東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

ホーム > お知らせ > 取材 > 物理学専攻キャリアパスシンポジウム~博士の未来~
2013年10月 1日取材

物理学専攻キャリアパスシンポジウム~博士の未来~

 7月27日(土)、理学研究科合同A棟203号室にて「物理学専攻キャリアパスシンポジウム~博士の未来~」が開催されました。
 この企画は、人材を受け入れる側の企業の方々と、物理学専攻で博士号を取得し、様々な方面で活躍されている方々にその経験を語っていただくことで、学生たちに物理学科・専攻を修了後の未来について考えてもらおうと、毎年物理学専攻が開催・運営しているシンポジウムです。今年は42名の参加がありました。

IMG_2472.JPG「企業の研究開発体制について」
山田 勉
氏(日立製作所
 企業で働くことの醍醐味は多様な人々との関わり。日本で採用した研究者を育成の課程の一環として海外の研究所へ派遣することも。外国企業の経営者に対抗するためには専門性はもちろんですが、文学や芸術といった幅広い分野についても勉強してきてほしい。


IMG_2501.JPG「今後のことは走りながら考えよう」
木下 忠

東北大学知的財産部 2006D原子核実験)
 研究を離れて7年が経ちました。新卒で知財は少ないが、最近採用する企業も増えてきている。博士課程への進学はチャンス、今ここにいるからその選択肢が生まれている。先生や身近な人たちとディスカッションすることが必要なんじゃないか。


IMG_2529.JPG「情報と教育工学に分野を変えて」吉崎弘一
秋田大学総合情報処理センター 2002D原子核理論)
 東北大学工学部を卒業し、理学研究科に入学(原子核理論研究室)、その後、迷った末に博士課程へ。教育工学との出会いは、私大の教員時代に専門の先生が身近にいたことも影響。分野を変えると無駄になる、そう考えたこともありますが、ポジティブではないかなと。その時々の情熱や環境を大切にするのも良いのでは。


IMG_2549.JPG「アカデミックな研究者へのキャリアパス」
佐藤宇史

東北大学物理学専攻 2002D物性実験)
 修士から博士課程にかけて10回ほど学会等でアメリカへ。指導教員から海外での発表等の話がきたら断らないこと。失敗も多かったが経験になる。また、いま(大学院生)がいちばん研究が出来る時期なので大事に過ごしてほしい。


 また、シンポジウムの後半では、総合討論が行われました。総合討論にパネリストとして参加した物理学科の学生は学部で卒業することを決めていますが「(このシンポジウムを)もっと早く聴きたかった」と語っていました。学部生の早いうちに博士課程進学について考えることも大切なのかもしれません。参加者からは多くの質問が寄せられ、キャリアパスについて活発な議論が交われました。

<主な質問と回答>

【グローバルな人材とは】
 ・英語(外国語)が出来るということではない。国や言語をこえてディスカッションが出来ること、グループとして活動できること。
 ・異文化の中でいろいろな人と交わって対等にできること。
 ・国の垣根を感じさせない人(研究者)では?
【博士のすごいとこ、だめなとこ】
 ・すごいとこ:集中力、道を究めた人、プライドが高い(いい意味で)、根性がある
 ・だめなとこ:視野が狭い、変人?
 ・博士だって多種多様、博士課程に進学したからといって「博士」になれる訳じゃない。
【博士号を取得する方法】
 ・就職してから取得を考えている人もいるかもしれないが、企業にとっては仕事が第一。論文博士は取りにくくなってきているので、学生のうちに取りきったほうがいいのでは?
【インターシップについて】
 ・就職には直結させないというルールがある。ただ、マッチングという意味では直結させてもいいのでは?という意見も。
 ・ちゃんと勉強している人が参加したほうがいい。
【留学生の就職・採用について】
 ・ライバルは海外企業、そのため世界中から人材を集めようとする企業が増加。
 ・日本企業に就職を考える留学生には、日本語が出来ることを望まれている。研究職では日本語を不問とする場合もあるが、後々マネジメントになっていくことも考えるとやはり重要。

IMG_2568.JPG
▲パネルディスカッションの模様

<Photo Gallery>



*参考リンク*
理学研究科物理学専攻ホームページ
物理学専攻キャリアパスシンポジウム~博士の未来~          

カテゴリー

最新の記事

アーカイヴ

ページの先頭へ