[高校生以上対象] 2025年6月21日開催
星はすばる、銀河はすばる
-銀河が織りなす宇宙の大規模構造とそこに宿る銀河の生態-
ダークマターが重力を支配する宇宙では、その集積によって銀河群や銀河団などの巨大な構造を形作っています。
このような宇宙の大規模構造はいつどのように出来上がってきたのでしょうか?
我々はハワイ島マウナケア山の頂にある「すばる」という、同規模の望遠鏡の中では世界一の広角を誇る装置を用いて、さまざまな時代の宇宙構造とその時間発展を捉えています。
またそこに宿る銀河は、時代や環境に翻弄されながら生まれ成長し、今日の美しく多様な銀河宇宙を構成しています。
本講義ではその壮大なドラマを最新の観測結果や動画等を用いて概説します。
*対面開催となります。
[日時] 2025年6月21日(土)13:00-14:30(12:30開場)
[会場] 理学研究科合同C棟 2階 青葉サイエンスホール
キャンパスマップ「H-04」の建物です。
地下鉄東西線仙台駅より「八木山動物公園行き」にて9分。青葉山駅にて下車、北1出口から徒歩3分です。
*できるだけ公共交通機関でお越しください。やむを得ずお車でお越しの方は、理学研究科事務棟1階(「H-11」の建物)1階警務員室にて一時入構手続きを行ってください。
[対象] 高校生以上
*講義内容は高校生以上向けとなりますが、中学生の方も関心のある方はご参加いただけます。
[参加費] 無料
[定員] 30名(先着)
[講師] 天文学専攻 教授 兒玉 忠恭(こだま ただゆき)
博士(理学)。銀河・銀河団・宇宙大規模構造の形成・進化について研究を行っている。
[お申込み]
ぶらりがく参加規約をよくお読みになり、ご同意いただいたうえで
下記URLのGoogleフォームよりお申込ください。
https://forms.gle/K38YcUKSTqAsoKj47
<ご登録いただいたメールアドレス宛に、自動返信メールが届きます>
メールアドレスに入力間違いなどがございますと、自動返信メールやこちらからのご案内がお届けできませんので、お間違えのないようご確認をお願いいたします。また、「@tohoku.ac.jp」からのメールが受信できるように設定をお願いいたします。
お申込み後、返信メールが届かない場合は、迷惑メールの受信ボックスをご確認のうえ、広報・アウトリーチ支援室までお問合せください。
*定員に達してからのキャンセル待ち受付は行っておりませんので、お早めのお申込みをお勧めいたします。
*状況により、イベント内容が変更・中止となる可能性があります。その際は速やかにお知らせいたします。
下記の規約を必ずお読みになり、当規約に同意された上でお申込みください。
また、お申込みされた時点で、当規約に同意されたことになりますことを予めご承知おきください。
14:00-14:05 | 開会 |
14:05-14:15 | 理学部長ごあいさつ 東北大学理学部長 都築 暢夫 |
14:15-15:05 | 1時間目 『「生きている」を理解する』 物理学科・物理学専攻 准教授 佐久間 由香 「生きている」とは、いったいどのような状態を指すのでしょうか?自分で動けること?呼吸をしていること?その答えは多岐にわたります。この問いに対し、医学、薬学、生物学をはじめとしたさまざまな分野で研究が進められていますが、物理学は生命の謎にどのように貢献できるのでしょうか。実は、物性物理の観点からも生命の謎に迫る試みが始まっています。生命の最小単位である細胞は、脂質やタンパク質といった分子が集まって形成された分子集合体です。この細胞は、柔らかさ(弾性率)や流れやすさ(流動性)といった生命特有の物理的特性を持っています。これらの物理量を手がかりに、物理学がどのように生命の本質に迫ろうとしているのかをご紹介します。 |
15:05-15:15 | 休 憩 |
