1時間目 化学「生物を制御する有機化合物の化学」
今回のぶらりがくは、「ぶらりがく for ハイスクール」と題して高校生を対象にした特別講義が三本立てで行われました。ここでは、そのうちの一つ「生物を制御する有機化合物の化学」についてレポートします。
化学専攻の上田実教授がお送りしたこの講義、夏休みということもあり、90人程の中高生が来てくれました。教授は、「高校までの化学と大学からの化学の違い」「化学と社会や政治との関わり」「薬の働きと分子の構造の関係」など、幅広い内容を分かりやすく話してくれました。初めて聞く内容だったと思いますが、高校では聞けない話だったり、分子模型が配られたりと、刺激的な時間だったのではないでしょうか。
講義のメインである実習は「生物を制御する有機化合物を設計して、人類の危機を救えるか?」と題して、植物を乾燥に強くさせる物質をコンピュータによる計算で見つけようというものでした。参加者は大学院生たちと、実際に研究で使われるプログラムを使って、天然物よりも強い効き目を持つ物質を探しました。大学院生とディスカッションをしながら、目的に合った構造の分子を見つけてく中で、大学の研究を体験できたと思います。また実習の後の質疑応答では、「今回見つけた物質が、副作用を示す可能性はないのか?」など、鋭い質問も飛び出し、積極的に実習に取り組んでくれていたことがうかがえます。
今回の「ぶらりがく for ハイスクール」では、講義の後に研究室見学もあり、オープンキャンパスでも公開していない施設まで見学するなど、盛沢山の内容でした。今日の体験が、参加してくれた高校生にとって、将来をイメージする機会となったはずです。ご参加ありがとうございました!