東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2022年7月28日レポート

7月27日-28日 東北大学理学部オープンキャンパス2022(対面開催)

2022年度のオープンキャンパスはオンライン(理学部オープンキャンパス特設サイト)と3年ぶりの対面開催のハイブリットで行われました。

7月27日-28日の対面開催では、本研究科の魅力が伝わるよう、各系・学科がそれぞれに多彩なプログラムを企画しました。様々な施設を見学できることはもちろん、模擬講義や相談会などを通じて世界トップレベルの教育や研究に触れられるほか、先生や在学生と直接交流できるなど、リアルな本学での学生生活を体験することができます。「模擬講義」の様子は後日、理学部オープンキャンパス特設サイトでオンデマンド配信されます。

京都から参加した高校生からは「脳科学にとても興味があるので世界の発展につながる活動をしたい。」、東京から参加した高校生からは「高校1,2年の時にはオンラインで見ていたが3年生になってやっと対面開催に来れた。」との声がありました。参加者数は、2日間の合計で410名となりました。


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2022年7月19日レポート

【広報サポーターレポート】7月12日(火)多文化イングリッシュラウンジ in 理学

広報サポーターレポート
今回は、7月12日(火)開催「多文化イングリッシュラウンジ in 理学」の様子を角南沙己さん(地球惑星物質科学科3年)がお伝えします!

7月12日、第1回「多文化イングリッシュラウンジin理学」が理学研究科合同C棟2階多目的室にて開催されました。この企画は、理学部・理学研究科の学生が留学生の方々と楽しくコミュニケーションを取りながら、互いの文化や考え方、研究内容などを伝え合うことのできる"ラウンジ"の場を提供します。初回は他己紹介や様々なユニークな質問の投げ合いを通した雑談を行った後、留学生一人が自らの研究テーマをわかりやすく説明してくださり専門用語にも触れる時間を設けました。


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▲ 他己紹介をしている様子(撮影:国際交流推進室)


MCや会話パートナーとして参加してくださる留学生の方々は皆さん大学院生ですが、出身地や専攻は人それぞれ。そして初回に参加した5名の学生も、もちろん専攻や出身地、英語を学んできた経験は人それぞれでした。しかし「みな共通して理学を学んでいる」という点が非常に意味があると、実際に参加して痛感しました。専攻が違っていても、同じ先生のもとで講義を受けていたり研究内容に関連性があったりと理解し合える部分が多いという面白さがあります。そして理学で登場する専門用語の英語表現がわからない際にも、お互い学んでいるからこそ会話のキャッチボールを続けられるという場面が実際ありました。

専門科目を多く受講している学部生や大学院生にとって、英語を話す機会を得られるということはとても貴重だと感じています。参加者の一人も閉会後に「次回はもっと伝えたいことを伝えられるように、さらに英語を学習したい」と述べていました。1時間半という短い時間ですが、自分の考えを伝える楽しさや難しさを味わえる有意義なものになるのではないでしょうか。そして学部生の参加者は普段接点を持つことの少ない大学院生と話すことで、今後自らが研究をしていく上でのイメージを持つことができると思います。また同時に、他専攻の研究テーマに興味を広げる重要なきっかけになると期待できます。


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▲ 様々なテーマで会話が膨らむ様子(撮影:国際交流推進室)


第2回以降は以下の日時で開催されます。
7月26日、8月16日、8月30日、9月13日、9月27日 いずれも16:30-18:00
(申し込みは随時、最終回の直前まで受け付け可能だそうです!)

各回で行う内容や話すテーマは明確に決まっていません。そのため参加者同士で、この企画をさらに興味深いものに成長させることができます。久しぶりに英語を話してみたい方も、留学生の方々と友達になりたい方も、理学で用いられる専門用語を英語で学びたい方も是非お気軽にご参加ください。魅力的な留学生の方々が待っています!

「多文化イングリッシュラウンジ in 理学」の最新情報はこちらからご覧いただけます!

