東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2017年3月22日レポート

3月3日(金) 化学専攻 福村裕史教授 最終講義

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 3月3日(金)、理学研究科大講義室にて、化学専攻 福村裕史教授の最終講義「凝集系物理化学の新天地を求めて ~Like a rolling stone~」が行われました。
 福村先生は、1998年に東北大学大学院理学研究科教授として着任し、有機物理化学の研究に従事されました。また、2011年から3年間理学研究科長を務められました。2016年3月にご退職後、現在は仙台高等専門学校長を務められています。
 当日は学生、教職員、福村研OBなど多くの方が聴講するなか、これまでの研究成果を当時の写真もスライドに入れながらお話しされました。途中、次期研究科長の寺田先生に激励のメッセージを送る場面も見られました。
 福村先生のご健康とますますのご活躍を祈念いたします。

化学専攻の柴田穣先生より
福村先生へのメッセージをいただきました  

 福村先生、ご退職おめでとうございます。
 私が福村研究室の准教授として、名古屋大から異動して5年半が経ちました。  その間、自由に好きな研究をさせていただく環境を与えられ、本当に充実した年月を過ごすことができました。本当に、感謝しかありません。
 この5年間、夢のある研究がしたい、との福村先生の思いを間近で見てきて、その見る夢のスケールの大きさにいつも感服しておりました。私などは、ともすれば目先の成果に走りがちとなる訳ですが、福村先生の「夢のない研究をしてどうするんだ」という言葉を常に噛みしめて、これからの研究生活を送りたいと思っております。いつかは、スケールの大きな夢をつかむところをお見せしたいですね。

 東北大学は退職されましたが、まだまだ仙台高等専門学校の長としてのお忙しい日々がこれからも続くのだと思います。お体にお気をつけて、益々のご健康とご活躍をお祈りします。

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▲2015年3月のスキー旅行にて。
前列左:柴田先生、前列中央:福村先生

2017年3月17日レポート

3月14日 GP-PU一般講演会「地上における初の重力波観測について」が開催されました

 3/14(火)夕方5時より物理系講義棟3階講義室にてGPPUプログラムのセミナーを開催致しました。講師は一般相対性理論の世界的権威であるカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のWilliam G.Unruh教授をお招きし地上における初の重力波観測について講演していただきました。
 2015年9月米国の観測グループLIGOが初めて重力波の観測に成功し、13億年前に合体した2つのブラックホールから出た重力波のデータが採れたという重大な意義を分かりやすく解説していただきました。会場はほぼ満席となり、終了後もサインを求める列ができるほど盛大なセミナーとなりました。
宇宙創成物理学国際共同大学院(GP-PU)

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カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のWilliam G.Unruh教授による講演

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会場はほぼ満席となりました

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サインに応じるWilliam G.Unruh教授


2017年3月17日レポート

3月1日 GP-PUセミナー「The proton radius puzzle」が開催されました

 3月1日(水)午後5時に物理系講義棟3階の301講義室において、ドイツ、マインツ大学Patrick Achenbach教授を講師としてお招きし、国際共同大学院宇宙創成物理学(GP-PU)プログラム主催の特別セミナーを開催致しました。中世の欧州では宇宙とはどういう風に考えられていたか宗教画を通しての興味深いお話から始まり、マインツ大学において行われた電子散乱による陽子半径測定実験に関して講演していただきました。後半は学生との質疑応答が行われ、終了後も各々で議論が続く熱気のあるセミナーとなりました。
宇宙創成物理学国際共同大学院(GP-PU)

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マインツ大学(ドイツ)Patrick Achenbach教授による講演