15:15-16:05 | 2時間目 『私たちの町の気候はどうなるの?過去の気象はどうだった?』 宇宙地球物理学科・地球物理学専攻 教授 山崎 剛 日々の天気予報はどのように行われているでしょうか。昔は空を見て雲や風の様子から天気を予報していました。しかし、現在ではおもに数値予報という手法が用いられています。これは運動方程式や熱・水の保存則などさまざまな物理法則を用いて大気の状態の変化を計算するものです。ある日の天気予報ができるのは数週間までですが、数十年先についても降水量や気温の傾向といった将来の「気候」を予測することはできます。また数値予報の技術を使うと過去の気象を再現することもできます。現在のような高度な観測技術がなかった時代に災害をもたらした顕著現象を調べることも可能です。このような将来の気候予測や過去の気象再現についてお話しします。 |
16:05-16:15 | 休 憩 |
16:15-17:05 | 交流会~先輩にいろいろ聞いてみよう~ 先輩たちがどのような大学生活を送っているのか。東北大学理学部を志望した経緯やどのように入試を乗り越えたのか。パンフレットやWebを見てもわからないことや、今気になっていることを直接聞いてみませんか?進路選択を考える際の一助になればうれしいです! |
17:05-17:10 | 閉会 |
13:00-13:15 | 理学部長ごあいさつ 東北大学理学部長 都築 暢夫 |
13:15-13:55 | 講義①『大きな大きな数の作り方』 数学科・数学専攻 教授 横山 啓太 できるだけ大きな(でも無限ではない)数を想像してください。国家予算? 宇宙の粒子の数?では今度は実際に5個の文字で大きな数を書いて(作って)ください。「99999」「千無量大数(10の71乗です)」...もうちょっと知恵を絞って「9^9999(9の9999乗)」はもっと大きそうですね。それでは5個の数字や記号でもっと大きな数を作れるでしょうか?数学でも時に大きな数に出会います。そしてより大きな数を書くための様々な「記法」が考案されています。ここでは、ビスケットがどんどん増える不思議なポケットのパズルを使って、有限と無限の狭間を歩きながら、大きな数の作り方を考えてみましょう。 |
13:55-14:10 | 休 憩 |
14:10-14:50 | 講義②『もの(物質)が語る地球変動ものがたり』 地圏環境科学科・地学専攻 准教授 髙栁 栄子 私たちの住む地球の環境は、地球史を通じて絶えず変化し続けてきました。過去には、人間の想像を絶する極端な気候変動が生じた時代がありましたが、地球生命は過酷な環境変動を幾度となく乗り越えてきました。私たち人類も例外ではなく、文明を築く前の人類は、寒冷な氷期と温暖な間氷期が約10万年の周期で繰り返し訪れる気候変動を経験しました。なかでも氷期には、数年〜数十年間に気温が10℃近く上昇する急激な温暖化現象が何度も生じていたことが地質記録から明らかになっています。なぜ、このような激しい気候変動が生じたのでしょうか?地球のもの(物質)から過去の気候変動を読み解く古気候学者の研究を紹介します。 |
14:50-15:05 | 休 憩 |
15:05-15:35 | 在学生・理学研究科卒業生による大学生活紹介 理学研究科の在学生および卒業生が、自身の研究や大学生活、経験をご紹介します。 |
15:35-16:35 | 交流会 ~先輩にいろいろ聞いてみよう~ 先輩たちがどのような大学生活を送っているのか、東北大理学部を志望した経緯やどのように入試を乗り越えたのか。パンフレットやWebを見ても分からないことや、今気になっていることを直接聞いてみよう! |
16:35-16:40 | 閉会のごあいさつ |
13:00-13:15 | 主催者あいさつ 東北大学理学部長 都築 暢夫 日本地球惑星科学連合(JpGU) 関根康人(東京工業大学地球生命研究所 所長/東北大学委嘱教授) |