2022年7月13日レポート

6月9日(木)防災訓練を実施しました。

6月9日(木)、令和4年度東北大学理学研究科防災訓練を実施しました。東日本大震災の経験を踏まえて緊急地震速報システムの周知や、東北大学安否確認システムを利用した安否確認、トランシーバーを使用した安否確認方法、非常食配布体系の検証を行うことを目的としています。
第一部「災害対策本部設置訓練(災害対策本部構成員対象)」、第二部「地震からの避難訓練(原則全員参加)」です。11時55分、震度6の強い揺れを想定した緊急地震警報発生のアナウンスから始まりました。各自周囲の状況を確認しながら、近くの安全な場所へ移動。その後、災害対策本部からの指示に従い、指定の緊急時集合場所へ移動します。集合場所へ着いたら、研究室ごとに安否確認を行います。安否確認担当者は災害対策本部へ報告します。全ての学科・専攻の安否が確認された後、避難訓練は終了、最後に各自備蓄品受渡し場所に移動し、解散となりました。第三部は「発電訓練(担当:施設管理係、用度第一・第二係、財務運用係)」が行われました。
今回の参加者は、教職員:430名 学生:576名 計:1006名でした。地震から自分の身や大切な人を守るために、防災訓練は大変重要です。積極的に参加し、もしものときに備えましょう。みなさん、お疲れさまでした。

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▲防災訓練開始のアナウンス後、速やかに避難し、各専攻の代表者は人数報告を行う。
(写真提供:安全衛生管理室)


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▲備蓄品配布の様子。企業から提供のあった消毒グッズも配布。
(写真提供:安全衛生管理室)


2022年7月 4日レポート

東北大学理学部・理学研究科保護者交流会2022(オンライン開催)報告

↑ 写真をクリックするとスライドショーになります

 令和4年6月25日(土)に東北大学理学部・理学研究科保護者交流会2022(オンライン開催)を開催いたしました。
 この「保護者交流会」は、東北大学理学部・理学研究科、青葉理学振興会、東北大学理学萩友会の共催事業で、保護者の皆様との交流・親睦を深めることを目的に例年開催しております。新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、 昨年に引き続き、今年度についてもオンラインでの開催となりました。
 当日は、第1部としてYouTube(動画配信サイト)による限定配信を行いました。寺田理学部長・理学研究科長及び須藤青葉理学振興会理事長による主催者挨拶から始まり、その後、講演として、現役の学部学生・大学院学生、本研究科卒業生(民間企業就職者)による理学部・理学研究科のキャンパスライフのご紹介や、就職支援の取り組みなどについてご説明いたしました。
 第2部のオンライン交流会では、Zoom(Web会議ツール)を利用し、事前にお寄せいただいたご質問への回答と、当日のチャット欄に投稿いただいたご質問に対する受け答えなどをその場で行いました。短い時間ではございましたが、皆様と交流を行うことができ、大変貴重な機会となりました。
 全体としては昨年を大幅に上回る約300名の方にお申し込みをいただき、盛会のうちに終了することができました。
 ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。


※ 当日の配信動画(第1部)は、理学部・理学研究科YouTube公式チャンネルで公開しております。是非ともご覧ください。



プログラム

第1部 【収録動画の限定配信】13:00-14:00
≪1.主催者挨拶≫
■ 理学部・理学研究科の取組紹介
      寺田眞浩 理学部長・理学研究科長
■ 青葉理学振興会について
      須藤彰三 青葉理学振興会理事長

≪2.講演≫
■ 講演1:理学部・理学研究科のキャンパスライフ
      学部学生:土谷 真由(地圏環境科学科・学部4年)
      大学院学生:大塚 英人(地球物理学専攻・博士課程後期2年)
      卒業生:児玉 祥太(化学専攻・修士卒、民間企業(旭化成(株))就職者)
■ 講演2:キャリア支援の取り組み
      西村君平 特任講師(理学教育研究支援センター キャリア支援室)

