東北大学 大学院理学研究科・理学部

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千島海溝南部での海底地殻変動観測を開始 ~地震津波災害軽減への貢献に期待~

概要

北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターでは、東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター及び同大学災害科学国際研究所と協力し、千島海溝南部の北海道十勝根室沖の海域において、地震を引き起こす「ひずみ」の蓄積状況を直接計測する海底基準局の設置に成功しました。

当該海域では、国がマグニチュード8.8以上の超巨大地震の発生が切迫していると評価しており、北海道太平洋沿岸部では巨大津波等により甚大な被害が出る恐れがあります。今後、1年に1回程度の測定を実施することで、海底の地殻変動を示す「ひずみ」の蓄積状況を明らかにし、地震の長期評価やより信頼度の高い津波浸水予測など、地震津波防災対策に貢献するデータの取得を目指します。

□ 東北大学ウェブサイト



プロジェクト開始に至った経緯

日本周辺で発生する超巨大地震の大半は、プレートが沈み込む太平洋沿岸の沖合で発生します。しかし、震源域は陸から離れているため、陸上の観測データだけでは、地震を発生させる「ひずみ」の詳細な蓄積状況を把握することが困難でした。国や大学等では、日本海溝や南海トラフ等において海底地殻変動観測を実施し、詳細な「ひずみ」の分布の観測に成功しています。しかし、これまで北海道の沖合にあたる千島海溝南部では観測が実施されておらず、「ひずみ」の蓄積状況が不明でした。



内容・意義

北海道十勝根室沖の水深2,700mから5,700mの海底下に、3か所の海底基準局を新たに設置しました。船舶に装備された音響測距装置による測量を実施することで、海底基準局の位置を数cmの精度で測定します。北海道十勝根室沖では、太平洋プレートが北海道の地下に年間8cm程度沈み込んでいるため、1年に1回程度の測量を数年間行うことで、海底基準局の動きの把握が可能になり、「ひずみ」の蓄積状況が明らかになると期待されます。

観測の結果は、地震の長期評価や、より信頼度の高い津波浸水予測など、地震津波災害の軽減に向けた基礎データとして活用する予定です。



開始時期

2019年7月5日



問い合わせ先


<研究に関すること>
東北大学大学院理学研究科 兼務 東北大学災害科学国際研究所
教授 日野亮太(ひのりょうた) 電話:022-225-1950
E-mail:hino[at]tohoku.ac.jp

<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科広報・アウトリーチ支援室
電話:022-795-6708
E-mail:sci-pr[at]mail.sci.tohoku.ac.jp
*[at]を@に置き換えてください



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