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学生との質疑応答

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熱気のある議論が続きました


2017年3月13日レポート

2月20日(月) 物理学専攻 前田和茂教授 最終講義

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 2月20日(月)、理学研究科合同A棟203号室にて、物理学専攻 前田和茂教授の最終講義「原子核を彷徨する」が行われました。
 前田先生はこれまでの研究の推移を社会情勢、そしてたくさんの思い出の写真と共にお話されました。核理研実験準備中に患った網膜剥離手術で人生が大きく変わったと回想されている姿が印象的でした。
 講演タイトルの「彷徨する」は歩き回ること、さまようことを意味しています。学生時代からの趣味である野山を彷徨し、研究では原子核を彷徨した前田先生。最後は「もう過ぎ去ってしまった過去とまだ来ない未来の狭間を彷徨する」という言葉で締め括られました。
 
前田和茂先生よりメッセージをいただきました

 使い慣れた理学研究科の教室で2月20日に最終講義をするの機会を与えていただき、大変ありがとうございました。1979年10月に教養部物理学科着任して以来、理学部、理学研究科を経て東北大学には37年間在職し、2017年の春に退職することになりました。
 「原子核を彷徨する」というタイトルで、大学院生のとき以来取り組んできた原子核の実験的研究とその周辺で彷徨した物語をお話ししました。原子核の謎に迫ることができたこともあります。チャレンジし続けたにもかかわらずやり遂げられなかった課題もあります。今後も原子核物理学研究の裾野を彷徨し、その進展を見つめてゆきたいと思っています。
 在職中は文字通り寝食を共にして研究に取り組んで来た学生や同僚の皆さんと有意義な時間を過ごさせていただきました。これからも素粒子・原子核から宇宙の果てにいたる謎の探求にご活躍されることを大いに期待いたします。

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  物理学専攻の神田浩樹先生より
前田先生へのメッセージをいただきました  

 前田先生とは私が東北大学に赴任して以来17年のおつきあいになります。颯爽と自転車に乗って青葉山の坂道を駆け上がる様子は大学生にも引けをとらない若々しさで、17年前と雰囲気はほとんど変わっておられません。
 この期間、前田先生にはメンターとして大変御世話になりました。私が東北大学で従事してきた研究や教育の多くのことに前田先生のアイデアとアドバイスがありました。前田先生への感謝の言葉は書き尽くせません。
 学生に対して前田先生はいつもフランクで、実験中や実験準備中の学生にも気軽に声を掛け、適切なアドバイスをなさっていました。場合によっては禅問答とも思えるアドバイスで、これには学生が面食らうことも多かったのですが、結果的には正しいアドバイスであることから、前田先生の考え方やものの見方の深さに気付かされることが多かったようです。打ち合わせ等では厳しい質問をされることもありましたが、研究に対する真摯な取り組みの結果であり、研究室は和気藹々とした雰囲気で満ちていました。
 英語に"young at heart"という成句がありますが、前田先生にこそ似つかわしい言葉です。何時までも若々しくお元気で、ますますのご活躍をお祈りしております。


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左から3番目が神田先生、4番目が前田先生。(2017年2月13日夕食会にて)

2017年3月 6日レポート

物理学専攻 平成28年度新博士講演会・祝賀会が開催されました

 2月23日(木)、理学研究科青葉サイエンスホールにて物理学専攻「新博士講演会・祝賀会」が開催されました。
 まずはじめに、新博士を代表して松田さゆりさん、川本絵里奈さん、世永公輝さんによる新博士講演会が開かれました。異なる分野の聴講者にも解りやすく発表され、その後の質疑応答でも、さまざまな質問に対し臆することなく説明する姿がとても印象的でした。

94f6080c85afae4a4a8337cf8994e038eed9744a.jpg▲松田さゆりさん「徹底したバックグラウンド低減後のKamLAND-Zenにおける136Xeでのニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の探索」

80798fcad4545dfe56fbefdc8dae648c5e562356.jpg▲川本絵里奈さん「水素終端Si(110)表面の非線形エッチング過程の解明:ミクロからマクロへ」

03.jpg▲世永公輝さん「ディラック粒子系における分数量子ホール状態の質量項依存性」

 その後、博士・修士修了生への各賞授賞式が行われました。物理学専攻賞は、博士論文、修士論文が特に優秀だった学生を表彰するために設立された賞で、受賞者には、落合明物理学専攻長より賞状と記念のオリジナルメダル(博士の受賞者はゴールド、修士の受賞者はシルバー)が授与されました。また、1名が総長賞候補者として推薦されました。
[関連記事]2016年度物理学専攻賞、総長賞候補者が決定(理学研究科HP)