第2部【Zoomによるオンライン参加】14:05-15:45
≪3.オンライン交流会≫
      グループ① 授業・進学に関すること
      グループ② 就職・経済支援に関すること
      グループ③ 学生生活全般に関すること


2022年5月17日レポート

【学生レポート】ガチンコファイト航海記「地球は生きている!」

sinkai_001.jpg学生レポート: 角南沙己(地球惑星物質科学科3年)
国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が主催する若手人材育成プロジェクト「ガチンコファイト航海」に参加しました。そして有人潜水調査船「しんかい6500」の第1618回潜航の潜航者として深海まで潜り、調査するという貴重な経験を積ませていただきました。深海で何を見たのか、そして学生という立場で参加した航海から何を学び取ったのかをお伝えします。

■ 本航海の目的と特徴

ガチンコファイト航海とは、3月初旬に二週間実施された海洋研究開発機構が主催する若手人材育成プロジェクトであり今年で第3回目となります。全国から応募した約80名のうち書類審査、面接試験を通過した計8名の学生が、陸上での事前研修と深海潜水調査船支援母船「よこすか」での調査航海を通して海洋調査の現場を学ぶというプログラムです。また8名から選抜された4名のみが有人潜水調査船「しんかい6500」に乗船し、観測者の一員として深海へ行く事ができるという「潜航をかけた闘い」があったことも本企画の特徴でした。8名の学生は皆海洋研究への熱い思いを抱きながらも、大学では海洋に限定されない様々な学問を学び、異なる着眼点を身につけていたためお互いにとって刺激的な議論を繰り広げることができました。8名中6名が女子学生であった事実は、近年の女性の海洋研究への関心の高さを示しているとも言えます。また今回初めて東北大学の学生が本プロジェクトに参加した上に、同理学部の宇宙地球物理学科三年生、平林龍弥さんも航海メンバーに選抜されていました。東北大学理学部から2名もの学生が参加できたことは、やはり一東北大生として非常に嬉しく思います。


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写真1:着水作業中の「しんかい6500」(撮影者=Chong CHEN)

乗船前には、多様な分野の研究者の方々による陸上でのオンライン研修が8日間行われました。私は参加時点ではまだ2年生でしたが、東北大学で早い段階から専門的な講義を幅広く受けられた経験やそこで得た知識を研修で生かせる場面が多くあり、日頃の基礎的な学習の大切さを改めて感じました。そしてその知識を基に第一線の研究者の方々と直接意見を交わすことができたこの貴重な経験は、今後の研究活動において必ず役に立つと確信しています。


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写真2:潜航情報が書かれた潜航板での記念撮影(撮影者=Chong CHEN)

■ よこすか・しんかい6500航海記

航海を始めてまず大海原を目の前にして、自然の美しさに心奪われると共に、人間の思い通りに制御することのできない自然の力に改めて畏怖の念も抱いたことを強く記憶しています。第1618回潜航では、深度1350mに広がる明神海丘にある熱水噴出孔周辺の調査を6時間にも渡って行いました。水面に浮かぶ「しんかい6500」の覗き窓から見える母船、潜航を開始してから徐々に日光が届かなくなり海水の色が濃く深い青色に変化していく様子、真っ暗な水中で目を凝らして観察できる無数の発光生物、そして船外に装着されたライトをつけた瞬間に広がる衝撃的な地形。6時間もの間に目まぐるしく変化する光景に高揚感を覚え、一瞬たりとも目が離せませんでした。熱水噴出孔から激しく噴き出す熱水が周辺の低温海水と混ざり合い揺らぎができている様子は、「地球は生きている」と感じさせる印象深いものです。

陸から離れ、限られた人々と閉塞空間で生活するという環境は、特殊であり孤独や不安を感じる瞬間があります。調査船は非常に安全性が高いとは言え、自然を相手にしている以上常に危険と隣り合わせであることは念頭に入れる必要があります。そのため船上で任務を遂行させるための技術や知識は勿論、協調性やコミュニケーション能力、忍耐力、責任感などもチームの一員として活動する上で欠かせません。キャプテンや航海士、機関士や甲板員、パイロット、整備士、司厨部の方々、そして研究者が共に協力し合い、信頼関係を築き一つの航海調査を成し遂げるという点は海洋研究ならではの面白さではないでしょうか。この過酷な環境での生活を通して海洋調査の現場を学ぶだけでなく、感情を揺さぶられながらも本音で他人や自分と向き合うことが出来ました。


