2018年3月 6日 レポート
2月25日(日)サイエンスリンク in 仙台
2018年2月25日(日)、片平キャンパスさくらホールにて「サイエンスリンク in 仙台」が開催されました。今回は7団体が参加し、2団体によるサイエンスショーも行われました。東北大学からは、理学部天文学教室「
アンドロメダファイト カードゲーム」、理学研究科・理学部
広報サポーター 「モアモアしおりを作ろう」、
みちのく博物楽団 「地球史の長さを感じてみよう!」の3団体が参加しました。たくさんのご来場者があり、どのブースも盛況でした。子どもたちや地域のみなさんに科学のおもしろさをお伝えできたと思います。
【理学部天文学教室「アンドロメダファイトカードゲーム」】
東北大学天文学専攻の学生を中心とした、天文学に興味関心のある様々な学科の学生が集まって活動している団体です。子供達が宇宙や天文学に興味を持ち、それが学びにつながることを狙いとしたオリジナルカードゲーム「アンドロメダファイトカードゲーム」。小学校低学年以上を対象としていて1対1で対戦しながら遊びます。My spaceにカードを揃えて銀河を召喚!合言葉は『アンドロメダファイト!』
【理学研究科・理学部広報サポーター「モアモアしおりを作ろう」】
東北大学理学部・理学研究科の面白いことを日々、発信するお手伝いをしている「広報サポーター」です。今回は、モアレ現象を利用したしおりづくりをしました。簡単な点や線を印刷した透明シートを重ねると、あらふしぎ、きれいなもようが生まれます。光の干渉によって生まれる「モアレ」を使って、動く「しおり」を作りました。
【みちのく博物楽団「地球史の長さを感じてみよう!」】
東北大学総合学術博物館(理学部自然史標本館)を拠点に活動している団体です。ミュージアムの魅力を発信することをテーマに、ワークショップやオリジナルグッズの制作・販売、博物館でのガイドなどを行っています。ぼくたちの住むこの地球はいつからあるの?どんな生き物がいたの?そんな地球についてのギモンにこたえるワークショップを開催しました。自分だけの「地球史巻き物」をつくって考えます。
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2018年2月20日 レポート
2月16日(金)理学・生命科学研究科 合同シンポジウム2018〜新学術領域における学生・若手研究者の連携〜
2月16日(金)、理学研究科合同C棟2階にて、
東北大学大学院理学研究科・生命科学研究科 理学・生命科学研究科 合同シンポジウム2018〜新学術領域における学生・若手研究者の連携〜 が開催されました。
東北大学大学院 理学研究科では、新学術領域における学生・若手研究者の連携による学際的研究の創出・創生・創造・展開を目標に、教育研究活動の一環として、異分野間の交流を図るため、2007年度から東北大学大学院理学研究科の6つの専攻(数学専攻、物理学専攻、天文学専攻、地球物理学専攻、化学専攻、地学専攻)、2016年度には新たに生命科学研究科を加え合同シンポジウムを開催してまいりました。この合同シンポジウムでは、大学院生が主体になり企画・運営を行い、教員がサポートしています。
昨年度からの新しい取り組みとして、ポスター発表者の方々全員に一分間のショートプレゼンテーションをしていただきました。聴講者は優秀なショートプレゼンテーションに投票し、その結果、今年度は5名の方々に「優秀ポスター賞」が授賞されました。
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学生企画委員長 藤田 真奈美(物理学専攻 博士課程後期2年)
この度、理学・生命科学2研究科合同シンポジウム2018の学生企画委員長を拝命しました藤田真奈美です。2008年から始まりました本シンポジウムですが、理学研究科の数学、物理、天文、地球物理、化学、地学の6つの専攻に生命科学研究科を加えた7分野合同シンポジウムとしては2度目の開催となりました。
我々の研究対象である理学は元々ひとつの樹であったのが、研究が進むにつれ枝分かれ・細分化を重ねて今日に至ります。各ブランチの最先端には我々若手研究者が葉として身をおきます。理学の樹は非常に大きく、根底を同じく有していたとしてもたった数ブランチ先の葉の顔が分からないというのが現状ではないでしょうか。本シンポジウムはブランチを異とする我々に他の葉と議論を交わす非常に貴重な機会を与えてくれました。
口頭発表では17名の発表があり、何れの発表でも分野外の聴衆へ向けて導入に重きを置き丁寧に説明されていました。それでも予想外の質問や指摘にはっとなる場面もあり、発表者・聴衆双方が新鮮な発見をできたと思います。
また、ポスターセッションでは42編の発表がありました。各人が1分間でポスターの紹介を行うショートプレゼンテーションに引き続き、青葉サイエンスホールにて行われたポスター発表では昼食の提供もあり大盛況でした。特に興味を引いた研究に関して、研究者自身とより深く議論を交わすことができました。
本シンポジウムに参加された多くの人が新たな知に出会い、また想像以上だと実感したことでしょう。あなたの"常識"は通じないのです、たった数ブランチ先だとしても!
