東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2018年4月 5日お知らせ

平成30年度 新規広報サポーター説明会 応募フォーム

理学研究科・理学部の広報活動のお手伝いをしてくれる在学生(登録制サポーター)を募集します!広報サポーターの活動に興味がある方は、ぜひぜひご応募ください!
説明会(5月9日開催)の詳細はこちらから

採用条件
理学部・理学研究科に所属する学生であること。
(学部2年次以上/学科・専攻は不問)
*説明を受け、ご納得の上でご登録ください。
給  与
規程により謝金(時給900〜1,060円)
*学年により異なる。
お問合せ
理学研究科・理学部広報・アウトリーチ支援室
TEL: 022-795-6708
Email: sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp
*[at]を@に置き換えてください。

広報サポーターへの応募は、以下応募フォームをご利用ください。
折り返し、広報室よりご連絡いたします。

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研究室
特記事項

2018年3月30日レポート

2月23日(金)東北大学サイエンスカフェ「宇宙に響くさえずりとジオスペース」

2月23日(金)、せんだいメディアテーク1階オープンスクエアにて、第149回東北大学サイエンスカフェ「宇宙に響くさえずりとジオスペース」が開催されました。講師は理学研究科 地球物理学専攻の 加藤 雄人 准教授。当日は80名の方々にご参加いただきました。たくさんのご来場ありがとうございました。
地球の周りの宇宙空間はジオスペースと呼ばれ、オーロラをはじめとする様々な現象が絶え間なく生じています。「宇宙のさえずり」とも称される特徴的な自然電波・コーラスを取り上げ、実際に会場にて聴き、ジオスペースの科学について考察しました。加藤先生の講演後は、各テーブル毎にディスカッションを行います。地球物理学専攻の教員や学生達がファシリテータとなり、皆さんのご意見をお伺いしました。
参加者からは「実生活からはなれた話題が楽しかったです。東北大学がとのようなことをしているのかを知ることができて良かったです。」「ファシリテータの方が質問に対してとても楽しそうにお話しされていたので、みなさんが前向きに楽しく研究されているんだなと、良い雰囲気を感じた。」などの感想をいただきました。

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  理学研究科 地球物理学専攻 中川広務助教  
加藤先生から最新の宇宙環境探査についてご講演いただいたあとに、宇宙環境や惑星に関する様々な疑問について各テーブルでファシリテータを中心に活発な議論が交わされました。「火星人はいますか」「超高層はなぜ気温が高いのですか」といった素朴な疑問から、「他の周波数でも宇宙のさえずりは聞こえるのですか」「地球の磁場はなんで生じているのですか」など学会さながらの専門的な観点からの意見も出て大変驚きました。ファシリテータや我々も、高校生を含め様々な年齢層の方々とお話しすることができたことで改めてモチベーションがあがり、初心に返れる貴重な体験でした。ありがとうございました。
2018年3月29日レポート

3月24日(土)地球物理学専攻 花輪 公雄 教授 最終講義

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 3月24日(土)、理学研究科大講義室にて、地球物理学専攻 花輪 公雄 教授の最終講義「東北大学に世話になった47年間 -教育と研究、そして大学運営-」が行われました。
 花輪先生は、1971年の大学入学から現在までの47年間を東北大学一筋で過ごされました。その間、研究や教育・大学運営と、本学発展のために多大なる貢献をされました。ご専門は海洋物理学です。
 本講義では、花輪先生の略暦、研究活動(の裏話)、大学運営の三部構成でお話されました。また、途中途中で花輪先生の好きな言葉が紹介されました。質疑応答では、聴講者が花輪先生とのエピソードを展開するなど、大変思い出深い講義となりました。講義後には、これまでの花輪先生の教育・研究、大学運営へのご尽力とご功績に感謝と敬意を込めて花束が贈呈され、盛大な拍手が送られました。

花輪先生よりメッセージをいただきました  

 1971年4月に理学部物理系学科に入学して以来、あっという間に47年が過ぎました。最終講義をやる日は遠い先のことと考えてもいなかったのですが、その日程が決まり準備をしなければならなくなると、さすがに47年間を振り返ることが多くなりました。
 47年間は、学生として過ごした10年間、曲がりなりにも研究と教育に勤しんだ27年間、そして最後は大学運営に専念した10年間と分けることができます。
 学生時代は学位を取得するために一つのテーマに集中するのが一般的ですが、指導教員が外国出張したこともあり、後輩の研究テーマにも付き合ったことが特徴でしょうか。研究は興味の赴くままに、研究室の仲間たちや、日本や世界の仲間たちと行ってきました。知ることの苦しみと喜びを、十分に味わえたと思います。
 ここ10年間は、理学研究科長・理学部長と教育担当の理事職にありました。大学運営を専門的学ぶ機会などは当然ありませんでしたので、すべてが手探り状態でしたが、多くの先生方や事務系職員の方に支えられて何とかこなすことができたのではと思います。
 これで定年退職を迎えるわけですが、理学研究科、そして東北大学が、教育と研究で世界から尊敬される大学になっていくことを期待し、今後はOBとして微力ながらも貢献できればと思っております。