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図3:潜航中に撮影した熱水噴出孔

■ 航海を終えて抱く思い

今回参加することで宇宙探査や陸地調査にはない海洋調査の魅力を実感し、有人調査の必要性を再認識しました。無人調査船はその精度や能力を向上させ研究には欠かせない存在となりましたが、深海には画面越しでは理解し得ない壮大な地形が広がり、データからでは想像力で補いきれないほど複雑な現象が起きていました。今後海洋工学の発展に伴い、潜航深度という一つの物差しに囚われない多彩な側面での技術の進歩を大いに期待しています。そして未来の海洋を理解しその豊かさを守るために、そしてより多くの人々が深海を近い存在だと認識できるために今後も様々な事物に関心を持ち、見聞を広める努力を続けていきたいとさらに意欲が湧いています。

「ガチンコファイト航海」に参加するにあたり大学の同期とは励まし合い、そして彼らに背中を押してもらえた上に、日頃お世話になっている大学の先生からも応援のお言葉をかけて頂きました。互いに高め合える友人や、学生の挑戦を喜んでくださる先生方に囲まれたこの恵まれた環境に感謝すると同時に、今後も学びの喜びを噛み締めながら研究活動をしていきたいと思います。また将来一人でも多くの学生が、日頃から充実した学びを得た上で本航海のような本物に触れる経験を重ね、地学研究への関心を高めていけることを心より願っております。


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写真4:ハッチを閉じる直前の潜航者たちの様子(撮影者= Chong CHEN)


2022年4月 7日レポート

3月26日 (土) ぶらりがく for ハイスクール をオンライン開催しました

 2022年3月26日(土)、ぶらりがく for ハイスクールのライブ配信を行いました。前年度はYouTube配信を行いましたが、今年度はZoomでの開催を試みました。
 今回は、数学から本多正平教授による講義『半径が1の円の面積は円周率である』、生物学から占部城太郎教授による講義『ミジンコを巡る動物学と生態学の歴史』、天文学から田中雅臣准教授による講義『宇宙における元素の起源』を行いました。講義中はZoomのチャットからたくさんのリアクションや、積極的な質問が多く寄せられました。全国の多くの高校生にご参加いただき、盛況のうちに終了しました。


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本多先生の講義の様子



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占部先生の講義の様子



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田中先生の講義の様子



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たくさんのご参加ありがとうございました!



[リンク] ぶらりがくWebサイト

2022年3月 7日レポート

2月18日(金)理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2022

2月18日(金)、理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2022が開催されました。本年度も昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえオンライン(Zoom)での開催となりました。

東北大学大学院 理学研究科では、教育研究活動の一環として、異分野間の交流を図るため、理学研究科が関係する3つの21世紀COEプログラムによる合同シンポジウムが2006年度に開催されました。この合同シンポジウムが非常に有意義であったことから、これを毎年継続すべきという機運が高まり、2007年度から新学術領域における学生・若手研究者の連携による学際的研究の創出・創生・創造・展開を目標に、東北大学大学院理学研究科の6つの専攻(数学専攻、物理学専攻、天文学専攻、地球物理学専攻、化学専攻、地学専攻)、2016年度からは生命科学研究科も加わった合同シンポジウムを開催してまいりました。この合同シンポジウムでは、大学院生が主体になり企画・運営を行い、教員がサポートしています。

聴講者は優秀な口頭発表、及びポスター発表に投票し、その結果「優秀口頭発表賞3名」「優秀ポスター賞12名」が授賞されました。また副賞として青葉理学振興会より図書カードが送られました。