13:15-13:55 | 講義①『環境DNAで生態系の複雑性を理解する』 東北大学大学院生命科学研究科/理学部生物学科 教授 近藤倫生 生態系は無数の生物の関わり合いや環境変化に駆動されてダイナミックに変動する巨大な複雑系です。生態系はあらゆる人間活動を支えていますから、持続可能な社会を作ろうと思うと、生態系を科学的に理解して、これをもとに社会の仕組みを作り直すことが欠かせません。しかし、生態系や生物多様性の調査は簡単ではなく、生態系の理解を妨げてきました。最近になって、環境中の生物由来のDNAを分析することで、そこにどんな生物がいるかを明らかにする環境DNAという技術が登場しました。環境DNAを活用した最新の生態学の知見や、そこから見えてくる私たちがこれから目指すべき自然共生社会の展望についてお話しします。 |
13:55-14:10 | 休 憩 |
14:10-14:50 | 講義②『小惑星にたずねる太陽系の歴史』 産業技術総合研究所 研究員 松岡萌 水金地火木・・・と並ぶ太陽系の惑星がどのようにしてできたのかは、いまなお研究が盛んです。この形成進化の道のりを紐解くひとつの鍵が、小惑星です。太陽系が誕生した初めの頃には、まず塵や氷の粒が集まって微惑星ができ、微惑星同士が衝突合体を繰り返して成長し、惑星ができたと考えられています。一方で、惑星になれなかった微惑星は小惑星として生き残り、惑星の原材料を保存していると考えられています。太陽系の歴史や地球と生命の成り立ちに迫るために、小惑星のかけらである隕石の分析や小惑星の観測、小惑星探査機「はやぶさ2」のようなサンプルリターンなどが行われています。こうした惑星科学の最新の研究成果について、特に光を測って表面を調べる「分光」に関する話題を中心に紹介します。 |
14:50-15:05 | 休 憩 |
15:05-15:45 | 講義③『惑星を作る実験』 国立天文台 教授 小久保英一郎 |
15:45-16:00 | 休 憩 |
16:00-16:55 | 交流会 ~大学生・研究者にいろいろ聞いてみよう~ 小グループに分かれて、理学部・理学研究科の在学生や研究者との交流会を行います。先輩たちがどのような大学生活を送っているのか。東北大学理学部を志望した経緯やどのように入試を乗り越えたのか。パンフレットやWebを見てもわからないことや、今気になっていることを直接聞いてみませんか?進路選択を考える際の一助になればうれしいです! |
16:55-17:00 | 閉会あいさつ |
13:00-13:15 | 理学部長ごあいさつ 理学部長 教授 都築暢夫 |
13:15-13:55 | 講義①『星の爆発、千紫万紅』 宇宙地球物理学科・天文学専攻 准教授 樫山和己 夏の風物詩といえば花火大会ですね。花火師たちは絶妙に配合・配置した火薬を玉に込め、化学反応を自在に操ることで大小、色、形、様々な花火を夜空に咲かせます。夜空の向こう、宇宙ではお星様が花火師です。一生をかけて体の中にせっせと花火玉をこしらえ、最期の瞬間、核反応を介して大爆発させます。超新星と呼ばれるこの現象は、花火よろしく千紫万紅。あまりの明るさから広大な宇宙を測る物差しになったり、光をも逃さないブラックホールの製造工場になったりと天文学者、宇宙物理学者を楽しませてやみません。今回はそんな宇宙の花火大会の鑑賞方法を、背景にある物理プロセスを噛み砕きながら紹介したいと思います。 |
13:55-14:10 | 休 憩 |
14:10-14:50 | 講義②『合成化学で機能を創る』 化学科・化学専攻 教授 瀧宮和男 有機合成化学は様々な分子を自在に作ることができ、医薬、色素など、私たちの生活を支える素材をもたらす重要な学問分野です。分子は一つ一つでこれらの機能を示すことができるだけでなく、それらが集合体になることで個々の分子の性質とは全く異なる機能を発現する、即ち「創発現象」が現れます。私たちは分子集合体を制御することで、エレクトロニクスに応用可能な機能、光電変換、半導体、電気伝導、熱電変換、などを導き出すことを目指し研究を行っています。「集まれば別物になる」有機化合物の振る舞いを紹介します。 |
14:50-15:05 | 休 憩 |
15:05-15:35 | 在学生・理学研究科卒業生による学生生活紹介 |
15:35-16:25 | 交流会~大学生にいろいろ聞いてみよう~ |
16:25-16:30 | 閉会のごあいさつ |
14:00-14:05 | 開会 |
14:05-14:15 | 理学部長挨拶 理学部長 教授 寺田眞浩 |