これだけ貴重な知の機会を逃すほど愚かしいことはないと思います。来年度も皆様の積極的なご参加お待ちしております。
最後になりますが、本シンポジウムが無事に開催できたのは、実行委員長の磯田先生をはじめ、教員委員の皆様、大学院教務の皆様、学生企画委員の皆様のご尽力あってのことです。本当にありがとうございました。
2018年2月 8日 レポート
2月6日(火)、7日(水)東北大生がつなぐハワイと宇宙2018
2月6日(火)、7日(水)、せんだいメディアテークにて、「東北大生がつなぐハワイと宇宙2018」が開催されました。このイベントは子ども向けから大人向けまで、様々なイベントを2日間にわたり開催し、楽しみながら、より深く、宇宙とハワイの関係を学ぶイベントです。学生が中心となり企画したイベントブースが5つ、また最終日には、国立天文台TMT推進室 准教授の青木 和光 先生の公開講演が行われました。Thirty Meter Telescope (=30メートル望遠鏡; 略称TMT)は、2027年の稼働開始を目指して建設計画を進めている口径30mの光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡です。講演では、現在の天文学のホットな話題、ハワイでのTMT建設をめぐる問題、今後のTMT建設の見通し、TMTに関する日本の関与など、話題が多岐に渡り、大変充実した時間となりました。
イベントブースは以下の通りです。
■ マウナケア山における理想のTMT建設地を考えよう
■ 天文台からの脱出
■ 人間すごろくでTMT、ハワイ文化・歴史、宇宙を知ろう with 東北大生
■ 君がガリレオになる90分〜世界にひとつだけの望遠鏡を作ろう〜
■ 宇宙を身近に感じよう!写真展☆スペシャル
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脱出班担当:理学部 物理系 1年 榎本 晴日
私たちは展開ゼミ「君が宇宙と社会のコミュニケーションをデザインするセメスター」の授業の一環として今回のイベントを開催致しました。授業の企画の一番の趣旨は、TMTの広報活動です。
私たちの脱出ゲームでは、最後に機密文書は一つだけしか取り返せない、というストーリーになっています。ハワイ側か、TMT推進室側か。そこで、参加者たちにTMT問題についての意見を求めるという結末になっています。通常の脱出ゲームでは、参加者たちは常に受け身であり、謎に翻弄される訳ですが、この脱出ゲームでは、今まで脱出に到るまでの過程で得た知識を元に、どちら側につくか、という主体的な意見を出すことが求められているのです。これは脱出ゲームとして目新しい要素ですし、TMTの広報活動としても、より深く参加者たちに考えてもらうことのできる要素だと考えました。
実際、本当にたくさんの謎解き好きの方々にご来場いただきました。中には盛岡や福島から、私たちの企画の為に有休をとって訪れてくれた人もいました。TMTの広報活動に多少なりとも力添えできたのではないかと思います。
2018年2月 8日 レポート
2017年度 もしも君が杜の都で天文学者になったら
今年で7年目を迎える、高校生向けのイベント「もしも君が杜の都で天文学者になったら(以下、もし天)」を、12月23日(土)〜12月29日(金)に開催致しました。
東北大学大学院理学研究科天文学専攻と学際科学フロンティア研究所では、アウトリーチ活動の一環として高校生向けのイベント「もし天」を、仙台市天文台・宮城教育大学との共催で開催する、高校生向け天文学者職業体験実習です。全国から集った高校生達が、1週間合宿をし、高校生自らが研究テーマと研究計画を立案して天文台の望遠鏡で観測し、そのデータを解析して宇宙の謎の解明をするプログラムです。
