of the Schrödinger equation with 1/r³ and attractive 1/r² potentials: Universal three-body parameter of mixed-dimensional Efimov states<br>
<strong>著者：</strong>Yuki Ohishi, Kazuki Oi, Shimpei Endo<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://journals.aps.org/prresearch/abstract/10.1103/8x96-ygjt" target="_blank">10.1103/8x96-ygjt</a>
</p>
<br>
<br>
<h3>外部資金情報</h3>
<p>本研究は、松尾学術研究助成、JSPS科研費（JP22K03492,JP23K25870,JP25K00217）、東北大学宇宙創成物理学国際共同大学院（GPPU）プログラムの支援を受けた研究成果です。</p>
<br>
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<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>※1. エフィモフ状態：</strong>量子3体系に現れる可算無限個の束縛状態を指す。ある3体束縛状態に対し、その体束縛状態を22.7倍でスケールすると次の束縛状態が現れ、その束縛状態をもう一度22.7倍するとさらに次の束縛状態が現れ、以降同様に22.7倍のスケール変換を通して無限個の3体束縛状態が現れる、という離散スケール不変性を示す。強く相互作用する量子系では必ず発現し、冷却原子をはじめ、原子核、ハドロン、量子スピン系など、様々な物理系で現れる普遍的な量子3体現象である。<br>
<strong>※2. 冷却原子：</strong>レーザー冷却の技術により、極低温まで冷却された原子気体を指す。およそ1μK～1nKまで冷却される。様々な量子現象を自由自在に制御して実現できるという特色を持つ。<br>
<strong>※3. 混合次元系：</strong>一部の粒子が低次元空間（擬似的な1次元系や2次元系）に閉じ込められ、他の粒子が3次元空間を動き回るような量子系。近年の冷却原子・分子実験技術の発展により実現可能となっており、新奇な量子多体現象が期待されている。<br>
<strong>※4. 磁気双極子相互作用：</strong>二つの棒磁石の間に働く相互作用を指す。強い磁気・電気双極子モーメントを持つ原子は、棒磁石のように見なすことができるため、両者の間には双極子相互作用が強く働く。<br>
<strong>※5. 量子欠損理論（Quantum Defect Theory）：</strong>長距離ポテンシャルを持つ量子系に対して解析的な解を導くための理論的枠組み。原子の短距離の複雑な相互作用を、量子欠損（Quantum Defect）と呼ばれる１つの散乱位相を定めるパラメータで全て表現してしまうことで、原子間の量子散乱を普遍的に解くことができる。原子・分子物理学で広く用いられており、本研究では1/r³型ポテンシャルに対してその適用範囲を拡張した。<br>
<strong>※6. 双極子長：</strong>双極子相互作用（1/r³型ポテンシャル）の強さを特徴づける長さスケール。極性分子の双極子モーメントと質量から定まる量。
</p>
<br>
<br>
<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
電気通信大学大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻<br>
【職名】准教授<br>
【氏名】遠藤　晋平（Shimpei Endo）<br>
Tel：042-443-5459　　E-Mail：shimpei.endo[at]uec.ac.jp<br>
<br>
東北大学大学院理学研究科物理学専攻<br>
【所属】特別研究学生<br>
【氏名】大井　一輝<br>
E-Mail：kazuki.oi.t8[at]dc.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>フラットバンドが生む世界最大の横磁気熱電伝導率――磁気秩序下での遍歴フラットバンドを初めて実証―― - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260430-14234.html" />
    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14234</id>

    <published>2026-04-30T01:00:00Z</published>
    <updated>2026-04-30T01:35:36Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;フェリ磁性体GdCo5において、室...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
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        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;フェリ磁性体GdCo<sub>5</sub>において、室温で過去最大の横磁気熱電伝導率を観測した。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;巨大な磁気熱電効果（異常ネルンスト効果）の起源は、波動関数の干渉効果により生じた遍歴フラットバンドであることを、実験と理論の両面から実証した。磁気秩序が生じている物質で遍歴フラットバンドが観測されたのは世界で初めての事例である。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;磁気熱電効果を用いた横型熱電変換は薄膜形状のデバイスに適している。本成果で見いだされた巨大な磁気熱電効果を利用することで、熱電デバイスやスピントロニクスデバイスへの応用が期待される。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/04/press20260430-01-flat.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<img alt="20260428_10.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260428_10.jpg" width="1375" height="592" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1 （左）積層ハニカム-カゴメ格子上に配置されたCo原子による波動関数の干渉効果の模式図。<br>
