東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

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2016年9月 5日レポート

9月3日(土)市民のためのサイエンス講座2016「火山噴火の謎に迫る~巨大地震と東北の噴火予知~」

 東北大学と読売新聞社の共同主催による、市民のためのサイエンス講座「火山噴火の謎に迫る~巨大地震と東北の噴火予知~」が、9月3日(土)午後、東北大学文科系総合講義棟にて220名の参加者のもと、盛況に行われました。講演は、東北大学理学研究科の西村太志教授、三浦哲教授、早坂忠裕教授の3先生により行われました。また、国内の火山活動を紹介する企画展「日本の火山噴火と火山災害」も併せて開催されました。
 西村先生は「巨大地震は噴火を誘発するか」という題名で、火山爆発のメカニズムについて話された後、地震発生による地下の応力の変化が、マグマが地表に出やすい条件を作る事になり、その結果、火山噴火の可能性が増す事を、事例を示しながら説明しました。そして、火山爆発にとって、水が非常に大切な役割を果たすことを話され、基礎過程の研究の重要性を指摘しました。
 三浦先生は、「東北地方の火山は今」という題名で、蔵王山、吾妻山、秋田駒ヶ岳など、東北の幾つかの火山を例にしながら、火山活動・地震活動の観測手法を総合的に説明しました。そして、詳細な観測から得られる火山活動の今後の推移、更には、火山噴火予測の可能性について、話しました。
 早坂先生は「噴火がもたらす気候への影響」という題名で、19世紀と20世紀に起こった2つの大規模な火山爆発を例に、噴火の後の、気温変化や降水量に代表される環境変化について、詳しく説明しました。また、火山噴火の影響は、海洋や成層圏にも及ぶ事を示し、特に成層圏に侵入したエアロゾルが太陽光を反射し、その後の地表気温の低下に大きく寄与していることを指摘しました。
 参加の方々から数件の質問が寄せられ、火山噴火とその影響、そして火山噴火予知に対する参加者の関心の高さがうかがえました。東北大学と読売新聞社は、来年度も共同で、市民のためのサイエンス講座の開催を計画しています。
 

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