今年は、全国から16名の高校生が集まり、宇宙の謎に挑みました。もし天に参加した高校生は通称「もしチル」と呼ばれ、7年目を迎える今年、全国に点在する「もしチル」がなんと100名を越えました!開校式前に受付をした記念すべき100人目のもしチルには今年度のもし天代表である津村耕司先生から記念品が贈られました。最終日の12月29日(金)には、1週間かけて研究した成果をまとめ、一般市民の皆様に解りやすく伝える研究成果発表会を理学研究科青葉サイエンスホールで行いました。お休みにも関わらずたくさんの方々のご来場、有難うございました。
発表は、次の通りです。
【チーム名】 永遠のメリーゴーラウンド
「渦巻/楕円銀河の形の要因」
【チーム名】 Moshi Green X (MGX)
「銀河団の観測によるインフレーション理論の検証 〜宇宙の始まりをさぐる〜」
【チーム名】 ムー
「惑星状星雲と系外惑星の関係性の推測」
【チーム名】 katachi 〜music & galaxy〜
「銀河の様々な形に対して法則はあるのか?」
備考
平成29年度 ひらめき☆ときめきサイエンス採択事業
天文学振興財団 平成29年度天文学普及・啓発事業採択事業
リンク
*
「もしも君が杜の都で天文学者になったら」ウェブサイト
*
「TELSTAR」ウェブサイト
TELSTARさんは、宇宙をフィールドに活躍する多種多様な人材を創出するため、宇宙への興味の入り口を提供する活動をされています。代表の吉田華乃さんに、もし天期間中、密着取材をして頂きました。このレポートも吉田さんにご提供いただいた写真を使用させて頂きました。
12月23日(土)開校式
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12月29日(金)研究発表会
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2018年1月24日 レポート
1月17日(水)シガトキシン関連資料展示記念講演会
理学部化学教室では、1月17日(水)理学研究科合同C棟青葉サイエンスホールにて、シガトキシン関連資料展示記念講演会を開催しました。
世界最大規模の食中毒「シガテラ
(注) 」の原因毒シガトキシンの化学的研究には、東北大学の研究者が決定的な役割を果たしました。この偉業を記念して、自然史標本館で関連資料の展示が開始され、当日は、講演に先立ち自然史標本館において「シガトキシン資料展示見学」を行いました。
また本記念講演会では、歴史的偉業を達成した「レジェンド」研究者である、安元健先生(東北大学名誉教授)、村田道雄先生(大阪大学大学院理学研究科教授、東北大農学部OB)、平間正博先生(東北大学名誉教授)がご講演されました。
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(注)食中毒「シガテラ」
熱帯地域で獲れた魚を食べると、稀に風変わりな症状を示す食中毒が起こります。このシガテラ中毒は、世界でも最大の患者数(年間5万人)をもつ食中毒として知られています。水に触れてもドライアイスのように感じる極端な知覚過敏(ドライアイスセンセーション)が特徴です。
2018年1月18日 レポート
【広報サポーターレポート】1月12日 (金) ぶらりがく「おりがみでトポロジーを調べる?-多面体と図形の複雑さ-」
広報サポーターレポート 今回は1月12日 (金) 開催「ぶらりがく」の様子を中尾美紗子(理学研究科地学専攻修士1年)がお伝えします!
