東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2022年1月24日レポート

1月23日(日)仙台市天文台×東北大学大学院理学研究科 公開サイエンス講座2021 第2回 太陽系外惑星 第2の地球の探査

2017年7月1日に東北大学大学院理学研究科と仙台市天文台は連携協力協定を締結し、2021年度のコラボレーション企画として全2回の公開サイエンス講座を行います。
2021年度第2回目のイベントとして「太陽系外惑星 第2の地球の探査」が、1月23日に仙台市天文台加藤・小坂ホールを開催し、24名の方々にご来場いただきました。講師は本研究科の田中 秀和 教授(天文学専攻)です。太陽系外惑星の研究最前線を映像や画像を使いながら紹介しました。講演中はもちろんのこと講演後、アンケート用紙にもたくさんのご質問をお寄せいただき、聴講者の太陽系外惑星への関心の高さが伺えました。


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会場の様子 *写真は仙台市天文台様提供


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田中 秀和 教授(天文学専攻)*写真は仙台市天文台様提供



アンケート用紙にいただいた質問への田中先生の回答は以下の通りです。


Q1:ホットジュピターは木星のように遠方でつくられてから恒星に近づいてホットジュピターになるとかんがえていたのですが、木星は土星の重力でホットジュピターにならなかったというのは本当なのですか?

A1:確かに、ホットジュピターは木星のように遠くで誕生し、その後恒星に近づいたと考えられています。しかし、太陽系の木星は遠くのままなので、なぜ木星とホットジュピターの間で大きく異なってしまったのかは、今も議論が交わされているホットなテーマです。質問してくれましたように、木星は外から移動してきた土星の重力で、恒星への移動が止まりさらに反転して外側に動いたという有名な説もあります。(グランドタックモデルと呼ばれる。)しかし、(私を含め)この説は間違えていると主張している研究者も沢山おり、現在まだ決着がついてません。


Q2:地球のような岩石惑星は地球のように全て巨大な磁石で磁力を持っていて、磁力線のおかげで大気が保たれている...という解釈であっていますか?彗星や金星には地球のような大気がないので疑問に思いました。

A2:はい、惑星がもつ磁場も生命誕生には重要だという主張もあります。生命に有害な高エネルギーの電子や陽子が宇宙から地球や惑星に降り注がれていて、これらは紫外線よりもさらに危険です。地球の場合、磁場がこれら高エネルギー粒子の侵入を防いでいるおかげで、私達は安全に暮らせています。磁場がない惑星ではこの危険がありますが、海の中や地中までは侵入しないので、海の生物は安全ですし、彗星等の地中に有機物を保存することもできます。


Q3:恒星のまわりをまわっていない自由浮遊惑星はどうやって見つけるのですか?

A3:講演で説明した、重力レンズ法でいくつか見つけています。計画中のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、重力レンズ法で大量の自由浮遊惑星を見つけようとしています。


Q4:太陽系の惑星と、赤色矮星の惑星で違いはありますか?

A4:小さな赤色矮星のまわりには、巨大惑星はあまり見つかっていません。巨大惑星をつくるほどの原材料がなかったためだと考えられてます。また、赤色矮星は太陽より暗く、より近いところにハビタブルゾーンがあると話しましたが、赤色矮星の場合、紫外線や表面のフレアが激しく、ハビタブルゾーンが危険になっているかもしれないと危惧されてます。また、赤色矮星の赤い光や赤外線では、そこの植物は光合成が働かないのではと予想する研究者もいます。


Q5:恒星にはなぜ惑星ができるのか?

A5:質問有難うございます。私はそれを研究しています。誕生したばかりの星のまわりには、大量のガスや塵がまわっています。それらを原材料として惑星がつくられました。しかし、小さな塵からどのようにして惑星や小惑星などの天体がつくられたのかは、実は私たち研究者もよくわかっていません。惑星形成現場を望遠鏡で観測することで、この謎を解こうとしています。


Q6:惑星の大気の成分はどのようにして観測しているのでしょうか

A6:惑星の大気から来る光のスペクトルを調べます。光にはいろいろな波長があり、各波長ごとの光の強度の分布が光のスペクトルです。大気中に含まれる、各成分(各分子)は異なった特徴のスペクトルを示すので、そこから成分の割合を知ることができます。打ち上げ成功したJWSTによる赤外線観測で、このような観測・分析が行われる予定です。


Q7:系外惑星の今後の観測は?