pic.jpg ▲「気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 」第1作業部会第4次評価報告書第5章 (海洋) の執筆メンバー (2006年6月28日、ノルウェーのベルゲン近郊にて、後列左端が筆者)


  地球物理学専攻の須賀利雄先生より
花輪先生へのメッセージをいただきました  

 花輪先生の『流体力学演習』の授業を受けた学部3年次から数えると、35年の長きにわたりご指導いただいたことになります。先生の授業は、非常によく整理されており、現象の具体的なイメージを明快に説明する内容に引き込まれたことを思い出します。4年生になり、先生が助手として所属されていた海洋物理学講座に配属されました。そこでは、先生を兄貴分のように慕う多くの大学院生たちが、先生を囲んで日々議論し、生き生きと研究していました。そこが、当時、世界的にもまだ注目されていなかった大規模大気海洋相互作用の研究の「ゆりかご」であったことは、その後の「歴史」が証明しています。その背景には、先生の学問的な先見性はもちろんのこと、人間的魅力があったことは間違いありません。そんな世界に出会い、その仲間になれたことは、私の人生の最大の幸運でありました。
 周囲の人を引き寄せる、先生の人間的な魅力の源泉は何なのか?少なくとも、その一つは、先生の膨大な読書量にあると思っています。先生は、ご自身で「活字中毒」と称されるほどの読書家です。先生のウェブサイトの「書評欄」をご覧になればわかるとおり、幅広いジャンルを網羅しています。話題の豊富さはもちろんのこと、物事を多面的に捉え、全体の構造を把握し、課題に建設的に取り組む力の源もそこにあるのではないかと折に触れ思っておりました。そんな先生を、周囲が放っておくはずはなく、学会、研究科、大学全体を指導する立場の重責を次々に担われることになったのは、必然だったと思われます。
 先生は読書家であるだけでなく、名エッセイストとしてもよく知られています。科学から日常の出来事まで幅広い題材を扱った、示唆に富んだエッセイには多くのファンがいます。重責から解放された今、大作に挑んで、われわれを楽しませてくれるのでは、と密かに期待しているのは私だけではないと思います。先生のご健康と新たなステージでのますますのご活躍をお祈りいたします。

1986pic.jpg ▲1986年当時の海洋物理学講座(鳥羽研究室)。前列右から二人目が花輪先生。

2018年3月28日レポート

3月9日(金)生物学科 経塚啓一郎准教授 最終講義

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3月9日(金)、生命科学研究科プロジェクト総合研究棟 講義室にて、生物学科 経塚啓一郎准教授の最終講義「浅虫の海で過ごした40年」が行われました。
経塚先生は、40年以上浅虫海洋生物学教育研究センターにて海産無脊椎動物を用いた卵成熟及び受精機構の研究及びCa2+ を中心にした卵成熟及び受精時のシグナル伝達機構の解析を進めて来られました。そして経塚先生は研究はもとより、教育普及活動、啓蒙活動も盛んに実施され講演の中ではそれらの様子もお話しになりました。また平成27年にはその活動が認められ「日本動物学会動物学教育賞」を受賞されています。

