東北大学 大学院理学研究科・理学部

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数学専攻 猪奥倫左 准教授が日本数学会函数方程式論分科会で第十四回福原賞を受賞

受賞者 猪奥倫左[数学専攻 准教授]
賞名 第十四回福原賞
受賞日 2022年12月24日
業績題目 臨界型函数不等式に付随する変分問題および一般化された藤田型方程式の研究
受賞理由 猪奥倫左氏は,函数解析において現れる臨界型函数不等式とそれにまつわる変分問題,さらにはそれらの不等式にまつわる臨界型非線型偏微分方程式に関する研究において優れた成果を収めてきた.猪奥氏の研究は,函数の再配列理論,実補間定理を用いた函数不等式の最良性の探求をベースとしつつ,従来開発されてきた手法では取り扱うことが困難であった楕円型・放物型の非線型偏微分方程式の解析に対して独創的な手法や視点を与えるものである.特にハーディ・ソボレフ不等式に関する石渡通徳氏らとの一連の共同研究では,最良定数の到達不可能性と最適な剰余項の特定に関して非常に精密な結果を得ている.また一般領域で最良定数の到達不可能性が知られている臨界型ソボレフ不等式に対して,球を保存するようなあるスケール変換を導入し,これを用いて球上で最良定数を達成する修正ソボレフ不等式を考えた.この研究はその後,同様の構造を持つ多くの函数不等式に対する派生研究を通じて様々な新たな結果を生み出す契機となった.また,藤嶋陽平氏との共同研究では,スケール不変性を伴わない藤田型方程式に対して,局所適切性や解の漸近挙動を明らかにし,さらに一般的な爆発項を持つ藤田型方程式の極限方程式が本質的には冪乗型と指数型へ分類できることを導出した.このように猪奥氏の一連の研究成果は秀でたものであり,その業績は函数方程式論分科会福原賞にふさわしいものである.
授与機関 日本数学会函数方程式論分科会
詳細 日本数学会函数方程式論分科会 第十四回(2022年度)福原賞


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