概要
物質にまつわるさまざまな自然現象は、原子・分子の働きの結果、生じたものです。さまざまな物質の持つ薬理作用、毒性、色、磁性などは、どのようなしくみによって現われるものでしょうか。このように問い続けながら、新たな分子を合成しその構造と性質を調べることで、現代社会を支えるさまざまな物質が生まれ発展してきました。
研究分野は、生物化学、有機化学、無機化学、分析化学、物理化学など多岐にわたり、医学、薬学、農学、材料科学、環境科学など多くの応用・実用研究を支える柱となっています。こうした研究に、教員・学生がともに打ち込み、分子の新しい姿を日々解き明かそうとしています。皆さんもいっしょに、次の世代を支える物質を生みだし、分子の謎に挑んでみませんか。
受験生の方へ
化学は、物質の性質やその変化を原子・分子のレベルで理解することを目的としており、生物学や地球・惑星科学といった自然科学のみならず工学や医学、農学など幅広い応用分野の基礎をなす非常に大切な学問です。化学の実験室で行われているのは、物質の創製や分離・分析手法の確立、物質の構造・物性(集合体としての性質)・機能・反応性の解明および新反応の発見と機構の解明を通じた真理の探究です。その中で発見あるいは新たに合成された物質は、これまでに約三千万種にもおよびます。さらに実験とともに、理論や計算による予測や裏付けの探究も盛んに行われています。化学の成果は、化学工業や製薬をはじめとしてさまざまな分野に応用され、快適な社会をつくるために貢献してきました。未来に向けて、環境と調和した快適な物質世界を築いていくために、化学の役割はますます大きくなっています。
先輩からのメッセージ
化学科では、生物学や物理学とも関連した多種多様な化学の学問· 研究が盛んです。入学時に今後の展望が宙ぶらりんの状態であっても、興味関心のある分野を見つけられると思います。高校化学と大学で取り組む化学とのギャップに最初は及び腰になるかもしれませんが、その先にある化学の面白さに多く触れられる場です。

福島県立福島高等学校出身
木村 美々 さん
化学科では、物理学や生物学などの他分野と融合した研究も行われています。入学時にやりたいことが定まっていなかった私も、研究室配属までにじっくりと興味の持てる分野を考えることができたため、現在充実した研究生活を送っています。化学に少しでも興味があれば、化学科で充実した生活を送ることができると思います。

東京都立国立高等学校出身
鈴木 皓陽 さん