経塚啓一郎先生よりメッセージをいただきました

私が41年間スタッフとして過ごした浅虫海洋生物学教育研究センター(浅虫センター、旧理学部附属浅虫臨海実験所)は、理学部生物学科の開設1年後の大正13年に現在の地青森市浅虫に設置されました。学生の臨海実習施設として開設されましたが当初から水族館を併設し、一般啓蒙活動にも力を入れてきました。現在は文部科学省の東北海洋生物学教育拠点に認定され、全国の大学の共同利用施設として、臨海実習を含めた各機関の海洋教育を支援する役割を担っています。天気の良い日は海に映える美しい夕焼けを眺められる風光明媚な場所ですが、私は「何が一番浅虫センターらしい風景か」と問われれば、雪に閉ざされた冬の墨絵の世界と答えます。このような厳冬期でも、私の研究材料となる一部のウニやホヤ類は産卵期を迎え、海の中では脈々と生命の営みが続いています。
浅虫センターは、陸奥湾に生息する海産動物だけでなく太平洋側の寒海性生物、日本海側の暖海性生物の採集も容易で、多種の生物に接することが出来ます。地球上の生物は海から生まれ、進化の過程で陸上に上がった一部の生物を除くと、現在でも多くの生物が海で生息しています。海は生物の宝庫であり、様々な動物に接することが出来ます。
私はこれらの海産動物、特にホヤ類など原索動物、ウニやヒトデなど棘皮動物、カキやホタテガイなどの軟体動物、その他にもゴカイ類などの環形動物、クラゲ類などの刺胞動物を用いて「卵成熟と受精機構の研究」を行ってきました。多くの海産動物は体外に配偶子(卵や精子)を放出して、海の中で受精発生が進行します。そこで、顕微鏡下で海水中に卵と精子を加えれば容易に受精発生過程が観察できるメリットがあります。有性生殖を行う動物は受精により新たな個体発生を開始します。卵も精子も1つの細胞であり、それぞれ単独では長く細胞を維持することは出来ません。しかし受精が成立すると個体発生を進行することにより生命を維持することが出来ます。この時、卵と卵あるいは精子と精子が融合しても新たな個体発生は開始しません。卵も精子も個体発生を開始するために特殊化した細胞です。この中で、卵は精子を受容すると発生する能力をどのように獲得するのか(卵成熟機構)、精子はどのように同種の卵を認識して一匹のみ卵内へ侵入するのか(精子侵入機構)、精子が卵内へ侵入すると卵はどのように発生を開始するのか(受精時の卵活性化機構)を中心に解析を行ってきました。卵が成熟し受精発生能力を獲得するためには卵成熟誘起ホルモンが作用します。受精時に卵が活性化するためには精子による刺激が必要です。これらの過程には、卵内のカルシウムイオンがシグナル伝達因子として重要な役割を担っていることを明らかにしました。さらの卵成熟誘起ホルモンが作用するとどのように卵内カルシウムイオンの上昇が起こるのか、受精時の卵活性化時に精子はどのように卵内カルシウムイオン上昇を引き起こすのかは現在も進行中の中心的なテーマです。
私は1990年代初頭から共同研究のためにヨーロッパ及びアメリカに滞在する機会がありました。最初に長期に訪れたのはイタリアナポリにあるナポリ臨海実験所でした。日本国内にも多くの臨海実験所がありますが、ナポリ臨海実験所は世界で一番歴史のある臨海実験所で、併設されている水族館も世界で一番古い水族館です。当時はソビエト連邦が解体し、ベルリンの壁が崩れる頃でした。まだインターネットからのニュース情報を得ることは出来ずに、たまに家族から船便で送ってもらう一か月遅れの日本の新聞を読みながら、またテレビに映るベルリン市民の混乱した様子を見ながら、世界はどのようになるのか詳細が分らずにぼんやりと不安を感じていました。余談になりますが、その後も私は歴史の節目、例えば神戸の震災、地下鉄サリン事件、ニューヨークの貿易センタービルが崩れる時なども国外でニュースを見て知りました。先の東日本大震災の際もナポリ臨海実験所に滞在中で、朝7時半頃アパートで朝食をとりながらニュースを見ていたところ、日本の三陸沖で大きな地震が起こったことを知りました。日本とイタリアの時差は8時間、日本時間の午後3時半にはヨーロッパで日本の地震のニュースが流れていました。朝の8時に出勤しようとした時には、既に橋の下を船と車が一緒に流れていく動画がニュースで配信されていました。初めてイタリアへ来たころに比べて世界が狭くなったこと、情報を容易に共有できることを実感しました。
一般に海外の研究室で研究を行う際には言葉の問題があり、コミュニケーションをとることに苦労します。これからはますますグローバル社会となり、外国の研究者と交流する機会も増えます。既に言われていることですが、若いうちからコミュニケーションをとれる環境とそれを活用する積極性を持つことが大切であると思います。若い人たちの方が趣味のことなど研究の話を離れてもコミュニケーションをとりやすいと思います。私も30代のうちに外国生活の機会に恵まれました。この中でイタリア人やアメリカ人も同年代に人たちは私と大して変わらない考えや行動をとるのだということを自分自身で体験することで、相手とコミュニケーションをとることに気負いがなくなりました。私たちと大して変わらないことが分れば、肩の力も抜けスムーズにコミュニケーションができるようになります。その意味でも、研究を離れても共通の話題を見つけやすい若いうちに外国を体験しておくことは大切なことだと思います。
しばらくアメリカデトロイトのウェイン州立大学の臨時スタッフとして研究室の運営に携わっていたときに、夏休みになると研究室に高校の先生を受け入れていました。先生は研究室の所属学生と同じように研究室のテーマにそった研究を行い、新学期が始まると先生は自分の学校の生徒を連れてきて熱心に自分の研究を説明する、それに目を輝かせて聞き入る生徒たちの様子を見ました。研究は自分自身だけのことではなく、真理を追究することは受け継がれていくものでなければ更なる発展はありません。研究のすそ野の拡大は私たちにとっても重要な役割の一つです。現在は日本でも社会人や高校教員等を大学で受け入れるプログラムはありますが、アメリカで1990年代に既にそのようなプログラムが実施されていることを見てその必要性を感じました。帰国後は、小中高校生など青少年への臨海実習を通した理科教育のすそ野拡大も、私にとっては浅虫センターの中での重要な柱の一つでした。平成27年度に日本動物学会から青少年への臨海実習を通した動物学啓蒙活動により教育賞をいただきました。研究者、研究者を目指すものにとっても社会が何を欲しているのか、それに対して自分のフィールドで何ができるのか考えることは大切であると思います。今後も青少年に対する臨海実習などを通して、このような活動を積極的に行う予定です。

