東北大学 大学院 理学研究科・理学部|広報・アウトリーチ支援室

2012年9月13日レポート

【体験記】ケンブリッジに短期留学した中嶋灯奈さん

理学部地球惑星物質科学 2年 中嶋灯奈さんは、大和日英基金東北スコラーシップ奨学金で、2月10日から4月4日までケンブリッジに短期留学しました。大和日英基金東北スコラーシップ奨学金とは、2011年3月11日の東日本大震災を受け、大和日英基金がブリティッシュ・カウンシルとの提携により、東日本大震災被災地域の学生支援のため設立したものです。
「イギリスでの留学は大変充実したものでした。ケンブリッジ大学の学生さんと一緒にリコーダーを演奏したり、化石採集や考古学の学会に参加するなど数々の貴重な体験ができ、興味を深められたとともに外国の視点から日本を見つめ直す良い機会になりました。」と留学の感想を語る。


DSC_0209.JPG帰国後、福村研究科長に留学の報告をしにきたところ
P1160761.JPGハンスタントンで化石採集
CURE.jpgCUREリコーダーアンサンブルと共演
2012年9月10日レポート

アルスタウンミーティング@仙台 福島原発事故の反省と「科学と社会」の在り方について

 8月24日(金)、東北大学理学研究科合同A棟205号室にて、『アルスタウンミーティング@仙台 福島原発事故の反省と「科学と社会」の在り方について』が開催されました。このタウンミーティングは学術文化同友会アルスの会東北大学GCOE「物質階層を紡ぐ科学フロンティアの新展開」が開いたものです。参加者は26名。
 アルスの会会長の中井浩二先生は、仙台のアルスタウンミーティングは、哲学者の参加を得られることが特徴でどんな意見がでるか楽しみにしていると述べられました。GCOE拠点リーダーの井上邦雄先生は、「市民感情に配慮して、福島原発事故について思っていることをなかなか言い切れないでいたけれど、1年半経ち、ある程度言いたいことを言える状況になってきました。今日の議論で、科学者の専門的知識をどのようにして社会に還元できるのか、深く掘り下げて論理だてて議論していければいいと思っています。」と挨拶しました。
 第1部は、野家啓一先生による「3.11以後の科学技術と倫理」、直江清隆先生による「原発事故と科学技術倫理」、横山広美先生による「震災後の日本における科学の価値観」をご講演いただき、第2部は「国会事故調」による提言、「アルスの提言」(案) について討論会を行いました。講演会で横山先生が「信頼」が科学の価値を決めるひとつの指標になっていて、専門性との兼ね合いが難しいとおっしゃていたのが印象的でした。立ち位置次第でがらりとかわってしまうようなものが指標なんですね。野家先生と直江先生は、震災後、「科学技術の研究開発の方向性は専門家が決めるのがよい」という市民の意見が激減したことからはじめて、科学者の社会に対する倫理はどうあるべきか、高レベル廃棄物処分における世代間の倫理をどう考えるか、今後のエネルギー政策に対して専門知識のない市民はどう合意を得るべきなのか、といった困難な問題を議論しました。参加者からも学者の社会への発言・情報発信や、SNSの役割などについて活発な意見交換がありました。
 アルスの会では、このようなタウンミーティングを東京、大阪、奈良で開催しており、討論された問題点等を発信しています。


2012年9月10日レポート

もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。研究発表会

8月12日(日)、せんだいメディアテーク7階スタジオシアターにて、「もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。」に応募した高校生による研究発表会が行われました。「もし天」は、東北大学天文学教室と仙台市天文台が共同で開催する、高校生向け天文学者職業体験実習で、8月6日から12日まで一週間合宿し、高校生自らが研究テーマと研究計画を立案して天文台の望遠鏡で観測し、そのデータを解析して宇宙の謎の解明をするプログラムです。最終日は、一般の人達の前で、チームの研究成果を発表することになっています。発表はチームSKOTが「星雲の進化-星雲の形と年齢の関係」、チームSpiralが「渦状銀河の腕の謎に挑む」でした。日夜の観測とデータ解析で睡眠不足になりながら発表する高校生の姿を親のように見守るサポートの大学院生の姿が印象的でした。


※参考
もし天ホームページ

2012年8月31日レポート

KEK/J-PARC見学会

8月1日(水)、物理系1・2年生を対象とした高エネルギー加速器研究機構(KEK)と大強度陽子加速器施設(J-PARC)見学会が行われました。物理学専攻の研究室には、これらの実験施設を用いて、素粒子・原子核物理学、物性物理学における様々な最先端の研究活動を行っているグループがあります。 そこで物理学科では、最先端の研究を行っている研究者達から直に説明していただきながら、施設を実地見学するツアーを毎年実施しています。今年も約50名の参加者がありました。1日で研究施設を2つも回るというハードなスケジュールでしたが、実際に加速器や検出器を見学して、最先端の科学が身近に感じられたのではないでしょうか。