（右）遍歴フラットバンドの角度分解光電子分光（ARPES）による観測結果と理論計算。赤色の面が理論計算による遍歴フラットバンド、赤丸とカラーマップがARPESにより得られた遍歴フラットバンドを表す。</p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>東京大学大学院理学系研究科の見波将特任助教（研究当時、現：京都大学大学院工学研究科助教）、Yangming Wang博士課程学生（研究当時）、中村紘人博士課程学生（研究当時）、酒井明人講師と中辻知教授らの研究グループは、同大学大学院有田亮太郎教授（兼：理化学研究所創発物性科学研究センターチームディレクター）、理化学研究所創発物性科学研究センターの大岩陸人基礎科学特別研究員（研究当時、現：北海道大学講師）、東北大学材料科学高等研究所（WPI-AIMR）の相馬清吾准教授、佐藤宇史教授らと共同で、フェリ磁性体<sup>（注 1）</sup>GdCo<sub>5</sub>において、室温で過去最大の横磁気熱電伝導率<sup>（注 2）</sup>を観測しました。また、巨大な磁気熱電効果の起源が波動関数の干渉効果により生じた遍歴フラットバンド<sup>（注 3）</sup>であることを、実験と理論の両面から明らかにしました。</p>
<p>GdCo<sub>5</sub>はハニカム格子とカゴメ格子<sup>（注 4）</sup>が交互に積み重なった結晶構造を持ちます。本研究では、角度分解光電子分光（ARPES）<sup>（注 5）</sup>と第一原理計算<sup>（注 6）</sup>を組み合わせ、この積層格子上の波動関数の干渉効果<sup>（注 7）</sup>により、遍歴フラットバンドが広い運動量空間にわたって存在することを明らかにしました（図1）。磁気秩序が生じている物質で遍歴フラットバンドが観測されたのは世界で初めての事例です。さらに、このフラットバンドに由来する巨大な磁気熱電効果を発見し、室温における横磁気熱電伝導率として過去最大の値を達成しました（図2）。本成果で見いだされた巨大な磁気熱電効果を利用することで、熱電デバイスやスピントロニクスデバイスの開発につながることが期待されます。</p>
<br>
<img alt="20260428_20.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/assets_c/2026/04/20260428_20-thumb-450xauto-17868.jpg" width="450" height="438" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図2：GdCo<sub>5</sub>における横磁気熱電伝導率の測定結果。室温(300 K)近傍において世界最大の横磁気熱電伝導率を示す。挿入図はGdCo<sub>5</sub>の結晶構造。ハニカム格子(H)、カゴメ格子(K)上のコバルト原子の波動関数の干渉効果により遍歴フラットバンドが生じる。</p>
<br>
<br>
<h3>発表内容</h3>
<p>通常、金属中で動き回る電子のエネルギーは運動量の2乗に比例します。しかし、カゴメ格子など三角系をモチーフに持つ結晶格子上では量子力学的な干渉効果により、エネルギーが運動量に依存しない「フラットバンド」と呼ばれる特異な電子状態になることがあります。フラットバンドがフェルミエネルギー<sup>（注 8）</sup>付近に位置すると、電子間のクーロン反発力が有効的に大きくなり、超伝導やトポロジカル相など様々な量子物性を引き起こすことが期待されます。しかし、これまでフェルミエネルギー近傍のフラットバンドは、磁気秩序の無い非磁性体でのみ報告されていました。これは、通常、磁気秩序が生じると、フラットバンドのエネルギーが大きく低下する（フェルミエネルギーから離れる）ためです。</p>
<p>本研究では、永久磁石材料として知られるRCo5（R = 希土類）系化合物の一つであるフェリ磁性体GdCo<sub>5</sub>に着目しました。GdCo<sub>5</sub>はハニカム格子とカゴメ格子が交互に積み重なった「積層ハニカム-カゴメ格子」を持ち、磁気秩序を示す温度（キュリー温度）が670℃（940 K）と極めて高い磁性体です。理論計算により、この積層格子上のコバルト3d軌道の波動関数の干渉効果が複数のフラットバンドを生み出し、磁気秩序下でもフェルミエネルギー上に安定的に留まることを見いだしました。</p>
<p>この理論予測を検証するため、高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリーにおいて高精度の角度分解光電子分光（ARPES）測定を実施しました。その結果、フェルミエネルギー近傍に極めてフラットなバンド分散が、ブリルアンゾーンの広い領域にわたって観測され、磁性体における遍歴フラットバンドの存在を世界で初めて実証しました。</p>
<p>さらに、この遍歴フラットバンドが大きなベリー曲率<sup>（注 9）</sup>を生成することで、巨大な異常ネルンスト効果が発現することを明らかにしました。特に、室温での横熱電伝導率は10 Am-1K-1を超え、これまで報告されたすべての磁性材料の中で最大の値を達成しました。理論計算との比較により、この巨大な磁気熱電効果の80%以上が遍歴フラットバンドに由来することが確認されています。</p>