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  浅虫海洋生物学教育研究センターの美濃川拓哉先生より
経塚先生へのメッセージをいただきました  

経塚啓一郎先生は40年以上もの間、浅虫に腰を据え、目の前に広がる陸奥湾に産する様々な動物の受精と卵成熟の研究をすすめてこられました。浅虫海洋生物学教育研究センターのスタッフとしての研究は今月を以って終了されますが、当分の間は浅虫で研究を継続されることが決まっています。経塚先生から教えていただける日々が今しばらく続くことをうれしく思っています。
私は経塚先生と13年間、おなじ研究施設のスタッフとして働かせていただきました。その間、経塚先生から直接教えをうけたわけではありませんが、先生との日々のやりとりのなかから様々なことを教えていただきました。ひとつだけ取り上げるなら、多様な着想の重要性でしょうか。セミナー、会議、昼食での雑談など、折々に経塚先生から伺うご意見には、私には到底思いつけないものが多いのです。自分の視野の狭さに気付かされると同時に、異なる視点を知ることで問題をより深く理解するきっかけを掴んだこともよくありました。特に数年前の教育拠点立ち上げのときにはことあるごとに議論したものでしたが、この時に経塚先生から学んだことは貴重な財産になっています。研究のうえでも先生から重要な刺激をいくつもいただきました。私の力不足から、経塚先生との共同研究のアイデアを結実するところまでは育てられていませんが、この萌芽はこれからも育てていきたいと思っています。
先生と同じ場所で同じ時間を過ごし、学ぶことができたことに感謝しています。先生の益々のご健康とご活躍をお祈りします。

20180309_20.jpg 2017年7月に浅虫海洋生物学教育研究センターで行われた国際公開臨海実習の歓迎パーティーで撮影したもの。前列中央が経塚啓一郎先生。この国際公開臨海実習は経塚先生が企画・運営の責任者を務めた。写真提供:根岸剛文先生。


2018年3月27日レポート

3月9日(金)生物学科 水野健作教授 最終講義

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3月9日(金)、生命科学研究科プロジェクト総合研究棟 講義室にて、生物学科 水野健作教授の最終講義「The long and winding road-ペプチドホルモンからシグナル伝達研究へ―」が行われました。水野先生は、細胞運動・形態形成、細胞増殖・分化、細胞がん化を制御するシグナル伝達機構の研究をされています。大阪大学理学部から宮崎、九州大学を経て1999年に東北大学に着任されました。会場は満席となりたくさんの方々が聴講され、水野先生のお人柄を表す会となりました。