2012年8月29日レポート

【受賞インタビュー】金研 内田健一助教が独創性を拓く 先端技術大賞 「文部科学大臣賞」を受賞

金属材料研究所 量子ナノ物性 内田健一助教が、独創性を拓く 先端技術大賞「文部科学大臣賞」を「スピン流を用いたエネルギーハーべスティング技術の開発」により受賞しました。この賞は学生部門の最優秀賞で、内田さんが理学研究科物理学専攻後期課程3年の時に応募したものです。

今回の受賞について内田さんに受賞のコメントをいただきました。


先端技術大賞は前年も応募したのですが落選してしまい、今回は学生最後の年ということもあってのリベンジでした。とても光栄に思います。
私たちが発見した「スピンゼーベック効果」という現象を用いると、これまではエネルギー源として利用できなかった絶縁体中の熱からも電気・磁気信号を取り出すことができます。まだ始まったばかりの新しい物理でとてもやりがいがあります。


uchida.jpg金研の実験室にて
DSC_0010.JPG賞状です
2012年8月22日レポート

地学専攻 吉田武義教授 最終講義

 3月5日(月)、理学部大講義室にて地学専攻の最終講義が行われました。14:00~15:00が吉田武義教授「東北本州弧における島弧火成活動の研究」、15:00~16:00が藤巻宏和教授「 私の研究で会った3人と、ICP-MSによる分析の危うさ」による二部構成で、両先生の最後の講義を受けようと学生、教職員、そして卒業生が大勢参加し、大講義室はほぼ満員になりました。
 吉田先生のご専門は火成岩岩石学で、島弧の構成と進化に果たす火成岩の役割について研究、加速器を使った光量子放射化分析、誘導結合プラズマ質量分析法、蛍光X線分析法を駆使してこれらの解明に挑んでおられます。また、最近ではデジタル地質図上にデータベースを構築するといったデジタル地質図の制作にも積極的に取り組まれています。助手時代は昼夜を問わず実験をされていたそうで、その結果、論文・報告書の数は250件を超えています。
 その他、第一線で活躍される地学専攻のOBやOGによる講義「現場のフロンティアサイエンス」を新たに開講し、学生たちのキャリア支援にご尽力されました。講義後に開かれるお茶会で、卒業生と学生たちの会話を微笑みながら見守る吉田先生の姿を、もう見ることができないと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。

IMG_6316.JPG
▲研究室で:吉田先生と学生たち

■□■吉田先生に地学との出会いについてお話をお伺いしました■□■

地学の道に進んだきっかけは何ですか?
 僕は香川県坂出市の出身なのですが、そこには府中ダムというダムがあります。そのダムは僕が中学生の頃に造られたもので、当時、自宅にはダム建設地質調査のため広島大学出身の若い地質屋さんが下宿していました。その方と次第に仲良くなり、休日になると調査の手伝いをするようになりました。それがきっかけで地学に興味を持ち始めたんだと思います。
 高校では地学部に入り、顧問の佐川先生にいろんな所に連れていってもらいました。サヌカイト(讃岐岩)を採取したり、東北大学を勧めてくれたのも佐川先生でした。

学生の頃はどのような研究を?
 学部の卒業論文では地元でサヌカイトの研究をしたかったんですが、ちょうど先輩がサヌカイトで博士論文を書いていて、同じテーマは避けようと思い石鎚山に変更しました。石鎚山へ卒論調査で入るときは、香川県の実家を車で出発し、まずは地図をもらいに高知の営林局へ、その後目的地である愛媛の石鎚山へ...というルートでした。長距離運転を心配した父が助手席に同乗していましたが、目的地に着く手前の山中で、私が居眠り運転をして車ごと崖から谷へ落ちてしまいました。幸い車が一回転した後、崖の途中で木にひっかかって、僕は無傷で済みましたが、助手席で寝ていた父は少し怪我をしてしまいました。父に後の処理は俺がやるからと言われ、事故現場からリュック一つで歩きはじめたのが、私の調査のスタートでした。その後、実家に戻った父は母や祖母に相当怒られたそうです。