*リンク:理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2022 優秀口頭発表賞、優秀ポスター賞

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  学生企画委員長 松本倖汰(化学専攻 博士後期課程2年)  

理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2022において、学生企画委員長を務めた松本倖汰です。本シンポジウムは今回で15回目の開催となりました。昨年と同様にオンラインでの開催となり、口頭・ポスター合わせて50件の発表がありました。参加登録者数は240名程度となり、多くの方にご参加いただきました。発表者と参加者の皆様、ありがとうございます。

今回のシンポジウムでは、ポスター発表セッションにおいて、参加者をランダムにポスター発表会場に割り振る試みを初めて行いました。発表者にとっては、専門外の参加者にわかりやすく説明するにはどうすればよいか苦労したことと思います。一方、参加者にとっては、専門外の研究を聴講し、議論する貴重な機会になったと思います。多少の難しさはありましたが、皆様が柔軟に対応してくださり、活発な議論が行われました。シンポジウム後のアンケートでは、ポスター発表者の方から「多くの方に聞いてもらえた。」や「普段自分が思いつかないような視点から質問を受け、刺激になった。」というコメントをいただきました。本シンポジウムの目的である異なる分野間の研究者交流が促進されたと感じております。

私も運営に携わる傍ら、一人の参加者としてシンポジウムの発表を聴講いたしました。発表者の皆様が最先端の研究をわかりやすく紹介してくださったため、大変勉強になりました。私は化学専攻に所属しておりますが、地学専攻の発表でかなり私の研究内容と近い研究発表があったことが印象的で、深く議論させていただきました。私たちは同じ理学・生命科学研究科に所属していますが、他専攻の研究を聞ける機会は多くはありません。最先端の研究を学べるよい機会ですので、皆様、次回開催時もどうぞお気軽にご参加ください。

本シンポジウムの企画・運営にあたり、実行委員長の都築先生には大変お世話になりました。また、教員委員、大学院教務係、広報室、情報基盤室の皆様にも多くのサポートをいただきました。心より感謝申し上げます。

2022年2月18日レポート

【物理学専攻】新博士講演会、新博士・修士 物理学専攻賞授賞式が開催されました

2022年2月17日(木)、オンライン(Zoom)および対面(合同C棟青葉サイエンスホール)のハイブリッド形式にて、物理学専攻 新博士講演会、博士・修士 物理学専攻賞授賞式が開催されました。
まずはじめに、新博士の3名による講演会が行われ、その後、新博士・新修士への物理学専攻賞授賞式が行われました。物理学専攻賞は、博士論文、修士論文が特に優秀だった学生を表彰するために設立された賞で、受賞者には、高橋史宜 物理学専攻長より賞状と記念のオリジナルメダル(博士の受賞者はゴールド、修士の受賞者はシルバー)が授与されました。今年度は、博士3名、修士4名が選ばれました。受賞者のみなさん、おめでとうございます!


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2022年1月24日レポート

1月23日(日)仙台市天文台×東北大学大学院理学研究科 公開サイエンス講座2021 第2回 太陽系外惑星 第2の地球の探査

2017年7月1日に東北大学大学院理学研究科と仙台市天文台は連携協力協定を締結し、2021年度のコラボレーション企画として全2回の公開サイエンス講座を行います。
2021年度第2回目のイベントとして「太陽系外惑星 第2の地球の探査」が、1月23日に仙台市天文台加藤・小坂ホールを開催し、24名の方々にご来場いただきました。講師は本研究科の田中 秀和 教授(天文学専攻)です。太陽系外惑星の研究最前線を映像や画像を使いながら紹介しました。講演中はもちろんのこと講演後、アンケート用紙にもたくさんのご質問をお寄せいただき、聴講者の太陽系外惑星への関心の高さが伺えました。


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会場の様子 *写真は仙台市天文台様提供


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田中 秀和 教授(天文学専攻)*写真は仙台市天文台様提供



アンケート用紙にいただいた質問への田中先生の回答は以下の通りです。


Q1:ホットジュピターは木星のように遠方でつくられてから恒星に近づいてホットジュピターになるとかんがえていたのですが、木星は土星の重力でホットジュピターにならなかったというのは本当なのですか?