水野健作先生よりメッセージをいただきました

1999年春に理学研究科生物学専攻に着任しました。着任の前日の3月31日に雪が降り、暖かい九州から来た私は、あまりの寒さに驚いたことを今でもよく覚えています。2001年に生命科学研究科が設立され、本務はそちらに移りましたが、その後も理学部生物学科の兼担として、合わせて19年間、青葉山の理学部生物棟において、研究と教育に打ち込むことができました。その間、理学研究科・理学部の皆様には大変お世話になりましたことを感謝いたします。
私は、以前にはペプチドホルモンとそのプロセシング酵素の精製と構造解析や、細胞増殖因子とその受容体の機能解析の研究を行っていましたが、1994年に偶然見出した新しいプロテインキナーゼ、LIMキナーゼの発見をきっかけとして、アクチン細胞骨格を制御するシグナル伝達機構を主な研究テーマとするようになりました。東北大学に赴任してからは、LIMキナーゼ-コフィリン経路を中心とした細胞骨格のシグナル伝達機構と、その細胞運動や細胞応答における機能の解析を進めてきました。さらに、最近では、細胞のメカノセンシング機構や一次繊毛の形成機構にも興味を持って研究を進めています。研究テーマの決定は研究者にとってもっとも重要なことの一つですが、私はこのようにいろいろなテーマで研究を進めてきました。最終講義の題目に挙げましたように、"The long and winding road"を、曲がり角ではテーマに迷いながらも、その時々では自分がもっとも興味をもったテーマ、そしてその領域の中ではもっとも重要で解決すべきテーマを選んで挑戦してきたつもりです。
青葉山での19年間、幸いにも、多くの熱心な学生や仲間に出会い、ともに研究に打ち込めたことを心から感謝しています。

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  生命科学研究科の大橋一正先生より
水野先生へのメッセージをいただきました  

私は、九州大学の大学院生時代より水野先生にご指導頂き、水野先生が九州大学から東北大学の教授として赴任された時に一緒に東北大学に参りました。合わせましてこれまで26年間ご指導頂きました。水野先生は、細胞応答における細胞内情報伝達の分子機構について研究されてきました。特に、動物細胞が様々な外環境の刺激を受け取り、細胞内のアクチン骨格を動的に変化させて応答する多様な仕組みについて多くの重要な発見をされました。そして、そのご研究は現在の繊毛の形成機構の研究につながり新たな発展を続けています。研究室は、水野先生のお人柄から多くの学生、ポスドクが集まり、自由な雰囲気で皆さんが生き生きとした活気のある部屋でした。水野先生は、学生の自由な発想を尊重し、先見の明をもってご指導されたことが多くの成果につながっていったと思います。私も、その中で自由に研究をさせて頂き独立することが出来ました。心より感謝申し上げます。これからは総長特命教授として研究の面白さを若い学生にご教示され、研究もさらに発展されることと思います。現在でも、研究だけでなくテニスに百名山の登頂制覇にと楽しく挑戦されている姿は、私の理想として目標とさせて頂きたいと思っております。これからも益々のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

20180309_220.jpg 2006年の研究室の集合写真(中央広場にて。多くの学生、ポスドクが集まっていた頃の写真です。)前列中央 水野教授、前列左より2番目 大橋。


2018年3月26日レポート

3月9日(金)数学専攻 石田 正典 教授 最終講義

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 3月9日(金)、数理科学記念館(川井ホール)にて、数学専攻 石田 正典 教授の最終講義「わたしの仙台40年」が行われました。
 石田先生は、京都大学大学院理学研究科を修了後、東北大学数学教室で40年教員の道を歩んでこられました。代数幾何学をご専門とし、主にトーリック多様体と呼ばれる代数多様体を長きに渡り研究されました。
 当日は、石田先生が東北大に着任された当時の時代背景を振り返り、さまざまなエピソードが紹介されました。学内外の教職員、卒業生、学生など多くの方が出席し、熱心に聴講しました。「私のベスト論文」として1991年に発表された論文をご紹介される際には、穏やかな口調ながらも熱く語られている姿がとても印象的でした。
 石田先生、長い間本当にありがとうございました。

石田正典先生よりメッセージをいただきました  

 自分の論文で最も気にいっているのは高次元カスプ特異点の双対性を示す例の構成に錐の双対性を用いるものだったので、最終講義ではそれを紹介しました。双対性を図形で見てもらうために、私としては初めての試みですが、プロジェクター2台連動でやってみました。途中でパソコンの再起動が必要となりましたが大体うまくいったと思います。

 41年の長い東北大学勤務でしたが、思い出の一つとして、2009年に中国の復旦大学から4人の研究者を招き東北大学で研究集会を開き、翌2010年には招待を受けて上海の復旦大学での研究集会に出席しました。研究集会には復旦大学の若い研究者も多く参加して研究と交流を深めることができました。こちらでの接待はなかなかうまく行かなかったようにも思いますが、上海ではずいぶん歓待して頂きました。復旦大学には立派なホテルやレストランがあるのにも驚きました。ちょうど上海では万国博覧会が開かれていたので休みの日に行ったのですが、どこの展示館も大行列でほとんど見られず、高校のときに行った大阪の万博も同じだったと思い出し早々に退出しました。

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  数学専攻の尾形庄悦先生より
石田先生へのメッセージをいただきました  

