概要
自然界の現象を記述する言葉として、数学は不可欠です。数学は20世紀の半ばまでは物理学とともに発展してきましたが、20世紀後半から21世紀の今日に至るまで、整数論による暗号解析、数理生物学による生命現象の追求、確率論による金融工学への展開、情報幾何学の脳理論への応用などに象徴されるように、数学は自らの進化に加えて幅広い分野に深く関わっています。
東北大学においては、代数学、幾何学、解析学、基礎論など数学のさまざまな分野で活発な研究が行われていて、世界をリードする実績を誇っています。
数学の研究には関連図書の有無が重要ですが、東北大学数学教室は全国でも一、二を争う規模と価値を持った数学関連図書を所蔵しています。また、数学教室で発行している日本最古の欧文の数学専門誌「東北数学雑誌」は、世界中の大学図書館に常備されている権威ある雑誌です。さまざまな現象を統括する深遠な真理を探求したい方を歓迎します。
受験生の方へ
数学とはいったいどのような学問でしょうか。さまざまな数の間に成り立つ不思議な関係や、図形の美しい性質などはいつの時代にも人々の関心を引き付けずにはおきません。例えば、凸多面体においては(面の数)-(辺の数)+(頂点の数)=2という関係が常に成り立つというオイラーの定理があります。このような不思議な美しい関係をより深く研究するのが、数学という学問です。また、皆さんが高校で学んだ微分や積分はニュートンが発見したものであり、物体の運動距離を時間の関数で表したときに、それを微分すると速度がわかりそれを更に微分すると加速度がわかります。反対に、19世紀のリーマンによる曲った空間における幾何学が、アインシュタインによって物理学の一般相対性理論に応用されたこともあります。このような数学との関係は物理学に限らず、化学、生物学、暗号理論などの情報科学、工学、社会科学などとの間にもあります。今後も、学問の諸分野における数学の重要性は益々高まっていくでしょう。
先輩からのメッセージ

岩手県立黒沢尻北高等学校出身
佐藤 由菜 さん

麻布高等学校出身
荒木 緒途 さん