学生のみなさんへメッセージをお願いします
 僕のモットーでもあるこの言葉をメッセージとさせていただきます。
「汗をかき 恥をかき ものを書く」
 

IMG_6308.JPG
▲退官後も宿題がいっぱいあると語る吉田先生

  地学専攻の中村美千彦先生よりメッセージをいただきました  

 吉田先生は、時間性を特徴とする地質学に、熱力学や結晶化学を基礎とする岩石学・マグマ学を導入して強力な論理性を加えられた先駆的な研究者で、東北日本を「世界で最も研究の進んだ沈み込み帯」とすることに多大な貢献をされました。IMG_6140.JPG全国の地質と岩石化学組成を熟知され、膨大な文献や標本・試料の中から、必要とするものを瞬時に取り出される姿は、まさに"歩くデータベース"そのもの。極めて多数・多角的な共同研究実績もそこから生まれて来たものだと思っています。また、常に穏やかで何事にも動じない性格、鋼のような意志と粘り強さは、研究室や教室における教育・研究に、長期的な視座とバランス感覚・安定感をもたらされました。吉田先生は、地学専攻内でも随一のフィールドサイエンティストであり、豊かなご経験に裏打ちされた地質露頭を見る目の鋭さは、現在でも他の研究者を寄せつけないものがあります。そのお人柄に加えて"大学は学生のためにある"という基本姿勢を昔から貫かれて来たからか、輩出された多数の卒業生からも慕われ、今回の最終講義と記念祝賀会には、案内を出しきれなかった学部4年での卒業生が何人も日程を聞きつけて駆けつけることになりました。このようなわけで、定年退職の後も各方面からの引き合いが後を絶たないご様子、まだ暫くの間はお忙しさが続くようですけれども、仲の良いご家族と、これまでよりはゆっくりとした時間を過ごして頂ければと思っています。


  吉田先生と共に研究をしている山田亮一さんよりメッセージをいただきました  

 私と吉田先生との出会いは,15年前に遡ります.当時,鉱山会社に勤務していた私は,金属鉱業事業団(当時)から依頼を受け,東北地方の新たなデジタル版地質図の基本設計について頭を悩ませており,その相談に伺ったのが最初だったと記憶しています.yamada.jpg何度か議論を積み重ねるうちに,どちらともなく,「どうも黒鉱地域など鉱山地帯の詳細な情報が,これまでの島弧発達理論の空白域になっているらしい,もし,両者をうまく統合できれば,東北本州弧をモデルとした新たな島弧発達理論を生み出せるのではないか,そしてそれは,黒鉱などの鉱床探査にも新たな探査指標になるのではないか」との考えに至りました.それ以降今日まで,吉田先生と私は,東北大学を新たな島弧発達モデルと新たな黒鉱成因論の発信基地にするとの思いで共に研究を進めてまいりました.この間,幾つかの成果を発表するに至りましたが,最終目標の達成まで,まだまだ長い道程があります.この度,吉田先生は大学を退官されますが,「ご苦労様でした,お疲れさまでした」とは敢えて申し上げずに,今後は,自由な一研究者の立場から,日本の島弧マグマ学の発展と鉱床探査技術の確立にご尽力下さいますよう,お願い申し上げます.

*Photo Gallery*
2012年7月17日レポート

自修会ビアガーデンが開催されました

7月13日(金)、AOSISにて理学部・理学研究科主催のビアガーデンが開催されました。今年は、飲み放題、食べ放題ということもあったせいなのか、約180人の参加がありました。第1回目についで2番目に多いとのことです。飲み物、食べ物が早々になくなってしまい申し訳なかったと実行委員の方はいっていましたが、下の生協から調達して楽しんでいるグループもあり、大盛況でした。


2012年7月 9日レポート

物理学科研究室見学会が開催されました

 6月29日(金)、理学部物理系2年生のための「物理学科研究室見学会」が開催されました。このイベントは、これから学科を選択する物理系2年生に研究室を巡るツアーに参加してもらうことで、物理学科にある多種多様な研究の一端を知ってもらおうと企画されました。

ツアー参加研究室 場所 / 担当教員
素粒子・宇宙理論原子核理論 合同B棟 / 石川洋准教授、小野章助教
素粒子実験(ニュートリノ) ニュートリノ科学研究センター
白井淳平准教授
素粒子実験(加速器) 物理・化学合同棟 / 山本均教授
原子核実験 合同B棟 / 田村裕和教授
物性理論 合同B棟 / 石原純夫教授
極低温量子物理
光電子固体物性
物理系研究棟
木村憲彰准教授、佐藤宇史准教授
ソフトマター・生物物理 合同B棟 / 今井正幸教授

 参加者は6つの班に分かれ上記のうちの3つの研究室を見学しますが、そのコースは班によって微妙に違います。例えばA班では「素粒子・宇宙理論&原子核理論→ソフトマター・生物物理→素粒子実験(ニュートリノ)」ですが、 B班では「原子核実験→ソフトマター・生物物理→物性理論」となりますので、気になっている研究室がコースに入っている班を自分で選んで参加します。
 今回は約45名の学部2年生が参加し「研究室によって雰囲気が違うのを知ることができた」とおおむね好評の様子、物理学科の魅力を感じてもらえたのではないでしょうか?