 石田先生と初めてお会いしてから36 年にもなると思うと感慨深いです。
 石田正典先生は、京都大学の修士課程をご卒業後直ちに、助手として本学理学部数学科に着任なさいました。当時、数学教室は片平地区にあり、私は教養部生であったのでお会いしませんでした。数学教室の青葉山移転と同時に私も学部に進級しましたが、石田先生はドイツ留学中でまだ出会えていません。私が本学大学院に進学し、代数学講座の小田忠雄教授にご指導頂いた時には、石田先生は帰国されていたと記憶しています。石田先生は代数学講座の助手であったので、やっとお会いすることが出来ました。この頃、先生はご結婚され、私は同級生と共にご自宅に招いて頂きました。
 その後、石田先生は助教授に昇任され、私も助手に採用されました。私が助手になって直ぐの頃、石田先生は4年セミナーを担当され、私は義務では無いのに傍聴しました。先生のお人柄か、4年生達の雰囲気がとても良く、私は全回傍聴し、夏休みのセミナー合宿にも同行しました。
 また、小田先生は代数学セミナーを主宰されていて、石田先生に加えて、佐武一郎先生、堀田良之先生、難波誠先生、森田康夫先生も参加し時々講演され、また、他大学からも土橋宏康先生、足利正先生と本学の助手の方々も参加して、大盛況でした。講演後、石田先生と、同年代の土橋先生と足利先生、私たち助手が一緒に居酒屋で懇親会を持つことが常でした。石田先生は、お酒にはあまり強くなくて、この頃はビールをコップに1杯飲む程度でした。その後、ジョッキに1杯と梅酒1杯飲むぐらいに進歩(?)されました。お酒にはあまり強くなくとも、この様な懇親会はお嫌いではないようで、誘いを断られることはありませんでした。
 その後、私もドイツに留学し、帰国後すぐに本学教養部に移り、法人化にともない再び理学部に准教授として戻りました。この頃に、石田先生は代数幾何学セミナーを立ち上げて主宰し、代数セミナーより活発になりました。私と原伸生准教授(当時)で自由に学外の研究者を講演者に呼ぶことも、大学院生にも講演させることも、兄貴分として鷹揚に構えて認めてくれました。このセミナーでも懇親会は欠かせませんでした。石田先生も私も原さんもそれぞれ大学院生を指導するようになっても、各学期の終わりには、必ず合同の懇親会を持ちました。
 石田先生は、ご結婚後に奥様のお勧めに従って、自動車の運転免許をお取りになりました。週に何度か、奥様を助手席に乗せてご自身が運転して大学に出勤され、直後にその車を奥様が運転して帰られることがあります。休日にはドライブなどなさいますか?と伺うと、奥様が運転されてあまり遠く無いところに行く。また、通勤時のルートはいくつか試されましたか?と伺うと、いつも同じ道を辿って大学まで運転すると答えられました。
 今後は、ご自身でルートを選んでご自身で運転し、隣県ぐらいまでの距離のドライブを奥様と仲良く楽しむことを願っております。


2018年3月22日レポート

青葉山みどり保育園見学会が開催されました。

東北大学学内保育園「青葉山みどり保育園」の見学会が開催されました。青葉山みどり保育園は、地下鉄青葉山駅からすぐの福利厚生施設の中に設置され、生後2か月から小学校就学の始期に達するまでの東北大学教職員及び学生のお子さんが利用可能な保育園です。常時保育はもちろん一時保育も可能となっています。詳細は青葉山みどり保育園ホームページよりご確認下さい。
※現在(2018年3月22日)、全年齢とも定員に空きがあるとのことですので、ご希望の方は総務企画部総務課(hoiku[at]grp.tohoku.ac.jp *[at]を@に置き換えてください。)までお問い合わせ下さい。

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2018年3月19日レポート

3月5日(月) ニュートリノ科学研究センター 白井淳平教授 最終講義

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3月5日(月)、理学研究科合同A棟2階第1共通講義室にて、ニュートリノ科学研究センター 白井淳平教授の最終講義「この40年を振り返って」が行われました。白井先生は、旧カミオカンデ検出器の解体に始まりカムランド検出器の建設と実験を経て現在はカムランド禅実験に携われております。筑波のKEKで過ごされた時のお話や、その後、東北大学に異動されてからの21年の研究内容の推移など、幅広くお話をしてくださいました。当時の写真も紹介いただき、終止温かい雰囲気の中、講演は進められました。