14:15-15:05 | 講義①『ニュートリノは役に立つ? -地球内部熱量観測-』 物理学科・物理学専攻 助教 渡辺寛子 物質の最小単位である素粒子の一種、ニュートリノは高い透過性を持つ「おばけ粒子」です。宇宙、太陽、原子炉、そして地球と、様々な発生源から大量に生成されており、実はこの世界はニュートリノで満ちているとも言えます。この滅多に反応しないニュートリノを巨大で静かな検出器で観測し、素粒子としての性質が明らかになるにつれ、不可視の発生源内部を調べる道具として用いる研究も盛んになりました。地球内部の放射性物質は地球の様々な活動を支える熱源の一種ですが、その分布や量について未解明の謎が残っています。直接掘り進むことが難しい何百キロも深い地球深部の放射性物質が生成したニュートリノ「地球ニュートリノ」を地表で観測し、地球内部熱量を測る研究を行っています。この、素粒子物理、地球科学、更には海洋科学・工学といった分野横断的研究の成果と将来展望を紹介します。 |
15:05-15:15 | 休 憩 |
15:15-16:05 | 講義②『海洋CO2吸収と地球温暖化 -北極海も主要なCO2吸収域-』 宇宙地球物理学科・地球物理学専攻 教授 安中さやか 産業革命以後、人間活動によって、CO2が排出されてきました。ただし、排出されたCO2のうち、約4分の1は海が吸収しています。海が吸収してくれているからこそ、大気中のCO2濃度の上昇が、今の程度で抑えられているとも言えます。一方、世界中の海が、一様に、CO2を吸収している訳ではありません。CO2を吸収している海もあれば、逆に放出している海もあります。また、同じ海でも、時期によって、吸収や放出の量が異なります。本講義では、地球温暖化と海洋CO2吸収に関して解説するとともに、特に近年、海氷が減少し、海が直接大気と接するようになりつつある北極海において、いつどこでどのくらいのCO2が吸収されているのかを明らかにした研究成果を紹介します。 |
16:05-16:15 | 休 憩 |
16:15-17:05 | 講義③『実験室で地震を診る』 地圏環境科学科・地学専攻 教授 武藤潤 皆さんは地震が発生する瞬間を見たことがありますか? よくテレビでは、「地震は地下で岩石がずれる」現象だと説明されます。しかし、地震の本質とは、岩石が時速1万kmの高速で破壊する現象です。1995年の阪神大震災の際には、野島断層に沿って地表に断層のずれが現れたことで、地震で動いた断層をつぶさに観察することができました。それによると、地震によって固い岩石が水飴のように融けてしまうことがわかりました。しかし、一般的に、地下深くで起こる地震現象を目にすることは極めて難しいのが現実です。そこで、今回のオンライン講義では、実験室で地震の動きを再現することのできる岩石変形実験機に最先端の計測機器を組み合わせることで、地震の際に地下で岩石が高速で動く様子を実際に診てみましょう。 |
17:05-17:10 | 閉会の挨拶 |
14:00-14:15 | 開会の挨拶 理学部長 教授 寺田眞浩 |
14:15-15:05 | 講義①『半径が1の円の面積は円周率である』 数学科・数学専攻 教授 本多 正平 長方形の面積とはなんだろう。それは縦の長さと横の長さをかけた数である。円周率とはなんだろう。それは半径1の円周の長さの半分のことである。小学校では「半径が1の円の面積は円周率である」という事実を学ぶ。このことを初めて聞いたときはどんな気分だろう。そりゃそうだと思うだろうか。そう思える人は素晴らしい数学の才能があると思う。私はそうは思わなかった。ではその証明はどうするのだろう。よくある説明は円を分割するものであり、それを聞くとなんとなくわかった気がする。本講義ではそれがわかった気になっているだけであることを説明する。そこに大学で学ぶ数学のおもしろいところ、「厳密さ」が現れることを紹介したい。 |
15:05-15:15 | 休 憩 |