A7:これまでは、惑星の質量や軌道について主に調べられてきましたが、今後の観測では、惑星の大気が中心的な観測ターゲットとなっています。惑星の大気成分は生命居住可能性と直接に結びついているからです。JWSTやナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡、または計画中の次世代地上望遠鏡で詳細な観測がされる予定です。


Q8:今注目している系外惑星は?
地球に近い系外惑星への観測ロケットの予定は(直接観測)?

A8:(これら2つの質問に一緒に答えます。)
一番近くにあるプロキシマ・ケンタウリbが、ハビタブルゾーンにある惑星でもあり、注目です。ブレークスルー・スターショット計画という、超小型探査機を送り込もうという計画もあります。(技術的な問題で打ち上げまでまだ20年以上かかりそうですが。)惑星の大気の成分を調べるという面では、トランジット法で観測できるTRAPPIST-1の惑星が有力候補です。


Q9:スーパーアースはどんな惑星?

A9:地球より有意に重く、また地球質量の10倍よりは軽い惑星が、スーパーアースと呼ばれています。ハビタブルゾーンにあるものもいくつかあり注目されてます。ただし、地球とどのくらい類似しているかはまだ不明です。


Q10:太陽がなかったらもともとの惑星って何度なの?

A10:恒星のまわりをまわっていない固体の自由浮遊惑星の表面は、非常に低温と考えられてます。しかし、惑星自身の地熱の効果により、氷の表面の内側に液体の海がある可能性も示唆されてます。


Q11:「自由浮遊惑星」は「惑星」と呼べるのか?(惑星の定義は 「恒星の周りを回っていること」だと思っていました)
原始惑星系円盤以外で、惑星サイズの天体が形成されることはあるのか?

A11:(これら2つの質問に一緒に回答します。)
褐色矮星より軽い天体で、恒星のまわりをまわってないものは、自由浮遊惑星と呼ばれてますが、恒星と同様に作られた可能性もあり、準褐色矮星と呼ぶべきだという意見もあります。一方、原始惑星系円盤内でつくられた惑星が、巨大惑星に跳ね飛ばされて、自由浮遊惑星となることも頻繁にあると考えられており、どちらの起源か判断するのが難しいので、どのような名前にするべきかは明らかではありません。今後の課題でしょう。


2021年12月17日レポート

東北大学理学萩友会同窓会イベント「コネクト・リガク」(オンライン開催)報告

令和3年11月13日(土)に東北大学理学萩友会同窓会イベント「コネクト・リガク」~これからの時代を見据えた新しい校友のかたち~を開催いたしました。

このイベントは、東北大学理学萩友会として開催する初の同窓会イベントであり、理学部・理学研究科で学んだ全ての卒業生と、現役の学生・教職員・名誉教授の皆様に交流の場を提供することで、親睦・交流を深めていただきたいという思いから新たに企画したものです。

新型コロナウイルスの感染状況を考慮しつつ、国内外に点在する卒業生の皆様を繋ぐ方法として、オンライン方式による開催となりました。

当日は、10:00~16:00までをイベントの開催時間として設定し、YouTubeによる限定公開動画(主催者挨拶、最新研究の紹介、バーチャルキャンパスツアーなど)を視聴いただくとともに、学年、学科、専攻、研究室、その他の団体で自由に開設した「交流の場」(ZOOMによるオンラインミーティング)によるリアルタイムの交流会へ参加いただくなど、初の開催とは思えないほどの盛り上がりを見せ、事前に申し込まれた約600名の方に楽しんでいただくことができました。

ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

(参考)理学萩友会イベントページ:https://www.sci.tohoku.ac.jp/rigaku-alumni/event.html



プログラム(コンテンツ)

【収録動画(当日限定公開)】
■ 主催者挨拶 
20211113_01.png ■ 最新研究の紹介 
各専攻・学科を代表する最新研究を講演動画の形式でご紹介。
学会の受賞講演や発表講演レベルの内容で、今回のイベントのために用意した特別な動画を10本公開。
20211113_02.png ■ 動画映像集
現在の理学部・理学研究科の様子をバーチャルキャンパスツアーとしてご覧いただくとともに、昔懐かしい風景や思い出話をお届け。その他、理学部・理学研究科が作成した関連動画をまとめてご紹介。
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【ZOOMによるリアルタイム参加】
■ 交流会(交流の場)
団体会員(各学科・教室系同窓会)と個人会員(現役の教職員、研究室の卒業生等)から応募いただき、計18の交流の場が開設。
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【イベントページへの掲載】
■ 参加者からのメッセージ
東北大学理学萩友会メッセージポストとして、参加者の皆様から寄せられたご意見、メッセージ等を掲載。
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2021年12月10日レポート

12月4日(土)第8回 数学の魅力2021

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12月4日(土)に学部生向けの講演会・第8回「数学の魅力」が開催されました.このイベントは学部生が最先端の数学の一端に触れ,また大学院進学などについて考える参考となることを目的に毎年実施されているもので,専攻の教員3名がご自身の研究分野とも関連する導入的話題について50分程度の講演を行います.また3つの講演の後には座談会の時間を設けてあります.