<p>本研究で明らかになったフラットバンドは、GdCo<sub>5</sub>だけでなく、永久磁石などに活用されているRCo5系化合物全体に共通して存在することが理論的に示されています。この成果は、積層ハニカム-カゴメ格子がフラットバンドを生み出す新たなプラットフォームとなることを示しており、時間反転対称性の破れた磁性体におけるフラットバンド物理に新たな展開を拓くものです。本成果は、JST未来社会創造事業での研究開発をきっかけに進展したものです。強磁性体とトポロジカル反強磁性体とをつなぐ研究上のスプリングボードとして、フェリ磁性体の性質を明らかにしたことで、本事業が目指すスピントロニクス光電インターフェースの基盤技術の構築に資する知見が得られました。今後、ハニカム-カゴメ格子を持つ希土類遷移金属磁性体群を基盤として、高性能な熱電変換素子やスピントロニクスデバイスへの応用展開が期待されます。</p>
<br>
<br>
<h3>発表者・研究者等情報</h3>
<p>
東京大学<br>
　大学院理学系研究科物理学専攻<br>
　　見波　将　特任助教（研究当時）<br>
　　　現：京都大学　大学院工学研究科　機械理工学専攻　助教<br>
　　Yangming Wang　博士課程（研究当時）<br>
　　中村　紘人　博士課程（研究当時）<br>
　　Hang Su　博士研究員<br>
　　黒沢　駿一郎　博士課程（研究当時）<br>
　　　現：同大学大学院　特任研究員<br>
　　酒井　明人　講師<br>
　　中辻　知　教授<br>
　　　兼：東京大学　物性研究所　特任教授<br>
　　　兼：東京大学　トランススケール量子科学国際連携研究機構　機構長<br>
　　有田　亮太郎　教授<br>
　　　兼：理化学研究所　創発物性科学研究センター　計算物質科学研究チーム<br>
　　　　　チームディレクター<br>
　　渡邉　光　助教（研究当時）<br>
　　　現：北海道大学　大学院工学研究院　応用物理学部門　准教授<br>
物性研究所<br>
　　浜根　大輔　技術専門職員<br>
<br>
理化学研究所<br>
　創発物性科学研究センター<br>
　　大岩　陸人　基礎科学特別研究員（研究当時）<br>
　　　現：北海道大学　大学院理学研究院　物理学部門　講師<br>
<br>
東北大学<br>
　材料科学高等研究所（WPI-AIMR）・大学院理学研究科物理学専攻<br>
　　大隅　拓海　博士課程<br>
　　中山　耕輔　助教<br>
　　相馬　清吾　准教授<br>
　　佐藤　宇史　教授<br>
<br>
東京都立大学<br>
　大学院理学研究科物理学専攻<br>
　　野本　拓也　准教授<br>
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>雑誌名：</strong>Advanced Materials<br>
<strong>題名：</strong>Evidence for itinerant ferromagnetic flat bands producing large transverse responses<br>
<strong>著者名：</strong>Susumu Minami, Yangming Wang, Seigo Souma, Hiroto Nakamura, Akito Sakai, Takumi Osumi, Hang Su, Hikaru Watanabe, Shun'ichiro Kurosawa, Rikuto Oiwa, Daisuke Nishio-Hamane, Kosuke Nakayama, Takuya Nomoto, Ryotaro Arita, Takafumi Sato, Satoru Nakatsuji<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1002/adma.202517521" target="_blank">10.1002/adma.202517521</a></p>
<br>
<br>
<h3>研究助成</h3>
<p>本研究は、科学技術振興機構（JST） 未来社会創造事業 大規模プロジェクト型「スピントロニクス光電インターフェースの基盤技術の創成」（課題番号：JPMJMI20A1）、先端国際共同研究推進事業（ASPIRE）「トポロジカル物質に基づく革新的量子エレクトロニクスの創成」（課題番号：JPMJAP2317）、戦略的創造研究推進事業 CREST（課題番号：JPMJCR18T1, JPMJCR18T3）、戦略的創造研究推進事業 さきがけ（課題番号：JPMJPR20L7）、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）「NEDO先導研究プログラム／エネルギー・環境新技術先導研究プログラム／トポロジカル物質を用いたユニバーサルメモリの研究開発」、科学研究費助成事業（課題番号：JP19H00650, JP19H05825, JP20K22479, JP21H04437, JP21J22318, JP22K14587, JP23K03298, 24KF0186, JP24K00758, 25H01250）の支援により実施されました。</p>
<br>
<br>
<h3>用語解説</h3>
<p>
<strong>注1. フェリ磁性体：</strong>磁石の性質を持つ物質（磁性体）の一種です。通常の磁石（強磁性体）ではすべての磁気モーメント（原子の持つ小さな磁石）が同じ方向に揃っていますが、フェリ磁性体では大きさの異なる磁気モーメントが互いに反対方向を向いています。例えば、本研究で使われたGdCo<sub>5</sub>の場合、図2挿入図の矢印で示すように、コバルト原子(Co)とガドリニウム原子(Gd)の大きさが異なり反対向きの磁気モーメントを持っています。<br>
<strong>注2. 横磁気熱電伝導率：</strong>物質に温度差を加えると、電子が温度差に沿って移動するため、温度差と同じ方向に起電力が生じ、このような現象は熱電効果（ゼーベック効果）と呼ばれます。一方、磁性体では物質中の磁化により電子の移動が曲げられ、温度差と垂直な方向にも起電力が生じます。このような磁化に由来し温度差と垂直な方向に起電力が生じる熱電効果を異常ネルンスト効果（磁気熱電効果）と呼びます。起電力の向きの違いにより、異常ネルンスト効果を横型熱電効果とも呼びます。ゼーベック効果を用いた従来の熱電素子は立体的で複雑な構造が必要ですが、異常ネルンスト効果では温度差に対して垂直方向に発電するため、薄膜型の簡便なデバイス設計が可能です。横磁気熱電伝導率（α<sub>xy</sub>）はこの横方向の熱電変換の性能を表す物理量で、値が大きいほど高性能な発電が可能となります。<br>
