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【受賞】物理学専攻 北野龍一郎准教授が第6回(2011年度)素粒子メダル奨励賞を受賞
本研究科物理学専攻の北野龍一郎准教授と東京大学宇宙線研究所准教授・IPMUの準科学研究員伊部昌宏氏が"Sweet Spot Supersymmetry.", Journal of High Energy Physics 0708 (2007) 016. により、第6回(2011年度)素粒子メダル奨励賞を受賞されました。授賞式は2012年3月26日に日本物理学会春季大会(関西学院大学)の素粒子論懇談会において執り行なわれる予定。
授賞理由:
超対称理論は、標準模型のヒッグス質量に関する微調整問題を解決する理論として有望視されているが、超対称性の破れの起源については、いまだによくわかっていない。対象論文では、超対称性の破れに関する新しい可能性として重力媒介機構とゲージ媒介機構の両方の長所が働くことで、その現象論的宇宙論的な制限が非自明に満たされるシナリオを提案した。特に、グラビティーノ質量を1GeVと取ると、ゲージーノ質量、ヒッグジーノ質量、ダークマターであるグラビティーノの残存量が、現象論的観測的に好ましい値になるだけでなく、そのスケールが大統一スケールに定まることも興味深い。さらに低エネルギーでの予言や、LHCでの検証方法まで提案している。現象論的宇宙論的制限を満足するシナリオ構築から、その検証に至るまで、幅広く総合的に議論しており、高く評価される。
※素粒子メダル奨励賞とは、素粒子論を志す若手研究者の優れた研究を評価し、奨励することを目的とした賞です。