白井淳平先生よりメッセージをいただきました

最終講義、いよいよこの日を迎えたのだと感慨深い思いです。KEKから東北大に移動してはや21年、カムランド/カムランド禅実験の建設から始まりずいぶん楽しませてもらった感があります。特に2002年、カムランド実験が始まってまもなく、世界初の原子炉ニュートリノ振動の発見の現場に当事者として居合わせることになろうとは夢にも思いませんでした。また世界初の地球反ニュートリノが検出され、地球科学者の長年の夢が現実となりニュートリノ地球科学が創始される画期的な成果があがったことにも大変驚きました。東北大学に来る前の大勢の研究者がそろうKEKでの活動も楽しかったですが、東北大学では研究や教育を通じて多くの優秀な学生と触れ合うことができ、また多くの優れた研究者と会う機会にも恵まれ、いつも新鮮な刺激を受けることができました。大変ありがたく思っています。また仙台の地は住みやすく歴史を感じる趣のある街であり、新鮮な食材に美味しいお酒が楽しめるのもとても気に入っています。
退官後は、幸いにも進行中のカムランド/カムランド禅実験に参画できることになりました。ニュートリノ研究は今後も大きな進展が期待される分野ですが、ニュートリノと関連する分野は宇宙や天体、地球まで含め、大変重要で魅力的な課題に満ちており、全く新たな視野が開かれる可能性もあると思います。そのようなチャンスをつかみ取るべく今後も努力していきたいと思っています。これまで研究を支えて下さった多くの方々に心より感謝いたします。ありがとうございました。

↑ 【思い出の写真】写真をクリックするとスライドショーになります


  ニュートリノ科学研究センターの清水格先生より
白井先生へのメッセージをいただきました  

白井先生には2000年に研究室配属されて以来、長い間お世話になりました。当時は原子炉ニュートリノ振動発見を目指し、研究グループが一丸となって実験準備を進めていました。白井先生は液体シンチレータ純化の研究をリードしておられ、その間に素粒子実験に必要な基礎知識、応用実験に向けた装置開発の手法、さらには研究者としての心構えなど、非常に多くのことを学ばせていただきました。研究者になってからも変わらず熱心なご指導をいただいたこと、大変感謝しております。これからも引き続き共同研究の中でご指導をいただければと願っております。益々のご発展とご活躍をお祈りいたします。


2018年3月19日レポート

3月6日(火)生物学科 山元 大輔 教授 最終講義

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 3月6日(火)、生命科学プロジェクト総合研究棟(片平キャンパス)講義室にて、生物学科 山元 大輔 教授の最終講義「"自分流・行動遺伝学"のこれまでとこれから」が行われました。
 山元先生は、平成17年に東北大学大学院生命科学研究科教授として着任され、キイロショウジョウバエを用いて、行動を組み立てる遺伝子や行動を生み出す脳の仕組みを研究してこられました。
 本講義では、現在の研究を始めたきっかけやこれまでの研究成果、今後の目標についてユーモアを交えながら熱く語ってくださいました。講義終了後には、山元先生の長年にわたる研究・教育に対するご尽力とご功績に感謝と敬意を込めて、聴衆から惜しみない拍手が送られました。

山元大輔先生よりメッセージをいただきました  

 この度は、最終講義の機会を与えていただき、ありがとうございました。
 私自身が最初に研究室を持ったのは(株)三菱化成生命科学研究所(東京町田)に於いてであり、その後、早稲田大学人間科学部(埼玉所沢)、早稲田大学理工学部(東京新宿)を経て、本学生命科学研究科に着任した。本学では当初、青葉山の理学部合同棟にラボを構えたが、震災の前年に新たにできた片平の生命科学総合研究棟に移転した。そして今回、定年を1年後にひかえてフライング退職し、神戸にある未来ICT研究所に異動することとなった。ラボとしては5回目の引っ越しが目前である。最終講義では、四十余年にわたる研究を振り返るとともに、今後の新たな展開を見据えて、いわば所信表明の意味をも込めて自分独自の道を模索することにした。皆さんに楽しんでいただけたならこの上ない喜びである。