<strong>注3. 遍歴フラットバンド：</strong>固体中に存在する電子はそれぞれ異なるエネルギーを持ち、その取りうるエネルギーの範囲を「バンド」と呼びます。通常の金属では、電子は運動量の2乗に比例する運動エネルギーを持ちバンドにエネルギーの幅が生じますが、カゴメ格子のように三角形を基本単位とする幾何学的にフラストレートした結晶格子上では、格子の幾何学的性質に起因する波動関数の干渉効果<sup>（注7）</sup>により、エネルギーが運動量によってほとんど変化せず、幅のない平坦なバンドが現れることがあります。これを「フラットバンド」と呼びます。通常、磁気秩序が生じるとフラットバンドはフェルミエネルギー<sup>（注8）</sup>から離れて遍歴性を失うため、遍歴性を有するフラットバンドと磁気秩序は相反するものであると考えられてきました。本研究ではフェリ磁性体GdCo<sub>5</sub>において磁気秩序下でもフェルミエネルギー近傍に存在する「遍歴フラットバンド」を世界で初めて実証しました。<br>
<strong>注4. ハニカム格子、カゴメ格子：</strong>カゴメ格子は、原子が籠目状に配置された結晶構造を指します。ハニカム格子とは、原子が蜂の巣状に六角形を形成するように配置された結晶構造を指します。本研究のGdCo<sub>5</sub>では、コバルト（Co）原子がカゴメ格子とハニカム格子を交互に形成しており（図1左）、この「積層ハニカム-カゴメ格子」上での波動関数の干渉効果が、遍歴フラットバンドを安定化させる鍵となっています。<br>
<strong>注5. 角度分解光電子分光 （ARPES）：</strong>物質の表面に光を照射して、外部光電効果により物質外に放出される電子のエネルギーと運動量を同時に測定することで、電子の物質中での状態を直接的に観測する実験手法です。<br>
<strong>注6. 第一原理計算：</strong>量子力学のシュレディンガー方程式に従って、物質中の電子の運動をコンピューターで計算する方法を第一原理計算と呼びます。本研究では密度汎関数理論に基づいた第一原理計算を用いています。密度汎関数理論は、第一原理計算の中でも電子密度をベースに物質の性質を計算する手法で、固体物理や量子化学の分野で頻繁に用いられており、スーパーコンピューターなどの大規模な計算機などを活用し、計算を行い物質中の電子状態の高精度な理論予測が可能となります。<br>
<strong>注7. 波動関数の干渉効果：</strong>量子力学では、電子は波としての性質を持つ波動関数として記述されます。水面の波の重ね合わせと同様に、結晶格子上の電子の波動関数も互いに干渉します。カゴメ格子のように三角形を基本単位とする格子では、隣接するサイト間を伝わる電子の波動関数の位相が互いに相殺し、電子が特定の領域に閉じ込められます。この局在化がフラットバンドの起源となります。本研究のGdCo<sub>5</sub>では、積層ハニカム-カゴメ格子に由来した波動関数が互いに干渉することで、複数のフラットバンドが生じ、遍歴フラットバンドの起源となることを理論的に明らかにしました。<br>
<strong>注8. フェルミエネルギー：</strong>固体内の電子が、低いエネルギー状態から順に詰まっていき、絶対零度においてちょうど満たされる最高のエネルギーレベルのことです。金属や半導体などの様々な物性（電気伝導性や磁性、熱電変換性能など）は、このフェルミエネルギー近傍に位置する電子の振る舞いによって決定されます。本研究において「遍歴フラットバンドがフェルミエネルギー近傍に存在する」という事実は、フラットバンド由来の特殊な電子状態が、物質の機能（高い磁気熱電性能など）に寄与していることを意味しています。<br>
<strong>注9. ベリー曲率：</strong>ベリー曲率は運動量空間上の波動関数により定義されます。このベリー曲率は運動量空間上であたかも磁場（仮想磁場）のような振る舞いを電子に与え、温度勾配に対して垂直方向の運動を与えます。この効果が磁気熱電効果特有の温度勾配に対する垂直な起電力の起源の一つとなっています。このベリー曲率は波動関数のトポロジカルな性質（位相幾何学的性質）に起因します。GdCo<sub>5</sub>において発現した遍歴フラットバンドにより巨大なベリー曲率が発現することを理論的に明らかにしました。巨大な仮想磁場が電子により大きな横方向の運動を与えていると解釈することもでき、遍歴フラットバンドが巨大な磁気熱電効果の起源となっているといえます。
</p>
<br>
<br>


<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学材料科学高等研究所[<a href="https://arpes.phys.tohoku.ac.jp/">web</a>]<br>
教授 佐藤 宇史（さとう たかふみ）<br>
電話：022-217-6169<br>
Email：t-sato[at]arpes.phys.tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科　広報・アウトリーチ支援室<br>
TEL：022-795-6708<br>
Email：sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>2026（令和8）年度東北大学｢介護等の体験｣について - ニュース</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20260424-14233.html" />
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    <published>2026-04-24T08:40:35Z</published>
    <updated>2026-04-24T09:50:29Z</updated>

    <summary>中学校の教育職員免許状取得希望者　各位 2026（令和8）年度東北大学｢介護...</summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="在学生" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<p><span style="background-color: #ffff66;"><u>中学校</u></span>の教育職員免許状取得希望者　各位</p>
