東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

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2019年3月18日レポート

2月27日(水) 天文学専攻 野口正史准教授 最終講義

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2月27日(水)、理学研究科青葉サイエンスホールにて、天文学専攻 野口正史准教授の最終講義「銀河と紙と鉛筆と」が行われました。

当日は学内の研究者、学生はもちろん、遠方からもたくさんの方々がご聴講されました。野口先生が天文学に目覚めたのは10歳の誕生日。その日の夜、望遠鏡で土星の輪を見た時から天文学にのめり込んでいったそうです。 最後は「東北大は研究者の多様性があり、カバーする分野もバラエティに富んでいます。これまで支えて下さったたくさんの方々に感謝しています。」との言葉で締めくくられました。


野口正史先生よりメッセージをいただきました

この度は最終講義の機会を与えて頂きありがとうございました。東北大学に27年間お世話になりましたが、この間の天文学の発展は目を見張るばかりでした。大学院の頃はコンピュータで数値シミュレーションをするにも、プログラムをカードにパンチし、それをカードリーダに読み込ませる時代でした。その当時最新の「スーパーコンピュータ」を使わなければ計算できなかったものが、今では、パソコンであっという間にできてしまいます。天文学の研究スタイルも、観測ばかりでなく、理論においても個人からグループへと大きく変わりました。今では、単独の論文著者は「絶滅危惧種」(危惧されているかわかりませんが)とされています。蓋を開けてみると、私はいつのまにかこのカテゴリになっていました。研究には多様な種類があり、それぞれが学問の発展になくてはならないものですが、私自身は、新しい概念構築に一番興味がありました。研究の「空白地帯」を求めて渉猟するのがルーチンになり、結果的に単独研究に傾いたのかもしれません。ただ、単独研究といっても自分が身を置く環境はとても重要です。素晴らしい同僚や学生の皆さんから様々なサポートや励ましを頂き、何とか職務を全うできた私は幸せです。最終講義では、恐縮ながら、多分に私的な私の研究歴を披露させていただきました。ご来場しその場を共有して頂いた一人一人の方に感謝したいと思います。まだ絶滅したくはありませんので、今後も微力ではありますが研究を続けていきたいと思います。



  天文学専攻の千葉柾司先生より
野口先生へのメッセージをいただきました  

野口さんは、おもに数値シミュレーションを用いて銀河の形成と進化に関する研究をされてきました。世界的な研究成果をいくつも残されており、特に、銀河相互作用における銀河棒構造の新しい形成機構の発見、さらにそれに伴う銀河中心への星間ガス流入と銀河中心の活動化に関する研究、また、銀河形成時期の重力不安定性に基づく遠方銀河のクランプ構造の形成などが有名であり、これらは野口さんの仕事であることを関係者の誰しもが知っています。研究へのこだわりは人一倍強く、定年を迎える年でも真摯に研究に向き合い論文を発表されているお姿に心が引き締まる思いです。
野口さんとは30年近くになるお付き合いで、本当にいろいろなときを共に過ごし、銀河に関してたくさんお話しをしましたし、酒を交わすことも多かったです。ドイツでの国際会議に一緒に行って楽しい時間を過ごしたのも思い出されます。みんなの人気者で愛されてきましたね。若いとき、ご実家からよく宅急便が届いていたことも覚えています。余計なことを書きそうなのでここらでやめておきますが(笑)、野口さんのことを話すにはこのスペースは狭すぎですね!
これまで本当にありがとうございました。



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