15:15-16:05 | 講義②『ミジンコを巡る動物学と生態学の歴史』 生物学科・生命科学研究科 教授 占部 城太郎 ミジンコ(微塵子)は、代表的なプランクトンとして教科書でもしばしば紹介される身近な生物です。身近な生物であるが故に、ミジンコは古くから研究者の興味を惹き、欧米のみならず日本においても動物学や生態学の発展に深く関係して来ました。しかし、その不思議な生態、例えば普段は雌だけで増え、環境が悪くなると雄が出現し交尾して休眠卵を生むというユニークな生活や、水界生態系で果たしている重要な役割についてはあまり良く知られていません。そこで、本講義では、日本の動物学の黎明期を振り返りながら、学術の進展に果たしてきたミジンコの役割とそのユニークな生態を近年の研究成果を交えながら紹介したいと思います。 |
16:05-16:15 | 休 憩 |
16:15-17:05 | 講義③『宇宙における元素の起源』 宇宙地球物理学科・天文学専攻 准教授 田中 雅臣 私たちの身の回りにはさまざまな種類の元素が存在しています。私たちの体は酸素や炭素など多くの種類の元素でできていますし、皆さんが住む建物には鉄などの元素が使われているでしょう。しかし、このような元素は宇宙が始まった時には存在していませんでした。では、元素はいつ、どこで、どのように生まれたのでしょうか?この謎を解く鍵は、宇宙で輝く星の中にあります。この講義では、宇宙に存在する星の中では何が起きているのか、そして宇宙でどのように元素ができたのかを解説し、元素の起源を巡る最新の研究成果を紹介します。 |
17:05-17:10 | 閉会の挨拶 |
14:00-14:15 | 開会の挨拶 理学部長 教授 寺田 眞浩 |
14:15-15:00 | 講義①『粒子加速器を駆使する現在の「錬金術師たち」が探る極微の世界』 物理学科・物理学専攻 教授 中村 哲 元素を変換して金などの貴金属を作る、というのは錬金術師たちの見果てぬ夢でした。しかし、現在の物理学者は粒子加速器を使うことで、金より遙かに貴重な地球上には存在しない物質を作り出しており、錬金術師の夢を超え、さらにその先を目指しているとも言えます。また、粒子加速器は現在の「錬金術」を可能にする道具であると同時にフェムトメートル(ナノメートルの百万分の一)の世界を探るための超高性能顕微鏡としての役目も持っています。我々の身の周りの物は究極的には何から出来ているのかを調べるために、粒子加速器や最先端の検出器をどう使うのかを説明したいと思います。 |
15:00-15:20 | 休 憩 |
15:20-16:05 | 講義②『目に見えない分子やクラスター粒子の形はどうすればわかる?』 化学科・化学専攻 教授 美齊津 文典 物質を構成している分子の構造は、分光法や回折法という手法を使って正確に決定されてきました。さらに大きな分子やその集団は、規則正しい配列をもつ結晶を作成して、X線回折法によって構造が決められます。さて、結晶状態にない複雑な粒子(クラスターやナノ粒子)や、大きな生体分子については、どうすれば構造を決定することができるのかというのが、大きな問題となります。この講義では、タンデム質量分析やイオン移動度分析といった最新鋭の分析手法や真空装置を使った実験の解説も含めてお話しします。 |
16:05-16:25 | 休 憩 |
16:25-17:10 | 講義③『火山噴火の兆候を宇宙技術でとらえる』 宇宙地球物理学科・地球物理学専攻 教授 三浦 哲 我が国には111の活火山があり、それらの多くでは静穏期と噴火が繰り返されている。噴火に伴う火山災害を低減させるためには、火山活動のわずかな変化を捉え地下で起きている現象を把握することの積み重ねによって、その火山がいつごろ噴火しそうなのかを長期的に予測することが極めて重要である。本講義では、1890年代に小規模噴火が発生して以来長期間にわたって静穏期にある蔵王山を例に、最新の火山観測によって得られたデータに基づいて同火山で発生している諸現象を理解し、次の噴火の切迫度評価につなげようとする試みについて紹介する。 |
17:10-17:15 | 閉会の挨拶 |
10:00-10:30 | 挨拶と東北大学理学部の紹介 理学部長 寺田眞浩 |