<center>
<h4><span style="background-color: #ffff66;">2026（令和8）年度東北大学｢介護等の体験｣について</span></h4>
</center>
<p></p>
<p>2026（令和8）年度「介護等の体験」の申請を受け付けます。各自、<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/2026_kaigo_yoko.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">実施要項</a>をよく読んだ上で申請してください。提出書類については、各提出期限までに所定の方法で理学部学部教務係へ提出してください。</p>
<p>なお、下記提出書類のうち（1）～（3）の各様式及び（7）の貼付用紙については、以下よりダウンロードしてください。</p>
<p></p>
<center>記</center>
<p></p>
<p><span style="background-color: #ffff66;">【提出書類1：下記（1）～（3）】</span></p>
<p>(1)<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teushutsu1-1-1.xls" target="_blank" rel="noopener noreferrer">特別支援学校における｢介護等の体験｣申込書</a><br />  ※「<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-1-2.xls" target="_blank" rel="noopener noreferrer">特別支援学校一覧</a>」も併せて提出すること。※生年月日は西暦で記載すること。<br /> (2) 社会福祉施設等における｢介護等の体験｣申込書【<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-2-1.docx" target="_blank" rel="noopener noreferrer">様式2</a>】<br />  ※「<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-2-2.xlsx" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(別表1)週間コード表</a>」、「<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-2-3.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(別表2)施設区分コード表</a>」、「<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-2-4.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(別表3)市区町村コード表</a>」を<br /> 　　参照しコードを記入すること<br />  ※社会福祉施設へ送付するので丁寧に書くこと。<br />  ※「<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-2-2.xlsx" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(別表1)週間コード表</a>」も併せて提出すること<br /> (3) 社会福祉施設等における｢介護等の体験｣個人調書【<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu1-3.docx" target="_blank" rel="noopener noreferrer">様式3</a>】<br />  ※社会福祉施設へ送付するので丁寧に書くこと。<br /> <br />  ※(1)～(3)はパソコンでの記入も可。</p>
<p></p>
<p>提出期限：<span style="background-color: #ffff66;"><b><u>2026年5月22日(金)</u></b></span><br /> 提出方法：窓口にて提出（困難な場合はメール提出も可）<br /> 提 出 先：理学部学部教務係（青葉山北キャンパス理学部教務課②番窓口）</p>
<p></p>
<p><span style="background-color: #00ffff;">【提出書類2：下記（4）～（7）】</span></p>
<p>(4) 健康診断書<u>（2026年4月以降に受診したもの）</u><br /> <u>※大学の健康診断の予約は、<span style="color: #ff0000;">2026年5月7日（木）まで</span>。</u><br /> <u>予約し受診した方は、自動発行機で6月25日（木）から健康診断書が入手できる。</u><br /><span style="text-decoration: underline;"> ※大学の健康診断が間に合わなかった方は、一般の医療機関で受診したものでも可能。<br /></span> <span style="text-decoration: underline;">ただし、医療機関によっては発行までに数か月かかる場合もあるため、早目に予約し受診すること。</span><br /> (5) 学生教育研究災害傷害保険料振込領収書のコピー(A4判) <br /> (6) 学生教育研究賠償責任保険加入者証のコピー(A4判) <br /> 　※(5) (6)については、教育・学生総合支援センターで発行される<br /> 　　「学生教育研究災害傷害保険及び学研災付帯賠償責任保険加入証明書」でも可。<br /> 証明書については、「学研災・学研賠加入証明書」請求フォーム（<a href="https://x.gd/giMGv" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://x.gd/giMGv</a>）から発行を依頼すること。 <br /> 　 東北大学教育・学生支援部学生支援課支援企画係へメール<br /> 　　（hoken-gakusei[at]grp.tohoku.ac.jp ＊[at]を@に置き換えてください）での申込みも可。<br /> 　　（件名：学研災・学研賠の加入証明書について 必要記載事項：学籍番号、氏名）<br /> 　　いずれも時間に余裕をもって申し込むこと。 <br /> (7) <u>「介護等の体験」費用（11,000円）の納付確認書</u><br />  ※<a href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/teishutsu2-7.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">貼付用紙</a>の貼付欄に、費用を納付した際の、振込先口座情報、金額、振込日、振込依頼人名義等がわかるもの<br />（例：ATM利用明細（写）、インターネットバンキングの振込完了画面のコピー）を貼り付けて提出すること。<br />  ※学部教務係での現金による申し込みは受付けないので、<br /> 　　<span color="#ff0000" style="color: #ff0000;"><u>必ず三菱UFJ銀行の所定口座に振り込む</u></span>こと。(振込に係る手数料は、申込者負担とする。) <br />  ※振込依頼人名は、申込者本人の学籍番号　カナ氏名とすること。（記入例：「C3SB0000 ﾄｳﾎｸ ﾀﾛｳ」）</p>
<p>提出期限：<b><u><span style="background-color: #00ffff;">2026年7月9日(木)</span></u></b><br /> 提出方法：窓口にて提出（困難な場合は郵送も可）<br /> 提 出 先：理学部学部教務係（青葉山北キャンパス理学部教務課②番窓口）</p>
<p></p>
<div align="right">2026年4月24日<br /> 東北大学理学部</div>
<p></p>]]>
        
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    <title>水完全分解光触媒における初めてのオールインワン助触媒を実現 ―サステイナブルな水素社会の実現に向けて― - ニュース</title>
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    <id>tag:www.sci.tohoku.ac.jp,2026:/news//14.14226</id>

    <published>2026-04-24T01:00:00Z</published>
    <updated>2026-04-24T04:45:37Z</updated>

    <summary><![CDATA[発表のポイント &#9679;&nbsp;脱炭素社会の実現を目指し、クリーン...]]></summary>
    <author>
        <name>sci_tohoku</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="プレスリリース" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="受賞・成果" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教職員" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="topics" label="topics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/">
        <![CDATA[<h3>発表のポイント</h3>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;脱炭素社会の実現を目指し、クリーン水素製造の有望な方法として、光触媒<sup>（注1）</sup>による水完全分解（OWS）<sup>（注2）</sup>が注目されています。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;二次元金属有機構造体（2D-MOF）<sup>（注3）</sup>が光触媒のオールインワン助触媒として機能することを初めて見出しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9679;&nbsp;ワンステップ自己組織化法により簡便に光触媒を2D-MOFで修飾でき、高効率の水完全分解を達成しました。</p>
<p style="margin-left: 1em; text-indent: -1.5em;">&#9633;&nbsp;<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/04/press20260424-03-water.html" target="_blank">東北大学ウェブサイト</a></p>
<br>
<br>
<h3>概要</h3>
<p>光触媒による水完全分解（OWS）は、持続可能な水素生産に大きな可能性を秘めています。OWSでは、光触媒表面での水素発生反応（HER）と酸素発生反応（OER）の双方の促進が極めて重要であり、おのおのの反応に、個別に高い活性を示すHERおよびOER助触媒を、光触媒上の狙いの位置に選択的に修飾することが高活性化の鍵になります。しかし、煩雑な多段階光析出プロセスと逆反応を阻害するための酸素遮断層の必要性、逆反応を完全に抑制することの難しさ、遮断層の耐久性に関する懸念など、依然として大きな課題が残っています。</p>
<p>東北大学大学院理学研究科の坂本良太教授らの研究グループは、導電性二次元金属有機構造体（2D-MOF）の一種であるCo-HHTPがオールインワンの助触媒として機能することを発見しました。Co-HHTPをOWS光触媒であるSrTiO<sub>3</sub>:Al上にワンステップ自己組織化法で担持させることで、酸素遮断層なしで酸素還元逆反応<sup>（注4）</sup>を起こさず、350nm（ナノメートル、ナノは10億分の1）における見かけの量子効率（AQE）31.5%という安定したOWSを実現しました。2D-MOFが提供するオールインワン助触媒の概念は、効率的かつ実用的なOWSシステムの設計に新たなパラダイムを提供します。</p>