A1:確かに、ホットジュピターは木星のように遠くで誕生し、その後恒星に近づいたと考えられています。しかし、太陽系の木星は遠くのままなので、なぜ木星とホットジュピターの間で大きく異なってしまったのかは、今も議論が交わされているホットなテーマです。質問してくれましたように、木星は外から移動してきた土星の重力で、恒星への移動が止まりさらに反転して外側に動いたという有名な説もあります。(グランドタックモデルと呼ばれる。)しかし、(私を含め)この説は間違えていると主張している研究者も沢山おり、現在まだ決着がついてません。


Q2:地球のような岩石惑星は地球のように全て巨大な磁石で磁力を持っていて、磁力線のおかげで大気が保たれている...という解釈であっていますか?彗星や金星には地球のような大気がないので疑問に思いました。

A2:はい、惑星がもつ磁場も生命誕生には重要だという主張もあります。生命に有害な高エネルギーの電子や陽子が宇宙から地球や惑星に降り注がれていて、これらは紫外線よりもさらに危険です。地球の場合、磁場がこれら高エネルギー粒子の侵入を防いでいるおかげで、私達は安全に暮らせています。磁場がない惑星ではこの危険がありますが、海の中や地中までは侵入しないので、海の生物は安全ですし、彗星等の地中に有機物を保存することもできます。


Q3:恒星のまわりをまわっていない自由浮遊惑星はどうやって見つけるのですか?

A3:講演で説明した、重力レンズ法でいくつか見つけています。計画中のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、重力レンズ法で大量の自由浮遊惑星を見つけようとしています。


Q4:太陽系の惑星と、赤色矮星の惑星で違いはありますか?

A4:小さな赤色矮星のまわりには、巨大惑星はあまり見つかっていません。巨大惑星をつくるほどの原材料がなかったためだと考えられてます。また、赤色矮星は太陽より暗く、より近いところにハビタブルゾーンがあると話しましたが、赤色矮星の場合、紫外線や表面のフレアが激しく、ハビタブルゾーンが危険になっているかもしれないと危惧されてます。また、赤色矮星の赤い光や赤外線では、そこの植物は光合成が働かないのではと予想する研究者もいます。


Q5:恒星にはなぜ惑星ができるのか?

A5:質問有難うございます。私はそれを研究しています。誕生したばかりの星のまわりには、大量のガスや塵がまわっています。それらを原材料として惑星がつくられました。しかし、小さな塵からどのようにして惑星や小惑星などの天体がつくられたのかは、実は私たち研究者もよくわかっていません。惑星形成現場を望遠鏡で観測することで、この謎を解こうとしています。


Q6:惑星の大気の成分はどのようにして観測しているのでしょうか

A6:惑星の大気から来る光のスペクトルを調べます。光にはいろいろな波長があり、各波長ごとの光の強度の分布が光のスペクトルです。大気中に含まれる、各成分(各分子)は異なった特徴のスペクトルを示すので、そこから成分の割合を知ることができます。打ち上げ成功したJWSTによる赤外線観測で、このような観測・分析が行われる予定です。


Q7:系外惑星の今後の観測は?

A7:これまでは、惑星の質量や軌道について主に調べられてきましたが、今後の観測では、惑星の大気が中心的な観測ターゲットとなっています。惑星の大気成分は生命居住可能性と直接に結びついているからです。JWSTやナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡、または計画中の次世代地上望遠鏡で詳細な観測がされる予定です。


Q8:今注目している系外惑星は?
地球に近い系外惑星への観測ロケットの予定は(直接観測)?

A8:(これら2つの質問に一緒に答えます。)
一番近くにあるプロキシマ・ケンタウリbが、ハビタブルゾーンにある惑星でもあり、注目です。ブレークスルー・スターショット計画という、超小型探査機を送り込もうという計画もあります。(技術的な問題で打ち上げまでまだ20年以上かかりそうですが。)惑星の大気の成分を調べるという面では、トランジット法で観測できるTRAPPIST-1の惑星が有力候補です。


Q9:スーパーアースはどんな惑星?

