東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

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2013年11月12日写真日記

貴重な岩石関連試料のデータベース化

先日、理学研究科合同A棟別館の吉田武義先生がおられる岩石試料保管室にお邪魔しました。吉田先生は、一昨年理学研究科を退職されて、現在はリーディング大学院で「火山学」の講義を担当されています。
ゆったりとした研究生活を送っているものと思いきや、膨大な岩石関連試料に囲まれて、そのデータベース化で、大変お忙しい毎日を過ごしてらっしゃいます。


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明治以来、採取されてきた岩石試料の多くは、今では土木工事によりコンクリートに覆われて、もう採取することができなかったり、研究された後、天然記念物となって採取そのものができなくなったり、国立公園内に分布するために、今では、採取のために特別な許可がいる場所の試料であったりします。また、これらは、海外を含むさまざまな地質環境から採取されたものであり、それらをデータベース化し、互いに比較しながら、一望できるようにすることは、とても重要なことになります。また、一部の試料については、東北大学と他機関との間の共同研究の材料としても活用されています。


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吉田先生の前にあるのは、「一ノ目潟ゼノリス」。一ノ目潟は、男鹿半島先端付近に多数あるマール(噴火の後の爆裂火口に水がたまり形成された湖)の一つです。そこには、火山活動で放出された軽石などの火山岩と一緒に、マグマが地球深部のマントルから上昇して地表に至る過程で、火道の壁から取り込んだ、さまざまなマントル岩や地殻岩が発見されており、島弧のマントルと地殻を貫く天然のボーリングコア試料として世界的にも有名です。東北大学の地学専攻では、これまでにも、また今も、多くの研究者が一ノ目潟のゼノリスを研究し、多数の論文が公表されていますが、そこで用いられた試料の多くがここに集約され、吉田先生のもとで、岩石薄片・分析用粉末試料、各種資料などとともに、整理され、データベース化されています。


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