新型コロナの影響もあり,Zoomによるオンライン開催で行われました.参加者は20名ほどで,終了後も残って質問をする参加者もいて,熱のこもった講演会になりました.今年度は,田中敏先生,横田巧先生,花村昌樹先生にご自身の研究分野と関連する話題について講演していただきました.いずれの先生方もとても熱心に数学の面白さやご自身の興味について語られ,数学の魅力が存分に伝わった様子でした.

座談会では,参加者からの質問(自分の専門分野をどのようにして決めたのか?学部生の頃から数学に明け暮れていたのか?など)に先生方が個性豊かにご自身の経験や考え方を話され,普段は聞けないような先生方の話にとても盛り上がりました.



2021年11月25日レポート

理学部が「東進TV」の取材を受けました。

11月18日、19日、高校生を対象とした東北大学理学部の紹介動画作成のため、東進ハイスクール「東進TV ぶらり大学探訪」から、寺田眞浩学部長、天文学専攻の秋山正幸教授、田中雅臣准教授、土本菜々恵さん(修士課程2年)、ニュートリノ科学研究センターの渡辺寛子助教、KamLANDの古賀真之准教授が取材を受けました。動画内では、東北大理学部から日々発信される研究、そして教育や研究を通して得る力についてお伝えしています。


【東北大学理学部】金・プラチナ・元素の誕生を明らかに!ニュートリノ・キロノバ・二重ベータを解き明かす!宇宙の真理に迫る研究の特徴と魅力



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取材時の様子:寺田眞浩研究科長


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取材時の様子:古賀真之准教授(KamLAND坑内にて)



2021年9月21日レポート

東北大学理学部・理学研究科保護者交流会2021(オンライン開催)報告

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令和3年9月11日(土)に東北大学理学部・理学研究科保護者交流会2021を開催いたしました。

この「保護者交流会」は、東北大学理学部・理学研究科、青葉理学振興会東北大学理学萩友会の共催事業で、保護者の皆様との交流・親睦を深めることを目的として例年開催しております。

本来であれば、保護者の皆様を理学部・理学研究科が所在する青葉山キャンパスへお招きし、教育・研究の取組紹介や記念講演、教員や学生との交流会などを行う予定としておりましたが、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、昨年に引き続きオンラインでの開催となりました。

当日は、第1部としてYouTube(動画配信サイト)による限定配信を行いました。寺田理学部長・理学研究科長及び花輪青葉理学振興会理事長による主催者挨拶から始まり、その後、講演として、現役の学部学生・大学院学生、本学出身の教員による理学部・理学研究科のキャンパスライフのご紹介や、就職支援の取り組みなどについてご説明いたしました。

第2部のオンライン交流会では、Zoom(Web会議ツール)を利用し、事前にお寄せいただいたご質問への回答と、当日のチャット欄に投稿いただいたご質問に対する受け答えなどをその場で行いました。短い時間ではございましたが、直接の交流を行えたことは大変貴重な経験となりました。

全体としては昨年を上回る約200名の方に申込みをいただき、盛会のうちに終了することができました。

ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。


※ 当日の配信動画(第1部)は、理学部・理学研究科YouTube公式チャンネルで公開しております。




プログラム

第1部 【YouTubeによる限定配信】13:00-14:15
≪1.主催者挨拶≫
■ 理学部・理学研究科の取組紹介
      寺田眞浩 理学部長・理学研究科長
■ 青葉理学振興会について
      花輪公雄 青葉理学振興会理事長

≪2.講演≫
■ 講演1:理学部・理学研究科のキャンパスライフ
      学部学生:河野理夏子(物理学科・3年)
      大学院学生:吉澤研介(博士課程後期3年)
      現役教員:小野 淳 助教(物理学専攻・物性理論研究室)
          ※本学部・研究科卒業生
■ 講演2:キャリア支援の取り組み
      西村君平 特任講師(理学教育研究支援センター キャリア支援室)

第2部【Zoomによるオンライン参加】13:20-15:30
≪3.オンライン交流会≫
      グループ① 授業・進学に関すること
      グループ② 就職・経済支援に関すること
      グループ③ 学生生活全般に関すること



