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Interview 3
2009.9〜

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このページでは、理学研究科や科学界にまつわる様々なトピックについてのインタビューを掲載しています。専門分野の異なる方、中高生・一 般の方にもできるだけ分かりやすい内容でお話しいただいています。

*本websiteに掲載している写真・文章等の無断でのコピー、転載を禁じます。

 

  「概均質ベクトル空間の数論的・幾何学的研究」により、2009年度日本数学会「代数学賞」を受賞されました数学専攻の雪江明彦教授にお話を伺いました。
   この賞は、代数学の分野において顕著な業績をあげ、その発展に著しく貢献した数学者に贈られる賞で、理学研究科では2006年の花村昌樹先生に次いで2人目の「代数学賞」受賞となりました。
   「√2と√18が本質的に同じ」と聞いて分かる方は何人くらいいるでしょうか?
数学が苦手な私はそのお話を伺った時、頭の中に大きな「?」マークが浮かび上がりました。そのような私に先生は「説明するのは難しいな」とおっしゃりながらも、ひとつひとつ丁寧に解説してくださいました。
  先生はインタビューの最後、少し照れながら「この年になっていうのは恥ずかしいんですけど、数学を愛していいるんです」と語ってくださいました。  第一線で研究されている今も、数学を好きという気持ちを忘れない先生です。 

■雪江明彦教授にお話を伺いました。■

◆先生の研究「概均質ベクトル空間の数論的・幾何学的研究」について教えていただけますでしょうか?

――”概均質ベクトル空間”というと取っつきにくかもしれないけど、例えば平方根ってありますよね? √2と√18って本質的には同じなんですね。どうしてかというと√18=3√2というように√18は√2の整数倍になっているので整数論的には同じとみなされます。これは18=3×2というように何かの2乗を掛けることで移り合うから同じといえるわけでうす。そういうふうに「整数論的な対象がいつ同じか?」ということを考えているんですね。このことは群の作用ということと関係しているわけですが、群の作用によって移りあう点の集合のことを軌道っていうんですけど、代数的な対象をそういった群の作用の軌道で解釈するという考え方なんです。
    平方根だったら簡単なんだけど「3次方程式がいつ本質的に同じか」というと、それは変数変換をすればいいんですね。じゃあ4次方程式はどうなるかっていうと変数変換ではダメなんです。それには1変数の4次方程式を考えるんじゃなくて、2変数の2次方程式の共通根として書く必要があるんですね。
   幾何学的にいうと2次曲線(楕円)を二つ考えると4点で交わりますよね。そういうふうにふたつの2次曲線を考えて4次方程式を解釈するんです。2変数2次方程式の変数を変換するのと、ふたつの2次方程式を足したり引いたりする。そういうことを考えると「4次方程式がいつ同じか?」ってことが正確に判断できる、というのを僕が昔の同僚である共著者のライトと一緒に証明したんですね。

◆代数学とは「整数論的な対象が本質的にいつ同じか」を研究する分野ということでしょうか?

――代数っていうのは大きい分野なのでそういうことではないんですが、「いつ本質的に同じか」ということを考えることはよくあって、それをモジュライ問題というんですね。 代数には大きく分けて「代数幾何」と「整数論」それに「表現論」などがあり他にも色々な分野がありますが、モジュライ問題は主に代数幾何でよくある問題なんです。僕はもともと整数論ではなく代数幾何でモジュライ問題というのを考えていたんですが、整数論と代数幾何というのは完全に違った分野ではなくて接点も多いんですね。そんな時にたまたま概均質ベクトル空間という概念についての論文を見る機会があって、自分の守備範囲であるモジュライ問題みたいなものではないかと気が付いたんですね。つまり僕はモジュライ問題という考え方で整数論の一部を考えるということをやっていて、「いつ本質的に同じか」を考えるだけではなく「整数論的対象がどれだけあるか」を考えることもしているんです。

◆代数幾何を研究してらしたことが現在の研究につながっているんですね。

――そうですね。
でも、僕が先に始めた研究ではなくて、もともと概均質ベクトル空間というのはたくさんあるんです。 例えば2変数の斉次2次方程式みたいなものを考えると、それに関連してガウスの「2変数の2次形式の理論」というのがあるんですが、それはある意味では概均質ベクトル空間の例だし、僕が考えているような方向の考察だった訳ですね。昔からそういう例はいくつか古典的に調べられていたものもあって、別の人なんですけど2変数の斉次3次方程式もすでに考えられていたんですね。

◆整数論的な対象にはどういったものがあるのでしょうか?

