東北大学 大学院 理学研究科・理学部

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【受賞】ニュートリノ科学研究センター 井上邦雄教授が第4回戸塚洋二賞を受賞

ニュートリノ科学研究センター センター長の井上邦雄教授が、「液体シンチレータを用いたニュートリノ研究、特に地球反ニュ-トリノの観測」により第4回戸塚洋二賞を受賞しました。


■受賞日:2013年2月12日
■受賞者:井上邦雄 教授(ニュートリノ科学研究センター センター長)
■賞名:第4回戸塚洋二賞
■授与機関:平成基礎科学財団
■受賞対象:「液体シンチレータを用いたニュートリノ研究、特に地球反ニュ-トリノの観測」
■受賞理由:井上邦雄氏は1000トンの液体シンチレータを用いたカムランド実験に1998年より参加し、当時の研究代表者である鈴木厚人氏のもとで反電子ニュートリノの研究を始めました。当時から鈴木氏の右腕として研究の推進をし、その結果、原子炉から放出される反電子ニュートリノのエネルギーに依存した欠損の観測による電子ニュートリノの振動の確定に大きな貢献をするとともに振動パラメータの精密決定をしました。鈴木氏がKEK機構長として転出した後はカムランドの代表として更に研究を進めました。特に、測定器内のバックグラウンドを徹底的に理解し、地球内部のウランやトリウムの崩壊起源の反ニュートリノをカムランドで観測し、地表の熱流量44兆ワットに対し、地球内部での放射性熱生成が24±9兆ワットであると初めて測定しました。これが44兆ワット以下であることから,熱の起源が放射能だけではなく地球創成時の原始の熱が残っていることを初めて示しました。この研究は、いわば「ニュートリノ地球物理学」の研究分野を創設したと言えます。これらの成果は、基礎科学にとって非常に重要な成果です。


戸塚洋二賞は、我が国の研究者あるいは我が国の大学、研究機関に所属する外国の研究者を対象に、ニュートリノ実験または非加速器素粒子実験あるいは関連する理論研究に該当する分野の研究で、すぐれた成果をあげた研究者に授与されます。


※関連するリンク
ニュートリノ科学研究センター
平成基礎科学財団



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