IMG_8623.JPGのサムネイル画像 DSC_0445.JPG
▲見学会について説明する北野先生 ▲物性実験チームの説明をする木村先生

DSC_0444.JPG
▲ツアコン役の先輩が案内してくれます

DSC_0514.JPG DSC_0532.JPG
▲装置をアルミホイルで包むにはちゃんと理由があるのです ▲リニアコライダーについて説明
DSC_0583.JPG IMG_8636.JPG
▲カムランドのリアルタイムデータにわくわく! ▲宇宙の組成は90%以上が未知のもの
IMG_8648.JPG IMG_8671.JPG
▲原子核は陽子と中性子からできています ▲生物を物理で解明...はじめてきく分野に興味津々
IMG_8690.JPG IMG_8716.JPG
▲物性理論の計算機室を見学 ▲実際に実験で使っていたドリフト・チェンバー

IMG_8723.JPG
▲オープンキャンパス用のスパークチェンバー(ただいま鋭意製作中!)

IMG_8741.JPG IMG_8742.JPG
▲ツアーの後はお茶をのみつつ座談会 ▲アンケートをチェックする北野先生と田村先生
IMG_8755.JPG IMG_8751.JPG
▲最後は自由見学、グラフェンについて質問中 ▲グラフェン(注:黒い部分です)

IMG_8766.JPG
▲夜8時の物性理論研究室...見学会はつづく...

2012年7月 2日レポート

救命講習を実施しました

 6月8日(金)、安全衛生管理室主催「救命講習」が行われました。
 この講習会では、主要な研究棟に設置されている自動除細動器(AED)の使用法と心肺蘇生法を主に学びます。管理棟警務員室前にAEDが設置された2006年から毎年開催してきましたが、これまでの講習会では教職員を対象としていました。学生から「ぜひ講習を受けたい」という意見が多く寄せられたことから、今回より学生も参加できるようになりました。
 講師は、応急手当普及員の資格を持つ安全衛生管理室の澤口さんと昨年度退職された志田さん。参加者は学生を含む7名でした。
 救命では119番通報→応急手当→救急処置→救命医療をうまくつなげるという一連の流れが大切です。参加者はメモをとったり質問をしたりしながら、いざという時のためにしっかり学んでいました。
 救命講習は年数回開講していますので、みなさんも是非参加してみてください。
(*次回は9月を予定しています)

IMG_8469.JPG
安全衛生管理室の副室長 本堂先生

IMG_8476.JPG
まずは座学、基礎知識を学びます

IMG_8479.JPG
模型をつかって息をふきこむ気道の位置を確認

IMG_8466.jpg
それではマネキンを使って実際にやってみましょう!

IMG_8483.JPG
両手を組んで心臓マッサージ、けっこう力がいります

IMG_8502.JPG
志田さんによるお手本、ちなみに理学研究科には2種類のAED装置があります

*参考リンク*
理学研究科AED設置場所
理学研究科安全衛生管理室(*学内限定)
2012年6月 4日レポート

東北大学大学院理学研究科化学専攻 理論化学研究室百周年記念行事

2012年5月12日(土)、東北大学片平キャンパスさくらホールにて東北大学大学院理学研究科化学専攻 理論化学研究室百周年記念行事が開催されました。
理論化学研究室は片山正夫先生を初代教授として、鮫島實三郎先生、箕作新六先生、富永斉先生、小泉正夫先生、中川一朗先生、國分泱先生、大野公一先生、現在の美齊津文典先生で9代目になります。理論化学研究室の卒業生、学生、元職員ら 約40名が参加し100周年を祝いました。



Created with flickr slideshow.
前の10件 33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43

カテゴリー

広報・アウトリーチ支援室

〒980-8578
仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
理学研究科物理系研究棟 725号室
月曜日~金曜日 AM9:00~PM15:30
TEL:022-795-6708
mail:sci-koho[at]mail.sci.tohoku.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください

今までの広報室ページ

広報日記


最新の記事

アーカイヴ

ページの先頭へ