東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2013年4月 1日レポート

東北大学サイエンスカフェ 市川隆先生「南極で夢見る果ての宇宙」

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市川隆先生
(東北大学大学院理学研究科天文学専攻 教授)

 12月18日(金)、せんだいメディアテークのオープンスクエアにて東北大学サイエンスカフェ「南極で夢見る果ての宇宙」が開催されました。
 講師の市川隆先生は、南極に大型望遠鏡を設置するプロジェクトを勧めています。南極は、晴れの日が多く内陸部ではほぼ無風、地上から赤外線観測をする場所として最適な場所なんだそうです。現在は、研究室で開発した40センチメートル赤外線望遠鏡「AIRT40」を南極に運び運用試験を行っていますが、将来的には2.5メートル赤外線望遠鏡の設置を目指しています。2011年度には市川先生自身も第53次南極観測隊(夏隊)に参加し試験観測を行ってきました。講演中、現在、南極で試験観測を行っている研究室のメンバー 沖田博文さんと衛星電話でお話する場面も!ちなみに沖田さんは2010年度の夏隊につづき二度目の南極です。

*ちなみに沖田博文さん一度目の南極観測隊については以下の記事で紹介しています。
「天文学専攻の沖田博文さん、南極へ行く。」

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会場の様子

 また、宇宙地図の作製についてもお話くださいました。
 国立天文台では、天体や天体現象を空間3次元と時間1次元の4次元で可視化するために、4次元可視化実験システムを開発するプロジェクト「4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2Uプロジェクト)」を行っています。市川先生は、4次元デジタル宇宙ビューワー "Mitaka"(ミタカ)を使って、参加者と一緒に宇宙旅行をしながら、様々な星や銀河の解説をしてくださいました。この地図は、実際に観測で得られたデータをもとに作製されているため、観測が進めば進むほどより正確で大きな宇宙地図となっていきます。数十年後には宇宙全ての地図が完成している...かもしれません!
 市川先生は、かつて地の果てを目指す航海によって世界地図が作られ様々な自然と文化を知ったように、宇宙地図を作製することで宇宙の謎を解くことができるのではないかとお話してくださいました。

東北大学youtube公式チャンネルにて講演の動画が公開されています。

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準備中の会場 「南極の沖田くーん」うまくつながるかな?
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地球から10万光年離れると... グループセッションスタート!
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市川先生もテーブルにまざります! 講演後、参加者の質問に答える市川先生


ichikawa.jpg 市川 隆
静岡県長泉町出身。天文学が勉強したくて京都大学理学部に入学。同大学大学院で博士号を取得。一橋大学商学部助手、東京大学理学部助手、東北大学助教授を経て、2007年より現職。現在の専門は銀河進化。物作りが好きで、自分で装置を作って研究を行うのが研究室のモットー。すばる望遠鏡に搭載されている赤外線撮像分光装置(通称モアックス)を開発。世界で最も遠い宇宙での銀河の地図を描くことに成功した。

*参考リンク*
東北大学サイエンスカフェ
東北大学youtube公式チャンネル
東北大学大学院理学研究科天文学専攻
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト「4D2U」特設サイト
2013年3月28日レポート

東北大学大学院理学研究科 第6回 6専攻合同シンポジウム 「ヤングブレインズの連携による学際的研究の創発」

2月21日(木)、東北大学大学院理学研究科 第6回 6専攻合同シンポジウムが開催されました。「理学研究科では「ヤングブレインズ(若き頭脳集団:大学院生)の連携による学際的研究の創出・創生・創造・展開」を目標に、教育研究活動の一環として、異分野間の交流を図るため6専攻合同シンポジウムを2007年度から開催しております。


↑写真をクリックするとスライドショーになります

2013年3月14日レポート

【受賞】第1回平間賞受賞者が決定

第1回平間賞に以下の3名が決定しました。「平間賞」は、「第一歩」の持つ重みと無限の可能性を識る平間正博名誉教授の篤志により設立されました。「卒業生は、受賞者とともに、副賞のベンゼンに託された思いを感じて欲しい。現代の物質科学のを支えているベンゼンの構造式は、ケクレの見た『夢』で始まったとも言う。未来のロールモデルたる卒業生たちが、これから見るであろう「夢」には、果てる事の無い可能性が秘められている。」という化学教室一同の思いが込められています。化学の3系から1名ずつ、計3名の学生が平間名誉教授から直接記念品を授与されました。なお、3名の受賞者は、今年度の文科省「サイエンスインカレ」で発表もしました。
■有機化学第二研究室 岡田 滉太 「自然免疫活性化剤を標的とした環状二量化核酸の開発」
■量子化学研究室 遠藤 寛也 「ジエチルエーテル正イオンの赤外分光:イオン化による CH 結合の酸性度の増大」
■機能分子化学研究室 廣川 翔麻 「アザポルフィリノイドの合成と物性」