A9:地球より有意に重く、また地球質量の10倍よりは軽い惑星が、スーパーアースと呼ばれています。ハビタブルゾーンにあるものもいくつかあり注目されてます。ただし、地球とどのくらい類似しているかはまだ不明です。


Q10:太陽がなかったらもともとの惑星って何度なの?

A10:恒星のまわりをまわっていない固体の自由浮遊惑星の表面は、非常に低温と考えられてます。しかし、惑星自身の地熱の効果により、氷の表面の内側に液体の海がある可能性も示唆されてます。


Q11:「自由浮遊惑星」は「惑星」と呼べるのか?(惑星の定義は 「恒星の周りを回っていること」だと思っていました)
原始惑星系円盤以外で、惑星サイズの天体が形成されることはあるのか?

A11:(これら2つの質問に一緒に回答します。)
褐色矮星より軽い天体で、恒星のまわりをまわってないものは、自由浮遊惑星と呼ばれてますが、恒星と同様に作られた可能性もあり、準褐色矮星と呼ぶべきだという意見もあります。一方、原始惑星系円盤内でつくられた惑星が、巨大惑星に跳ね飛ばされて、自由浮遊惑星となることも頻繁にあると考えられており、どちらの起源か判断するのが難しいので、どのような名前にするべきかは明らかではありません。今後の課題でしょう。


2021年12月17日レポート

東北大学理学萩友会同窓会イベント「コネクト・リガク」(オンライン開催)報告

令和3年11月13日(土)に東北大学理学萩友会同窓会イベント「コネクト・リガク」~これからの時代を見据えた新しい校友のかたち~を開催いたしました。

このイベントは、東北大学理学萩友会として開催する初の同窓会イベントであり、理学部・理学研究科で学んだ全ての卒業生と、現役の学生・教職員・名誉教授の皆様に交流の場を提供することで、親睦・交流を深めていただきたいという思いから新たに企画したものです。

新型コロナウイルスの感染状況を考慮しつつ、国内外に点在する卒業生の皆様を繋ぐ方法として、オンライン方式による開催となりました。

当日は、10:00~16:00までをイベントの開催時間として設定し、YouTubeによる限定公開動画(主催者挨拶、最新研究の紹介、バーチャルキャンパスツアーなど)を視聴いただくとともに、学年、学科、専攻、研究室、その他の団体で自由に開設した「交流の場」(ZOOMによるオンラインミーティング)によるリアルタイムの交流会へ参加いただくなど、初の開催とは思えないほどの盛り上がりを見せ、事前に申し込まれた約600名の方に楽しんでいただくことができました。

ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

(参考)理学萩友会イベントページ:https://www.sci.tohoku.ac.jp/rigaku-alumni/event.html



プログラム(コンテンツ)

【収録動画(当日限定公開)】
■ 主催者挨拶 
20211113_01.png ■ 最新研究の紹介 
各専攻・学科を代表する最新研究を講演動画の形式でご紹介。
学会の受賞講演や発表講演レベルの内容で、今回のイベントのために用意した特別な動画を10本公開。
20211113_02.png ■ 動画映像集
現在の理学部・理学研究科の様子をバーチャルキャンパスツアーとしてご覧いただくとともに、昔懐かしい風景や思い出話をお届け。その他、理学部・理学研究科が作成した関連動画をまとめてご紹介。
20211113_03.png
【ZOOMによるリアルタイム参加】
■ 交流会(交流の場)
団体会員(各学科・教室系同窓会)と個人会員(現役の教職員、研究室の卒業生等)から応募いただき、計18の交流の場が開設。
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【イベントページへの掲載】
■ 参加者からのメッセージ
東北大学理学萩友会メッセージポストとして、参加者の皆様から寄せられたご意見、メッセージ等を掲載。
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