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2017年4月24日レポート

4月22日(土)大西卓哉宇宙飛行士 ミッション報告会 in 宮城県仙台市 −国際宇宙ステーションから考える地球と生命のフロンティア−

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 2017年4月22日(土)、仙台市若林区文化センターにて「大西卓哉宇宙飛行士 ミッション報告会 in 宮城県仙台市−国際宇宙ステーションから考える地球と生命のフロンティア−」が行われました。会場はたくさんの聴講者で埋め尽くされました。


 イベントは、「第1部:大西宇宙飛行士によるミッション報告&質問コーナー」「第2部:学ぼう!宇宙に浮かぶ実験室「きぼう」の実験」「第3部:ココでしか聞けない!宇宙のお仕事トークショー」「第4部:東北大学国際宇宙ステーション」の4部構成で進められました。また会場前には、JAXA「大西宇宙飛行士活動紹介パネル」「VR体験コーナー」、東北大学「宇宙関連研究紹介パネル」などの展示も行われました。


 大西宇宙飛行士は、新世代宇宙飛行士として油井宇宙飛行士に続き、平成28年7月から10月までの約4ヶ月間ISSに長期滞在し、小動物飼育ミッションやタンパク質結晶生成実験など日本にしかできないミッションや、日本人宇宙飛行士として初めて米国補給船「シグナス」のキャプチャなどを行い、日本の有人宇宙活動の前進に貢献しました。

 第1部では、大西宇宙飛行士がISS長期滞在で実際に行った活動の様子を写真や映像により紹介。

 第2部では、宇宙に浮かぶ実験室「きぼう」の実験について、JAXA主任研究開発員 芝大氏と大西宇宙飛行士が、特に小動物飼育ミッションについて詳細にお話しくださいました。また、ISSでこれから予定されているミッションには、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の「宇宙ストレスにおける環境応答型転写因子Nrf2の役割」が予定されています。第2部の最後には、実際にこのミッションに携わっておられる山本雅之教授(東北大学東北メディカル・メガバンク機構長)が登場し、世界初となる山本教授の作られたストレスに敏感なマウスを用いた宇宙ミッションについてお話しされました。

 第3部では、大西宇宙飛行士のISS長期滞在を地上から支えた運用管制員(フライトディレクタ)佐孝大地氏と大西宇宙飛行士が、ココでしか聞けない話を交えながら、ミッションを振り返りました。ここで新世代宇宙飛行士の3人目である金井宣茂宇宙飛行士がサプライズ登場!会場からは大きなどよめきと共に盛大な拍手が送られました。

 第4部では、東北大学が今まで進めてきた国際宇宙ステーション関連の実験について2つの講演がありました。

 まずは、東谷篤志教授(東北大学大学院生命科学研究科)が「国際宇宙ステーションでのモデル生物を利用した宇宙実験」と題し、モデル生物線虫やキュウリの芽生えを用いた宇宙実験についてお話しされました。一例を挙げると、重力のない宇宙空間では、キュウリの芽生えは重力方向(下)に向かうのではなく、より湿度の高い方に向かって行くことが分かりました。また、宇宙実験で使用された3Dクリノスタット(三次元的に回転させることで、地上の重力方向をかく乱して疑似微少重力環境を提供する機器)も展示されました。

 本研究科からは 坂野井健准教授(東北大学大学院理学研究科附属惑星プラズマ・大気研究センター)が「国際宇宙ステーションからの地球大気発光現象の観測」と題し、講演を行いました。大気圏と宇宙空間の両方がせめぎあう高度百km付近の領域には、未解明の複雑な現象が多く残されています。そこで、坂野井准教授らは、ISSきぼう船外実験プラットフォームに搭載される地球超高層大気撮像観測装置(IMAP)の開発を行いました。観測の結果、赤道領域で発生した台風が生んだ重力波が、はるか数千キロはなれた場所まで伝わるなど、超高層領域にて、いくつもの発見がありました。


 全体を通して、会場からたくさんの質問があり、それらついて丁寧に回答する大西宇宙飛行士の姿が印象的でした。同時に、東北大学の国際宇宙ステーションを用いた数々の活動を知っていただける良い機会となりました。



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