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 授賞式終了後は、合同C棟多目的室にて祝賀会が開かれました。こちらの祝賀会は博士修了生全員参加型となっており、前田先生の乾杯の音頭を皮切りに盛大に行われました。研究室を超え、教員や学生が研究の思い出話に花を咲かせていました。

12.jpg▲前田先生の音頭で乾杯するみなさん
2017年2月27日レポート

2月26日(日)科学で東北を盛り上げ隊!@石巻

 2017年2月26日(日)、石巻市の遊学館にて「科学で東北を盛り上げ隊!@石巻」が開催されました。
 このイベントは、やまがた『科学の花咲く』プロジェクト(山形大学)が、子どもたちに科学に親しんでもらおうと企画した科学実験イベントで、理学研究科からは、地学専攻の学生たちがつくったミュージアム支援団体「みちのく博物楽団」と、「理学部天文学教室」の2団体が参加させて頂きました。
 今回は12団体が参加し、3団体によるサイエンスショーも行われました。会場は市街地からは少し離れた場所となりますが1日を通してたくさんのご来場者がありました。来場者数(延べ人数)は2,574名でした。全ブースを回った子供達も多く、たくさんの科学工作を手に楽しんでいました。アンケートでは、「科学が好きになれました。」「「実際に やってみる」のを子どもはすごく喜びました。」などの感想をいただきました。また次回をおたのしみに!

【みちのく博物楽団「プニプニ化石のレプリカを作ろう!」】
 石巻からはどんな生きものの化石が見つかっているのかを知ることを通して、地域の地質や成り立ちなどの「身の回りの地学」に関心を向けてもらうことを目的としたワークショップ。特に石巻は三葉虫の化石が日本で初めて発見された場所として知られています。このことから今回のモチーフは「三葉虫」です。レプリカが出来上がって行く様子を見ながら化石の勉強。学生達の説明に耳を傾ける子供達でした。

【理学部天文学教室「(1)プラ板 de プラネタリウム」】
 プラスチック板に星座を描いてクレパスやマジックで色を塗り、オーブントースターで熱を加え、キラキラパーツを乗せると、自分だけのオリジナルキーホルダーが完成します!12時には最終回の整理券配布が終了する程の盛況ぶり。細かい作業が続きますが、星座や天体に興味を持って取り組む子供達。完成品を嬉しそうに受け取る姿が印象的でした。

【理学部天文学教室「(2)紙コップスピーカー」】
 紙コップと電線、磁石を使ってスピーカーを作ります。身近な品々で簡単に作るスピーカー。完成後は、紙コップを耳に当てながら「変な音がする!」「聞こえる!」と喜ぶ子供達。お子さんの様子を見守るお父さんやおじいちゃんもとても楽しそうでした。

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2017年2月20日レポート

2月17日(金)東北大学大学院 理学・生命科学 2研究科合同シンポジウム2017 〜新学術領域における学生・若手研究者の連携〜

 2月17日(金)、理学研究科合同C棟2階にて、東北大学大学院 理学・生命科学 2研究科合同シンポジウム2017 〜新学術領域における学生・若手研究者の連携〜が開催されました。
 理学研究科及び生命科学研究科では、新学術領域における学生・若手研究者の連携による学際的研究の創出・創生・創造・展開を目標に、教育研究活動の一環として、異分野間の交流を図るため、2007年度から東北大学大学院理学研究科の6つの専攻(数学専攻、物理学専攻、天文学専攻、地球物理学専攻、化学専攻、地学専攻)が、また第10回目となる今年度は新たに生命科学研究科を加え、合同シンポジウムを開催しています。この合同シンポジウムでは、学生・若手研究者が主体になり、研究成果を発表し意見交換を行うほか、広く学外に情報発信も行っています。
 今年度からの新しい取り組みとして、ポスター発表者の方々全員に一分間のショートプレゼンテーションをしていただきました。聴講者は優秀なショートプレゼンテーションに投票し、その結果、今年度は3名の方々に「ショートプレゼンテーション賞」が授賞されました。

