9月22日(木)から24日(土)の3日間、2011年度 資源地質学会若手会 秋季巡検として、秋田県北鹿地域の黒鉱鉱床の見学会が行われました。この地域の黒鉱鉱山や周辺の岩石を観察することが
主な目的です。今回、「現場のフロンティアサイエンス」でお世話になっているGCOE研究員の山田亮一さんが、案内者に入っていることもあって、我々取材班も同行させていただきました。
資源地質学会若手会というのは、今回の巡検を企画された野崎さん(海洋研究開発機構)、実松さん(産業技術総合研究所)らが中心となって、資源地質を研究する若手が増えてきたこと、これからは学会の運営も若手が中心にならなければいけないとの考え方から、2009年度に発足しました。年に1回野外巡検を行っており、これまでに九州地方の四万十帯の地質巡検や、釜石鉱山で巡検を行っています。今年は、若手会のみなさんが秋田県北鹿地域の黒鉱や、黒鉱を含む地層に興味があるということで、この地域に長く勤務された山田亮一さんが案内するということになり、最終的に東京大学、九州大学、産総研、JAMSTEC、JOGMEC、秋田大学などから総勢25名の参加がありました。
黒鉱鉱床というのは、昭和30年代の初めに、それまでの常識を覆す品位、規模を持つ鉱床が次々と発見され、黒鉱ブームと呼ばれて、昭和40年代には盛んに研究されていましたが、オイルショックやプラザ合意に伴う円高や採鉱コストの上昇でほとんどの鉱山が閉山し、現在まで黒鉱の研究を続けている人は少なくなっていました。しかし、最近、海底で発見された熱水鉱床が黒鉱にそっくりであるこが知られてくると、若い研究者達が再び興味を持ちはじめ、今回の黒鉱巡検という流れになりました。
今回、最初に訪れた小坂鉱山は、日本で最初の黒鉱として露天掘りされた鉱山であり、黒鉱発祥の地です。黒鉱巡検する際には、まず、第一に押さえなければならない地です。次に訪れた松峰鉱山試料室には、現在は閉山して観察することができないたくさんの黒鉱試料が収蔵されています。鉱山会社の正確な地質情報を始めとして、地下の情報が立体的に集まっており研究資料として有効です。参加したみなさんは、今ではとても貴重な黒鉱や図面をさかんにカメラで撮影していました。
最後に、花岡鉱山の観音堂露頭を訪問しました。この場所は海底熱水鉱床と同じ黒鉱のチムニー(煙突)の構造を見ることができます。案内人の1人の本学の長谷川樹(M1)さんの研究対象になっている場所でもあります。みなさん、良い試料を採ろうと暗くなるまでハンマーをふるう姿があちこちで見られました。
東北大学では、分散しつつある黒鉱のデーターの集約に力をいれており、自然史標本館にもその一部が展示されています。これらの試料は実は大変貴重なものなのです(自然史標本館に行ったら只の黒い石と思わないでね)。日本近海には、多くの海底熱水鉱床が見つかっており、資源の少ない日本ではレアメタルを含んでいる海底熱水鉱床が今、大いに注目をあびています。黒鉱鉱床は、化石化した海底熱水鉱床であり、黒鉱を調べることで海底熱水鉱床の全体像やその成り立ちがわかると期待されているのです。
なお、今回の巡検は、環境科学研究科の小坂分室を宿泊施設として利用しました。ここは、学生や教職員のフィールドワークの拠点となっています。
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◆日時:9月16日(金)14時30分~17時00分(懇親会:17時15分~19時15分)
◆東北大学片平キャンパス さくらホール
◆共催:日本化学会東北支部、東北北大学理学研究科、国立大学協会
9月16日(金)、片平キャンパスさくらホール2階にて、防災・日本再生シンポジウム「東北地方の化学と教育:3.11から189日の歩み」が開催されました。このシンポジムは、当初、化学実験室のあり方について震災に耐えうる実験室の設計に役立てられないかと企画されたものでした。6名の先生のお話から、各々どんなことがきるか考えさせられたのではないでしょうか?