  生物学科の小金澤雅之先生より
山元先生へのメッセージをいただきました  

 山元先生はハエの求愛行動研究のトップランナーで、特に有名なのはオス同士が求愛してしまう突然変異体satoriの発見です。論文や書籍等では良く存じ上げていましたが、まさか私がその研究に関わる事になろうとは思っていませんでした。satori変異は、転写因子をコードするfruitlessと呼ばれる遺伝子の機能異常によるもので、山元先生はfruitless遺伝子の分子細胞生物学的機能の解明に取り組んできました。2005年には雄特異的なFruitlessタンパク質発現が、ニューロンの数や形を変えて、いわば「オスの脳」を作り出している事を明らかとし、Nature誌の表紙を飾っています。私はちょうどその頃から山元先生との共同研究を始め、fruitless発現神経回路の機能解析を行ってきました。最先端の技術を用いた研究に携われたことは、研究者としてとても幸せな事でした。
 山元先生の研究成果は多数の学術論文として触れることができますが、研究室メンバーのみが知る特筆すべきことは、どんなに忙しい時でも自身で実験をされていたことでしょう。研究・教育に忙殺されながらも、自らショウジョウバエの交配をしアイデアの確認を行う姿は驚異的でもありました。
 satori変異体の発見は今から20年以上前にさかのぼりますが、その頃から山元先生は「行動の進化」という難問にアタックしてきました。ゲノム編集技術が開発され、中枢ニューロンの活動記録も可能となった現在は、かつては攻略不能にも思えたこの難問の解明に肉薄できるまたとない時なのだと思います。山元先生は4月より神戸の未来ICT研究所に活躍の場を移しますが、この期を逃さず自らの手で驚くような研究成果を上げていくはずです。何時までもお元気で、これからもますますのご活躍をお祈りしております。


2018年3月19日レポート

3月6日(火)生物学科 中静 透 教授 最終講義

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 3月6日(火)、生命科学プロジェクト総合研究棟(片平キャンパス)講義室にて、生物学科 中静 透 教授の最終講義「樹木と動物との相互作用による森林生態系の変化」が行われました。
 中静先生は、平成18年に東北大学大学院生命科学研究科教授として着任され、森林生態系における生物多様性維持機構熱帯林や温帯林において、生物多様性が維持されるしくみや気候変動が生態系に与える影響、適応策など、幅広く研究を進めてこられました。
 当日は、中静先生が "日本の森林で気になっていること" を様々な実例を交えてお話されました。講義室には学生や教職員など多くの方が聴講に訪れ、講義終了後には、中静先生の長年にわたる研究・教育に対するご尽力とご功績に感謝と敬意を込めて、惜しみない拍手が送られました。
 中静先生の今後のご健勝とますますのご活躍をお祈りいたします。

中静透先生よりメッセージをいただきました  

 最終講義を多くの方に聞いていただき、ありがとうございました。思い出話はしたくなかったので、最近考えている日本の森の問題点と私の研究のかかわりについて話させていただきました。今後も研究者としてこの問題にはかかわってゆきたいと思っています。
 東北大学での12年間は、GCOEや学術資源研究公開センター、植物園の仕事など、手を抜けない仕事も多かったですし、東日本大震災などをきっかけに始めた活動もあり、あっというまに過ぎてしまった感があります。それでも、すこしは東北の自然を生かした研究ができたかと思っていますし、その自然のすばらしさは堪能しました。これからは京都の総合地球環境学研究所でプログラムディレクターをしますが、大学共同利用研究機関法人人間文化研究機構の傘下にある研究所ですので、地球環境問題に関心のある方は研究提案をすることができます。ぜひ東北大学からも研究の提案をしていただきたいと思っています。
 東北大学で一緒に研究をやっていただいた教員、学生のみなさま、事務・技術でサポートしていただいた方々、たいへんありがとうございました。楽しく実り多い時間を過ごすことができました。

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▲八甲田山で毎年行っていた森林調査のときに。

  生物学科の饗庭正寛先生より
中静先生へのメッセージをいただきました  

 中静先生は、私にとっては博士課程での指導教員でもあり、京都大学時代から17年以上のお付き合いになります。初めて研究室訪問にうかがった際に温かく迎えて頂いたことを昨日のように思い出します。
 先生から教わったことを数え上げればきりがありませんが、フィールド系の研究者としては、世界各地の森林にご一緒して、森の見方を教えて頂いたことが、やはり何よりの思い出です。今では私自身が学生を指導する立場となりましたが、先生から教わったことを私なりのやり方で次の世代にも継承していけたら、と願っております。
 学外の仕事でご不在の事が多かったにもかかわらず、学生とのコミュニケーションをとても大切にされており、研究室には常に和気藹々とした雰囲気が満ちていました。時には、研究に対する自主性の不足を厳しく指摘され戸惑う学生もいましたが、卒業後、遊びに来た彼らが「働くようになり、先生が仰っていたことがようやくわかった」と述懐している姿もしばしば目にします。
 最後になりましたが、これからも一緒にフィールドで研究できることを楽しみにしております。お体に気をつけて、ますますのご活躍をお祈りしております。

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▲秋保で行われた研究室のお花見にて。

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