――どれだけあるかっていうのは、√2と√18は同じであると見なして「平方根が本質的にどれだけあるか?」というように考えることもできるわけです。それは非常に簡単な問題なんですけど、そういうふうな類の問題を考えるっていうのが僕の研究している分野なんです。
   代数的な対象でいうと、例えば素因数分解がどれだけ出来ないかってのを測る量があって、類数っていうんですけど、ガウスは約200年前に2変数の2次形式を使ってそれを調べたんですね。 ガウスにはガウス予想というのがあって、これは現代的な立場からいうと「類数の漸近挙動」の簡単な部分と難しい部分の”簡単な部分”を予想していたものなんですね。徐々に解明されていったんですが、1985年に2変数の2次形式の場合に類数がどれだけあるかが解って、そしてn変数の2次形式の場合は類数がどれだけあるかっていうのを僕が大学院生だった早坂紀彦君と一緒に証明したんですね。
    簡単にいうと僕は「整数論的な対象がいつ同じであるか」の一部と、「その対象がどれだけあるか?」というのを証明したんですね。

◆研究をされていて苦労したことは何ですか?

――まずは自分が何を研究するべきか、方向性が見つからずに悩んだ時期がありました。見つけた後も、自分は最初は代数幾何をやっていてその後に整数論を研究しようと考えたので、もちろん整数論的な素養も少しはあったんですけど全然足りなくて、技術的に出来るようになるまで大変でした。あとは数学って最終的に論文を書かなくちゃいけないんですね。全て辻褄が合ってなくちゃいけないし、自分が考えている事を人に分かるような形で文章を書くっていうのは苦痛ですね。特にこの分野の論文は長くなりがちで、長いものを書くと、最初と最後の辻間を合わせるのがより難しくなって何度も読み返しをしなきゃいけないわけです。なのでいったん出来たと思ってから、本当に論文が仕上がるまでに半年から一年かかることもあるんです。

◆先生は小さい頃から数学が好きだったのでしょうか?

――数学を面白いと思う心は昔からありましたね。考えて証明する、ということが好きだったんです。小さい頃に面白かったのは僕のお祖父さんなんですが、 尋常小学校しか卒業していないんだけど3平方の定理のことを言っていて、3尺のところに4尺の棒を立てたら3、4、5で5尺になるって「えれえ定理だ」って言ってましたね(笑)。

◆数学者を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

――中学2年生くらいの時ですかね。2次方程式の解法は知っていて、その後に自分で3次方程式、4次方程式の解法を調べました。5次方程式は代数的に解けないことが証明できるというのを聞いたことがあったんで県立図書館に調べに行きまして、そこでアーベルの証明を日本語で解説している本を見つけて読みました。全然解らなかったんですけど、そこで憧れみたいなものが生まれて数学に興味を持ちましたね。でも高校の時になると「数学者」という職業が成り立つかどうか心配でしたね。5次方程式が解けないっていうことは200年も前に解っていたことでしたし、『数学セミナー』には小平邦彦先生の「調和積分論」など当時の自分には全然解らないものが載っていて、自分がその時に勉強しているような数学ともの凄くギャップがありましたね。すでに多くのことが研究されていたことを知り「まだ数学に研究すべきことがあるのだろうか?」と感じました。でも高校3年生の時かな、数学者の広中平祐先生が文化勲章を受章されて、それでなんとなく元気が出ましたね。

◆数学が苦手な人にもオススメの本があれば教えてください。

――高木貞治著『近世数学史談』。
ずっと後で読んだ本なのですが、これは面白いですね。歴史本でもありますが、数学の部分もあるのでそこは難しいかもしれませんね。この本は絶版していたんですが、最近復刊されました。