<p>本研究成果は、2026年4月23日18時（日本時間）で科学誌 Nature Chemistry 誌 にオンライン掲載されます。</p>
<br>
<br>
<h3>発表内容</h3>
<h4>研究の背景</h4>
<p>脱炭素社会の実現を目指し、クリーンな水素（H<sub>2</sub>）製造の有望な方法として、光触媒による水完全分解（OWS）が注目されており（図1）、実用化に向けた研究が推進されています。光触媒はOWSの熱力学的駆動力を与えますが、光触媒表面の水素発生反応（HER）活性および酸素発生反応（OER）活性は限定的であるため、OWSの効率向上には、助触媒による光触媒表面の修飾が必須です。従来の光触媒システムでは、HERとOERを促進するために別々の助触媒を精密に配置し、さらに酸素還元逆反応を防ぐためのO<sub>2</sub>遮断層をHER助触媒上に設けるといった複雑な工程を必要としていました（図2(a)）。この複雑なプロセスは大規模生産、酸素還元逆反応の完全な抑制、耐久性など、実用化に向けた様々な障壁となっていました。</p>
<br>
<h4>今回の取り組み</h4>
<p>光触媒OWS助触媒に関する上述の困難に対する解決策の1つは、オールインワン助触媒の確立です（図2(b)）。オールインワン助触媒とは、単一の助触媒（または単一の前駆体から生じる助触媒）が、HERとOERの両方を触媒するが、酸素還元逆反応を促進しないものを指します。これまでに助触媒は、実質的には金属および金属酸化物に限定されており（HER助触媒：Rh/Cr<sub>2</sub>O<sub>3</sub>など、OER助触媒：CoOOHなど）、オールインワン助触媒は実現されていませんでした。</p>
<p>東北大学大学院理学研究科の坂本良太教授の研究グループは、京都大学大学院工学研究科のJingyan Guan大学院生、鈴木肇助教、冨田修助教、阿部竜教授、大阪大学大学院基礎工学研究科の神谷和秀准教授、原田隆史技術専門職員、大阪大学大学院工学研究科の佐伯昭紀教授、東北大学の黒河博文講師、海原大輔技術職員、米倉功治教授（理化学研究所グループディレクターを兼任）、東京理科大学の福居直哉研究員（研究当時）、前田啓明講師（研究当時）、山口友一講師、工藤昭彦教授、近畿大学の杉本邦久教授、岡山大学の山方啓教授らとの共同研究により、導電性を有する二次元金属有機構造体（2D-MOF）の一種、Co-HHTP（図3）がオールインワンの助触媒として機能することを発見しました。複雑な多段階工程ではなく、ワンステップ自己組織化法によって、光触媒（SrTiO<sub>3</sub>:Al）の表面をCo-HHTPのナノドメインで修飾することに成功しました（図4）。Co-HHTPを修飾したSrTiO<sub>3</sub>:AlはO<sub>2</sub>遮断層なしで酸素還元逆反応を起こさず、350nmにおける見かけの量子効率が31.5%という安定したOWSを実現しました（図5）。</p>
<br>
<h4>今後の展開</h4>
<p>基礎科学的視点では、オールインワン型助触媒という新規なコンセプトの実証を行った点に大きな価値が存在します。また、オールインワン型助触媒の実現は、導電性2D-MOFの特長（導電性、分子構造に基づく反応選択性、多孔性）を最大限活用することで達成されました。導電性2D-MOFの合理的応用展開を実現した点にも、基礎科学的飛躍が認められます。</p>
<p>応用面では、光触媒OWSの実用化に近づく重要な知見が得られました。すなわち、貴金属や有害なCr（クロム）を使用せず、安価な金属イオンと有機配位子の組み合わせで高性能な助触媒を実現した点に大きな価値があります。簡便なワンステップ自己組織化法はプロセス的利点も包含します。「オールインワン助触媒」という新しいパラダイムは、クリーンな水素エネルギー製造プロセスの実用化に向けた重要なステップとなります。</p>
<br>
<img alt="20260424_10.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260424_10.jpg" width="1608" height="736" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図1. 光触媒によるOWSの概念図。</p>
<br>
<img alt="20260424_20.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260424_20.jpg" width="1314" height="1036" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図2. (a)既存の助触媒を用いたOWS光触媒システムと、(b)本研究で追究したオールインワン助触媒を用いたOWS光触媒システム。</p>
<br>
<img alt="20260424_30.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260424_30.jpg" width="1580" height="736" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図3. 導電性2D-MOFの一種、Co-HHTP。(a)Co-HHTPの2D-MOF層の化学構造。(b)Co-HHTPの積層構造。試料の微小結晶から電子線三次元結晶構造解析により明らかにした構造。</p>
<br>
<img alt="20260424_40.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/2026/04/20260424_40.jpg" width="1622" height="646" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図4. Co-HHTPを修飾した光触媒SrTiO<sub>3</sub>:Alの(a)高分解能透過型電子顕微鏡像（矢印はCo-HHTPを示す）、(b)走査型透過電子顕微鏡像、(c)Co、(d)C、(e)Sr、(f)Tiに関するエネルギー分散型X線分光法による元素マッピング、(g)CoとSrの元素マッピングの重ね書き。</p>
