東北大学 大学院 理学研究科・理学部|アウトリーチ支援室

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2014年3月18日レポート

一般講演会「日本海溝周辺における海底観測の高度化」の模様

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▲会場の様子

 2月19日(水)、せんだいメディアテーク7階スタジオシアターにて、東北大学災害科学国際研究所主催の講演会「日本海溝周辺における海底観測の高度化」が開催されました。
 現在の地震による津波予測では、陸上の地震観測点のデータを用いて津波の高さ等が計算されますが、予測の精度を向上させるためには実際の震源域である海底での地殻変動や到達前の津波を直接観測することが重要です。しかし、陸上の地震観測点に比べ、海底の観測点は設置及び観測データ取得の難しさから少ないのが現状です。東北大学では東北地方太平洋沖地震以降、日本海溝沿いに海底観測点を20点新設、そして、1観測点で約1日かかるという観測時間を短縮するため無人ボートを使った自律観測、リアルタイムで海底観測点をモニタリングするための係留ブイを使った連続観測システムの開発を進めています。
 また、防災科学技術研究所では日本海溝での地震と津波をリアルタイムで観測できる海底ケーブルに繋がった海底観測所を150ヶ所設置中、名古屋大学では東海・東南海地震の想定震源域である駿河湾や熊野灘、南海トラフ付近に海底での地殻変動をモニタリングするため海底観測点を増設しています。
 東北大学の長谷川昭名誉教授は、地震発生を予測するには地震学はまだ未熟だが、津波は地震が起きた後なので技術開発を促進することで、もっと津波警報システムを改善する事が出来るはずと語られました。海底地震観測網の更なる充実が、今後の地震・津波被害の軽減に繋がることを期待したいと思います。


↑ 写真をクリックするとスライドショーになります


*参考リンク*
プログラム詳細(PDF)
東北大学災害科学国際研究所
東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター

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