8月12日(日)、せんだいメディアテーク7階スタジオシアターにて、「もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。」に応募した高校生による研究発表会が行われました。「もし天」は、東北大学天文学教室と仙台市天文台が共同で開催する、高校生向け天文学者職業体験実習で、8月6日から12日まで一週間合宿し、高校生自らが研究テーマと研究計画を立案して天文台の望遠鏡で観測し、そのデータを解析して宇宙の謎の解明をするプログラムです。最終日は、一般の人達の前で、チームの研究成果を発表することになっています。発表はチームSKOTが「星雲の進化-星雲の形と年齢の関係」、チームSpiralが「渦状銀河の腕の謎に挑む」でした。日夜の観測とデータ解析で睡眠不足になりながら発表する高校生の姿を親のように見守るサポートの大学院生の姿が印象的でした。
※参考
・もし天ホームページ
8月1日(水)、物理系1・2年生を対象とした高エネルギー加速器研究機構(KEK)と大強度陽子加速器施設(J-PARC)見学会が行われました。物理学専攻の研究室には、これらの実験施設を用いて、素粒子・原子核物理学、物性物理学における様々な最先端の研究活動を行っているグループがあります。 そこで物理学科では、最先端の研究を行っている研究者達から直に説明していただきながら、施設を実地見学するツアーを毎年実施しています。今年も約50名の参加者がありました。1日で研究施設を2つも回るというハードなスケジュールでしたが、実際に加速器や検出器を見学して、最先端の科学が身近に感じられたのではないでしょうか。
金属材料研究所 量子ナノ物性 内田健一助教が、独創性を拓く 先端技術大賞「文部科学大臣賞」を「スピン流を用いたエネルギーハーべスティング技術の開発」により受賞しました。この賞は学生部門の最優秀賞で、内田さんが理学研究科物理学専攻後期課程3年の時に応募したものです。
今回の受賞について内田さんに受賞のコメントをいただきました。
先端技術大賞は前年も応募したのですが落選してしまい、今回は学生最後の年ということもあってのリベンジでした。とても光栄に思います。
私たちが発見した「スピンゼーベック効果」という現象を用いると、これまではエネルギー源として利用できなかった絶縁体中の熱からも電気・磁気信号を取り出すことができます。まだ始まったばかりの新しい物理でとてもやりがいがあります。
7月13日(金)、AOSISにて理学部・理学研究科主催のビアガーデンが開催されました。今年は、飲み放題、食べ放題ということもあったせいなのか、約180人の参加がありました。第1回目についで2番目に多いとのことです。飲み物、食べ物が早々になくなってしまい申し訳なかったと実行委員の方はいっていましたが、下の生協から調達して楽しんでいるグループもあり、大盛況でした。
ツアー参加研究室 | 場所 / 担当教員 |
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素粒子・宇宙理論&原子核理論 | 合同B棟 / 石川洋准教授、小野章助教 |
素粒子実験(ニュートリノ) | ニュートリノ科学研究センター 白井淳平准教授 |
素粒子実験(加速器) | 物理・化学合同棟 / 山本均教授 |
原子核実験 | 合同B棟 / 田村裕和教授 |
物性理論 | 合同B棟 / 石原純夫教授 |
極低温量子物理 光電子固体物性 |
物理系研究棟 木村憲彰准教授、佐藤宇史准教授 |
ソフトマター・生物物理 | 合同B棟 / 今井正幸教授 |
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▲見学会について説明する北野先生 | ▲物性実験チームの説明をする木村先生 |
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▲装置をアルミホイルで包むにはちゃんと理由があるのです | ▲リニアコライダーについて説明 |
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▲カムランドのリアルタイムデータにわくわく! | ▲宇宙の組成は90%以上が未知のもの |
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▲原子核は陽子と中性子からできています | ▲生物を物理で解明...はじめてきく分野に興味津々 |
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▲物性理論の計算機室を見学 | ▲実際に実験で使っていたドリフト・チェンバー |
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▲ツアーの後はお茶をのみつつ座談会 | ▲アンケートをチェックする北野先生と田村先生 |
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▲最後は自由見学、グラフェンについて質問中 | ▲グラフェン(注:黒い部分です) |
2012年5月12日(土)、東北大学片平キャンパスさくらホールにて東北大学大学院理学研究科化学専攻 理論化学研究室百周年記念行事が開催されました。
理論化学研究室は片山正夫先生を初代教授として、鮫島實三郎先生、箕作新六先生、富永斉先生、小泉正夫先生、中川一朗先生、國分泱先生、大野公一先生、現在の美齊津文典先生で9代目になります。理論化学研究室の卒業生、学生、元職員ら 約40名が参加し100周年を祝いました。
5月19日(土)、仙台での物理学専攻2012年度大学院説明会が行われました。物理学専攻では、学外者だけでなく学内者にも参加を勧めています。全体説明で物理専攻の概要、カリキュラム、研究分野、就職などについて説明を受けた後、研究室見学が行われました。研究室見学は80分ずつ2回に分けて行われ、研究分野、キャンパスごとに10コースの中から選択することができます。青葉山キャンパスだけでなく希望者には、金属材料研究所や多元物質科学研究所のある片平キャンパスや三神峯の研究施設へも案内されます。直に実験装置や研究室を見ることで、パワーポントでは説明しきれない物理学専攻の魅力を感じとっていただけたのではないでしょうか。参加者は昨年を上回る約70名で4割が学外者でした。
3月16日(金)、数理科学記念館にて数学専攻 西川青季先生の最終講義「複素フィンスラー計量と調和写像-数学や人との思いがけない出会い-」が行われました。始まる10分ほど前に伺った時には、すでに教職員や在学生、卒業生のみなさんで会場はあふれ、補助席を追加しましたがそれでも足りず立ち見が出るほどの超満員となりました。
西川先生は幾何学的変分問題、測地線や面積最小曲面の一般化である「調和写像」の存在問題と応用を研究、また長年に渡り数学専攻が発行する欧文数学専門誌『東北数学雑誌(Tohoku Mathematical Journal)』の編集長を務められました。
最終講義は西川先生が手紙を読むところから始まり(手紙は、西川先生が東北大ではじめて持った演習を受けていた卒業生から届いたものでした)、ご自身の学生時代や研究テーマに巡り会うきっかけとなった、数学や人との思いがけない出会いにまつわるエピソードなどをお話してくださいました。
西川先生は、間違いなく日本の数学を牽引されてきた中心的存在である。その西川先生に、「東北大学の幾何セミナーに話に来ませんか」と大学院生の時に声をかけていただいたことを今でもはっきりと覚えている。おそらく、アウェイでの始めての機会ではなかったか。西川先生は、細やかな気遣いをされることでも有名で、「青葉山に来るバスの中には理学部キャンパスに来ないものもありますので、気を付けて乗ってください」と事前に忠告をいただいた。ところが、仙台駅より乗ったバスはどんどん山を登り始め、行けども行けども「理学部前」(自然標本館前)に着かない。理学部キャンパスが予想以上に自然に恵まれたロケーションにあったため、(今思えば)入試センターあたりで青くなっていたのである。ようやく辿り着いた私を西川先生始め、幾何グループの皆さんが優しく歓待してくれたおかげで、無事講演を終えた。西川先生の最終講義・祝賀会でのご挨拶、人生をセミになぞらえ、穏やかながら新たな決意を語られた素晴らしいものであった。
〒980-8578
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理学研究科物理系研究棟 725号室
月曜日~金曜日 AM9:00~PM15:30
TEL:022-795-6708
mail:sci-koho[at]mail.sci.tohoku.ac.jp
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