萌芽研究奨励事業

[2020年度採択]

飛翔体観測・計算機実験・機械学習の学際融合による宇宙空間変動観測の高度化
地球物理学専攻 助教 木村智樹
研究の概要: 本研究は、飛翔体の宇宙プラズマ観測データとプラズマ計算機実験を、世界で初めて機械学習を介して融合させ、時空間変動分離が困難な観測データから、高次元の時空間構造を推定することを目的とする。多くの飛翔体観測データは、低空間次元・短観測時間・単地点の観測データであり、時空間変動の分離が難しく、不確定性が解消できないことが宇宙科学における原理的限界だった。そこで本研究では、機械学習の一種である深層学習を用いて、物理原理に基づいて宇宙空間変動を解いた計算機実験と、観測データの紐付け学習を膨大な回数行うことで、観測から全ての時空間変動を予測するモデルを開発し、限界の突破を試みる。開発した予測モデルによって、今までは現象の複雑性や時空間的に疎な観測で、人間には無秩序に見えていた現象も、物理的に意味のある現象として抽出し、宇宙空間の変動機構の全容を解明することを最終目的とする。本研究は、計算機実験で再現できるすべての現象に関して、過去の観測データや、将来観測されるデータにまで広範に適用できる汎用的手法である。本研究は、飛翔体観測ミッションで得られた全ての観測データの中から、人間では実現不可能な速度・制度で、新しい物理知見を見出す事のできる、潜在的波及効果があると考えられる。
成果報告: 報告書

[2019年度採択]

機能性スピンナノ構造の新規光検出技術の開拓
物理学専攻 准教授 松原正和
研究の概要: 近年、従来の強磁性とは本質的に異なる「機能性スピンナノ構造」を持つ物質が、次世代テクノロジーを支える革新的機能創出の観点から、基礎・応用の両面において大きな注目を集めている。しかしながら、機能性スピンナノ構造の多くはマクロな磁化を持たないため、これらを直接的に検出し、その機能を解明することが困難である。そこで本研究では、多彩な機能性スピンナノ構造を直接的に検出・評価する新しい強力な光技術を開拓する。これにより、材料科学の諸分野(電子材料、磁性材料、光学材料)にまたがる最先端物質の機能解明と機能創出を強力に推し進める。
成果報告: 報告書

研究ステップアップ奨励事業

[2020年度採択]

究極のすばる望遠鏡へ:広視野補償光学による近赤外深探査で解明する銀河宇宙史
天文学専攻 教授 兒玉忠恭
研究の概要: 広視野観測で活躍してきたすばる望遠鏡に、その強みをさらに強化する広視野補償光学機能が追加される予定である。その特⻑を最⼤限に⽣かすため、本研究は新しい広視野カメラ(WFI)を開発することにより、0.2秒⾓の⾼い解像度と14分⾓四⽅の広い視野を共に叶える 最強の近⾚外観測装置を実現し、これまでの遠⽅銀河宇宙の研究に質的な変⾰をもたらす。 (1)⾮常に稀な超遠⽅天体や遠⽅の⼤質量銀河を発⾒し、 (2)遠⽅宇宙の銀河団やその周りに広がる⼤規模構造の星質量分布をトレースし、 (3)形成途上銀河の系統的なサンプルについて内部構造を分解する、などによって黎明期から加速期、そして最盛期を経て減衰期へと⾄る、銀河形成の宇宙史を明らかにする。

[2019年度採択(※2020年度科研費に採択されたため、奨励費の交付は無し)]

強相関d1電子系酸化物のエピタキシャル接合による多機能・高特性な超伝導体の創生
化学専攻 助教 岡大地

若手研究奨励事業

[2020年度採択]

Amphidinolide N の全合成研究
化学専攻 助教 的場博亮
研究の概要: Amphidinolide Nは、渦鞭毛藻/Amphidinium sp./より単離、構造決定されたマクロライド系天然物である。26員環マクロラクトン上に13の不斉中心を持つ複雑な構造に加え、極めて強力な抗腫瘍活性を有する本天然物は多くの有機合成化学者の興味を集め、盛んにその合成研究が行われている。しかしながら、今日までにその全合成は達成されていない。本研究では、強力な抗腫瘍活性を有する海洋天然物Amphidinolide Nの全合成を行う。
成果報告: 報告書

[2020年度採択]

大質量分子雲の起源から確立する銀河星形成過程の統一的描像
天文学専攻 日本学術振興会特別研究員PD 小林将人
研究の概要: 銀河の星形成活動は、星間媒質の物理状態から予想されるものと⽐べ非常に⾮効率と知られており(典型的に数%)、この非効率性の起源解明は銀河進化学における最重要課題の一つである。特に銀河の熱的・化学的進化に多大な影響を及ぼす大質量星は、その母天体が10万太陽質量以上の大質量な分子雲と考えられているが、大質量分子雲の形成条件は小質量分子雲と比べて未だ明らかでない。そこで本研究では、分子雲形成・進化シミュレーション、半解析的分子雲質量関数モデル、および電波観測成果を組み合わせることで、大質量分子雲の形成条件を解明し多様な銀河環境での星形成過程を統一的に明らかにする。
成果報告: 報告書

[2019年度採択]

ナス科特異的に作用する植物ホルモン様ジャスモン酸類縁体の機能解明研究
化学専攻 助教 加治拓哉
研究の概要: JA-Ileラクトンはナス科でJA-Ile様の生物活性を誘導する一方、モデル植物であるシロイヌナズナでは生物活性を示さないため、ナス科に特異的な植物ホルモン様分子であると示唆された。本研究では、合成的供給を基盤として、トマトを用いた分子生物学実験や生化学アッセイを実施することで、本分子のナス科植物における生物学的意義の解明を目指す。
成果報告: 報告書

[2019年度採択(※2019年度研究活動スタート支援に採択されたため、奨励費の交付は無し)

遍歴磁性体における光誘起スピンダイナミクスの理論
物理学専攻 助教 小野淳
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