2021年8月 4日レポート

7月28日-29日 東北大学理学部オープンキャンパス2021 オンラインイベント「模擬講義」配信

東京都、沖縄県への「緊急事態宣言」の発令(延長含む)及び千葉、埼玉、神奈川、大阪の4府県への「まん延防止等重点措置」の期間延長並びに宮城県の「リバウンド防止徹底期間」の延長が発表され開催を予定しておりました「東北大学対面オープンキャンパス」は延期となりました。7月28日・29日はオンラインオープンキャンパスのイベントとして「模擬講義」を配信いたしました。本学部では、自然科学全般にわたる活発な教育研究活動が行われています。先生たちが普段行っている大学の講義や、研究の最前線などをわかりやすく解説しました。
当日の配信内容の詳細はこちらからご覧ください。



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2021年7月19日レポート

7月10日(土)仙台市天文台×東北大学大学院理学研究科 公開サイエンス講座2021 第1回 スペースゼミ~研究者と一緒に宇宙を調べよう!~

2017年7月1日に東北大学大学院理学研究科と仙台市天文台は連携協力協定を締結し、2021年度のコラボレーション企画として全2回の公開サイエンス講座を行います。
2021年度第1回目のイベントとして、7月10日(土)仙台市天文台にて、地球物理学専攻の学生が企画・運営をした「スペースゼミ~研究者と一緒に宇宙を調べよう!~」を開催しました。スペースゼミとは、普段疑問に思っている宇宙のことを研究者と一緒に考え、仙台市天文台で調べてまとめる講座です。班毎に研究者や大学院生、天文台スタッフなどが参加し、参加者の疑問を書籍や天文台展示コーナーなどで一緒に調べ、議論し、ワークシートにまとめました。
講座参加者は33名。たくさんのご来場有難うございました。


謝辞:
当日、講師として、吉田誠先生(JAXA角田宇宙センター)、田中雅臣先生(天文学専攻准教授)、松岡萌先生(JAXAはやぶさ2研究開発員、オンライン参加)に参加いただきました。また、戸梶歩さん(JAXA MMX広報)にはMMXの模型展示とお土産用ステッカーを、中村智樹先生(地学専攻教授)には隕石展示にて多大なるご協力いただきました。ありがとうございました。



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2021年7月14日レポート

3月27日 (土) ぶらりがく for ハイスクール をオンライン開催しました

 2021年3月27日(土)、ぶらりがく for ハイスクールのライブ配信を行いました。例年、8月に理学部キャンパス内で開催していましたが、今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から協議を重ね、3月にYouTubeからのオンライン形式で開催しました。
 今回は、物理学から中村哲教授による講義『粒子加速器を駆使する現在の「錬金術師たち」が探る極微の世界』、化学から美齊津文典教授による講義『目に見えない分子やクラスター粒子の形はどうすればわかる?』、地球物理学から三浦哲教授による講義『火山噴火の兆候を宇宙技術でとらえる』を行いました。参加者の皆さんには当日を迎えるまでに事前配信した予習講義動画をご覧いただくようにしまた。質疑応答ではチャット式の質問ツールを使い、積極的な質問が多く寄せられました。今回は160名を超える参加があり、盛況のうちに終了しました。


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次回のぶらりがく for ハイスクールは2022年3月26日(土)開催予定です。お楽しみに!

[リンク] ぶらりがくWebサイト

2021年3月 1日レポート

2月19日(金)理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2021

2月19日(金)、理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2021が開催されました。本年度は、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、初となるオンライン(Zoom)での開催となりました。

東北大学大学院 理学研究科では、教育研究活動の一環として、異分野間の交流を図るため、理学研究科が関係する3つの21世紀COEプログラムによる合同シンポジウムが2006年度に開催されました。この合同シンポジウムが非常に有意義であったことから、これを毎年継続すべきという機運が高まり、2007年度から新学術領域における学生・若手研究者の連携による学際的研究の創出・創生・創造・展開を目標に、東北大学大学院理学研究科の6つの専攻(数学専攻、物理学専攻、天文学専攻、地球物理学専攻、化学専攻、地学専攻)、2016年度からは生命科学研究科も加わった合同シンポジウムを開催してまいりました。この合同シンポジウムでは、大学院生が主体になり企画・運営を行い、教員がサポートしています。

聴講者は優秀な口頭発表、及びポスター発表に投票し、その結果「優秀口頭発表賞4名」「優秀ポスター賞11名」が授賞されました。また副賞として青葉理学振興会より図書カードが送られました。


*リンク:理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2021 優秀口頭発表賞、優秀ポスター賞

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  学生企画委員長 高橋菜緒子(地学専攻 博士後期課程2年)  