1月12日(金)、東北大学理学研究科合同C棟2階多目的室にてぶらりがくが開催されました。「ぶらりがく」とは、東北大学理学部で行われている研究の一場面を一般の方々に知っていただく科学イベントです。自然の不思議をひも解くサイエンスについて、研究者や大学生と一緒にお話をしながら考えていきます。
今回は、数学専攻の田中亮吉助教より「おりがみでトポロジーを調べる? ―多面体と図形の複雑さ―」と題し、形を調べる道具であるトポロジーとその面白さについて紹介していただきました。当日は寒い中、小学生から大人まで幅広い年代の約30名の方が足を運んで下さり、田中先生と数学専攻の大学院生5名と一緒に折り紙の多面体と向き合いながら、幾何学の面白さに魅了されていました。
まず始めに、折り紙で作られた様々な多面体を眺めながら、その形の特徴を記すために、頂点の数と辺の数、面の数を数えていきました。当日は、折り紙で折った正四面体や立方体、正八面体や正十二面体などが用意されていました。これらの多面体は、大学院の有志の学生たちがこの日のために作ってくれたそうです。大人であればどの多面体も一度は見たことのある形ですが、その辺や頂点の数をいざ数えようとすると、そう簡単にはいきません。子供から大人まで参加者の皆さんが真剣に多面体の辺や頂点を数えている様子はとても印象的でした。私も参加者の方と一緒に正十二面体の頂点を数えましたが、隣に座っている参加者の方と答えが一致しないことが悔しくて、つい時間を忘れて必死に数えていました。数え始めると結構ハマります。
写真1:当日の様子
次に、先ほど数えた様々な多面体の頂点・辺・面の数を使って、オイラー数を求めました。オイラー数とは、頂点の数から辺の数を引き、さらにそれに面の数を足した数のことです。参加者の方々は実際にオイラー数を計算し、正四面体、立方体、正八面体、正十二面体いずれもそのオイラー数が2となることに気付きました。異なる形をしているように見える正四面体と立方体が同じオイラー数をもつということに感動して、思わず出てしまった「おお」という参加者の方の声や、「これを発見したオイラーはすごいなあ」という声も聞こえてきました。実際に数えてみたからこそ、オイラー数をより実感することができたのではないでしょうか。
写真2:当日の様子
最後に、田中先生からオイラー数について解説をしていただきました。正四面体と立方体のオイラー数が一致するということは、正四面体を切ったり貼り合わせたりすることなく、立方体に変形できるということで、トポロジーという数学では正四面体も立方体も同じものであるというお話でした。粘土で出来た球を思い浮かべると分かりやすく、それをぺちぺちと叩いて変形させることで作ることができる形は同じものだということです。一通りの解説の後、参加者の方から「オイラー数は常に整数なのですか?」など沢山の質問が寄せられました。「オイラー数は2以外の値も取るのですか?」という質問には、穴の数とオイラー数の関係について分かりやすく解説していただきました。また、「トポロジーってどういった役に立つの?」という質問には、一例として多次元空間の中でも、今日やった正四面体の辺の数や頂点の数を数えるのと同様に、図形を記述できることを説明していただきました。今日取り組んだ正四面体のオイラー数を求めることが、大学で行われている研究へ繋がっていると思うと、数学という学問をこれまでより身近に感じることができる気がします。
写真3:当日の様子
終了後にも、より複雑な図形を眺めたり、折り紙で実際に多面体を作ってみたり、また、田中先生や大学院生とより詳しい話をする参加者の方も見受けられました。今回のぶらりがくをきっかけに、子どもから大人まで多くの人が数学の世界をより身近なものとして感じるようになってもらえると嬉しいです。
2017年12月19日 レポート
【広報サポーターレポート】12月2日 (土) ぶらりがく「鏡の世界は香りが違う!?」
広報サポーターレポート 今回は12月2日(土)開催「ぶらりがく」の様子を高野紗季(理学部物理学科3年)がお伝えします!