◆最後に、これから数学を目指す学生にメッセージをお願いします。

――整数論は整数という誰でも知っているものが対象だけにとっつきやすい分野ですが、深い結果を得るためには、 代数学はもちろんのこと、ときには幾何学や微分積分まで関係することもあります。 しかし、そのために色々な理論が交錯し、整数論は古くから、多くの有名な数学者の興味を集めてきました。100年以上前の素数定理の証明 や比較的最近のフェルマー予想の解決などをはじめとして、整数論には美しい結果がたくさんあり、とても魅力があります。整数論は現在でも進化を続け、多くの新しい結果が証明され続けています。 また、コンピューターに記録される情報は結局のところ非常に多くの整数の集まりなので、整数論は情報科学や暗号理論とも関係し、純粋な理論だけでなく、応用も多くあります。整数論にかぎらず、大学の数学は自分で考えるということが求められ、公式を使うのが得意というだけの人には向いていませんが、考えることが好きで、美しい定理に感動する心を持っている人には素晴らしい世界が広がっています。そういった人は是非整数論にチャレンジしてみてください。

◆どうもありがとうございました◆

■座談会を開催しました!■

  今回、受賞を記念して「ゼミ生の方からコメントを」と思っていたのですが、
雪江先生のご配慮により急遽ゼミにお邪魔させていただき、
ゼミ生全員参加での座談会を開催することができました。
まずは雪江先生が「僕がいないほうが話しやすいよね(笑)」ということで退席、
ゼミ生8人で座談会スタート。
途中からは雪江先生も参加されてのトークとなりました。

●参加メンバー●
吉田宏大(M1)、田中修平(M2)、五十嵐健太(M2)、山田洋輔(M2)、
佐々木万喜男(M2) 小島聡史(M2)、田嶋和明(D1)、奈良忠央(D4)
+雪江明彦先生


◆まずは率直に雪江先生の受賞を知ったとき、どう思いました?驚きました?

「特に驚きませんでした(笑)、なんでも出来るスーパーマンみたいな先生ですから」
「おそらく先生がどんな賞を受賞されても僕は驚かないと思います」

◆…ちなみに、お祝いの言葉を直接伝えた方はいらっしゃいますか?

「…そういえば“おめでとうございます”って誰も言ってないんじゃない?(笑) 」
「先生自身も受賞をアピールされる方ではないので(笑)」

▪ ▫ ▪ この座談会に入る前、雪江先生はゼミのみなさんに
「実は僕、代数学賞っていうのを受賞して…」と説明されていたので
まだ受賞を知らない方もいるのかな?とびっくりしましたが
みなさん数学専攻のHPで知っていたそうです ▪ ▫ ▪ 

◆みなさんも小さい頃から数学が得意だったんでしょうか?

「ほかの科目よりは得意、という程度でした」
「僕は数学が好きだったから得意になった感じかな」

◆では逆に「数学は得意だけど文系の科目は苦手」という方はいらっしゃいますか?

「国語は苦手ですね。そのため研究内容を発表するときに苦労します」
「この分野ではプレゼンテーション能力も大事だからね」

▪ ▫ ▪ 数学も文章力やプレゼンテーション力が大切なんですね▪ ▫ ▪ 

◆大学に入って高校時代の数学と違うなって感じたことはありますか?

「計算をしなくなりましたね」

◆やはりみなさん計算は得意ですか?

「スーパーの何割引きとかは一瞬で解ります(笑)」
「でも1時間ずっと計算をしているよりは、その答えにより早く辿り着くための新しい方法を1年間考える、というほうが好きですね
「考えていないと落ち着かないっていうか」
「僕は計算はあまり好きじゃないですね(笑)」

▪ ▫ ▪ 「新しい方法を1年間考える」ってなかなか想像できないけれど
こういう考え方が出来ることが研究者として大切なのかもしれません▪ ▫ ▪ 


▪ ▫ ▪ ここから雪江先生も参加!▪ ▫ ▪ 

雪江先生「あれ?みんな計算好きじゃないの?僕は昔、そろばんをやっていたから計算は好きかな。 そろばん一級でしたね。誰かそろばんを習っていた人はいる?」
「僕もそろばんを習っていました」
雪江先生「そろばん何級までいった?」
「段まで行きました、初段です」
「凄いな、先生より凄いんじゃないか(笑)」
雪江先生「負けちゃったな(笑)」

◆最後にゼミや講義以外での雪江先生とのエピソードを。
最近、みなさんで一緒に飲みに行かれたことは?

