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2017年3月13日レポート

2月20日(月) 物理学専攻 前田和茂教授 最終講義

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 2月20日(月)、理学研究科合同A棟203号室にて、物理学専攻 前田和茂教授の最終講義「原子核を彷徨する」が行われました。
 前田先生はこれまでの研究の推移を社会情勢、そしてたくさんの思い出の写真と共にお話されました。核理研実験準備中に患った網膜剥離手術で人生が大きく変わったと回想されている姿が印象的でした。
 講演タイトルの「彷徨する」は歩き回ること、さまようことを意味しています。学生時代からの趣味である野山を彷徨し、研究では原子核を彷徨した前田先生。最後は「もう過ぎ去ってしまった過去とまだ来ない未来の狭間を彷徨する」という言葉で締め括られました。
 
前田和茂先生よりメッセージをいただきました

 使い慣れた理学研究科の教室で2月20日に最終講義をするの機会を与えていただき、大変ありがとうございました。1979年10月に教養部物理学科着任して以来、理学部、理学研究科を経て東北大学には37年間在職し、2017年の春に退職することになりました。
 「原子核を彷徨する」というタイトルで、大学院生のとき以来取り組んできた原子核の実験的研究とその周辺で彷徨した物語をお話ししました。原子核の謎に迫ることができたこともあります。チャレンジし続けたにもかかわらずやり遂げられなかった課題もあります。今後も原子核物理学研究の裾野を彷徨し、その進展を見つめてゆきたいと思っています。
 在職中は文字通り寝食を共にして研究に取り組んで来た学生や同僚の皆さんと有意義な時間を過ごさせていただきました。これからも素粒子・原子核から宇宙の果てにいたる謎の探求にご活躍されることを大いに期待いたします。

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  物理学専攻の神田浩樹先生より
前田先生へのメッセージをいただきました  

 前田先生とは私が東北大学に赴任して以来17年のおつきあいになります。颯爽と自転車に乗って青葉山の坂道を駆け上がる様子は大学生にも引けをとらない若々しさで、17年前と雰囲気はほとんど変わっておられません。
 この期間、前田先生にはメンターとして大変御世話になりました。私が東北大学で従事してきた研究や教育の多くのことに前田先生のアイデアとアドバイスがありました。前田先生への感謝の言葉は書き尽くせません。
 学生に対して前田先生はいつもフランクで、実験中や実験準備中の学生にも気軽に声を掛け、適切なアドバイスをなさっていました。場合によっては禅問答とも思えるアドバイスで、これには学生が面食らうことも多かったのですが、結果的には正しいアドバイスであることから、前田先生の考え方やものの見方の深さに気付かされることが多かったようです。打ち合わせ等では厳しい質問をされることもありましたが、研究に対する真摯な取り組みの結果であり、研究室は和気藹々とした雰囲気で満ちていました。
 英語に"young at heart"という成句がありますが、前田先生にこそ似つかわしい言葉です。何時までも若々しくお元気で、ますますのご活躍をお祈りしております。


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左から3番目が神田先生、4番目が前田先生。(2017年2月13日夕食会にて)

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