*リンク:東北大学大学院生命科学研究科 関連ページ

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  学生企画委員長 奥津 賢一(化学専攻 博士課程後期2年)  
 この度、理学・生命科学2研究科合同シンポジウム2017の学生企画委員長を拝命しました奥津賢一です。当シンポジウムの前身にあたる6専攻合同シンポジウムから数えますと第10回目にあたる今シンポジウムでは新たに生命科学研究科を迎えての開催となりました。もともと理学部時代は生物学科として同じ学部でしたが、大学院では理学研究科とは別の研究科として独立していたため、これまで当合同シンポジウムに参画しておりませんでした。
 さて、当シンポジウムは普段まず会うことがない異なる専攻が一同に介して口頭発表とポスター発表を通じて議論を深め、交流する場として開催されてきました。私自身第7回6専攻合同シンポジウムで化学専攻の1学生として参加させていただきました。このシンポジウムの難しさは自身と異なる専攻の方に、いかに自分の研究内容を噛み砕いて伝えるか、になります。「そういう研究もあるんだ」といった形で少しでも興味を持ってもらえた時がこのシンポジウムの醍醐味と言えるかもしれません。
 今回のシンポジウムでは実行委員長の石原先生のご提案で新たに「ショートプレゼンテーション」を、ポスター発表者を対象に発表していただきました。これは一部の学会ですでに取り入れられているものですが、今回のシンポジウムでは1人1分という、極めて限られた時間でポスターセッションの前に全ポスター発表者が口頭で説明するというものでした。最大の目的は限られたポスターセッションの時間で興味のあるポスターを探す手助けになればというものでしたが、前項の目的はおおよそ達成できたかと周囲の反応から感じております。ショートプレゼンテーションの新設に伴い従来のポスター賞に代わってショートプレゼンテーション賞を新設いたしまして、本年度は3名の方が受賞されました。
 なんとか無事に開催しましたシンポジウムですが、様々な点で課題も浮き彫りになり、関係者の皆様にはご迷惑をおかけいたしました。これらについてはこれまで以上にフィードバックを強化して来年度以降へバトンを渡せるようにして参ります。
 最後になりますが、シンポジウムを開催するにあたってお世話になりました、実行委員長の石原先生をはじめ、教員委員の皆様、大学院教務の皆様、学生企画委員の皆様への感謝を持ちまして、私のコメントとさせていただきます。
2017年2月17日レポート

2月11日(土)TMT×東北大学サイエンスカフェ「次世代超大型望遠鏡がつなぐハワイと宇宙」

 2月11日(土)、仙台市天文台 加藤・小坂ホールにて、TMT×東北大学サイエンスカフェ「次世代超大型望遠鏡がつなぐハワイと宇宙」が開催されました。
 第1部は、青木 和光 先生(国立天文台TMT推進室 准教授)による講演、第2部は「TMTへの期待と計画の課題」というテーマで、青木 和光 先生、千葉 柾司 先生(東北大学大学院理学研究科天文学専攻 教授)、秋山 正幸 先生(東北大学大学院理学研究科天文学専攻 准教授)の3講師と一般市民の皆様でパネルディスカッションを行いました。司会は、田中 幹人 先生(東北大学学際科学フロンティア研究所 助教)です。
 第1部は、青木先生による「ハワイ島マウナケア山に建設が予定されている次世代超大型望遠鏡(TMT)計画」についての講演が行われました。青木先生はTMTについてはもちろん、現在ハワイで起こっているTMT建設に置ける問題点についても触れられました。
 第2部はパネルディスカッション。東北大学展開ゼミの学生達がファシリテータとなり、皆さんのご意見をまとめ、最後に各テーブル毎に講師の方々に質問を投げかけました。今回の講演、ディスカッションを通し、ハワイのマウナケア山に建設されるかもしれないTMTに想いを馳せ、謎多き宇宙について考えるきっかけとなったのではないでしょうか。
リンク
 *動画:【TMT×東北大学サイエンスカフェ】次世代超大型望遠鏡がつなぐハワイと宇宙(youtube)