「うーん、今年はまだ無いですね、先生がとても忙しいので」
「今年は数学の専攻長の仕事もあるからね、先生は」
「去年は先生の自宅でバーベキューパーティを開きましたね」
雪江先生「去年は学生が“ダイエット中です”っていって、あんまり食べなかったんだけど、 今年はいっぱい食べた学生がいたから良かったかな」
「(いっぱい食べた学生)とても美味しかったです」
雪江先生「もう少し落ち着いたらみんなで飲みに出かけられるかな」

▪ ▫ ▪ これからますますお忙しくなるとは思いますが
ぜひみなさんでご飯やお酒を楽しむ機会を作れるといいですね!
雪江先生、ゼミのみなさん、どうもありがとうございました!▪ ▫ ▪ 


  

 

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地球物理学専攻 中澤高清教授 2009年秋の紫綬褒章受章インタビュー


中澤高清教授

  地球物理学専攻 中澤高清教授が、地球物理学研究功績により2009年秋の紫綬褒章を受章されました。
  30年前、「地球温暖化」というトピックが全く注目されなかった時代、大気放射学を研究をしていた中澤先生は、もっと気象学に貢献するような研究をしようと考えていました(大気放射学は気象学の基礎学問であり、その中のさらに基礎的なテーマについて研究しておられ、内容としては物理とほとんどかわらなかったそうです)。そんな時、ハワイと南極で二酸化炭素が増えていることを指摘したチャールズ・デービット・キーリング博士の論文に興味を持ち、研究室のセミナーで発表をしました。大学院時代の指導教官でもあった山本義一先生(当時宮城教育大学の学長)の「これは将来、重要な問題になるかもしれない」というアドバイスを受け、科研費を申請し、研究をスタートしました。 その頃、「温室効果ガス」の専門家などいないので、関連分野の研究者を集めました。中澤先生に与えられたミッションは、「大気中の二酸化炭素の変動を明らかにせよ」でした。ところが、大気中の二酸化炭素をどう測るのかが分からない。赤外線の吸収を利用した分析計はあったが、精度が悪く、とても大気中の濃度を測るというものではなかった。また、基準とする「標準ガス」もなかったので、ガスメーカーと試行錯誤しながら作り上げた。こういう何もない状態からのスタートだったのです。
  世界では、アメリカの海洋大気庁、オーストラリアのCSIROなどの大きな機関が大気を測り始めており、よそと違ったことをしないといけないと考えた中澤先生は、観測の手段として飛行機や船、大気球を使い、また、現象が地球規模であることを考え、北極から南極までフィールドを拡大していきました。その後、さらに海の二酸化炭素の観測を世界各地で行うとともに、南極やグリーンランドの氷を用いた昔の大気の温室効果気体の復元などにも取り組まれました。
  また、観測するだけでは量的なことがよくわからないので、地球全体を対象としたモデルをつくり、観測結果を再現するように二酸化炭素やメタンなどの放出量や消滅量を推定することも行っています。
いつ、どこから、どういう理由で、どれだけの温室効果気体が出て、 また消滅して、結果として大気にいくら残るかを調べる、それが中澤先生のグループの研究目的、「循環の解明」です。

上は(成層圏)35キロメートル、 下は(海)4000メートル。
北は北極、南は南極。
時間軸は、 100万年前から数百年先。

「早い時期から非常に幅広く研究してきたことが評価されたのだと思う。それでも、なんで私?という気持ちの方が強いですね。やり残したことがまだまだたくさんあるので、それをきちっと整理し、決着をつけたい。昔と比べると、研究のレベルがものすごく上がっているので、そういった高度な研究にチャレンジする若手の研究者を養成したい。若手がチャレンジできる環境づくりをしたい。 受章者の先人、地球物理学専攻でいえば、大家寛先生、田中正之先生、高木章雄先生がやられたことを自分ができるんだろうかと思う」と受章の感想を語ってくださいました。

Tellus
キーリングの論文が掲載された「Tellus」。スウェーデンの著名な科学雑誌。
ラブロックのガイア仮説を掲載したことで有名。
現在、中澤先生はアドバイザリーボードを務めています。