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「平間賞」は東北大学理学部化学科を卒業する4年生が、卒業研究を終えることで「第一歩」を標し、自らの研究人生の基盤を形作り始めたことを記念するために設けた賞である。「第一歩」のなかから甲乙をつけるのは難しい。だから、惜しくも受賞を逃したとしても、卒業生全員が、自分の卒業研究を通じて勝ち取った「基盤」を称え、これから先の成長を期して欲しい。それが平間正博名誉教授の願いである。
 科学も人間の営みで有り、人類が大切に継承し続けてている文化としての一面があることも忘れないで欲しい。人間が成長を遂げ文化を継承相手行こうとするとき、「お手本」となるロールモデルの存在が、その手助けをしてくれる。だからこそ科学の発展に欠かせない「基盤」には「知識」のみではなく、「人物」や、それにまつわる「伝説」も含まれるのある。

2013年2月22日レポート

【レポート】地震・噴火予知研究観測センター100周年記念講演会の模様

 2012年11月17日(土)、トラストシティカンファレンス・仙台にて東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター100周年記念講演会が開催されました。

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金森博雄先生

 カリフォルニア工科大学名誉教授の金森博雄先生をお招きし、「地震学の百年と防災への寄与」というテーマでご講演いただきました。金森先生は、地震・噴火予知研究観測センターの客員教授を務められており、お忙しい中、毎年仙台でセミナーを開催してくださっています。
 1979年、金森先生は地震の規模を示す指標であるモーメントマグニチュード(Mw)を考案され、これにより、巨大地震のエネルギーを物理的に計算することができるようになりました。東北地方太平洋沖地震のマグニチュード9.0も、モーメントマグニチュードによって求められたものです。また、早くから地震警報システムの普及などの防災・減災の活動にも取り組まれています。
 金森先生は、地震学のこれまでの歩み、そして研究を防災にどう活用すべきかについてお話してくださいました。先生が最後に、これからの地震学には相当強いリーダーシップが必要であること、また、リーダーシップを持ち、きちんと物事を考えられる若い研究者の育成が大切とお話されていたことが、とても印象的でした。

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会場の様子

*参考リンク*
東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター


※モーメントマグニチュードとは
断層面の面積やすべり(モーメント)によってマグニチュードを定義したもの。従来の実体波マグニチュードは、8より大きい場合、規模が大きく違うはずの地震でも同じマグニチュードになってしまうことが欠点でした。これは、巨大地震ではエネルギーのほとんどが長周期の波によって伝播しますが、短周期の波を使った実体波マグニチュードではエネルギーを正確に反映できないためです。
2012年12月20日レポート

サイエンスカフェ・スペシャル「ヒッグス粒子とお茶の夕べ」

11月22日(木)、WPI-AIMR本館 5F交流スペースにて、物理学専攻 素粒子実験グループ 山本均先生のサイエンスカフェ・スペシャル「ヒッグス粒子とお茶の夕べ」が開催されました。山本先生とスタッフが点てたお薄をいただきながら、ヒッグス粒子の講演を聴くという初めての試みでした。会場がWPI-AIMR本館で外国の研究者が大勢いること、素粒子実験グループが、以前「宇宙」をテーマにお茶席を設けたことがある、などの理由からこういうスタイルになりました。「Higgs場が宇宙をビッシリと満たしている状態が宇宙の真空」とはまさに「色即是空、空即是色」で、まさにHiggsの概念ということらしいです。掛け軸「無」も、その趣向で選ばれたもの。
7月4日、CERNがヒッグス粒子とみられる新素粒子を発見したと発表してから「ヒッグス粒子」は大きな関心を集めましたが、そもそも素粒子とはどんなものなのか?どのようにして誕生したのか?という話から、もしかして北上山地にできるかもしれない国際リニアコライダー(ILC)についてお話ししていただきました。また、表千家 講師である山本先生のお手前を拝見できるという貴重な機会でした。今回の開催に当たっては表千家の方々に多大なご協力いただきました。最先端科学と日本の伝統の融合を楽しんでいただけたのではないでしょうか?


2012年12月 4日レポート

世界トップクラス研究リーダー養成セミナー 「グラスレス 3DレグザTM商品化までの道のり」

11月16日(金)、福島理恵子さん(株式会社東芝 デザインセンター戦略デザイン推進部参事 )をお招きして、世界トップクラス研究リーダー養成セミナー「グラスレス 3DレグザTM商品化までの道のり」が開催されました。福島さんは、世界で初めて専用の眼鏡なしで3D映像が見られるテレビ(グラスレス3Dレグザ)の開発を担当された方です。当時、映画「アバター」が公開され、各メーカーが眼鏡式3Dテレビを発売していたさなかのことでした。この業績で全国発明表彰21世紀発明賞、日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤー2011、科学技術分野文部科学大臣表彰科学技術賞など多くの賞を受賞しました。理学研究科化学専攻の出身で、第一線で活躍している企業研究者ということもあって、学生の参加者が多数ありました。自然で見やすい3D映像を実現するための技術開発や東芝でのキャリア形成・プロジェクト遂行、大学で学んだことなどざっくばらんにお話ししてくださいました。


p01.JPG理学研究科男女共同参画セミナーの一環p02.JPG学生がこんなにたくさん
p03.JPG寺田先生の挨拶p04.JPG福島さん
p05.JPG質疑応答p06.JPG研究は自分で道をつくっていくこと
2012年12月 3日レポート