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 同日10:00-16:45の時間帯で、宇宙とハワイの関係をより深く学べる、東北大学展開ゼミ「君が宇宙と社会のコミュニケーションをデザインするセメスター」の学生達による体験型イベント「東北大生がつなぐハワイと宇宙」を同会場にて開催しました。楽しみながら、より深く、宇宙とハワイの関係を学んでもらいます。お子さんから大人までたくさんの方々にご来場いただきました。

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2017年2月14日レポート

2月11日(土)次世代火山研究者育成プログラム開校式開催

 2月11日(土)本研究科合同C棟青葉サイエンスホールにて、次世代火山研究者育成プログラム開校式が開催されました。本プログラムは2014年に起こった御嶽山噴火災害を受けて構想されたもので、東北大や北海道大、山形大、東京大などの大学が参加・協力し、大学院修士課程学生を中心に、火山学の広範な知識と専門性、研究成果を社会へ還元する力、社会防災的な知識を有する次世代火山研究者を育成することを目指しています。(代表機関、東北大学)
 2016年度プログラム受講生は10大学36名で、認定証を授与された受講生たちは、期待と緊張を胸に次世代火山研究者への第一歩を踏み出しました。
リンク:次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト
    火山研究人材育成コンソーシアム構築事業

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2017年2月 3日レポート

1月22日(日)第7回 気象サイエンスカフェ東北「スーパーエルニーニョの次はラニーニャが心配!天気はどうなる!?」

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 1月22日(日)、エル・ソーラ仙台 大研修室にて、第7回 気象サイエンスカフェ東北「スーパーエルニーニョの次はラニーニャが心配!天気はどうなる!?」(主催:日本気象学会東北支部、日本気象予報士会東北支部)が開催されました。
 講師は理学研究科 地球物理学専攻の須賀 利雄 教授。先月、東北大学サイエンスカフェで講師を務められたばかりですが(その時の模様はこちらから)、今回は気象にクローズアップした「エルニーニョ」をテーマにお話しされました。参加者は50数名。会場は満席となりました。
 エルニーニョとラニーニョは、ともに熱帯太平洋(赤道付近)の海と大気がお互いに影響を与え合って発達する現象です。赤道付近では通常は東風が吹いていて、海の表面付近の暖かい水を西部に吹き寄せています。このため赤道域西部では海面の温度が高く、大気の対流活動が活発です。何らかの原因で東風が弱まると、西部にたまった暖水を支えきれなくなり、暖水が中部・東部に流れ出します。その為、中部・東部の海面の温度が上昇し、中部で対流活動が活発になります。この現象が「エルニーニョ」です。反対に、東風が強まると「ラニーニョ」となります。
 須賀先生は、これらの現象を「だるまストーブ」に例え、説明されました。「エルニーニョ現象=赤道域西部にあっただるまストーブが中部に動くようなもので、ストーブの置き場所を変えると部屋の空気の流れが変わるように、エルニーニョ時には世界中の空気の流れが変わると考えると、日本の天候に与える影響を考察出来ます。」まとめとして、エルニーニョ時には、太平洋高気圧の北への張り出しが弱まり(冷夏)、冬型気圧配置が弱まる(暖冬)傾向がある。ラニーニョ時には、太平洋高気圧の北への張り出しが強まり(暑夏)、冬型気圧配置が強まる(寒冬)傾向がある。とのこと。
 須賀先生の講演を受けて、各テーブルでディスカッションを行います。ファシリテータは、須賀研究室の学生が担当しました。最後に各テーブルで出された質問に須賀先生が回答します。たくさんの質問が出て、この講演会への関心の高さが伺えました。

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