12月2日(土)に、理学研究科青葉サイエンスホールにて、化学科の寺田眞浩先生によるぶらりがく「鏡の世界は香りが違う?」が開催されました。当日は小さいお子様から年配の方までの幅広い年齢の方々20名程と一緒に学びました。
講演の様子。
まずは「鏡の世界」について考えてみましょう。顔の右側にほくろがある人が鏡を見ると、鏡の中の人のほくろは左側にあります。右手を鏡に映すと、鏡の中の手は左手になります。このように鏡の中の世界では左右が逆転してしまい、重ねることが出来ないものがあります。このような物質の形がその鏡写しの形と一致しない関係にある性質を「キラル」といいます。
私たちの身の回りにあふれている有機化合物は炭素原子からなっています。そして、その炭素原子は4本の手を持っており、その手を使ってそれぞれ化学結合をつくっています。その4本の手が違う原子(原子団)と化学結合を形成すると、それはキラルな性質を持ちます。本当に鏡写しの関係になるのか、分子模型を組み立てて確認しました。
分子模型での実験の様子。
そしてキラルな物質すなわち鏡の中にある物質は香りも違います。かんきつ類の皮の成分である(+)-リモネンと、その鏡写しの分子(-)-リモネンの香りをそれぞれ嗅ぎ、違いを感じました。(+)-リモネンはオレンジの香り、(-)-リモネンはレモンの香りがしました。私たちの鼻は、鏡写しの分子をかぎ分けることができるということにも驚きでした。
最後に、キラルな物質は光を回す性質についての実験を行いました。光は波であり、波の面(偏光面)を持っています。その波の面を一つにそろえた光が、キラルな分子の溶液を通過すると光の面が回ります。キラルな分子である砂糖を使って光の面がどのくらい回るか(旋光度)を調べる実験を行いました。各々手を動かし、皆さん楽しそうに実験をしていました。この光の面が回る性質を使って果物や野菜の甘さ(糖度)を調べているというお話も伺い、身近に感じることができました。
旋光度を調べる実験の様子。
またこのキラルな物質が、薬の製造過程において重要であるというお話も伺いました。ある物質が効能を持っていても、その鏡写しの形をしているものは副作用を引き起こしてしまうことがあります。そのため薬を作る過程において、その作りわけが重要となっています。
小さいお子様にとっては少し難しい内容だったかもしれませんが、楽しく実験しながら有機物質のキラルな性質について学ぶことができました。このぶらりがくをきっかけに、身の周りの化学により深い興味をもってくれることを期待しています。
参考資料:ぶらりがく「鏡の世界は香りが違う?」スライド (PDF)
2017年12月14日 レポート
12月10日(日)仙台市天文台×東北大学大学院理学研究科 公開サイエンス講座 ニュートリノから探る宇宙の謎ー物理学専攻編ー
今年7月に本研究科と仙台市天文台が連携協力協定を締結し、今年度のコラボレーション企画として開催された全4回の公開サイエンス講座。最終回は、12月10日(日)仙台市天文台にて、「ニュートリノから探る宇宙の謎ー物理学専攻編ー」と題し行われました。
今回はニュートリノ科学研究センターから3名の先生が、ニュートリノ研究の最前線について詳しくご紹介しました。当日は80名以上の来場があり、用意された資料が足りなくなるほどの盛況ぶりでした。
「ニュートリノで予報する超新星爆発」 石徹白 晃治 助教 ニュートリノは超新星爆発の鍵となっています。カムランドでは、もうすぐ起こると言われているベテルギウスの超新星爆発を、ニュートリノを使って予報することができます。
「ニュートリノで見る地球」 清水 格 准教授 カムランドでは、ニュートリノ地球物理という新しい分野の開拓に成功しました。世界のニュートリノ検出器による多地点観測によって、地球の「断層写真」を撮ることができると期待されています。
「物質の根源はニュートリノかも!」 井上 邦雄 教授 ニュートリノがマヨラナ性であれば、宇宙・素粒子の謎の解明に大きく前進します。カムランド禅実験では、
136 Xeを液体シンチレータに溶かし、ニュートリノと反ニュートリノが同じである証拠を探しています。
講演会終了後も各先生方へ多くの質問の列ができました。
2017年12月 1日 レポート
【広報サポーターレポート】11月25日 (土) ぶらりがく『113番新元素「ニホニウム」発見物語』
広報サポーターレポート 今回は11月25日(土)開催「ぶらりがく」の様子を福島和紀(理学部生物学科2年)がお伝えします!