<br>
<img alt="20260424_50.jpg" src="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/assets_c/2026/04/20260424_50-thumb-500xauto-17844.jpg" width="500" height="384" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" />
<p>図5. Co-HHTPを修飾したOWS光触媒SrTiO<sub>3</sub>:Alの光照射（波長λ > 300nm）によるH<sub>2</sub>およびO<sub>2</sub>発生の経時変化（1 M KOH水溶液中）。</p>
<br>
<br>
<h3>謝辞</h3>
<p>本成果は、科学技術振興機構（JST）創発的研究支援事業（JPMJFR203F）、同 戦略的創造研究推進事業 CREST（JPMJCR24S6）、同 未来社会創造事業（JPMJMI23G2）、日本学術振興会（JSPS）科学研究費補助金（JP25H01644、JP25H01674、JP25H01999、JP24K01494、JP24K01528、JP24H00485、JP24K21809、JP23K18001、JP23H03937、JP23KJ1388、JP23H02061、JP22H05145、JP20H05838、JP20H00398）、旭硝子財団、日本板硝子材料工学助成会、ENEOS東燃ゼネラル研究奨励・奨学会、泉科学技術振興財団、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム（JP25ama121006）、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業（JPJS00420230010）からの助成・支援を受けて実施されました。本論文は『東北大学 2026年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業』によりオープンアクセスとなっています。</p>
<br>
<br>
<h3>用語説明</h3>
<p>
<strong>注1. 光触媒：</strong>光を照射することにより自身は変化しないが、触媒作用を示す物質。<br>
<strong>注2. 水完全分解（OWS）：</strong>水を分解し、酸素と水素を取り出す現象。光触媒の場合、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光が照射されると励起電子と正孔が生じる。これらがそれぞれ水の還元、酸化反応を行うことで水分解反応が進行する。<br>
<strong>注3. 二次元金属有機構造体（2D-MOF）：</strong>金属有機構造体（MOF）は金属イオンと有機配位子が規則的に結合した、ナノレベルの微細な穴を持つ多孔性結晶材料で、北川進特別教授（京都大学）らの2025年ノーベル化学賞の受賞対象となった物質群である。2D-MOFはMOFのうち、二次元シート構造を特徴とするものを指す。<br>
<strong>注4. 酸素還元逆反応：</strong>光触媒上で生成した酸素が再び電子を受け取って還元される反応や、生成した水素と酸素が助触媒上で反応して再び水に戻る反応を指す。これらの反応が起こると、水素生成の効率が低下する。
</p>
<br>
<br>
<h3>論文情報</h3>
<p>
<strong>タイトル：</strong>Two-dimensional metal-organic frameworks offer all-in-one cocatalysts for photocatalytic overall water-splitting<br>
<strong>著者：</strong>Jingyan Guan, Hajime Suzuki*, Kazuhide Kamiya, Takashi Harada, Rintaro Adachi, Osamu Tomita, Hirofumi Kurokawa, Daisuke Unabara, Koji Yonekura, Naoya Fukui, Hiroaki Maeda, Kunihisa Sugimoto, Yuichi Yamaguchi, Akinori Saeki, Akira Yamakata, Akihiko Kudo, Ryu Abe*, Ryota Sakamoto*<br>
*責任著者　京都大学大学院工学研究科 助教 鈴木肇、京都大学大学院工学研究科 教授 阿部竜、東北大学大学院理学研究科 教授 坂本良太<br>
<strong>掲載誌：</strong>Nature Chemistry<br>
<strong>DOI：</strong><a href="https://www.nature.com/articles/s41557-026-02133-6" target="_blank">10.1038/s41557-026-02133-6</a></p>
<br>
<br>

<h3>問い合わせ先</h3>
<p>
＜研究に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科化学専攻<br>
教授　坂本　良太（さかもと　りょうた）[<a href="https://web.tohoku.ac.jp/sakutai/">web</a>]<br>
TEL：022-795-3681<br>
Email：ryota.sakamoto.e3[at]tohoku.ac.jp<br>
<br>
＜報道に関すること＞<br>
東北大学大学院理学研究科　広報・アウトリーチ支援室<br>
TEL：022-795-6708<br>
Email：sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp<br>
＊[at]を@に置き換えてください</p>
<br>
<br>]]>
        
    </content>
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