国立大学法人東北大学大学院理学研究科の磯部寛之教授の研究グループは、ジグザグ型カーボンナノチューブのボトムアップ化学合成に世界で初めて成功しました。2011年10月に発表した「らせん型」「アームチェア型」の有限長カーボンナノチューブに続き、最後に残っていた「ジグザグ型」有限長カーボンナノチューブのボトムアップ化学合成に成功したものです。クリセンと呼ばれる芳香族分子4つをカップリング反応により環状につなげる独自の化学合成法により、これまでに「らせん型」「アームチェア型」を混合物として合成していましたが、今回の合成ではクリセン分子をつなげる位置を変えることで「ジグザグ型」単一種の選択的な化学合成を実現しました。「ジグザグ型」有限長カーボンナノチューブは反応性が高いために、その合成は困難であるという理論的予測がなされていましたが、今回の成果はこの予測を覆すものとなります。さらに、X 線を用いた分子構造解析により、これまでに想定されていなかったナノチューブの織り込み構造を発見し、カーボンナノチューブを紐状に並べる新しい方法を見いだしました。
この研究成果は、米国化学会誌(Journal of The American Chemical Society)に2012年7月16日に公開(Just Accepted 論文として)されました。
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