11月25日(土)、東北大学理学研究科合同C棟青葉サイエンスホールにて、電子光理学研究センター須田利美教授によるぶらりがく『113番新元素「ニホニウム」発見物語』が開催されました。当日は約50名の方々と113番元素のニホニウムについて理解を深めました。ニホニウムについてはニュースでも大きく取り上げられていたことは記憶に新しいですよね。日本の理化学研究所で合成された113番元素は2015年12月31日に命名権が与えられ、のちにこれはニホニウム(Nh)と名付けられました。実は、今回元素の命名権を獲得したのはアジアの国々で初めてのことでした。発見までの道のりは漫画にもなったそうです。この快挙に至るまでの物語を須田先生が楽しくお話してくれました。
講演の様子
まず初めに、元素とはどんなものなのかという説明がありました。参加者の多くの小学生に合わせ、元素の正体である原子について須田先生は分かりやすく教えてくれました。原子は原子核と電子からできています。さらに原子核は陽子と中性子からできています。この陽子の数が原子番号になっています。今回のぶらりがくの主役であるニホニウムは、原子番号が113番なので、陽子を113個持っています。新元素の合成にはこの陽子の数が重要なのです。
次は、ニホニウムが合成されるに至るまでの経緯についてのお話でした。ニホニウムは亜鉛とビスマスという元素から人工的に合成されました。加速器という装置を使って亜鉛をビスマスに衝突させ、陽子を足しあわせるのだそうです。すなわち、亜鉛が持つ30個の陽子と、ビスマスが持つ83個の陽子が足されることで113個の陽子を持つニホニウムが合成されるのです。「加速器」という言葉は普段聞きなれない言葉ですが、須田先生の加速器をすべり台に例えながらの説明で、会場の皆さんも納得した様子でした。原子を衝突させるこのような実験が、昼も夜も、そして休みもなく10年以上も続けられたのだそうです。その間、合成が確認された113番元素は3個。これだけ長い期間をかけても、3個しかできないことには驚きでした。
会場からは多くの質問があがりました。そのなかで、ある小学生から「なぜ、ニホニウムを亜鉛とビスマスの組み合わせで合成したのか?」という質問がありました。須田先生によると、他の組み合わせではなかなか難しく、亜鉛とビスマスの組み合わせが最適だったのだそう。この組み合わせを探すことにも、研究が重ねられていたのですね。
最後に、須田先生から、ダークマターやニュートリノなど物理学にはいくつもの謎が残されているというお話があり、いつかこの謎を解いてほしいと会場の子ども達に熱いメッセージが送られました。参加してくれた子ども達の中から、物理学の謎に挑戦する人が現れるかもしれませんね。
会場では参加者に元素周期表が配られ、そのなかには中国で使われている周期表がありました。元素それぞれに漢字が一字あてられおり、新元素が合成されれば、新しく漢字が作られるのだそうです。もちろんニホニウムもこの中にあります。
中国語で書かれた元素周期表
今回のぶらりがくでは、元素の奥の深さが感じられました。ニホニウムをきっかけに、日々の生活の中で身近な元素に注目してみてはいかがでしょうか。
2017年11月28日 レポート
Mon, Nov 27 Symposium "Strengthening contributions to the international community through multidisciplinary disaster science research"
The symposium "Strengthening contributions to the international community through multidisciplinary disaster science research" has been held at Sendai International Center on 27th November 2017. This is one of activities of "the research center for disaster science" in Tohoku University as the designated national one, and departments of geophysics and earth science in graduate school of science have commitment in the center. This symposium has focused on the review of the research needs for science and technology application in disaster risk reduction efforts as well as discussion on strengthening multidisciplinary disaster science researches. After talks by Prof. Satomi (President, Tohoku University), Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, Japan, Mr. Tremewan (Secretary General, APRU), and Prof. Imamura (Director, IRIDeS of Tohoku University), we had a panel discussion with panelists (Prof. Alexander (University College of London), Prof. Lestari (University of Indonesia), Prof. Takakura (Tohoku University), and Ms. Pang (IFRC)). In the panel discussion, participants discussed the effective collaboration among different stakeholders and contributions to enhancing disaster resilience society from multidisciplinary research based on experience. In the closing session of the symposium, Prof. Hayasaka (former Dean, Graduate school of science, Tohoku University) concluded that we will go ahead with the international collaboration of disaster science even more.
Prof. Satomi (President, Tohoku University)
Prof. Hayasaka (former Dean, Graduate school of science, Tohoku University)
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