閉会の挨拶で美齊津先生は、復興はまだ道途中なので今後ともこのシンポジウムをシリーズ化したいと語られました。
尚、本シンポジウムの内容の一部は、雑誌「月刊化学」(化学同人)2011年12月号に掲載され、より広く化学教育・研究に携わる人々に公開される予定です。
►追記
月刊化学12月号に掲載されました。化学同人会のサイトでこの特集記事を無料閲覧できます。(電子ブックとして閲覧できるそうです)
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11月1日(火)、福島東高校のみなさん68名が理学研究科を訪れました。午前中地学専攻 掛川先生の講義を受けた後、掛川先生の案内でキャンパスの散策。午後から自然史標本館の見学というコースでした。生協の食堂でお昼を食べている最中に理学研究科の避難訓練があり、驚いたのではないでしょうか?自然史標本館では、大きなイワシクジラの標本を見上げる姿、人骨の前で写メと撮る姿、ステゴザウルスの真似をする姿などを見かけました。無邪気な高校生の様子に、掛川先生も笑顔で説明しておりました。
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11月1日(火)、平成23年度東北大学理学研究科防災訓練を実施しました。
本年3月11日に発生した東日本大震災の余震に備えて、被害を最小限に抑えるためには緊急地震警報システムを活用した実践的な避難訓練を実施し、システムの周知、防災行動力の向上を図っておくことが大切です。
今回の防災訓練では、災害発生時の各人のとるべき行動の確認、避難ルートおよび避難場所、備蓄品置き場の確認、安否確認の訓練、備蓄品の使用方法の確認を目的にしています。
11時55分、緊急地震警報発生のアナウンスをきっかけに、避難訓練開始。
各自、指定の避難場所へすみやかに移動。専攻ごとに安否確認をして、担当者が災害対策本部へ報告します。
この訓練をしていたおかげで、3月11日の地震にも落ち着いて対応ができたのではないでしょうか。
参加者は1,358名でした。みなさん、お疲れ様でした。
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2004年10月、広報活動の強化・企画・立案を行うことを目的に理学研究科教育支援部(現:理学教育研究支援センター)内に広報室が発足しました。その後、アウトリーチ活動の強化に伴い、2013年度より広報・アウトリーチ支援室となりました。
当室は、(1)研究科ホームページの運営、(2)パンフレット等の各種配布物の作成や発行、(3)教育や研究に関わる様々な情報の収集と学内外に向けての発信、(4)アウトリーチ活動など、広報・アウトリーチに関わる様々な活動を展開しています。
当室は、理学部長・理学研究科長のもとに組織されています。
コアメンバーは、
・広報・アウトリーチ支援室長 小原隆博(惑星プラズマ・大気研究センター)
・広報・アウトリーチ支援室副室長 田中秀和(天文学専攻)
・広報・アウトリーチ支援室副室長 柴田尚和(物理学専攻)
・広報・アウトリーチ支援室副室長 中村達(化学専攻)
・室員 高橋亮特任准教授
千葉淳
佐和由紀
保手濱菜津希
で構成されており(2022年4月現在)、定期的にミーティングを持ち広報・アウトリーチ活動に関する議論を行っています。これらの広報活動は、理学研究科広報・アウトチーリ支援室運営委員会に報告され、同委員会でその活動方針が議論されています。
5月14日、東北大学東京分室(サピアタワー10F)にて東北大学大学院理学研究科 合同入試説明会が開催されました。今年で3回目ですが、毎年少しずつ増えてきた参加者が震災でどうなるのか心配していました。専攻別にみると、化学11名、地学3名、地球物理学6名、天文学11名、数学20名、物理学9名という結果でした。トータルだと去年より3名少ない程度なんですが、物理が例年に比べて少ないという結果になってしましました。毎年一番多いのですが。。。
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