地球超高層大気撮像観測ミッションの初観測データ取得
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月21日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟船外実験プラットフォーム「きぼう」からの地球超高層大気撮像観測ミッション「ISS-IMAP(Ionosphere, Mesosphere, upper Atmosphere, and Plasmasphere mapping)」が初の観測データを取得したことを発表しました。ISS-IMAPミッションは、地球大気と宇宙の境界領域で大気が光り輝く現象(大気光、プラズマ共鳴散乱光)をVISI(可視・近赤外分光撮像装置)とEUVI(極端紫外光撮像装置)と呼ばれる2台のカメラで観測し、地球の気候変動や衛星通信・GPSナビゲーションシステムの受信障害・精度劣化などの原因をさぐることを目的としています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、京都大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、九州大学、情報通信研究機構、国立極地研究所などの研究者による共同研究として、7月21日打ち上げの「こうのとり3号機」によってISSへ運ばれ、宇宙飛行士によって取り付けられました。この2台のカメラのひとつ、可視・近赤外分光撮像装置は、本研究科 惑星プラズマ・大気研究センター 坂野井 健 准教授が製造責任者となって開発製造してきました。VISIはスリットカメラになっており、地球を見下ろすように下部に取り付けられ、スキャナのように地球表面をスキャンしながら、酸素原子(O)と水酸基分子(OH)、酸素分子(O2)の3つの原子・分子が出す大気光を撮影します。EUVIは地球の縁とその上の空間を見るように後方に向けて取り付けられ、ヘリウム原子イオンと酸素原子イオンが太陽からの紫外線を散乱して出す光を撮影します。10月15日から定常観測を開始し、初観測データは9月25日~26日の初期観測時に取得されました。
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■JAXA