仙台市天文台 トワイライトサロンスペシャル「星の旋律 ~ドン・クルツ博士と聴く星の奏でるミュージック~」

11月24日(土)の仙台市天文台のトワイライトサロンはスペシャル版でした。「星の旋律 ~ドン・クルツ博士と聴く星の奏でるミュージック~」と題してセントラル・ランカシャー大学のドン・クルツ先生と天文学専攻の斉尾英行先生がお話をしてくださいました。
地震波の観測で地球の内部がわかるように星の微妙な震動を「聴く」ことで星の内部を推測することができます。ドン・クルツ先生はA型(星の型)の化学特異星Ap星に含まれるroAp星と呼ばれるグループの「HD 101065」を最初(1978年5月16日)に発見した方です。天文の啓蒙活動にとても熱心で、世界中で講演をされています。今回のこの企画も、東日本大震災の数日前、斉尾先生と蔵王にスキーに行った帰りに仙台市天文台を見て一般向けの話をしたいと思ったことがきっかけで実現しました。


p01.jpgクリスマス仕様p02.jpg初の外国人ゲスト
p03.jpg斉尾先生が通訳係p04.jpg探査機ケプラーの紹介
p05.jpg質問コーナーp06.jpg閉会後のほっとした様子
2012年11月20日レポート

火伏せふいご祭

11月7日(水)、機器開発・研修室と硝子機器開発・研修室主催の火伏せふいご祭が行われました。日頃、機器開発・研修室と硝子機器開発・研修室にお世話になっている研究室の方々も参加して無事故を祈願しました。このお祭りで振る舞われるつみれ汁を楽しみにしている人もたくさんいるのではないでしょうか?


2012年11月20日レポート

物理学専攻 進学・就職ガイダンスが開催されました

 11月2日(金)に理学研究科合同A棟にて、物理学専攻 進学・就職ガイダンスが開催されました。
 進学ガイダンスは主に修士1年の大学院生、就職ガイダンスは学部3年、修士1年、博士2年、その他就職を希望している学生を対象に行われています。

 進学ガイダンスでは、学科委員の小林俊雄先生より博士論文や奨学金などの説明があり、その後、現在博士課程後期に在籍している小野善将さん(素粒子実験)、杉原謙光さん(物性理論)がドクター進学を決めるまでの体験談をお話してくださいました。
 杉原さんが「似たような内容になっちゃったね」とお話していたように、おふたりともドクター進学を決めるまでは相当迷ったそうです。進学を選んだ理由もひとつではなく総合的な判断だったようですが、最後は「やっぱり研究がすきという気持ちが決め手」という小野さんの言葉が印象的でした。他にも日本学術振興会特別研究員(通称:学振)の申請など、博士課程大学院生のリアルな経済状況についてもお話くださり、進学を考えるみなさんの参考になったのではないでしょうか。

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■進行は萩野先生 ■前田副専攻長「おもしろい話がきけると思います」
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■会場の様子 ■学科委員の小林先生
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■修士時代について語る小野さん ■来年から留学する杉原さん

 大勢が参加した就職ガイダンスでは、山本均先生が昨年度の就職状況について、倉本義夫先生が就職活動における注意点等を説明してくださいました。企業への応募には自由応募、学校推薦の2つの方法があり、また、国家・地方公務員を目指す場合はそれぞれの試験を受ける必要があります。倉本先生は「いますぐ就職か進学を決める必要はないが遅くなってもいけないので、3月までによく考えておくように」とアドバイス。
 その後、就職活動を終えた阿部尚人さん(博士課程前期2年、量子伝導物性研究室)、梶原瑛祐さん(博士課程後期3年、金属材料研究所)が、それぞれのスケジュールや面接での質問などについてお話してくださいました。参加した学生からは「どうやって自己分析したのか?」などの多くの質問が寄せられました。

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■山本先生 ■会場の様子
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■就職担当の倉本先生 ■スケジュールについて説明する阿部さん
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■梶原さん ■梶原さんに質問する倉本先生

2012年11月16日レポート

CMSを利用したHPの構築

2012年11月2日(金)、情報基盤室 千葉 淳さんによる講習会「CMSを利用したHPの構築」が行われました。対象は技術職員のWEBの初心者向けということだったのですが、ネットワークを担当していたり、ホームページを作成していたりする方も参加して、思ったより高度な講習会だったような気がします。代表的なCMSとして、Movable Typeと WordPress のウェブページを作成して、その違い、メリット、デメリットを体験しました。


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