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本研究科物理学専攻出身 飯島澄男先生 2009年文化勲章受章

飯島先生
文化勲章を胸に下げた飯島澄男教授

本学大学院理学研究科の出身(1968年博士課程修了、科学計測研究所助手)である、飯島澄男先生(現在名城大学教授、名古屋大学特別招聘教授、NEC特別主席研究員、産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター長、本学原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR) adjunct professor )が平成21年度文化勲章受章者に選出され、2009年11月3日(火)に皇居で行われた文化勲章親授式において受章されました。

研究科教職員、学生一同を代表しまして、こころよりお祝い申し上げます。

飯島先生は、高分解能電子顕微鏡を駆使し、アーク放電装置にとりつけられた炭素電極を観測し、放電後、陰極上にカーボンナノチューブが形成されることを発見しました。この発見は今日の爆発的に成長するナノチューブ研究の端緒であり、世界的に非常に高く評価されています(2009年11月現在の論文引用件数8,922)。このほかにも、ナノチューブの研究のみならず、電子顕微鏡を用いた著名な研究がたくさんございまして、材料科学の発展に多大な貢献をなさいました。

飯島先生は、文化勲章以外にもベンジャミン・フランクリン賞、バルザン賞、カブリ賞、アストゥリアス皇太子(スペイン)賞などの海外の賞、日本学士院賞・恩賜賞、文化功労者顕彰、 藤原賞などの国内の賞など数多くの賞を受賞されています。

飯島先生は現在70歳ですが大変若々しく、文化勲章が新聞発表された10月27日も沖縄で、ナノチューブに関する韓日シンポジウムにご参加いただき、興味深い研究発表をなさいました。韓日シンポジウムのバンケットでは、シンポジウムの参加者一同とともにケーキでお祝いをいたしました。ナノチューブ研究者の一人として、また東北大学のスタッフとして大変誇りに思います。

先生の今後のますますのご活躍とご健康をこころからお祈り申し上げます。

理学研究科 物理学専攻 齋藤理一郎

お祝いのケーキ    
飯島先生受章記念のケーキ   カーボンナノチューブを手に、説明して下さった齋藤理一郎教授

*「理学部物語」に飯島先生のOB MESSAGE が掲載されています。こちら(PDF)もご覧ください。

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地学専攻 藤巻宏和教授 Mongolian University of Science and Technology より名誉教授の称号授与

 Mongolian University of Science and Technology(モンゴル技術大学)より地学専攻 藤巻宏和教授に名誉教授の称号が授与されました。藤巻先生は、モンゴル技術大学との大学間協定の担当者を務め、モンゴルより留学生5人、客員教授1人を受け入れています。モンゴルは資源大国ということもあり、最も優秀な人が地学に集まる傾向にあります。藤巻先生の薫陶を受けた留学生は本国で准教授や助教として活躍しています。そういった優秀な人材を輩出した功績により、名誉教授が授与されました。


授与式にて:藤巻先生(左)と DAMDINSUREN Bayanduuren 学長(右)

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化学専攻 海老根真琴さんが第4回ロレアルユネスコ女性研究者日本奨励賞を受賞

 化学専攻 有機化学第一研究室 COEフェローの海老根真琴さんが、2009年度 第4回「ロレアル—ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を受賞しました。
 「ロレアル—ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」は、日本の若手女性科学者が、国内の教育・研究機関で継続できるよう奨励することを目的に、2005年11月、日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会と協力して創設したものです。物質科学、生命科学の分野で、博士課程(後期課程)に在籍または、博士後期課程に進学する予定の女性科学者に賞が贈られます。海老根さんは、物質科学分野「天然由来の新規薬剤開発を目指して:海洋天然有機化合物ブレベナールの効率的化学合成」の研究で受賞。「ブレベナール」は、海の微生物がつくる物質ですが、喘息などの気管支系疾患の治療薬のシーズとして期待されています。
   生命科学研究科の佐々木誠教授の下で6年間師事、今年度から有機化学第一研究室で、ダーウィン以来の謎である「植物の就眠運動」の全容解明に向け、 遺伝子ではなく動きを司る化学物質に焦点を当て、研究に取り組んでいます。

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