理学・生命科学2研究科合同オンラインシンポジウム2021におきまして、学生企画委員長を務めました高橋菜緒子です。今年度で第14回を迎える合同シンポジウムは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初のオンライン形式での開催となりました。Zoomセッションの同時参加者は最大時で100名を超え、一部ポスターセッションでトラブルがあったものの、全体としてはスケジュール通りに終了することができました。ご協力いただいた発表者ならびに参加者の皆様には心より感謝を申し上げます。

本シンポジウムでは、口頭発表、ポスター発表、ポスター発表者による1分間ショートプレゼンテーション、学生優秀発表賞の投票を全てオンラインに切り替え、昨年から規模を縮小することなく実施しました。ポスターの視覚的な一覧性を確保するためにポスター集を作成し、さらに発表者各々の事前作成ショートプレゼンテーション動画を当日ホストから配信しました。今回、参加者はパソコンの画面で素晴らしい資料を隅々までじっくり見ることができ、オンライン形式の強みを感じました。オンラインでのコミュニケーションに関しては課題が残る結果となりましたが、Zoomのブレイクアウトルームやリアクション機能、チャットを用いながら参加者、発表者、運営委員全員が「新たな試み」に挑んでいました。そのような不慣れな環境の中でも、多くの発表で研究の意義や専門用語、難しい理論の説明に工夫がなされ、他分野から質問が出るなど垣根を超えた交流が行われていました。

多くの参加者の方が、コロナ禍で研究活動に制限が生じる困難な状況でも、同じ大学で研究に励む学生の姿に刺激を受けたことと思います。私はこのシンポジウムを通して、研究対象とする現象は異なっていても、その真理をつきとめたいという純粋なサイエンスに対する思いが他分野の学生と根底で通じ合っているように感じ、とても嬉しく思いました。開催後には、拝聴した他専攻のポスター発表者から追加の説明が書かれたメールが届き、このシンポジウムが学生同士の繋がりを作るきっかけとなっていることに改めて気付きました。多くの方に本シンポジウムを通して得た知識や考え方、またそこで生まれた繋がりを今後の自身の研究活動に活かしていただけることを期待しております。

最後に、本シンポジウムを学生が主体となって企画し開催するにあたり、常に学生の意見を尊重しつつサポートをしてくださった実行委員長の松澤先生を始め、実行委員の教員の皆様、大学院教務の皆様、広報・アウトリーチ支援室の皆様、情報基盤室の皆様に、深く感謝いたします。本当にありがとうございました。

2020年12月17日レポート

11月18日 変動地球共生学卓越大学院プログラム「国際シンポジウム・TU×SDGsフォーラム」を開催しました

変動地球共生学卓越大学院プログラムでは、2020年11月18日(水)、「国際シンポジウム・TU×SDGsフォーラム」をオンサイト(ウェスティンホテル仙台)とオンラインを併用したハイブリット形式で開催しました。

第一部の国際シンポジウムでは、大野英男総長・文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室・髙橋浩太朗室長補佐、山口昌弘副学長(大学院改革担当)による開会挨拶に引き続き、連携企業・機関・国外大学を含む学内外の講師陣から、防災・減災に対する取り組みや持続可能な社会の構築に貢献する先端研究についての講演がありました。その中で、プログラムコーディネーターの中村美千彦教授(地学専攻)からは、本卓越大学院プログラムの紹介があり、また、日野亮太教授(地球物理学専攻)からは、「観測と予測」というタイトルの講演がありました。

第二部のTU×SDGsフォーラムでは、水鳥真美氏(国連事務総長特別代表(防災担当) 兼 国連防災機関ヘッド)、Jo Scheuer氏(国連開発計画マリ代表)、近藤哲生氏(国連開発計画駐日代表)、竹谷公男氏(国際協力機構防災特別顧問・災害科学国際研究所特任教授)にご講演いただき、リスクにプロアクティブに対応するための学術・教育の役割についてパネルディスカッションを行いました。学生からの質問も活発にあり、博士課程学生のキャリアパスや国際機関で働くために身に着けておくべき能力などについて講演者の経験を踏まえながらお答えいただきました。

合計で約250人(オンサイト約70人、オンライン約180人)の参加者があり、本プログラムから参加した学生からは、「普段は絶対に話すことができない国連機関のトップの方に直接質問ができてとても貴重な機会だった」、「発展途上国における様々な問題に最前線で取り組んでいる人の言葉の重みやその熱量を痛感した」といった声が聞かれました。


20201114_10.jpg プログラムコーディネーター:中村美千彦教授(地学専攻)


20201114_20.jpg 日野亮太教授(地球物理学専攻)


20201114_30.jpg TU×SDGsフォーラム


*写真提供:SyDE事務局



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