10:35-11:35 | 講義①『べき乗和公式から多重ゼータへ』 数学系(数学科・数学専攻)教授 大野 泰生 紀元前から現代まで数の織りなす現象への人類の疑問は尽きることが無く、素朴な好奇心から解明された数学的事実が社会の基盤を支えている場面も多く存在します。今回は、古典的なべき乗和に関する好奇心から始め、ベルヌーイ数、多重ゼータへと話を進める予定です。 |
11:35-12:35 | ランチ懇談会ー先輩たちにいろいろ聞いてみよう♪ー |
12:45-13:45 | 講義②『火山噴火のダイナミクス』 地球物理学系(宇宙地球物理学科・地球物理学専攻)准教授 小園 誠史 火山噴火は、活きている地球を体感できる魅力的な自然現象である一方で、時に甚大な災害をもたらします。噴火現象には、巨大噴煙や火砕流、溶岩流など、非常に幅広い多様性があり、それが噴火の予測を難しくする一因になっています。講義では、噴火の多様性が生じるメカニズムを、物理モデルや観測に基づいて明らかにしていく研究について解説します。複雑な自然現象を理解したいという理学的に純粋な興味が、噴火の予測という社会への貢献に直結している火山学の面白さを、是非体感してみてください。 |
13:55-14:55 | 講義③『ヒレから四肢へ-作られ方の比較から進化の仕組みを推定する-』 生物学系(生物学科・生命科学研究科)教授 田村 宏治 魚には胸ビレや腹ビレという運動器官があり、それらは私たちの四肢(手足)と同じ(相同な)ものです。魚類の一部が上陸し原始的な四足動物に進化していく過程で、ヒレは四肢へと形を変えていきました。ヒレから四肢へと進化するこの進化過程で、いったい何が変化したのでしょうか。ヒレと四肢はかなり形が違うので何が変化したのかを想像するのは難しいですが、それぞれの作られ方を比較するとわかりやすいです。というわけで本講義では、ヒレと四肢の作られ方の比較から脊椎動物の上陸進化の仕組みを考えてみましょう。 |
14:55-15:00 | 閉会の挨拶 |
15:15-16:00 | 施設・研究室見学(希望者のみ【先着順】) |
10:00-10:40 | 挨拶と東北大学理学部の紹介 理学部長 寺田眞浩 |
10:45-11:45 | 講義①『生物を制御する有機化合物の化学』 化学系(化学科・化学専攻)教授 上田 実 主として炭素と水素からなる有機化合物は、多様な構造と機能を持っています。本講義では、生物に対して活性を示す有機化合物の例について最新の研究成果を含む講義を行った後、その作用機構についてパソコンを用いるインシリコ計算に基づいてグループ討論を行い、理解を深めます。 |
11:45-12:45 | ランチ懇談会ー大学生にいろいろ聞いてみよう♪ー |
12:45-13:45 | 講義②『生命の起源はどこまでわかったのか?』 地球科学系(地球惑星物質科学科・地学専攻)准教授 古川 善博 最初の生命はどこで、どのように誕生したのでしょうか?これは私たちの起源を探る重要な問題なだけに多くの説が提案され、メディアを通して様々な形で生命誕生の謎が解けたかのように一般市民にも伝えられてきました。しかし実際のところ、生命の起源に関してはわからないことがまだたくさんあります。一方で、生命が誕生した頃の地球の様子や生命を構成する有機分子の誕生については少しずつわかってきています。この講義では生命が誕生した頃の地球の様子と生命の起源はどこまでわかったのかについて解説します。 |
13:55-14:55 | 講義③『超巨大ブラックホールの謎に挑む』 物理系(宇宙地球物理学科・天文学専攻)教授 秋山 正幸 銀河の中心に潜んでいる超巨大ブラックホールはその起源すらわからない謎に満ちた天体です。その周囲で生じる強い高エネルギー放射やジェットの影響は銀河を超えてより大きなスケールにまで影響を与えていると考えられています。地上の大口径望遠鏡や宇宙望遠鏡、そして大型計算機を駆使して、宇宙の観測と理論的研究によって、様々な角度からその謎に迫る様子を紹介します。 |
14:55-15:00 | 閉会の挨拶 |